シーズン開幕 男子エイトが17年ぶりにV/日立明三大学レガッタ

端艇
2022.04.11

 今大会で66回目を迎えた伝統の一戦。目標としていた全艇優勝はかなわなかった。しかし対抗種目である男子エイトが17年ぶりの優勝を果たすなど、3艇が頂点に立ち、シーズンの開幕を迎えた。

 

◆4・10 日立明三大学レガッタ(戸田ボートコース)

▼女子シングルスカル(S樋口)――1位

▼男子シングルスカル(S寺井)――2位

▼女子ダブルスカル(S荒川B清野)――1位

▼男子ダブルスカル(S東坂B中山)――2位

▼男子舵手付きフォア(C鹿川S佐々木丈3佐々木剣2松川B門馬)――2位

▼女子エイト(C岡部S青山7磴6田口5小野寺4山吹3林原2田草川B中山)――2位

▼男子エイト(C岡部S平野7岡本6藤井5山本4上戸3金澤2武藤B中條)――1位

 

 悲願の優勝を果たした。対抗種目である男子エイトで、16年間王者の座を明け渡していた明大。2週間前に開催されたお花見レガッタで浮き彫りとなった、スタートの課題を修正して今大会に挑んだ。「対抗種目に対してプライドを持って臨んでほしい」(星遼監督)。スタート直後、最初の6本で日大から半艇身飛び出すと500メートル地点で3秒の差をつける。そのまま勢いに乗ると、力強いこぎで16連覇中の日大を尻目にリードを保つ。強みであるラストスパートを「発揮することができて良かった」(岡本康聖主将・商4=宇和島東)。さらに艇速を上げ、追い上げを見せた日大を見事突き放し優勝。17年ぶりに栄冠を手にした。

 

 一方、同じく対抗種目である女子エイトは課題が残った。勢いよくスタートで飛び出した明大だったが「出られると思わなかった」(林原萌香女子主将・法4=米子西)と焦りが生まれる。慣れないエイトということもあり、8人の息がそろわなくなっていく。じりじりと立大が追い上げを見せると中盤に差され、そのまま挽回はかなわず。5秒という大差をつけられ2位に。それでも女子種目では、シングルスカルの樋口莉胡(文3=大村)とダブルスカルは優勝。「勢いよくこいでくれた」(林原)。それだけに女子エイトは悔しい結果に終わった。

 

 次戦に迎えるのは1カ月後の全日本選手権(以下、全日本)。社会人も含めた厳しい戦いが予想されるが「今日出た課題を修正して臨みたい」(林原)と気合は十分だ。最終目標である全日本大学選手権(以下、インカレ)男女総合優勝に向けて求められる総合力。まずは全日本で弾みをつけたい。

 

[新谷歩美]

 

試合後のコメント  

星監督

――男子エイトが日大に勝利しました。

 「ここ十何年の間、日立明でエイトが勝てていなかったので、まずはそこで勝って自信をつけられて良かったです。日大は代表選考に出ている子もいたので、これからもっと速いメンバーでクルーを組めると思います。それでもあれだけ差をつけて勝てたというのは、選手も自信になると思うので、シーズンに向けていい弾みになったと思います」

 

――全日本は1ヶ月後になります。

 「対抗種目は大きい艇で変わらず臨むので、今ここで出せたスピードを社会人相手にどこまで戦えるかを見られる機会になると思います。もちろん1番いいところを目指してはいきますが、今ついた自信が確信になるようなレースができれば、インカレにつながっていくと思います」

 

岡本

――今大会の意気込みはいかがでしたか。

 「今年度は三大学をいいスタートが切られる大会にしようということでした。例年は日大や立大にほとんどのレースで負けてからシーズンに入っていくような感じでしたが、今回は全レースで勝とうと部員にも指示をして、大会に臨みました」

 

――対抗エイトでは17年ぶりの優勝でした。その要因は何ですか。

 「本当に雰囲気がずっと良いクルーで、まだ組んでから1カ月程度なのですが、練習をほとんど休むことなく毎日乗り続けて、練習ができました。高い意識レベルで常に練習ができたと思います」

 

――部全体の結果はいかがですか。

 「全艇優勝というところを目標にしていて、そこはかなわなかったのですが、例年にないくらいどのクルーも最初から攻めていました。最後に差されて負けるレースが多かったので、あとはラスト500メートルで勝ち切るクルーというのを部全体でつくり上げていくべきだと思います」

 

林原

――女子部全体を通していかがですか。

 「冬場は良かったのですが、シーズン入って3月4月で伸ばしきれない部分がありました。部全体の雰囲気も作り切れない部分があったと思っているので、その点は少し後悔しています。3月4月で焦りが出てしまった部分があったのでみんな伸び伸びやってくれたら良かったと思います。エイトも気持ちが固まらないままずるずるきてしまったので、もう少しやれるところがありました」

 

――インカレに向けてはいかがですか。

 「全日本は対校エイトで出ますが、インカレは舵手なしクォドルプルを対抗に置くので今年は絶対に2連覇した上で、他の種目でも決勝には全部残って男女総合優勝に貢献していけるといいと思います」