(女子)江川大学デビュー戦2位! 上位を占めた明大勢/関東学生有志大会

フィギュアスケート 2022.06.07

 関東学生選手権の代替試合として関東学生有志大会が行われ、女子7、8級クラスに4人が出場。全日本選手権(以下、全日本)に出場経験のある選手もいる中、江川マリア(政経1=香椎)がデビュー戦で2位入賞を果たす。4位に松原星(商4=武蔵野学院)、5位に佐藤伊吹(政経4=駒場学園)、6位に堀見華那(商2=愛知みずほ大瑞穂)と、各選手が上位につけ華々しい結果となった。


◆6・5 関東学生有志大会(KOSE新横浜スケートセンター)


 

 デビュー戦となった今大会で『レ・ミゼラブル』を披露した江川。冒頭、トリプルルッツとダブルトーループの連続ジャンプを危なげなく決め観客席から拍手が起こる。持ち味の一つである幅のあるジャンプは健在。「成功したジャンプについては質の高いジャンプが跳べた」と、5本目のトリプルルッツの転倒以外はきれいにまとめ上げた。演技後半では『夢やぶれて』のメロディーに乗り甘美な表情を見せる。音楽の盛り上がりとともに力強さを表現し『民衆の歌』を明るさに満ちた表情で踊り切った。練習の成果を発揮し、見事2位につけた江川。これからの活躍に期待がかかる。

 

(写真:4位の松原)


 「次は決められるようにしたい」。ジャンプの修正を課題に残した松原。トリプルルッツの転倒や減点されるジャンプが見られた。だが、ジャンプ以外の要素では精度の良さを保つ。全てのスピンでレベル4の評価を得た。「一つ一つの動きに滑らされる部分がある」と、滑りの面で教わっていることを意識して演技する。終始、指先まで丁寧な動きを見せ、表情豊かに『フォレスト・ガンプ』を披露した。ジャンプだけでなく見せ方を追求することにも力を入れる。最後の1年もひたむきに突き進む。

 

(写真:5位の佐藤)


 昨年度のFS(フリースケーティング)のプログラムで臨んだ佐藤。1本目の連続ジャンプで転んでしまったものの、続くトリプルループをきれいに着氷させた。音楽に乗り、伸び伸びと落ち着きのある滑りを見せる。演技終盤も乱れることなく、それぞれの要素を得点につなげていく。「スケーティングの部分は今しっかりやっていくことが大事だと思う」。シーズン開幕に向けて、日々の練習を積み重ねていく。


 (写真:6位の堀見)


 練習拠点のリンクの工事が影響し、先月は一般滑走での自主練習を多く行っていた堀見。冒頭、2本のジャンプは完璧な着氷とはならなかったが、徐々に調子を上げていく。練習では跳べていなかったループを着氷させ、笑みを見せた。「最後まで集中してできた」と、演技後半も気を抜かずミスを抑える。生き生きとチャーミングな表情を見せ、レイバックスピンで壮大なピアノ協奏曲を締めくくった。

 

 それぞれコンディションは異なるものの、上位を占めた明大勢。試合後には、各自が具体的な課題や目標を口にした。これからより一層練習に励み、シーズン開幕に向けてブラッシュアップを図る。

 

[守屋沙弥香]

 

試合後のコメント

松原

――今回の演技で良かったところを教えてください。

 「ダブルアクセルとトリプルトーループでリカバリーしたことです。今はジャンプと並行してジャンプ以外のこともしっかりとやっていて、大会だからジャンプだけに集中するのではなくジャンプ以外も気を付けて臨めたので良かったなと思います。頭の中は気を付けることだらけで、まだまだ忙しいです」

 

――具体的にどのようなことに気を付けていましたか。

 「滑る部分です。今まで、どこで滑るというのを意識したことがなかったのですが、一つ一つの動きに滑らせられる部分があるというのを今すごく教わっていて。自分の中で意識しているつもりでも、表面から見たらそれほど変わっていないと思うので、そこが変化として表れるように、見ていて分かるようにしていきたいです。シーズンもそう遠くないというか近くなってきていて、一番しっかり合わせないといけないのは東日本選手権なので、そこに合わせて練習して全日本に出るのが毎年の目標で今年の目標でもあるのでしっかりまとめていきたいと思います」

