
鴇田は準々決勝で惜敗、山崎も初戦敗退で入賞ならず 明治杯閉幕/全日本選抜選手権
最終日を迎えた全日本選抜選手権(以下、明治杯)。明大からは鴇田昇大(文4=足利大付)、山崎然生(営3=いなべ総合)が出場した。鴇田は初戦を7―3で勝利を収めるも、準々決勝で惜敗。山崎も初戦敗退となり、今大会の幕を下ろした。
◆6・16~19 全日本選抜選手権(駒沢体育館)
[男子フリースタイル]
▼57キロ級
鴇田――準々決勝進出
[男子グレコローマンスタイル]
▼77キロ級
山崎――1回戦敗退
東京五輪出場選手をはじめ、全国から強者が集まる明治杯は最終日を迎えた。明大からは鴇田が男子フリースタイル57キロ級に出場。昨年度の全日本学生選手権(以下、インカレ)で対戦した山根(拓大)との初戦は「試合開始2分で左手が言うことを聞かなくなった」。もともと痛めていた左肩に衝撃が走り、すぐさま作戦を変更。守りに徹して自分の得意な流れになるのを待った。0―1で迎えた第2ピリオド開始30秒、その戦略が功を奏す。相手のバックを取り得点を重ねると、6点追加し逆転に成功。その後、相手のチャレンジ失敗により1点を獲得すると、最終スコア7-3で準々決勝への切符を得た。
続く準々決勝の相手は昨年度のアジア選手権3位の竹下(日体大)だ。鴇田にとっては「高校生の時からずっと背中を追ってきたが、勝てなかった選手」。パッシブによる失点や場外に出されるなど、1点技を積み重ねられ合計で3点を先制された。しかし、試合終了30秒前、鴇田は怒涛(どとう)の反撃に出る。勢いよくタックルに出ると、ビックポイント技が決まり合計で4点を獲得。逆転に成功し、後は耐えるだけだった。しかし、終了のブザーが鳴る僅か1秒前「相手にプレッシャーをかけられ、下がってしまった」。2点を決められ、逆転の末、最終スコア4-6で惜しくも敗退。実は今大会、鴇田にとっては人生をかけた大勝負だった。「社会人になってもやるのか、やめるのかここで見切りをつけよう思っていた」。勝利まであと一歩。その分悔しさも大きく、マットに顔を埋める姿が見えた。
一方、男子グレコローマンスタイル77キロ級に出場した山崎も初戦で対戦したJOCジュニアオリンピックカップ優勝の堀北(日体大)にテクニカルフォール負けとなった。両者とも悔しさの残る結果となったが、次戦への確かな足掛かりを得た。「全日本のトップの選手や国際大会で活躍しているような選手ともしっかり勝負をすることができ、自信になった」(鴇田)。一方で、明大から6人が出場した今大会は格上の相手との間にある壁を感じるような試合も多かった。だからこそ選手たちの学びも多い。次の舞台は6月29日〜7月1日にかけて開催される東日本学生春季選手権だ。また、8月に鴇田ら4年生にとっては最後のインカレも控える。「去年は決勝で負けたので、今年は優勝を目指したい」。選手たちは各々の課題を乗り越え、よりパワーアップした姿を見せてくれるだろう。
[井手満菜]
試合後のコメント
鴇田
――今試合の全体的な振り返りをお願いします。
「1回戦目(の相手)はインカレの準決勝で手合わせしたことがあって、その時も勝てたので今回も負けてはいけないと思っていました。少しプレッシャーもありましたが、勝ち切ることができて一安心でした。2回戦目の竹下選手はずっと目標としている選手で、2回戦で組めたので、ここがチャンスだ、リベンジしようと強く思っていました。結果、ラスト1秒で逆転負けしてしまいましたが、それが僕の今の実力としてしっかり受け止めて、次に生かそうと思っています」
――今試合の良かった点を教えて下さい。
「今日の良かった点はまずは1回勝っている相手にしっかり勝ち切れたことです。1回勝っているといっても全然勝てるかどうかも分からない選手だったので、もう1回勝ち切れたことが良かった点です。二つ目は国際大会でも活躍しているような選手ともしっかり勝負ができた点です。負けてしまったので惜しいとか関係ないと思いますが、試合の内容的にはしっかりと勝負できたので、次は負けないぞ、次にやったら勝ちにいけるという自信もつきました。今後も試合が控えているので、今やっている練習内容が間違ってなかったというのが再確認できて良かったです」
――今後の課題について教えて下さい。
「2回戦目のラスト1秒で負けた敗因は、最後勝っている状態になって冷静になれなかった点だと思っています。そういう面では今回とてもいい勉強になったので、次に対戦したときは冷静に対処できるように試合を意識してこれからの練習を行いたいです。次はそのようなミスをしないでしっかりと勝ち切りたいと思います」
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