今季初の大会で優勝/YC&ACセブンズ
春の訪れを告げる柔らかな日差しの中で行われた今大会。明治はCHANPIONSHIPトーナメントでは敗れたものの、1回戦の敗者同士で行われるCONSOLATIONトーナメントでは全勝し、見事優勝を飾った。
1回戦の相手はトップリーグでも常に上位に位置するトヨタ自動車ヴェルブリッツ。「コンタクトでは負けていないと思った」(田村・文2)と果敢に勝負に出るも、社会人の厚い壁に終始手も足も出ない状態。結局14分間ほとんど敵陣でプレーする機会すらないままノーサイド。完封負けを喫し、CONSOLATIONトーナメントに回ることとなった。
CONSOLATION1回戦の拓大戦は一進一退のシーソーゲームとなったが、辛くも勝利し準決勝へ。準決勝・三菱重工相模原ダイナボワーズ戦では、「徐々に動けるようになってきた」(田村)と言うように突破力やタックルの精度が増し、自分たちのペースでゲームマネジメントができるようになった。スコア自体は中盤もつれたものの、津久井(政経3)の逆転トライで退け、ついに決勝戦へとコマを進めた。
迎えた決勝戦の相手は大東大。昨年の大学選手権では完封勝ちをしている相性のいい相手だ。しかし15人制の時とは違い、メンバー7人の半数に外国人を起用してきた相手に対して明治は苦しめられる。コンタクトが強く手足の長い相手を止められず、さらにはスクラムからもターンオーバーされるなど、トライを量産されてしまう。しかし、準決勝までの勝利で波に乗った明治がここで諦めることはなかった。松本(法4)のトライなどで追いすがると、ラスト1プレーの鐘がグラウンド中に響き渡った終了直前に山本(政経4)が土壇場での大逆転トライ。劇的な勝利を収めて優勝を果たした。
今大会は杉本組が始動してから初めての実戦。新体制始動の遅さによる調整不足が心配されたが、CONSOLATIONトーナメントとはいえ、彼らは優勝という結果を私たちに見せてくれた。初戦こそ動きが悪かったものの、2戦目以降はセブンズという不慣れな戦いの中で彼ららしい戦いをしてくれた。特に、1人が抜かれると大幅ゲインを奪われることは避けられないセブンズにおいて、引きずられても離さないタックルの粘りは15人制になっても生きてくるものであることは間違いない。とはいえ、内容はまだまだ満足できるものではない。これから始まる春のオープン戦に向け、彼らは練習を重ね、今後は内容としても、そして今大会のように結果としても、私たちにその成果を見せてくれることだろう。“優勝”という結果を糧に、これからさらに進化を遂げていく杉本組のこれからが楽しみだ。
~試合後のコメント~
山口BKコーチ
「最後まで全員が勝ちたいと思い、あきらめなかったことが良かった」。
山本(政経4)
「今大会はチーム一丸となって勝ち取った優勝。最初は練習した成果が出せず、試合時間が短かったこともあって修正ができなかった。セブンズはスピード感があり、ワイドに攻めなければならないから明治の苦手なスタイルだが、ここでの経験は15人になったときにも生きてくると思う。特にチームワークの部分を生かしたい。(最後の逆転トライに関しては)ここでいくしかないと思った。優勝するつもりで突っ走った。気持ちよかったです」。
田村(文2)
「今季初めての実戦でいい結果を出せてうれしい。やるからにはどちらのトーナメントでもいいから優勝してこいと言われていたのでよかった。大東大の外国人はコンタクトが全然違くて、止めることができなかった。接戦になってしまったのはそういうところからだったと思う。セブンズから15人制の試合で生きてくることはあると思うので、これを糧に頑張りたい」。
奥田(政経4)
「セブンズはいつもの半分以下の人数なので、広いスペースをカバーしなければならない。体力的にもきついし、お互いのコミュニケーションが重要。ただ、今日はうまくコミュニケーションが取れなかった。今度の東日本セブンズまでにそこは改善したい」。
松本(法4)
「初戦は敗れたけど、その後にきちんと修正して結果を出せたことが良かった。セブンズをやって、1対1で積極的に仕掛けることが重要だと思った。今日は4試合もあって疲れたけど、最後まで体を張ってプレーすることができた」。
