Aクラスへ昇格 〝前へ〟の相撲で意地を見せる/全日本学生選手権

相撲
2021.11.08

 4年生の戦いが終わった。全日本学生選手権(以下、インカレ)2日目は団体戦Bクラスからの出場。3連勝でBクラス優勝を果たし、Aクラス予選に進出した。Aクラスでは初戦の日体大にストレートで敗れ、その後は巻き返しを試みるも決勝トーナメントへはあと2ポイント及ばず。Aクラス昇格を置き土産に、5人の4年生は学生相撲の土俵を後にした。

 

◆11・6〜7 第99回全国学生選手権(堺市大浜公園相撲場)

▼団体Bクラス予選

○明 大4-1国士大

○明 大3-2専 大

○明 大4-1朝日大

▼団体戦Aクラス予選

 明 大0-5日体大○

○明 大4-1早 大

 明 大2-3九州情報大○

 

 期待のルーキーの活躍が光った。前日の個人戦では初戦敗退を喫し、悔しさを味わった甲斐丈一郎(政経1=文徳)。「自分が4年生に花を持たせる」(甲斐)。この日は1年生ながら副将の大役を任された。Bクラス準々決勝の国士大戦。一度は片足が浮き倒されそうになるも「落ち着いていけた」(甲斐)。体勢を持ち直し寄り切り。この勝利でAクラス予選進出を決めた。続く準決勝、決勝でも甲斐の白星でチームの勝利を決定づけチームのBクラス優勝に貢献。「勝利を渡せてうれしかった」(甲斐)。有言実行の活躍で、前日の雪辱を果たした。

 続くAクラス予選の初戦の相手は、昨年度の学生横綱を率いる日体大。王者を相手にポイントを取ることができず、窮地に立たされる。それでも「やることはやってきた。『勝つんだ』という強い意志で挑んだ」(八幡莉玖主将・政経4=新潟海洋)。そんな思いで臨んだ早大戦。先鋒(せんぽう)戦を取られ、二陣戦には松村将伍(政経3=向の岡工)が土俵に上がる。立ち合いから激しくぶつかり合うと組みの体勢へ。土俵際までもつれ込み互いに投げ合うと、ほぼ同時に体が落ち松村に軍配が上がる。一度は物言いがつくも判定は変わらず。この白星を皮切りに明大は怒涛(どとう)の4連勝を見せ、早大に勝利した。

 決勝トーナメント進出を懸けた3戦目の相手は九州情報大。0-2の劣勢で、田村勇希(商2=平館)が中堅戦に挑む。立ち合いから押され土俵際まで追いつめられるも、気迫で押し返し逆転勝利。甲斐も勝利でつなぐと、勝負の行方は八幡に託される。互いに押し合い譲らない攻防を見せるも最後は相手の肩透かしを食らい、インカレでの戦いが終わった。

 

 今試合をもって、4年生は学生相撲から引退する。決勝トーナメント進出とはならなかったが、Aクラスへの昇格を果たし残された下級生につないだ。コロナの影響でまともに稽古ができない時間も長かった。それでも「悔いはない、やり切った」(八幡)。届かなかったインカレ制覇の目標は、後輩に託された。「自分も背中で引っ張れるようになりたい」(松村)。4年生の意志を継いだ後輩たちが、来年度こそは学生相撲の頂点に立つ。

 

[野口優斗]

 

八幡

――本日を持って相撲人生が終わりますが、今の心境をお聞かせください。

 「最後の最後、大将戦で取れなかったのは悔しいです。それでも、来年度以降は1部にも上がって良い形で引き継げましたし、自分自身悔いはない、やり切りました」

 

――明大での4年間はどのような時間でしたか。

 「良い経験ができて良い仲間と出会えて、言葉では表せないです」

 

――後輩に向けて一言お願いします。

 「後輩たちはこれから強くなっていくと思いますし、インカレ優勝に向けて頑張ってほしいです」

 

松村

――Bクラスの専大戦では長い取り組みとなりました。

 「頭四つになると長くなるというのが稽古でもあって、そういうときは自分が何かしら悪くて負けていたので、わざと長くして相手が疲れてから攻めようと思っていました。その通りにいって良かったです」

 

甲斐

――来年度への意気込みをお願いします。

 「自分がチームを引っ張っていけるように、稽古場でも私生活でも頑張りたいです」