若き紫紺、最終回に意地を見せ新人戦優勝/春季木村杯新人戦

準硬式野球 2022.05.30

 28日の早大との一戦を制し、2季連続の新人戦優勝に王手をかけた明大。序盤に幸先良く先制し、明大のペースで試合を進める。しかし、3点リードで迎えた8回裏、連打を許し同点に追い付かれてしまう。それでも迎えた最終回、吉原瑠人捕手(法2=仙台育英)の適時打で勝ち越しに成功。投打ともに意地を見せた明大は、その後の立大の反撃をものともせず、見事新人戦優勝を果たした。

 

◆5・21~5・29 春季木村杯新人戦(早大東伏見グラウンド他)

▼5・29 決勝戦(早大東伏見グラウンド)

 〇明大6-4立大


 決勝戦

 明大

 立大

 

 新人戦優勝が懸かった大一番。中盤までは両投手が投げ合う展開が続いた。明大は2回表、四球をきっかけに好機を作ると、内田昂希外野手(政経2=明大中野)の2点適時二塁打で先制。その後も追加点の好機をつくるが、相手投手の前にあと1本が出ない。そんな展開の中、先発の近藤吏矩投手(営2=札幌一)は「先制点を取った後はいつも以上に丁寧に投げた」と落ち着いた投球を見せた。6回表には福田竜大外野手(商2=鎌倉学園)の適時二塁打で1点を追加。内野陣の好守備にも助けられ、8回表まで3-0と優位に試合を進めた。

 

 このまま明大の優勝かと思われた。ところが、ここまで好投を続けていた近藤に疲れが見え始める。相手打線はこのスキを逃さない。8回裏に4連打を浴び、3失点。あっという間に追い付かれた。その後は小磯孝平投手(政経1=日大二)と松浦寿和投手(法2=明大中野八王子)の継投でしのぎ、同点で9回の攻撃を迎えた。2死一、二塁打席には今大会で主将を務める吉原。ここで決めなければ相手にサヨナラの好機を与えてしまう場面。緊迫した空気に包まれる中、相手投手から投じられた5球目だった。迷いなく振り抜き捉えた打球は、鋭く二遊間の頭上を越えて中適時打に。続く相川幸太郎内野手(政経2=昭和)も「打てる気がしていた」と2点適時打を放ち、この回3点を奪った。9回裏には本塁打で1点を返されるも、その後は松浦が立大の反撃を許さず、最後は空振り三振と二ゴロで試合を締めくくった。

 

 明大は2季連続の新人戦優勝を飾った。あと一打が出ず苦しんだ場面も見られたが、内野陣は堅い守りを見せ決勝戦では無失策だった。投手陣も「体力に課題があるのでスタミナをつけたい」(近藤)と、今後の課題も見つかった。また「もっと上の場面で投げられる投手」と吉原が評する小磯など、新戦力の台頭に注目したい。新人戦を制した明大。秋季リーグでのさらなる飛躍に期待が高まる。

 

[布袋和音]

 

試合後のコメント

吉原

――今日の試合を振り返っていかがですか。

 「先制できて、中押しで3点取れたのですが、もう一歩のところで点が取れませんでした。秋のリーグ戦では、先制、中押し、ダメ押しをしっかりと取れるようにしたいと思います。そうしないと今日みたいに追いつかれる場面も出てくると思うので、そういうところの練習をもっとしっかりやっていきたいです」

 

――勝ち越しの適時打の打席についてはいかがですか。

 「今日全然チャンスで打てていなくて思い通りにできていない部分があったので、きれいなヒットとかいい当たりとかいらず、外野の前に落とせればそれでいいと思っていました。ギリギリ打てて良かったです」

 

近藤

――今日の調子はいかがでしたか。

 「リーグ戦で結構投げていたので疲労がたまっていたと思います。後半に疲れが出てきて打たれてしまいました」

 

――8回裏は吉原選手にどんな言葉をかけてもらいましたか。

 「(気持ちの面で)もっとしっかりしろ、と言われました」

 

相川

――8回裏追いつかれたことに対してどのような心境でしたか。

 「中安打を打たれた時に、自分の下を抜かれて点が入ったので、責任をかなり感じていました。次の打席では取り返したいという気持ちでした」

 

――新人戦を通して感じたことは何ですか。

 「誰かが駄目でも誰かがカバーするというのを体験できたことと、それを見せることができたことが嬉しいです」


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