
東海大にP K戦の末敗戦 日本一への夢が散る/#atarimaeni CUP
雪辱を果たすことはできなかった。2回戦の相手は東海大。アミノバイタルカップでは予想外の敗北を喫した相手だ。試合は28分、小柏のゴールで先制。しかし、試合終了間際に同点とされると、延長戦でも互いにゴールは生まれずP K戦へ。結果は2ー4で東海大に軍配。リベンジは果たせず、無念の敗退となった。
あっけない幕切れだった。ロングボールを多用し縦に速いサッカーを仕掛ける相手に対し指揮官は3バックを採用。前線にも「調子の良い」(栗田大輔監督)藤原、赤井を起用し、フレッシュな陣容で臨んだ今試合。序盤からゴールへ攻め込む展開が続くと、28分、持井のシュートのこぼれ球を小柏がゴール右隅へと沈め幸先よく先制。しかし「受けて立ってしまった」(栗田監督)。次第に東海大にペースを握られると83分、相手F Kの折り返しを押し込まれ同点に。その後は一進一退の攻防が続いたが互いにゴールは破れずP K戦へ。明大は1人目のキッカー、住永が枠外へと外すと、3人目の蓮川も相手G Kのスーパーセーブに遭い2人が失敗。対する東海大は4人全員がきっちりと決め勝負あり。P K戦の末に敗れ、日本一への夢ははかなくも2回戦で散った。
〝繋翔〟をスローガンに掲げ、昨季超えを目標としてきた今季の明大イレブン。プロ内定者12人をそろえ、「強い個が合わさって爆発的な力を生むチーム」(須貝)を目指してきた。しかし、トーナメントでは結果を残せず。「うまくいかない時に修正できない」(須貝)。強力な個をそろえたが、臨機応変に個を組み合わせ最大化させるチーム力が不足。「ムラのあるチームだった」(栗田監督)。徹底性を欠き、一発勝負では弱さを見せてしまった。
それでも今季は歴史に残る1年となった。「リーグ戦を獲るというのが今季の目標だった」(栗田監督)。昨季5冠のプレッシャーやコロナ禍による練習不足。様々な障壁を乗り越えて獲得した2年連続の関東王者のタイトル。創部以来初のリーグ戦連覇を達成した世代として歴史に名を刻むはずだ。悔しさは後輩たちが晴らす。1回戦で2ゴールを挙げた藤原をはじめ、逸材たちがひしめき合う来季。「明治としてあるべき姿は言ってきた。土台は変わらない。もっと結果を出せる明治にこだわってほしい」(須貝)。日本一奪還の挑戦者として新たなステップへ。紫紺の勇者たちの新たな航海が幕を開ける。
[土屋秋喜]
試合後コメント
栗田監督
――今大会を終えての感想をお願いします
「しょうがない、それが一言目です。勝負は勝つか負けるで、うちのサッカーができずに受けて立ってしまったかなという印象です。それでも選手たちは最後までよく頑張ってくれたと思います」
――今年のチームはどういうチームでしたか
「非常にムラのあるチームだったと思います。うちはプロ養成所ではないとは何度も言ってて、プロを何人輩出したかは気にしてなくて、それよりも毎日一生懸命明治らしくっていうのが目標だったので、そこはまだまだだったかなと思います」
須貝
――プロでの抱負をお願いします
「特に人間性の部分は4年間栗田監督に言われて、そこはプロでも絶対に大事になってくると思います。プレー面では結果にこだわって、チームの勝利に貢献できる選手になりたいです」
――栗田監督への思いを聞かせてください
「本当に熱い監督で、常に自分に全力でぶつかってくれて、選手のことを本当に思ってくれている監督でした。勝ちへのこだわりとか、主将が一番厳しくなければいけない部分に対して厳しく言ってくれて、感謝でいっぱいです」
小柏
――今日の試合を振り返っていかがですか
「今大会は一戦一戦勝っていくしかなくて、ベンチやセカンドチームのメンバーの思いも背負って試合をしていただけに申し訳ないと思いますし、残念です」
