光岡2位 関本5位 世界の舞台で明大勢が躍進/オーストリアジュニア国際大会

柔道 2022.06.14

 ジュニア世代の強豪選手が世界各地から集結するオーストリアジュニア国際大会が開催され、明大からは60キロ級の関本賢太(商2=習志野)と、66キロ級の光岡岳人(商2=大牟田)が出場した。両選手とも世界の強豪相手に真っ向勝負を挑み、関本は5位、光岡は準優勝と健闘。優勝は逃したものの、日本柔道界のスター候補に名乗りを上げた。

 

◆6・4オーストリアジュニア国際大会(グラーツ)

▼60キロ級

関本――5位

▼66キロ級

光岡――2位

 

 「柔道は日本で生まれたスポーツ。日本の代表として絶対に負けられない」(関本)。普段は明大の看板を背負って戦う関本だが、今大会は日の丸を背負う戦いとなる。彼の表情はいつも以上に引き締まっていた。1回戦から関本らしいスピード感のある戦いで相手を翻弄(ほんろう)し、危なげない戦いで勝利を重ねた。そして迎えた準決勝。相手は4月にポーランドで行われた世界ジュニア選手権で優勝しているカザフスタン選手。強敵相手に序盤から積極的に仕掛け、早い段階で指導を奪うなど「自分のペースだった」。そして3分13秒、関本が前に突っ込むような形で技をかけ、崩される形で相手選手が倒れ込み審判の手が上がる。関本の勝利が確定したように見えたが、結果は相手選手の勝利。実は関本が技をかけた際に頭から畳に付いてしまい、それが危険な技と見なされ反則負けとなってしまったのだ。「一瞬の選択ミスだった」と悔やむ不運な敗北となり、優勝への道は途絶えた。続く3位決定戦も「精神的に切り替えられなかった」と地元のオーストリア選手を前にペースをつかめず敗退。結果は5位と入賞は果たせたものの、ほろ苦い国際大会デビューとなった。

 

 66キロ級の光岡は1、2回戦を危なげなく勝利するものの3回戦でピンチが訪れる。試合開始1分6秒。「今大会で一番力の強い選手だった」と、ジョージア選手の強引な攻めを前に技ありを取られてしまう。それでも光岡は「外国人選手は指導への危機感が甘い」と、守りに入った相手に対し、しつこく攻め続けて指導を奪っていく。結果的に3つの指導を獲得し優勢勝ち。諦めない精神力と確かな観察眼で絶体絶命のピンチをしのいだ。3回戦の勝利で勢いづいた光岡は危なげなく勝利を重ね決勝に進出する。そして迎えた最後の戦い。ここで勝利すれば2019年度に神垣和也選手(令和3年商卒・現京葉ガス)が優勝して以来の世界ジュニアチャンピオンとなる。そんなプレッシャーのかかる状況でも「自分の柔道ができれば勝てる」と、堂々とした戦いで一進一退の攻防を繰り広げる。そして1分52秒、相手の一瞬のスキをついて豪快に投げ込み、審判の手が上がった。光岡の快挙達成かと思われたが「判断ミスだった」と、判定は関本の準決勝と同じく自分の頭が畳に付いたことによる反則負け。あと一歩のところで優勝を逃した。

 

 両選手とも快挙達成とはならなかったが、世界の強敵に対しても強気に挑む姿勢はさらなる躍進を予感させた。世界の舞台を経験して一回り大きくなった2人、日本一の目標に向けまだまだ進化を続ける。

 

[山岡慎]

(写真は本人提供)

 

試合後のコメント

関本

――今大会はどういった目標を持って挑みましたか。

 「最低でも優勝という思いで挑みました。しかし、今回は減量がうまくいかなくて、思うような結果が出せなかったという感じです」

 

――3位決定戦では地元の選手との対戦となりアウェーの雰囲気でした。

 「反則を取られるのが少し早かったり、観客の声が大きくブーイングも少しあったりした感じです。そこでしっかりと自分のペースで組むことができず、やりづらかったです」

 

――これからの目標、意気込みをお願いします。

 「今年度は学生日本一を狙っていこうと思っています。今回の反省を改善しながらもっと自分らしい柔道ができるようにしていきたいです」

 

光岡

――決勝の前のプレッシャーはありましたか。

 「プレッシャーはあまり感じていなかったですが、自分のやるべきことをやれば勝てると思っていたので、緊張はなかったです」

 

――今大会の良かった点はありますか。

 「海外の選手は単調な攻めが多いので、日本人特有の組み手を2つ組んで、相手をずらす柔道を展開できたのは良かったかなと思います」

 

――今大会での経験を明大にどのように生かしていきますか。

 「国際大会は移動が日本食ではなく、海外の食事でリカバリーすることや水の違いなど知らないことがたくさんあったので周りにも伝えて生かしていきたいなと思います」


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