 

――今年度、スケートをやることにおいての目標はありますか。

 「一番は感謝ですね。ここまで本当にたくさんの人に支えられて18年続けられているので、関わってくださった方々に感謝を込めるという意味でも、ばらつきのある演技をするのではなくて練習拠点を移したからには成長した姿を見せて、そのことが恩返しにつながるとも思っているので、感謝の気持ちも込めて自分のスケートを締めくくれたらなと思います」

 

佐藤

――最終学年になりましたが、いかがですか。

 「出る大会全てが最後の試合なのだなと……。すごく寂しいです。今シーズン、毎日の練習を後悔しないように『あれをやっておけばよかった、これをやっておけばよかった』などと後から思うことがないように全て毎日やっていきたいなと思います。積み重ねが試合の結果にもつながっていくので、楽しくというより後悔しないようにやっていきたいです」

 

――プログラムは継続するのですか。

 「継続するかどうか迷い中という感じで、この前の全日本でこのプログラムですごくいい演技ができたので、それを超えるものはなかなか難しいなという風に思うので自分としては変えたいという気持ちがあって。変える可能性が高いです。(シーズンも近づきつつありますが、いかがですか)かなりまずいなとは思っています(笑)。ここまでスケート以外もバタバタしていてあまり変える暇がなくて。ですが変えたい気持ちはあるのでおそらく次は変えていると思います」

 

堀見

――ピアノ協奏曲で演技されていますが、難しさなどは感じていますか。

 「私は、『他の子に比べたら緩急などがない』といつも先生に言われていて。全部同じリズムでやっているから、強いところは強く弱いところは弱く、物語があるプログラムだと踊りやすいですが、この曲は物語性がほとんどないので、ピアノの曲はそういうところの表現が難しいなと思います。先生には『踊りはきれいだけど全部単調』と言われて、まだまだだなと自分でも思います。ジャンプが入るとジャンプに集中して踊りの部分に行き届かなかったりしてジャンプばかりになってしまって。ジャンプ抜きで練習することもあって、そのときは自分でも表現面を注意してできるのですが、ジャンプを入れると表現の部分まで行き届いていないことがあるので次の試合に向けてやっていかないといけないなと思います」

 

――表現の中で見てもらいたい部分や特に頑張っている部分はありますか。

 「最後のステップで、体を極限まで倒すといいますか、大きくしたり小さくしたりというのを頑張ってやっていて、それでもなおかつしっかりステップを踏めて体を使えるようにしたいです。自分のイメージですが、洗練されているみたいな、そういうスケートをしたいです。表情も見ていただけたらなと思います」

 

――笑顔が印象的です。

 「笑顔でやっていた方が練習も調子が良くて、落ち込んでいるとどんどん跳べなくなるので笑顔は大切にしています」

 

江川

――今回の演技を振り返ってみていかがですか。

 「ジャンプは、成功したジャンプについては質のいいジャンプが跳べて、今シーズンはジャンプを降りるだけではなくて質の良いジャンプを曲で跳ぶというのを目標にしているので、ルッツで惜しいのがありましたが、それ以外はきれいにまとめられたと思います(ダブルアクセルとトリプルトーループの連続ジャンプは幅があったと思いますがいかがでしたか)2本目は詰まってしまって、練習ではああいうミスをしないのですが。跳び過ぎてもうまく着氷できないし、逆に抑えても良くないかなと思うので、大会でそのようなところのコントロールをしっかりできるようにするのが課題かなと思いました」

 

――表現面は振り返ってみていかがですか。

 「この大会まで指先をテーマに練習していて、自分が指先を使っているつもりでも意外と使えていなかったりするので、踊りの表現やステップのときに指先まで神経を働かせて表現するというのを頑張っていました。前よりもダイナミックなところはダイナミックにして、繊細なところは繊細に、そういうところを少しは表現できるようになったかなと思います」

 

――昨年度も『レ・ミゼラブル』でしたが、練習していく中で成長できた部分はありますか。

 「全く同じ曲でやっているのですが、ステップのところのメリハリや力強い動きなどが苦手で、それを自分のものにできるように練習してきました。まだ改善の余地はあると思いますが、以前よりはレベルアップしたかなと思います」


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