今も昔も人間力 田中武宏監督/東京六大学春季リーグ戦展望

硬式野球 2020.07.27

※例年4月の新入生歓迎号にて扱っております硬式野球部特集ですが、今年度は新型コロナウイルスの影響で発行を見送らせていただいております。そこで今回は4月に向け作成しておりました記事の一部をWEBにて公開させていただきます。

 


 今春より田中武宏新監督(昭59文卒)が指揮を執る。2011年のコーチ就任後、昨秋まではサラリーマン生活と両立し、チームを支えた。監督就任を機に会社を退職。新たな野球人生が幕を開ける。

 

 「とにかくいい人」。選手たちは田中監督について語るとき、こう口そろえる。自身の人望の厚さについて尋ねると「僕を友達だと思っているんだよ(笑)」。その語り口調からも人柄の良さがうかがえる。だが生活態度の緩みは見逃さない。監督就任と同時に単身上京。寮で選手と寝食を共にし、私生活の細かい部分にも目を配る。トイレのスリッパのそろえ方から、エアコンの消し忘れまで。これらのこだわりには理由がある。田中監督は指導の根幹として島岡吉郎氏(昭11政経卒)がといた〝人間力野球〟を掲げる。「神宮では追い込まれる場面が多い。それを乗り越えるためのもの」と自身の享受した野球道を解釈する。強豪ぞろいの六大学野球。試合でも幾多の窮地が訪れる。そんなときこそ日常生活での気遣いがプレーで生きてくる。それが〝人間力〟。今までも私生活が乱れた代は結果が伴わなかった。「(明大は)六大学でそういうところが一番影響する」。戦いの場はグラウンドだけではない。

 善波達也前監督(昭60文卒)の退任時には、コーチから退く意向だった。そのため監督就任の打診を受けた際、当初は固辞。だが「他に誰がやるんですか」。1学年後輩ながらも大学野球界屈指の名将となった善波前監督からの言葉。「あれだけの男がそこまで言ってくれる」。迷いに踏ん切りがついた。

 「島岡さんの教えを直接受けた人間が指導をしてほしい」(善波前監督)と思いを託された。明大野球部の真骨頂ともいえる〝人間力野球〟を次世代へ。真夏の神宮で田中劇場が開幕する。

 

[小畑知輝]


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