谷口秀斗 つなぐ4番、そして主将としての意思/4年生取材①

準硬式野球
2022.01.16

 今年度、春秋どちらも2位という結果に終わった明大。惜しくも優勝はできなかったが安定した成績を残し続けた。その中で特に活躍をした4年生の中心メンバー4名に事後取材を行った。第1弾は主将、そして今年度は4番にも座っていた谷口秀斗(営4=広陵)。4年間を準硬式野球に懸けた男が何を語るかに注目する。

 

――まず、春季秋季ともに2位という結果についてどうですか。

 「優勝目指していたので、その中であと一歩及ばなかったというところはやはりキャプテンとしての力不足でみんなを導けなかったという思いがあります。ただ、良く言えば春秋総合優勝みたいなところもあるので(笑)。法政は春1位だったけど秋5位で、慶応も春が5位だったので(秋は1位)。なので1年間通してうまくやれたのかなと、良い時も悪い時もありながらもいろいろな選手を使いながら良い成績取れたのかなという風に思います 」

 

――その中でキーとなった選手はいらっしゃいますか。

 「やはり試合に出ていた高島泰都(投手・法4=滝川西)、原晟也(内野手・情コミ4=彦根東)、前田(剛志投手・農4=札幌一)、あと自分を含めたこの4年生4人が1年間通してしっかり野球で結果を残してこれたことがこの1年間上手くやれたことの一つなのかなという風に思います」

 

――谷口選手は主に4番で出場されていましたがどのような心持ちで出場されていましたか。

 「自分は本当は4番を打つタイプではないんですよ、2番とか1番とか9番とか打つようなタイプで。春リーグの法政戦で負けた後に原が調子良かった分、原の後に打つバッターがいないということが問題になったんです。あいつが打って、あいつの後にランナーが溜まるので、そういう場面でスクイズとかゲッツー崩れでもいいから取りにいこうっていうような話になったんです。なので4番としていくと自分から言いました。つなぐ4番っていうイメージでどんな形でもいいから、チャンスがあれば1点を取りにいく、もしランナーいなければ自分から出ていくような心がけでいました」

(本来とは違う4番の役割でも全うし、チームに流れを作り続けた)

 

――秋季どうしてもなかなか勝てないという試合が続きました。やはり2試合目に勝てないという印象を受けましたが、2試合目の戦い方というのは話し合いはありましたか。

 「1年間を通して2試合目の戦い方っていうのは未だに正解が分からないまま戦ってきました 。1戦目で高島が投げて、2戦目での前田が投げる。しかし2人に長いイニングを投げさせるわけにもいかない、ましてや春は第3戦もあったわけですし、そういった中で2試合目は後輩に来年のことを考えて投げさせようという方針になりました。そうなったときにやはりあの2人と下級生は大きな差があります。やっぱり球の速さであったり変化球のキレであったりは、後ろから見ても分かるくらいの差がありました。守備のリズムから攻撃につなげていくのが自分たちのスタイルなので、そこで自分たちのリズムがピッチャー陣が悪いと崩れてくるところもありました。やはり打たれてきたり、守備のミスがあったりすると、攻撃のつながりの部分でリズムが乗れなかったです。なので2戦目はいいところまではいくけど、最後の1点が取れずに勝ち切ることができなかったんだと思います」

 

――後輩の投手陣で引っ張っていけるような選手はいらっしゃいますか。

 「岩田(一真投手・情コミ3=日大二)と浦田(光投手=法2=明大中野八王子)ですかね。岩田はちゃんと自覚もありますし、大丈夫だと思います。あとは浦田ですかね。多分来年以降背番号11番を背負うと思うので。高島の後を受け継ぐのは彼しかいないのかなというふうには思います」

 

――練習などからチームの雰囲気はどうでしたか。

 「プレー中は自分が引っ張るのは当たり前ですけど、4年生は試合に出ている人数は少ないですが、やっぱり練習から原がちゃんと自分の後に立って引っ張ってくれています。また他の4年生も自分たち4人と城島(丈捕手・政経4=明大中野八王子)以外はサポートとして頑張ってくれていました。学生コーチやトレーナーとして頑張ってくれたり、その他色んな面でサポートしてくれたので練習を上手く回せました。その中で自分と原が引っ張っていく中で一緒にチーム引っ張ってくれて本当に厳しく楽しく良い雰囲気で試合や練習ができたのかなという風に思います」

 

――4年間でベストゲームはありますか。

 「難しいですね(笑)。最近だと東海大の試合か、今年春の立大第3戦ですかね。過去のことを言うと2年前の全日本の中京大の試合か、同じく2年前の関東選手権2回戦の法大の試合、この四つが自分の中でパッと思いついたベストゲームかなという風に思います。どの試合も自分が絡んでいるんですけど、多分自分が打てなかったらどれも負けていた試合だったので印象に残っています。ゲーム的にもすごく熱い試合だったので、特に今年の2試合っていうのは自分の中にもすごく心に残っています。やっぱり4年間一緒に出ていた4人とは特に思い出があるので、あの4人と一緒に活躍して勝ったというのが思い出でもあります」

(2年次の関東選手権、対法大戦でサヨナラ打を放った時の谷口)

 

(ベストゲームに挙げた全日本選手権の対中京大戦。谷口は9回二死から打席に立つとしぶとく内野安打を放ち、サヨナラ勝ちにつなげる活躍を見せた)

 

――次のキャプテンは誰ですか。

 「元雄(立内野手・文3=東北)です」

 

――後輩に向けてのメッセージがあればお願いします。

 「自分自身も1年間キャプテンをやって、楽しいなって時にもありましたが、やはり苦しかったり、この1年間ずっと家でも野球のこと考えていて頭から離れなかったです。自分は1人でずっと抱え込んでしまっていたので、やはり後輩のみんなには同級生とか後輩、先輩を信じて色んなことを相談して全員で前向いて進んで欲しいなっていうふうに思います。その中でとことん勝ちにこだわってほしいです。本当だったら優勝というのはどういう気分なのかというのを、優勝させて味あわせたかったんですけど、味わえなかったので。その中で惜しいとこまではいけたので、なんとか優勝して全日本には絶対出て欲しいなという風に思います。あとは自分自身が大事にしている言葉が「努力は裏切らない」と「努力が報われなくても報われなくても努力する」っていう二つで、自分自身この二つを大事にしています。ここからどんどん上がっていく選手もいれば、壁にぶち当たる選手もいると思います。その時にこういった言葉を大事にしてほしいです。特に練習時間は限られているので、自分で考えて努力して盛り上がってチームを強くして新主将を優勝に導いていてほしいなという風に思います」

 

 

ーーありがとうございました。

 

[菊地秋斗]