三井5位入賞 明大勢として上々の滑り出し/全日本選抜選手権
高校生、大学生、社会人問わず日本中の猛者たちが集う全日本選抜選手権。4日間かけて行われる大会の初日、明大からは 三井潤(法3=鹿島学園)が初出場。最上位層には辛くも敗れたものの、初出場ながら5位入賞と大健闘をみせた。
◆6・16〜19 全日本選抜選手権(駒沢体育館)
[グレコローマンスタイル]
▼63キロ級
三井――5位
初戦の相手は丸山蒼生(日体大)。「五分五分の試合になると思っていた」。予想通り序盤にパッシブで先制されたあと、点数が中々動かず膠着状態が続く。しかしついに、1-1の同点で迎えた何度目かのパーテールポジションで焦った相手が勝負に出る。三井の上半身を大きく抱え込み、ローリングでの大量得点を狙ったのだ。下半身が使えないグレコローマンスタイルにおいて、上半身を持ち上げられるというのは致命的。そのまま失点してしまうかと思われたが、その焦りを見逃さず姿勢を切り返すとバックで2得点を獲得する。それが決勝点となり「狙い通りの勝ち方」と見事初戦を突破した。続く2回戦も得意のプレッシャーをかけるスタイルが功を奏し、場外やバックで着実に得点を稼いでいく。そのまま相手に1点も与えることなくテクニカルフォール勝ちを決めた。
いい流れのまま迎えた準決勝の相手は昨年度の天皇杯で準優勝している池田龍斗(日体クラブ)。「圧をかけるプレースタイルが似ていた」。積極的に圧をかけて得意の腕取りを狙うも、似たスタイルの相手にはうまく決まらず。終始相手に圧倒され実力の差を見せつけられることとなった。3、5位決定戦の相手は昨年度全日本グレコローマン選手権の決勝でも対戦経験のある小柴亮太(佐賀中部農林事務所)。序盤はお互いパッシブによる得点のみと実力は均衡しているかに見えた。しかしパーテールポジションを取られてからは状況が一変。ローリングによる大量得点を決められ「昨年度の決勝でも同じ負け方をしてしまった」と悔しい敗北を喫した。
(写真:池田選手の猛攻を受ける三井)
初出場5位という結果にもまだまだ満足していない。「今回決勝に出ている日体大の選手(丸山千恵蔵・今大会準優勝)に勝たないと大学で1番にはなれない」。常に上を見据える三井が頂きに立つ日は近い。
[向井瑠風]
試合後のコメント
三井
ーー今大会の目標はどんなものでしたか。
「低いのですが一応入賞を目指していました。入賞すれば来年の天皇杯の出場権が得られるので」
ーー全体的にどんな風に試合を進めていこうなど作戦はありましたか。
「大会の一週間前に右膝をけがしてしまっていて。思うように自分のプレーができない中で自分の得意なプレッシャーや腕取りなどをしていこうと思っていました(膝は治るまでしばらくかかりそうですか)そうですね、この大会でも試合をやるごとに痛くなったりしてきたので…休んでまたインカレに向けてという感じです」
ーーインカレに向けて意気込みをお願いします。
「今回決勝に上がっている日体大の学生の選手がいるのですが、そこに勝たないと優勝できないので、高校大学とずっと2位なので3、4年生で優勝出来たらなと思います(ずっと同じ選手に高校から負けているのですか?)高校の時は階級違ったから当たっていないのですが、大学生になってから2連敗しています」
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