気持ち新たに躍動! 3人が表彰台へ/全日本学生個人選手権

ウエイトリフティング
2022.06.12

 暖かな春にふさわしい吉報が届いた。全員が気持ちを新たに挑んだ今大会。初日、ルーキーの深見健(政経1=安曇川)が初めての大舞台で総合3位という記録を残した。その流れに乗って2日目には3月の全日本学生選抜選手権で好成績を残した上水良介(政経4=埼玉栄)が総合2位。最終日には川上直哉(政経3=尼崎工)が総合3位とそれぞれ表彰台入りを果たす。結果が振るわなかった選手も含め、次につながる大会となった。(※写真は明大ウエイトリフティング部提供です)

 

5・13~15 第68回全日本学生個人選手権(はびきのコロセアム)

55キロ級

 3位 深見(S94 J119 T213)

 5位 坂口(S88 J115 T203)

61キロ級

 7位 加藤(S101 J105 T206)

 森本 記録なし

81キロ級

 6位 足立(S124 J152 T276)

89キロ級

 2位 上水(S136 J165 T301)

102キロ級

 3位 川上(S137 J168 T305)

 寺西 記録なし

109キロ級

 5位 木下(S123 J148 T271)

+109キロ級 

 4位 藤谷(S127 J171 T298)

S…スナッチ、J…ジャーク、T…トータル

 

 ルーキーが輝かしい記録を残した。明大ウエイトリフティング部として初めての大会。「緊張もあったが、自分の力を出し切って頑張ろうと思った」(深見)と、スナッチの1本目から全体1位となる94キロを挙げることに成功。しかし続く2本目、98キロに挑むも踏ん張ることができなかった。その後他の選手に記録を塗り替えられ、スナッチ終了時点で3位に付ける。この結果に深見は「体重管理がうまくできていなかった」と悔しさをにじませた。スナッチの無念を晴らそうと臨んだジャークでは1本目、2本目と順調に記録を伸ばし、自己ベストに次ぐ119キロを拳上。3本目には記録更新を目指し121キロに果敢に挑むも、最後に油断してしまった。静止直前で踏ん張れず失敗してしまい、自己ベスト更新とはならず。それでも「以前よりフォームは良くなってきている」と確かな収穫があった。今大会の自己採点は60点と課題を残す形にはなったものの、1年生では唯一の表彰台となる総合3位。幸先の良いスタートを切った期待の新人に今後も目が離せない。

 

 「今度こそは1位を取りたい」(上水)。と全日本学生選抜選手権で総合3位だった悔しさを胸に意気込んで挑んだ上水。得意のスナッチでは1回目の試技で全体トップの130キロを記録。しかし2回目の試技で134キロを失敗してしまい、優勝するには自己ベスト以上の記録が必須に。それでもプレッシャーを感じさせない安定した様子で成功。下ろした瞬間、両手のガッツポーズで喜びが溢れ出た。総合優勝を狙い、苦手とするジャークでは背筋力と上げる時の姿勢を改善して練習に励んでいた。しかし大会前に腰のけがに襲われてしまう。2回目の試技で失敗し、腰の影響もあり練習であげていなかった165キロを成功させるため覚悟を決める。上水の思いの強さに身体が応え、成功。だが当初の予定より記録は伸ばせず、トータル1キロ差で優勝を逃してしまった。それでも「次の大会はメリハリのある練習を意識し、両種目、トータル全て1位を取れるように頑張る」と、すでに前を向いている。

 

 試合前には、「記録は狙わないで、自分の試技をできればいいなと思っていた」と目標を掲げていた川上。昨年度12月のインカレが終わってから、5月の個人戦に絞って目指して調整してきたため今大会は調子が良かったと語った。スナッチでは1回目の試技を失敗してしまったが、すぐさま修正して2位の好位置に付ける。ジャークでは1回目の試技を成功するも、5キロ上げた2回目の試技を失敗してしまい、流れを作れず。この失敗を「いつもより調子が良かったので、記録を狙っていこうと自分にプレッシャーをかけすぎた」と振り返った。上位につけるには絶対に失敗できない3回目。挙げる気持ちが十分にあった川上は重量を上げることを監督に志願し、168キロを無事に成功させた。「調子の良さに慢心していた」と結果には満足していないが、上位の選手との〝差〟を埋めるために余念はない。

 

[杉田凜、高橋佳菜]

 

試合後のコメント

上水

――1キロ差で優勝を逃してしまった原因を教えてください。

 「試合の2週間ほど前に練習できないほど腰を痛めてしまったのが大きな原因です。当初の予定だと5キロから10キロ上を取れる予定だったので、自分の管理不足です」

 

――最上級生として意気込みをお願いします。

 「インカレで団体3位が目標なので、チーム一丸となって全員で記録を伸ばして、結果を残したいと思います」

 

川上

――スナッチの失敗から切り替えることができた要因を教えてください。

 「1回目は勢いが余って落としてしまったので、慎重に挙げる気持ちで挑みました。思い通りの試技ができて良かったです」

 

――これからの目標を教えてください。

 「7月に東日本大学対抗選手権があるので頑張っていきたいです。全日本インカレでは優勝争いできるように力を付けていきたいです」

 

深見

――明大勢1年生で唯一の表彰台ですがいかがですか。

 「大学に入って初めての試合で3位には入りたいと思っていたので、記録的にはあまり納得はいってないですが順位的にはうれしかったです」

 

――これからの試合ではスナッチとジャークそれぞれ何キロを目指しますか。

 「世界ジュニアの基準記録がトータルで223キロなので、スナッチ101キロ、ジャーク122キロでいち早くその重量を取りたいです。年内にはスナッチ105キロ、ジャーク130キロを目標に頑張っていきたいと思います」