――明大での4年間を振り返っていかがですか
「人生で1番濃い4年間でした。素晴らしい仲間と切磋琢磨(せっさたくま)しながら学んで、成長できたこの4年間はJリーグに行っても、その後社会人として生きていく上でも絶対に生きてくると誇りを持って言えます」
関連記事 RELATED ENTRIES
-
人物記
サッカー 2021.02.162年生ながらトップチーム入りを果たしたSB・ボランチの期待のプレイヤー。木村卓斗(政経2=横浜F・マリノスユース)は、高校時代の反省を活かしチームのために戦うことを第一にプレー。持ち味の球際の強さで、明大の勝利に貢献する。 敗北から学ぶ悔しさから道筋を見出した。高校3年生になり、迎えた第42回日本クラブユース選手権。この大会は選手たちの進路に大きく関わるため、アピールをしようと個人技ばかりの戦い方に。「チームプレーが全くできていない状態だった」。結果は敗北。痛感したのは、チームのために頑張らなければならないということ。大学生になった今もこの姿勢でプレーし続けている。 新たな環境で日々の練習、トップチームへの参加が木村を大きく成長させた。自粛期間はトレーナーからのメニューに加えて、坂道ダッシュで心拍数を上げるトレーニング。いつでもトップチームの練習に参加できるように備えていた。「この自粛期間、誰よりも頑張った自信があった」。毎日の積み重ねが実を結んだのは、6月までの自粛期間が明けて2週間後。トップチームの練習に参加することができた。「トップチームに入ることが自分の目標ではない」。木村は前へ突き進む。 今年度は17試合に出場。2年生にして存在感を示した。開幕戦ではこれまでほとんど経験がなかったボランチでスタメン起用。ボランチでの視野の使い方やボールの運び方からSBをしていたときには気付かなかったことに気付けるように。「慣れないポジションで苦戦しているが、それを乗り越えるのが楽しい」。慣れないポジションにも前向きに取り組む。 更なる高みへ勝利にはチームで戦うことが不可欠。明大4年間の目標は、リーグ戦の連覇、トーナメント戦の優勝。サッカー選手として大事な姿勢である〝チームのために戦う気持ち〟を第一に。「自分の活躍で今後も明大のサッカー部は強いと思われるように」。木村は躍進する。[須藤聖広] ◆木村 卓斗(きむら・たくと)政経2、横浜F・マリノスユース。第二外国語はドイツ語を選択。170センチ・68キロ。 READ MORE -
貪欲に前へ
サッカー 2021.02.162年生ながらトップチーム入りを果たしたSB・ボランチの期待のプレイヤー。木村卓斗(政経2=横浜F・マリノスユース)は、高校時代の反省を活かしチームのために戦うことを第一にプレー。持ち味の球際の強さで、明大の勝利に貢献する。 敗北から学ぶ悔しさから道筋を見出した。高校3年生になり、迎えた第42回日本クラブユース選手権。この大会は選手たちの進路に大きく関わるため、アピールをしようと個人技ばかりの戦い方に。「チームプレーが全くできていない状態だった」。結果は敗北。痛感したのは、チームのために頑張らなければならないということ。大学生になった今もこの姿勢でプレーし続けている。 新たな環境で日々の練習、トップチームへの参加が木村を大きく成長させた。自粛期間はトレーナーからのメニューに加えて、坂道ダッシュで心拍数を上げるトレーニング。いつでもトップチームの練習に参加できるように備えていた。「この自粛期間、誰よりも頑張った自信があった」。毎日の積み重ねが実を結んだのは、6月までの自粛期間が明けて2週間後。トップチームの練習に参加することができた。「トップチームに入ることが自分の目標ではない」。木村は前へ突き進む。 今年度は17試合に出場。2年生にして存在感を示した。