セットプレーで昨年度王者・天理大を圧倒 次戦は早大戦/全国大学選手権

ラグビー
2021.12.19

 全国大学選手権(以下、選手権)一戦目の相手は、昨年度の準決勝で敗北を喫した天理大。前回の選手権では天理大のFW陣に圧倒されたものの、今試合では前半から明大の力強いセットプレーがさく裂。終始流れを引き寄せた。後半でもスクラムからチャンスをつくり出し、最終スコア27-17でノーサイド。昨年度のリベンジを果たし、次の早大戦へと駒を進めた。

 

◆12・18 全国大学選手権(花園ラグビー場)

▼対天理大戦

 〇明大27{17―3、10―14}17天理大

 

 昨年度王者・天理大を下し、リベンジを果たした。試合が動いたのは前半12分。左センター廣瀬雄也(商2=東福岡)のPG(ペナルティーゴール)が外れ、再開した相手のドロップアウトが22メートルラインを越えなかったため、明大ボールのスクラムで再開。スクラムで一気に天理大を圧倒すると、スクラムハーフ飯沼蓮主将(営4=日川)が自ら持ち出しトライを決めた。「FWが優位に立ってくれていたので、自分もアグレッシブに仕掛けようと思っていた」(飯沼)。続いて25分、敵陣22メートルラインの明大ボールでのラインアウトから着実にフェーズを重ねていく。廣瀬がサイドにキックパスを仕掛けると、左ウイング松本純弥(政経4=佐賀工)がしっかりと対応し、そのまま勢いよくグラウンディング。「アドバンテージが出ていたので思い切りやった」(廣瀬)。さらに前半終了間際、相手ボールのスクラムでボールが出たところを飯沼がプレッシャーをかけ、FW陣がターンオーバー。そこからテンポよく展開していき、最後は後ろから勢いよく抜け出した右センター江藤良(文4=報徳学園)がトライを演出した。最後まで得点を重ね、前半は17-3で折り返す。

 

 後半では前半に続き、スクラムが勝負のカギとなった。後半16分、ゴールライン前でのスクラムとなった。ここでも明大が相手を圧倒し、認定トライで7点を追加する。「スクラムゴールができてとてもうれしかった」(右フランカ―・福田陸人・法4=国学院栃木)。まさにFWの強さがはっきりと現れた瞬間であった。しかし、その直後に2連続トライを奪われ、1トライ差まで追いつかれてしまう展開に。だが、後半27分に天理大がスクラムにおける反則の繰り返しにより、シンビンが出される。相手のFW陣が1人かけている状態で、またもや明大がスクラムからチャンスをつくる。後半31分、力強いプレーで天理大のFW陣を崩すと、明大がターンオーバーしアドバンテージを獲得。その後、ショットを選択し齊藤誉哉(文3=桐生一)がペナルティーゴールを決めた。最後まで明大の〝重戦車〟としてのプライドを見せつけ、最終スコア27-17で勝利を収める。

 

 今試合では飯沼が大事な局面で活躍する場面が多く見られた。特にそれが顕著に現れたのは後半35分。天理大にゴールライン間近まで迫られ、あと一歩のところでトライを決められてしまう状況に。しかし、飯沼がジャッカルを決めて相手からペナルティーを奪い、チームの危機を救った。「ジャッカルを狙っていた」(飯沼)。今試合の最初のトライも飯沼が決め、3トライ目のシーンでは攻撃の起点となった。攻守ともにプレーが光り、主将としての意地を見せた。

 

 今年度の選手権も対戦相手校が実力校ぞろいで油断することができない。「大学選手権は負けたら終わり。目の前の試合一つ一つに後悔しないプレーを選択したい」(松本純)。負けてしまえば、4年生は引退。これからの試合に挑む選手たちの思いはさらに特別なものになっている。そして、次戦は関東大学対抗戦で苦杯をなめた早大との一戦だ。「必ずリベンジして勝つ」(飯沼)。今年の借りは今年で返す。まだまだ飯沼組の戦いは終わらない。

 

[安室帆海]

 

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