本戦の幕開け ダブルス2組が勝ち残る/全日本総合選手
全日本総合選手権は26日から本戦が始まり、明大勢は5種目で計8試合に出場した。レベルの高い相手に敗戦が続く中、女子ダブルスの上杉杏(商3=埼玉栄)・木村早希(文3=青森山田)組と男子ダブルスの武井優太(商3=埼玉栄)・遠藤彩斗(政経3=埼玉栄)組が勝利を収め、2回戦進出を決めた。
◆12・24~30 全日本総合選手権(武蔵野の森総合スポーツプラザ)
▼男子シングルス
百上――1回戦敗退
▼女子シングルス
正田――1回戦敗退
▼男子ダブルス
筑後・農口組――1回戦敗退
武井・遠藤組――2回戦進出
▼女子ダブルス
上杉・木村組――2回戦進出
▼混合ダブルス
筑後・蔦谷(青学大)組――1回戦敗退
武井・正田組――1回戦敗退
遠藤・上杉組――1回戦敗退
幼なじみペアが長年にわたり培ってきた強さを見せつけた。全日本学生選手権(以下、インカレ)で優勝し、今大会も優勝候補として注目を集める武井・遠藤ペア。戦う相手が社会人になってもインカレ王者の風格は揺るがなかった。第1ゲーム途中まではリードを許すも遠藤が10連続ポイントを決め、一気に勝利を手繰り寄せる。「緊張がうまくほぐれて自分たちの力が出せた得点だった」(遠藤)。最後は武井の4連続ポイントで第1ゲームを難なく制する。第2ゲームも得意の低空戦で年上の相手を圧倒。圧巻の試合運びで21―13、21―10と危なげなく勝利をつかみ取った。
一方の女子は、ダブルスで出場した上杉・木村ペアが接戦をモノにした。相手はインカレで同じく3位だった早大のペア。そのため「3位決定戦のつもりで、対戦が決まった時点から勝ちだけを見ていた」(木村)。その言葉通り強気の姿勢で臨むも、始めは苦戦を強いられた。第1ゲームは追う展開が続き、5―10と差をつけられる。しかし「長いラリーを我慢して点数につなげることを意識した」(木村)。一挙6連続ポイントを奪いインターバルを迎える。その後もつかんだ流れを渡さず、劣勢からの逆転勝利で第1ゲームを先取した。続く第2ゲームはミスが続き、18―21で惜しくも落とす。互いに後がない状態で迎えた最終ゲーム。インカレ3位同士にふさわしい白熱した試合が繰り広げられた。両者譲らず3点以上の差がつかないまま終盤へ。16―15から見せた木村のプレーが勝敗を分けるカギとなった。ロングサーブをこれまでと違う位置で出し、スマッシュをカウンターで返して17点目を奪う。「それまで引いていたところで前に出てラケットを振れたのが大きかった」(木村)。見せてこなかったプレーに相手のペアは対応できず。このプレーでペースをつかみ、5連続ポイントでゲームセット。53分にわたる熱戦を制し、明日以降に望みをつなげた。
高校生から社会人まで全国のトップクラスが集う今大会。勝ち進むにつれて相手も強くなるが「向かっていく気持ちを忘れないで自分たちのプレーをしっかり出してやっていければ」(遠藤)。明大の看板を背負った2ペアの戦いはまだ続く。
[西村美夕]
試合後のコメント
遠藤
――今大会にはどのような気持ちで臨まれましたか。
「総合選手権というのは日本で一番大きな大会で、インカレの後にどれだけ自分たちが実業団相手に勝負できるかというのを示せる大会だと思うので、しっかり向かっていけたらなと思って臨みました」
木村
――上杉選手とはどのような声掛けをされていましたか。
「我慢するところは我慢して、自分たちから仕掛けていくところは仕掛けて、とメリハリをつけていこうとは話していました。また、相手を動かすような球出しで崩していこうとも話していました。最後の場面ではレシーブ場面で『引いているよ、ポジションが後ろになっている』と言ってもらえたことで前に出てプレーすることができました」
――明日以降への意気込みをお願いします。
「まずは一戦一戦、明日の試合でしっかり勝つことを考えたいです。明日は中高の後輩なので、勝つことで恩返しができればと思います。年下ですが、総合のベスト8入りを懸けた試合なので気持ちをぶつけていきたいと思います。今大会は代表選手の欠場が多く、その分勝ち上がるチャンスも多いと思っているので、1日でも長く試合ができるように2021年の集大成として挑戦者の気持ちで戦っていきたいと思います」
武井
――明日以降への意気込みをお願いします。
「第5シードというシードをもらっているのですが、自分たちから向かっていく気持ちを持って、緊張しないで明日も頑張っていきたいです」
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