開幕戦ではこれまでほとんど経験がなかったボランチでスタメン起用。ボランチでの視野の使い方やボールの運び方からSBをしていたときには気付かなかったことに気付けるように。「慣れないポジションで苦戦しているが、それを乗り越えるのが楽しい」。慣れないポジションにも前向きに取り組む。 更なる高みへ勝利にはチームで戦うことが不可欠。明大4年間の目標は、リーグ戦の連覇、トーナメント戦の優勝。サッカー選手として大事な姿勢である〝チームのために戦う気持ち〟を第一に。「自分の活躍で今後も明大のサッカー部は強いと思われるように」。木村は躍進する。[須藤聖広] ◆木村 卓斗(きむら・たくと)政経2、横浜F・マリノスユース。第二外国語はドイツ語を選択。170センチ・68キロ。 READ MORE -
藤原2発! 福山大との激戦を制し2回戦へ駒を進める/#atarimaeni CUP
サッカー 2021.01.07ついに幕を開けた#atarimaeni CUP。初戦は中国大学リーグ覇者の福山大との一戦。試合開始早々にオウンゴールで先制点を献上するも、藤原の2ゴール、佐藤凌のゴールで逆転。延長までもつれこんだ熱戦を制し、2回戦へ駒を進めた。 まさかの幕開けだった。前半10分、相手CKを早川が弾くも、ボールは味方に当たり無情にもゴールへ。リードを許し前半を終えた。「まさかこのまま」そんな空気を一変させたのは、ハーフタイムから投入された藤原だった。後半4分、P A外で持井からのパスを受けると右足を一閃。「振っていこうと思ってた」と振り返る絶妙なミドルシュートをゴール左隅へと沈めた。その後も福山大ゴールへ攻め込み、再三決定機を作るも得点には至らず。1−1で90分の戦いを終えた。 迎えた延長戦。待望の瞬間はすぐに訪れた。前半7分、P A左からの力安のシュートは相手G Kに阻まれるも「決めるだけだった」。佐藤凌がこぼれ球を頭で押し込み勝ち越し。直後に藤原がこの日2点目となる FKを沈め勝負あり。3−1で120分に及ぶ熱戦を制した。 次戦の相手は鹿屋体大を倒し二回戦へと進出した東海大。アミノバイタルカップ初戦では予想外の敗北を喫した相手だ。「同じ相手に2回やられる訳にはいかない」(栗田監督)。リベンジの思いは強い。課題だった1回戦を突破し勢いは十分。悪夢を晴らし優勝へと突き進む。 [土屋秋喜] 試合後のコメント栗田監督――今日の試合を振り返っていかがですか。 「トーナメントは1回戦が課題なので、厳しい試合になることは予想していた。天皇杯東京都予選、アミノバイタルカップ両方で1-0で負けているので、それを跳ね返せたのはチームとして大きな成長だとおもいます」――ハーフタイムの交代の意図はなんですか。 「前半のサッカーは悪くはなかったが、勝利から逆算できていなかった。もう一度勝ちから逆算して、相手が嫌がることをするための交代でした」佐藤凌――中1日で次戦を迎えますが疲労はありますか。 「相手も同じ状況で、疲労がどうこうは言ってられないので、各選手がいかに疲労を抜いて準備できるかにかかっていると思います」――東海大戦への意気込みをお願いします。 「同じ相手に2回は負けられないと思います。強い覚悟を持って、逆転勝利できた勢いに乗って臨みたいです」藤原――ゴールシーンを振り返っていかがですか。 「1点目は前半からシュートが少なかったので、とにかく振っていこうと思ってました。思いっきり振れたのがゴールに繋がったと思います。2点目はもう1点欲しい状況で、キーパーがファーサイドに寄っていたので狙っていきました」――4年生とプレーできる試合も残り少ないですがいかがですか。 「縦のつながりが強い明治で、4年生とは特にピッチ内外でたくさんのことがあったので、その思いをピッチでぶつけたいです」READ MORE