
健闘するも総合団体5位に沈む/全日本学生賞典総合競技大会
悔いの残る大会となった。高橋義明主将(政経4=京産大付)の最後の学生戦。障害では全員が満点走行、次期エース・鹿戸雄翔(農3=江戸崎総合)とパトリシアMのコンビが個人4位の成績を修めるものの、クロスカントリーでの減点が響き団体5位という結果に沈んだ。
◆11・2~11・3 全日本学生賞典総合競技大会(山梨県馬術競技場)
▼個人
4位 鹿戸〈パトリシアⅯ〉
23位 原〈明輝〉
27位 白石〈カルロッタⅯ〉
28位 高橋〈明鳳〉
▼団体
5位 明大
初日は明大が苦手とする馬場。予想されていたようにここでは絶対王者・日大に差をつけられてしまう。2日目のクロスカントリーと障害に団体優勝への希望を託した。そして迎えた2日目。日大を捕らえるには一度のミスも許されない。しかしクロスカントリーでは高橋と白石侑也(商2=江戸崎総合)が完走をしたもののそれぞれ反抗を1回してしまい優勝への道はより厳しいものに。背水の陣で迎えた最終種目・障害。「障害は意地でも減点ゼロでなければならない」(白石)。強い覚悟で望むと高橋主将と明鳳、続く白石とカルロッタMがそれぞれ抜群のコンビネーションを見せ、一度のミスもなく減点ゼロの走行でいい流れをつくった。「2人の走行に背中を押された」(原一晴・営2=水戸農)。3人目の原と明輝も完璧な走行を見せると「この馬の能力、あのコースで明治の馬たちならば、減点ゼロでなければならない」(鹿戸)。仲間の走行を追い風に見事鹿戸も減点ゼロの安定した走行を見せた。それでもこれまでに開いた差を埋めることはできず、団体5位という結果に終わった。
「僕が4年間いた中では優勝が一度もできなかった」(高橋)。主将の思いは後輩たちに託された。「全員がもっと高いレベルで騎乗できるようにしたい」(鹿戸)。目指すは団体優勝。人馬一体となりまた新たな目標に向けて前を向く。
[入谷彩未]
試合後のコメント
佐藤五志監督
――来年度から最上級生となる鹿戸選手に期待していることはありますか。
「入学した頃から少しずつ力は付けてきているので、最後の4年生の年で1番良い成績が取れるように頑張ってほしいです。また、部をまとめていってほしいと思います」
高橋主将
――全学での思い出はありますか。
「全学は4年間出ました。2年次に2つの種目で入賞、表彰式にも出席していい思いさせてもらいました。全然うまくいかなかった去年も2位で、最後の落馬やなかなか思うようにいかないところもある中でこれが全学かと思いました。今年の障害も、1走行目では初めて満点、2走行目も最後は落としてしまいましたが、全学はいい経験をできる場所でした」
鹿戸
――今回良かったプレーはありますか。
「パトリシアⅯが日本に来てからクロスカントリーでまだ一度も減点ゼロを出したことがありませんでした。完走しますが、毎回タイムが遅かったり、1回反抗をしてしまったりとミスがあることがここ5、6年ありました。ですが今回初めてクロスカントリーがゼロで帰ってくることができたので、馬も頑張りましたし、良かったと思います」
白石
――今大会の振り返りをお願いします。
「今年は関学の障害で2走行をし、1走行目は満点、2走行目は減点がつきました。なかなかの成績は取れますが、やはり決め切ることができず持っていくところまではいかないので、来年は結果も付いてくるといいなと思います」
原
――今後の目標は何ですか。
「来年から自分たちの代も主力になってきます。来年はビリーに乗るか分かりませんが、どの馬に乗っても全学で1位になれるように精進していきたいです」
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