粘り強さを見せつけた! 早大に劇的逆転勝利/関東大学リーグ戦
ライバル・東洋大に敗戦を喫し、新たな気持ちで臨んだ1週間。第1P前半、対する早大に先制点を許すと、その後は一進一退の混戦に。第3Pでは試合時間残り3分で追加点を決められ、2―4の窮地に立たされる。しかし、残り47秒で同点に追い付くと、延長のPSS(ペナルティ・ショット・シュートアウト)で3人全員がゴールを決め、劇的な逆転勝利を収めた。
◆10・16~11・23 関東大学リーグ戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
▼11・21 対早大戦(ダイドードリンコアイスアリーナ)
〇明大5{1―1、 1―2、2―1、1―0}早大4
※PSSの結果、明大の勝利。
最終第3Pは2―3と、早大に1点差をつけられてのスタート。後がない明大は果敢にシュートを放つも、相手GKのファインセーブにも阻まれなかなか決め切れない。すると残り3分、フェイスオフから早大が一気に駆け上がり、ダメ押しの追加点。会場のほとんどが、早大の勝ちを確信した瞬間だった。
しかしここから明大の逆襲が始まった。早大に追加点を許した直後。「ここで入れて、少しでもチームのためになれば」(FW三浦稜介・政経2=駒大苫小牧)。FW吉岡莉央(文4=武相)とFW佐久間雄大(政経4=白樺学園)がつないだパスを、三浦稜が角度の厳しいゴール横から押し込んだ。これで3-4。同点への希望が見えるも残り時間はごくわずか。攻めるしかない明大はゴール前でチャンスをうかがう。次々とシュートを打つも枠を捉えることができず、誰もがこれまでかと思った残り47秒。選手たちは最後まで諦めていなかった。「ただ早大に負けられないという思い」(三浦稜)。ゴール前の混戦から相手の守備をかいくぐり、またしても三浦稜の鋭いショットがさく裂。4―4。明大の意地を見せ、ついに同点に追い付いた。「過呼吸になるくらい頑張って(同点に)追い付いたのでとてもうれしかった」(佐久間)。ゴールを決めた瞬間、選手たちは雄たけびを上げ、喜びを分かち合った。
60分間で決着がつかず、勝負は両チーム3名のプレーヤーとGKによる1対1のPSSに。先攻の明大は1回目を佐久間が難なく決めると2回目はFW唐津大輔(法3=日光明峰)。「『自信を持ってやれ』と佐久間さんから言われて、その一言でかなり気持ちが楽になった」(唐津)。中央のパックを取り駆け出すと、GKの股下を狙いシュート。見事ゴールを果たし、ガッツポーズを決めた。
しかし、この試合を落とすと優勝の可能性がなくなる早大も、2本しっかりとゴールを決め、迎えた最終3人目。会場全体に緊張感が漂う中、FW中條廉(政経3=白樺学園)が滑り出す。GKの前へ出ると、瞬く間に鋭いショットがゴールネットを揺らした。「3人とも入ることはなかなかないので(中條が)決めた時点でもう勝てると思った」(佐久間)。運命はGK中村柊志綺(政経2=北海道清水)に託された。誰もが固唾(かたず)をのんで見守る。「最後は絶対止めてやる」と見事早大の3本目を止め、会場は歓声に沸いた。勝利の女神は明大にほほ笑んだのだった。
「明治らしさ、今日はそういうプレーができた」(DF青山大基主将・法4=釧路江南)。最後まで諦めず、気持ちで勝ち切る明大らしいプレーが光った。ここまで黒星を一つに抑え、残るは中大のみ。昨年度の最終戦で敗れた存在だ。昨年度味わった悔しさは同じ舞台で晴らす。負けることのできない一戦が、待ち構えている。
[覺前日向子]
試合後のコメント
中村直樹監督
――今日の試合を振り返っていかがでしたか。
「前回東洋大に負けて、東洋大の方がFWのスピード、運動量、サポート、バックチェックが上回っていたと話しました。そしてそれを明大がしなければいけないと。次の課題としてはいかにパックを持っている人が冷静にできるかだと思います。今日はできていたので、対東洋大にしても少し光が見えました。しかし、やはり最後の決めが足りないと思いました」
青山
――今日の勝因は何だと思いますか。
「本当に最後の残り5分、気持ちが見えましたね。ゴール前の混戦で打ち勝てていた。そこがやはり勝因だと思います」
佐久間
――東洋大に負けた後からの気持ちはどうでしたか。
「負けた後はもう力が抜けてしまって、全くやる気も出ませんでした。でも試合が近くなるにつれ4年生としてしっかりやらないといけないなと思って、一つ一つの練習をもっと丁寧に、後輩に背中で教えられるようにプレーしました」
中條
――このような試合で勝ち切れたことは自信につながりましたか。
「今日のような入りからいい感じでいければ、先週(東洋大戦)みたいな不甲斐ない試合にはならないと思います。今日はチャンスを決められなかったり自分たちのミスから失点したりしてしまいました。次の中大戦でまた勝ち切らないと順位も変わってくるので、次戦は今日の反省を生かして最初から決めていきたいです」
唐津
――12月のインカレに関していかがですか。
「3年間一緒に過ごしてきて、4年生にはたくさんお世話になっています。なので、しっかりインカレは優勝して、気持ちよく送れたらと思います。そのために自分はできることをやります」
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