
強豪渡り歩き培った主将魂 公家響主将/東京六大学春季リーグ戦展望
※例年4月の新入生歓迎号にて扱っております硬式野球部特集ですが、今年度は新型コロナウイルスの影響で発行を見送らせていただいております。そこで今回は4月に向け作成しておりました記事の一部をWEBにて公開させていただきます。
神宮にその名を響かせる。114代主将に就任した公家響内野手(政経4=横浜)。中学時代は日本代表の4番、横浜高では1年次夏からベンチ入りした野球エリートだ。だが、この3年間は思うような結果が残せていない。打線で中軸を担う今春。持ち前の打力、キャプテンシーで真の大黒柱となり、六大学の頂点へと突き進む。
名門・横浜高では3年次夏に、チームを甲子園へと導いた公家。輝かしい球歴を持つだけに、即戦力として活躍が期待されていた。しかし入学後、思わぬ壁が立ちはだかる。「なかなか気持ちが入らなかった」。高校では全体練習が中心だったのに対し、大学では朝の1時間半のみ。より〝自主性〟が求められる環境へと変化した。だが「覚悟が足りなかった」と、日々の練習がおろそかに。試合に出たい思いはある、それでも行動できない。「今まで味わったことのない感覚」のまま、気が付けば2年が経過していた。
「何のために明治に来たんだろう」。3年目に入り、初めて自分と向き合った。同世代の選手が活躍する姿を目の当たりにし「このままだとやばい」。焦りが公家の目つきを変えた。昨年度は4年生中心のチームで出場機会に恵まれなかったが「全ては来年のため」と自らを鼓舞。目先の結果にとらわれず、先を見据えて鍛錬を重ねた。
今年度「誰も文句なし」(松下且興外野手・商4=九州学院)で主将に就任した。元々、小中高でも主将を務めていた「キャプテンシーの塊」(入江大生投手・政経4=作新学院)。コロナ情勢に際し、田中監督から指示が出る前にマスク着用を呼びかけるなど、周囲への気配りにたける。さらに下級生とも積極的に会話し、学年問わず意見を言い合える関係を構築。プレーで引っ張るだけでなく部員に寄り添う、公家流のチーム作りを進めている。
打撃でもチームをけん引する。持ち味は勝負強さ。「得点圏が大好き」と語るほど好機を好む。実際、昨春の優勝を決めた法大2回戦では、試合終盤に同点打を放った。この勝負強さは〝粘りの明治〟に必要不可欠だ。一昨年度は、年間12敗中9敗が1点差での敗北。一方、昨年度はチーム打率こそリーグ4位ながら、少ない好機をモノにし春季リーグ王者に。打線の中軸を担う公家の存在は、優勝へのカギとなる。
主将として迎える4年目。目標はもちろん、春季リーグ戦連覇。もう一度あの景色を――。3年分の悔しさを背負った男の〝覚悟〟の1年が始まる。
[加川遥稀]
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