復活ののろしを上げる! 木村メイジが優勝/全国大学選抜選手権

拳法
2022.07.06

 明大の選手のみでベスト4を占めた東日本学生個人選手権から3週間。団体戦の全国王者を決める戦いが開催された。明大は初戦から着々と勝利を積み重ね、決勝で大商大を倒し、優勝を果たした。

 

◆7・3 全国大学選抜選手権(日大文理学部 百周年記念館)

〈男子〉

▼明大――1位

・1回戦

明 大4-0同 大

○井 上2-0横 橋

○山 田2-0山 中

○土 屋2-0山 澄

 大 川0-0石 原

○木 村2-0新 垣

 

・2回戦

明 大4-1青学大

野 村2-0島 野

○山 田2-0飯 沼

○吉 田2-1大 林

○森 川(不戦勝)

 蓮 野0-2小 田○

 

・準々決勝

明 大5-0立命大

○野 村2-0隅 田

○井 上2-0前 川

○森 川2-0岩 本

○吉 田2-0 脇    

○木 村2-0穴 生

 

・準決勝

明 大3-1中 大

 土 屋1-2横 井○

 森 川0-0松 村

○木 村2-0竹 原

○野 村2-0倉 田

○井 上2-0広 兼

 

・決勝

明 大3-1大商大

○井 上2-0野 川

 野 村1-1小土井

   土 屋0-2浦 窪○

○吉 田2-0畑 中

○木 村2-0上 田

〈女子〉

▼明大――1回戦敗退

・1回戦 

明 大0-3関西学大

市 川0-2塩 谷○

 (不戦敗)勝 井○

西 尾0-2瀧 花○

 

 団体戦としては、5月に開催され、惜しくも準優勝で終わった東日本大学リーグ戦以来となった今大会。飛ぶ鳥を落とす勢いで準々決勝まで勝ちを重ね、迎えた準決勝は中大との一戦に。東日本大学リーグ戦で惜敗し、優勝旗を奪われた相手を前に「勝つか負けるか分からない状況だった」(木村柊也主将・文4=関西福祉科学大)。先鋒が1-2で敗れると、次鋒は引き分け。苦しい状況に追い込まれたが「ベストバトルを見せることができた」(野村龍星・文3=関西福祉科学大)。中堅の野村が得意の右ストレートで相手を撃破すると、流れを引き寄せた明大がそこから3連勝。中大に雪辱(せつじょく)を果たし、決勝へと駒を進めた。

 

 決勝は強豪・関大を下した大商大との一戦となった。先鋒の井上晴陽(法2=三井)がクロスカウンターで2本先取したものの、次鋒は引き分けで中堅は敗北。勝敗の行方は副将の吉田大輝(法4=明大中野)に委ねられたが「ポイントゲッターとしての役割を果たすことができた」(吉田)。初めて全国大会決勝のメンバーに名を連ねた吉田がプレッシャーに打ち勝ち勝利を収めると、ラストを飾ったのは大将の木村。開始直後に片足タックルから抑え込み面突きで1本を先取すると、右のアッパーで2本目を奪取。3-1で大商大を下し、優勝で前期を締めくくった。

 

 「選抜選手権に向けて、毎日全員で追い込めるような状況をつくることができた」(木村)。今シーズンが始まった当初は試合に出ている選手とそうでない選手の間にモチベーションの差が生じていた。しかし、東日本大学リーグ戦での敗戦から2カ月。木村メイジは一つのチームとしてまとまりつつある。後期には全日本学生個人選手権と全日本学生選手権(以下、府立)という主要な2大会が控えている。個々の力を磨き、それがチーム全体に還元されたときに府立の3連覇が待っている。栄冠のそのときまで。木村メイジの挑戦は続く。

 

[新津颯太朗]

(写真提供:明治大学体育会拳法部)

 

試合後のコメント

木村

――決勝を振り返っていかがですか。

 「決勝戦は関大が上がってくると思っていましたが、そこに勝った大商大学が上がってきました。波に乗っている感じがあったので、そこに飲み込まれないように気を引き締めて臨みました」

 

――9月25日に開催される総合選手権大会への意気込みをお願いします。

 「総合選手権大会は2連覇が懸かっている大会です。全国の強豪が集まっている大会なので、それで優勝するのが日本拳法をやっている人の夢です。たくさんの強い選手と戦えるので、試合を楽しみつつ最後は優勝できたらいいなと思います」

 

吉田

――今大会に向けてどのような点を強化してきましたか。

 「自分は組み技が得意なので、組み技につなげるための打撃や組み技に見せかけての打撃を意識して強化してきました」

 

――決勝戦を振り返っていかがですか。

 「自分の練習してきた部分を出すことができました。1対1で回ってきて後ろには木村がいたので自分が勝てば優勝だと思っていたので死んでも勝とうと思って臨みました」

 

野村

――決勝では引き分けとなりましたが、振り返っていかがですか。

 「僕は正直秒殺を狙っていました。前半にペースを上げ過ぎて後半ガス欠になってしまいました。相手にガードで来られて結構苦しかったですね。団体戦は自分の勝ち方によって次の選手の勝敗やチームの雰囲気が変わるので、今日は勝ってチームを盛り上げたかったですね」

 

――総合選手権大会への意気込みをお願いします。

 「優勝します!」

 

井上

――決勝では3分間にわたる戦いを制しましたがいかがですか。

 「相手がガードを固めて詰めてくる選手なので、相手が疲れたところで攻め込むという作戦でした。3分の中でさまざまな技を使い、相手が焦って攻めてきたところにカウンターを仕掛けようと思っていました」

 

――総合選手権大会への意気込みをお願いします。

 「学生だけでなく、自衛隊の方なども参戦する拳法界で最も大きな個人の大会です。自衛隊の強さを体感してみたいということと、自分の力がどのくらい通用するのかを確かめたいと思っています」