1回戦の相手はトップリーグでも常に上位に位置するトヨタ自動車ヴェルブリッツ。「コンタクトでは負けていないと思った」(田村・文2)と果敢に勝負に出るも、社会人の厚い壁に終始手も足も出ない状態。結局14分間ほとんど敵陣でプレーする機会すらないままノーサイド。完封負けを喫し、CONSOLATIONトーナメントに回ることとなった。
CONSOLATION1回戦の拓大戦は一進一退のシーソーゲームとなったが、辛くも勝利し準決勝へ。準決勝・三菱重工相模原ダイナボワーズ戦では、「徐々に動けるようになってきた」(田村)と言うように突破力やタックルの精度が増し、自分たちのペースでゲームマネジメントができるようになった。スコア自体は中盤もつれたものの、津久井(政経3)の逆転トライで退け、ついに決勝戦へとコマを進めた。
迎えた決勝戦の相手は大東大。昨年の大学選手権では完封勝ちをしている相性のいい相手だ。しかし15人制の時とは違い、メンバー7人の半数に外国人を起用してきた相手に対して明治は苦しめられる。コンタクトが強く手足の長い相手を止められず、さらにはスクラムからもターンオーバーされるなど、トライを量産されてしまう。しかし、準決勝までの勝利で波に乗った明治がここで諦めることはなかった。松本(法4)のトライなどで追いすがると、ラスト1プレーの鐘がグラウンド中に響き渡った終了直前に山本(政経4)が土壇場での大逆転トライ。劇的な勝利を収めて優勝を果たした。
今大会は杉本組が始動してから初めての実戦。新体制始動の遅さによる調整不足が心配されたが、CONSOLATIONトーナメントとはいえ、彼らは優勝という結果を私たちに見せてくれた。初戦こそ動きが悪かったものの、2戦目以降はセブンズという不慣れな戦いの中で彼ららしい戦いをしてくれた。特に、1人が抜かれると大幅ゲインを奪われることは避けられないセブンズにおいて、引きずられても離さないタックルの粘りは15人制になっても生きてくるものであることは間違いない。とはいえ、内容はまだまだ満足できるものではない。これから始まる春のオープン戦に向け、彼らは練習を重ね、今後は内容としても、そして今大会のように結果としても、私たちにその成果を見せてくれることだろう。“優勝”という結果を糧に、これからさらに進化を遂げていく杉本組のこれからが楽しみだ。
~試合後のコメント~
山口BKコーチ
「最後まで全員が勝ちたいと思い、あきらめなかったことが良かった」。
山本(政経4)
「今大会はチーム一丸となって勝ち取った優勝。最初は練習した成果が出せず、試合時間が短かったこともあって修正ができなかった。セブンズはスピード感があり、ワイドに攻めなければならないから明治の苦手なスタイルだが、ここでの経験は15人になったときにも生きてくると思う。特にチームワークの部分を生かしたい。(最後の逆転トライに関しては)ここでいくしかないと思った。優勝するつもりで突っ走った。気持ちよかったです」。
田村(文2)
「今季初めての実戦でいい結果を出せてうれしい。やるからにはどちらのトーナメントでもいいから優勝してこいと言われていたのでよかった。大東大の外国人はコンタクトが全然違くて、止めることができなかった。接戦になってしまったのはそういうところからだったと思う。セブンズから15人制の試合で生きてくることはあると思うので、これを糧に頑張りたい」。
奥田(政経4)
「セブンズはいつもの半分以下の人数なので、広いスペースをカバーしなければならない。体力的にもきついし、お互いのコミュニケーションが重要。ただ、今日はうまくコミュニケーションが取れなかった。今度の東日本セブンズまでにそこは改善したい」。
松本(法4)
「初戦は敗れたけど、その後にきちんと修正して結果を出せたことが良かった。セブンズをやって、1対1で積極的に仕掛けることが重要だと思った。今日は4試合もあって疲れたけど、最後まで体を張ってプレーすることができた」。
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