
新生グリフィンズ、初の公式戦 立大に快勝!/秋季リーグ戦
約1カ月半遅れのリーグ開幕だ。初戦は昨年度リーグ5位の立大との対戦。攻守ともに着実なプレーを展開し、見事21―13で勝利した。
◆10・11~11・29 秋季リーグ戦
※無観客試合のため、会場名は非公開となっております。
▼10・11 対立大戦
○明大21{7―0、7―3、7―0、0―10}13立大
静かなフィールドに選手たちの歓声が響いた。新型コロナウイルスの影響で試合のほとんどが無観客で行われる今シーズン。通常とはまるで違う雰囲気に不安が残っていたのも束の間。開始直後から、RB#6森川竜偉(政経2=佼成学園)のランプレーで立大を圧倒。森川の先制TD(タッチダウン)から「ランとパスをうまく絡めたオフェンス」(QB#4西本晟・商4=箕面自由)で徐々に有利な試合展開に。ディフェンスにおいても相手の隙を突くブロックで、副将・LB#40久松遼平(政経4=関西大倉)を中心にパスカットを連発した。後半こそ、もたつきを感じさせる部分があったものの「今後の試合につながる良い勝ちだった」(主将・RB#29山田大葵・法4=関西大倉)と好調な姿勢を見せつけて勝利した。
2020年4月10日、関東学生アメリカンフットボール連盟が春季オープン戦の試合を全て中止することを発表した。緊急事態宣言が全国にとどろき、もちろんグリフィンズも全体練習を断念。特にラストイヤーを迎える4年生にとって夏合宿の中止はもちろん、秋リーグ開催も危ぶまれる状況は「つらい時期だった」(西本)とやり切れない思いがあった。さらに、チームが上手くまとまらない時期にも直面。例年と比較して十分な練習を確保できないことは大きな痛手だった。
刻々と移り変わる環境下でも、選手の胸には変わることない野望を抱えていた。ようやく開催された公式戦だが無観客試合のほかに、今シーズン限りの特別なルールがいくつか適用されている。特に注目すべきは、優勝校の選出法だ。1部リーグを2分割し、ブロックごとの総当たり戦後、別ブロックの同順位同士が対戦することに。つまり今回のリーグ戦では「甲子園ボウル」出場を果たすために全勝が必須条件となる。「甲子園ボウル」においても関東と関西地方のみの代表校で王座を決める戦いへと変更されたが「目指すところはぶれない」(西本)。1985年以来の「甲子園ボウル」出場することは、グリフィンズにとって変わらぬ目標であった。
「一戦一勝」。チーム一丸となり、一つ一つの試合を落とさずに勝ち切るという決意を込めたチームスローガンだ。甲子園球場への切符をつかむためには、このスローガンが大切な指標となるだろう。
[素宮愛結]
試合後のコメント
山田主将
――今回の試合を振り返ってみていかがですか。
「新チーム始まって初めての試合だったので、実際に勝てたという面ではとても、今後の試合につながる良い勝ちだったとは思います。ですが、内容に関してはオフェンスディフェンスキッキング共に課題が残ったと思うのでその課題を次に向けては修正できるように頑張りたいです」
――春季オープン戦や夏合宿が中止されたなかでどのようにチームをまとめましたか。
「試合が決まったことを周知させました。そこから試合に向けて今年のスローガンが一戦一勝なので目の前の試合にフォーカスさせるように取り組みました」
西本
――後半には下級生中心に選手を変えていました。その中でも期待する選手はいらっしゃいますか。
「期待の選手と言われると難しいですね。全員だと思っています。みんなに期待しています」
――リーグ戦の意気込みをお願いします。
「こういった環境を作ってもらった以上、目指すところは必ず日本一になることです。チームのスローガンである一戦一勝にこだわって、一戦一戦勝ち抜いていきます」
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