期待の新星が魅せた! 小泉が圧巻の走りで優勝/東日本学生選手権トラック

自転車
2022.05.10

 入学したての若武者が圧倒的な強さを見せつけた。小泉響貴(政経1=浦和北)はスクラッチに出場。試合中盤から果敢に逃げに転じ、最後まで独走で逃げ切った。見事なレース運びで表彰台のてっぺんに登る。今大会での明大勢としてのメダルは四つ。まずまずの成績を残したが、課題も残る大会となった。いざ大舞台での総合優勝へ。新戦力を起爆剤としてさらなる成長が望まれる。

 

◆5・7~8 第61回東日本学生選手権トラック(松本市美鈴湖自転車競技場)

▼男子1kmタイムトライアル

 吉田――6位

 福地――13位

▼男子4kmインディヴィデュアルパーシュート

 齋藤――15位

▼男子チームスプリント

 上野・吉岡・野中――3位

▼男子スクラッチ

 小泉――1位

▼男子4kmチームパーシュート

 齋藤・吉房・片岡・小泉――4位

▼男子ケイリン

 上野――3位

▼男子スプリント

 吉岡――3位

▼男子ポイントレース

 片岡――4位

 小久保――12位

 小池――13位

 林原――19位

 

 期待のゴールデンルーキーが圧巻の優勝を収めた。前日行われた予選では「消極的になってしまった」とゴール前の勝負に敗れ、8位に沈んだ小泉。しかし、神速を誇るホープは敗戦を力に変える。迎えた決勝でのレース展開は見ている者に衝撃を与えた。スクラッチはトラック競技の中では長い距離で行われるレース。それだけに早い段階での逃げは後ろの集団に追い付かれる可能性も高く、リスクがある。だが、そんな危険も思い切りのいい新星はモノともしなかった。「自分を信じて賭けてみよう」。レース中盤、小泉はアタックを仕掛けると、他大の選手と2人で逃げの体制に入る。一気に差を広げ、後ろの集団とはかなり離れたものの「まだ追い付かれることを予想していた」。さらに共に逃げていた選手が離れ、1人で逃げる状況に陥ってしまう。それでも「これは行くしかない」。敗戦を生かし、強気に覚悟を決めた。勢いづいたその脚はとどまることなく、後ろからのプレッシャーをはねのける。最後の最後までその差は埋まらずに、完全優勝。「逃げ切れてよかった」。そのうれしさから小さなガッツポーズを見せた。

 

 のどかな山奥で激しく火花が散った今大会。明大は、小泉の優勝の他にケイリンでの上野矢竜主将(営4=祐誠)、スプリントの吉岡優太(政経3=茨城県立取手第一)、チームスプリントが全て3位で表彰台に上がった。しかし、見据えているのは全日本大学対抗選手権での総合優勝。それをつかみ取るためには「チーム種目が要になる」(本間滋監督)。この大会前に行われた1週間に及ぶ合宿でもそこに力を入れて、練習を行ってきた。「それぞれの選手がいいモノを持っているので、狙える位置にある」(上野)。新たなピースも加わった明大自転車部。悲願の優勝に向けて一丸となり、進化を続ける。

 

[中村謙吾]

 

試合後のコメント

本間監督

――今後のチームの目標を教えてください。

 「チームの目標はインカレの総合優勝というのを掲げているので、みんなそれぞれ各自で出た課題を見つけて取り組んでくれていると思います。しかし、その中でもチーム種目が要になるのでそこでしっかり結果を残さないと総合優勝は出てこないので、もっともっと上の順位を狙っていけるように仕上げていきたいと思います」

 

上野

――2日間を通してチームとして振り返っていかがでしたか。

 「東日本大会ということで合宿も兼ねて連続で臨んだのですが、疲れもある中でみんないい感じに走れたのではないかと思います。ただ取り切れなかったところや、もっと積極的に仕掛けられると思ったところもあるので、そこは少しもったいなかったと思う反面、トレーニングレースという面に関しては良かったと思います」

 

野中龍之介(営3=法政大高)

――チームスプリントでは3位に輝きました。

 「タイムは合宿の時に測ったものより速かったのですが、1分1秒4ということでもう少し良いタイムが欲しかったと思います。他の1位、2位のチームが1分0秒台を出していて、僕たちももっと合わせれば強くなれると思うので、そこをもっと詰めていきたいです」

 

吉岡

――インカレに向けて意気込みをお願いします。

 「昨年度はコロナによって出られませんでしたし、1年生次も出ることができなかったので、絶対優勝するという気持ちを持って頑張っていきたいと思います」

 

小泉

――本日考えていたゲームプランを教えてください。

 「それは本当になかったです。その展開次第でパッと決めていい展開に持っていこうと考えていました。2人で行った瞬間は集団が怖くて、追い付かれるのを予想して脚をためていました。しかし、1人になった時に半周差あったのでこれは行くしかないと思い、その時に逃げて勝とうと思い、踏みました」