
玉川大に100点ゲーム 攻撃で圧倒し大勝を飾る/練習試合
関東大学春季大会(以下、春季大会)が幕を閉じ、2週間ぶりの試合となった明大。36℃の炎天下の中、これからの活躍に期待がかかるC戦メンバーの試合が30分ハーフで行われた。オフで練習がなかった期間のブランクを感じさせない力強いプレーで前半から得点を重ね、後半もパス展開を中心にトライを決め続ける。最終スコア113―0と、今年度2回目の100点ゲームで大勝を飾った。
◆7・2 練習試合(会場非公開)
▼玉川大C戦
◯明大113{68―0、45―0}0玉川大
前半は自陣にボールを寄せ付けない、明大の攻撃が続く展開だった。前半2分、左プロップ伊藤潤乃助(文1=常翔学園)が相手のディフェンスを振り切り、先制トライを決める。その1分後にはナンバーエイト楠田知己(政経1=東海大大阪仰星)からのパスを受け取った右ウイング坂本公平(情コミ2=東福岡)が快走しトライ。前半10分のハーフウエーラインでの明大ボールのスクラム、これが今試合初のセットプレーになるほど、攻守共にミスがないまま試合は進む。このスクラムで明大は圧倒的な体格差でスクラムを制し、スクラムハーフ仲間航太(文1=常翔学園)からパスを受け取った左ウイング關根瑞己(商4=明大中野)がグラウンディング。3分後にはハーフウエーラインで玉川大ボールのラインアウトがあったが、強靭なディフェンスで自陣にボールが入ることすら許さない。14分には明大ボールのスクラムからパスを展開し仲間がトライ。その3分後にも右センター平翔太(商1=東福岡)からのパスを受け取った仲間が再び得点を決める。1年生の活躍が光る展開となった。「パスを受け取るまでの過程のみんなが凄かったので、みんなのおかげでトライを決められた」(仲間)。前半終了間際、左センター山田歩季(商2=京都成章)がディフェンスの隙をつき、独走トライ。68―0で試合を折り返す。
後半も明大の一方的な攻撃は続く。後半開始1分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトから右方向にパスを展開し、井上茉紗樹(政経1=佐賀工業)が後半最初の得点を決める。「1対1のときに強くやることを意識した」(井上)。12分、敵陣22メートルでのマイボールラインアウトから左方向にパスが繋がる。渡邉陽平(商1=開志国際)からのパスを受け取った工藤光平(法4=大分舞鶴)がグラウンディング。その5分後、後半のキッカーを務めた青木大輔(法2=明大中野)がトライとコンバージョンキックを決め、101―0となり、100点ゲームが決定した。24分にもボールを敵陣に運び、青木、右フランカー柳田治久(法3=明大中野)とパスをハーフウエーラインから展開。最終パスを受け取った榎本凜太郎(営3=立命館慶祥)が今試合最後となる得点を決めた。
今試合は春季大会後のオフ明け初の試合となったが「チームで合わせる時間がなかったので、個人で一人一人がゲインするように練習していた」(伊藤)。春季大会は3位で幕を閉じたが、2か月後には対抗戦が控えている。今よりもパワーアップした明大が対抗戦で大暴れするのが楽しみだ。2年ぶりの対抗戦優勝に向けて明大の成長は続く。
[森口絵美理]
試合後のコメント
ゲームキャプテン・フルバック永友利玖(情コミ4=国学院久我山)
――試合を振り返っていかがですか。
「空いているスペースを突いてアタックすることができたと思うのですが、所々明治のスタンダードであったりクオリティーが及ばなかったりしたので、次はもっと高いレベルを求めたいです」
伊藤
――今試合はフル出場でした。
「今日は30分ハーフといつもより10分短い試合でしたが、それでも体力的にしんどかったので、80分走り切れる体を作っていきたいです」
井上
――次の試合に向けて改善点はありますか。
「細かいミスを直して、もっと良いプレーをしたいです」
仲間
――夏に強化したい点を教えてください。
「フィットネスを強めることと、アタックセンスはある方だと思うのでそこをしっかり生かして、上のチームに絡んでいきたいです」
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