
トラックの集大成 悔しさ胸にバトンをロードに渡す/全日本大学競技大会
インカレの代替大会となる全日本大学競技大会が行われた。マディソンでは青木拓穂(営3=高崎工)、小林右京(政経3=日出総合)が6位、オムニアムでは齋藤知樹(政経2=福井県立科学技術)が7位と悔しい結果に終わった。
◆10・10~11 全日本大学競技大会(松本市美鈴湖自転車競技場)
▼男子4kmチームパーシュート
齋藤・福地・小池・吉房――11位
▼男子チームスプリント
荒川・甲斐・塩島――2位
▼男子オムニアム
齋藤――7位
▼男子マディソン
青木・小林――6位
▼男子ケイリン
上野――10位
▼男子スプリント
塩島――5位
上野――9位
確かな成長を感じた瞬間だった。オムニアムに出場した齋藤。第3種目のエリミネーション終了時で11位と出遅れてしまう。それでも「一つでも上位を狙う」。最終種目のポイントレースでは序盤から先頭で逃げると、着実にポイントを稼ぐことに成功。「作戦がハマった」と自分の走りを貫きオムニアムで全体7位と健闘した。
自粛期間中は一人で淡々と地元福井で練習を積んでいた齋藤。「オムニアムのため毎日一生懸命がんばった」と、全体練習が出来ない中でも自転車の研さんは欠かさなかった。その結果「体力面での不安はない」。辛いレースでも完走するなど、確かな成長を見せつけた。
思うような結果が出せなかった。マディソンに出場したのは青木、小林。「全然ついていくことができなかった」(小林)。二人が感じたのは圧倒的な練習不足。「ペアと練習したのは1回ぐらい」(青木)。現地に入っても雨に見舞われなかなか練習できず。ほとんど一発勝負で本番を迎えた。「前半はよかったが後半からは練習の差が出た」(小林)。マディソン特有のペアとの呼吸を合わせたハイタッチによる交代。タイミングや精度の差が如実に出てしまう結果となった。
今年はコロナウイルスの影響で大会日程が変更されるなどイレギュラーなシーズンとなった。特に例年と違い全体練習ができず、悔しい思いをした選手も多い。来週のロードではトラックの悔しさを晴らせるようなレースをして、昨年以上の結果を残したい。
[久野稜太]
試合後のコメント
甲斐主将
――今日のレースを振り返っていかがですか。
「なかなかチームメイトでまとまって練習ができていなかった中で、ひとりひとりが出し切った結果なので。悔しさはありますけど、これ以上のレースはないかなという感じです。今出せる力は出し切りました」
荒川
――明治大学ですごした4年間を振り返っていかがでしょうか。
「1年生のインカレで、個人種目で2位になって。そこから個人種目ではなかなか活躍ができませんでした。それでもチームスプリントで毎年結果が残せたことは良かったと思います」
青木
――自粛期間の練習はどうでしたか。
「地元で個人練習を行っていました。ひたすらロードに乗ったり、地元の選手とトラックで交代練習を行ったり、高校生と練習したりという感じでした」
小林
――チーム練習ができない中で心がけていたことは何かありますか。
「1人だからモチベーション保つのが難しいので、そこが結構苦労しました。モチベーションが落ちないように頑張りました」
塩島
――チームスプリントで日本記録を出すというこだわりは強かったですか。
「それは絶対に出すぞという気持ちしかありませんでした。昨年も日本記録出したのに僅差で負けてしまったので、1年間そのために練習して果たせなかったというのは悔しさしかないです」
齋藤
――今のお気持ちはいかがですか。
「オムニアム自体は初めてではないのですが、ちゃんとレースとして走ったのは初めてなので、緊張はありつつ失敗はできないなというところがありました。練習もかなりやった中でこの結果なので、悔しい部分もあったのですが、走り切ることができ良かったです」
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