短距離勢が健闘! 期待を胸に来季へ/第92回日本学生氷上選手権(釧路柳町スピードスケート場)

スピードスケート 2020.01.09

 その年の大学スケート競技の王者を決めるインカレが今年度は釧路で開催された。明大は山本大史(政経3=八戸西)が1万メートルで2位に輝いた。短距離では500メートルで向山恭平(政経2=白樺学園)が5位、1000メートルで濱本兼伸(政経2=帯広三条)が7位に入賞するなど大躍進。学校別の得点数では79ポイントで2年連続の4位。また総合順位も2位に終わり、4連覇はならなかった。

 

 短距離勢の活躍が目立った大会だった。向山が初日の500メートルに出場。同走選手のフライングにより「守りに入ってしまった」と攻めの姿勢にやや欠けるレースにはなったものの「今できることは出せた」と36秒99で5位入賞を果たした。昨季の同大会の11位から大きく躍進した。昨季はケガにより出遅れたシーズンとなったが今季は怪我がないことを本人も前向きに捉えている。課題であったコーナーの曲がりも練習時に自身のいいフォームを何度も動画で見返し、手応えをつかんでいる。目標である36秒切りに向け状態を維持したい。

 濱本は初日の1500メートルで10位に入りポイントを獲得するも「まだまだ満足できない」と、2日目の1000メートルでは前日の噛み合わない感覚を見事に修正。1分15秒39と全日本級の選手も出場する層の厚い種目で7位入賞と躍進した。「今年はスケートに対する気持ちが違った」(羽田光希監督)と私生活からも取り組みを意識。技術面でも持ち味の体勢の低さ、身体の柔軟性がフォームともマッチし今回の結果につながった。

昨年度の短距離部門での獲得点数が18点から28点に上昇し、近年苦戦が続いた部門で存在感を見せつけた。

 

 長距離では注目の山本大史(政経3=八戸西)が5000メートルと1万メートルに出場。今季序盤は競技人生最大ともいえる不調に直面していたが「何もしないままでは変わらない」とフォームを改善。12月に行われた全日本選手権では5000メートルで5位に入るなど、上り調子で今大会に挑んだ。

初日の1万メートルは14分39秒64の3位。2日目の5000メートルでは強風により「予想より早くラップが落ちた」というものの、4600メートルまではトップをキープ。ラスト1周で逆転を許し、わずか0.5秒差で2位に終わった。「大史(山本)の実力を考えれば悔しいのかな」(羽田監督)と周囲からの期待は大きい。来季は悲願のタイトルを獲得する日が期待される。

 

 試合後には4年生の引退式も行われた。4年生が思いを口にする場面では部員たちに涙も見られ、主将の座も関口顯一主将(政経4=長野工)から山本へと引き渡された。学校別の対抗では2年連続で4位に終わった今大会。「今年苦い思いをした選手がどう生かすかがカギ」(関口)。今季抱いたそれぞれの思いを胸に、チームとしても学校対抗で上位進出を目指したい。

 

[小畑知輝]


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試合後のコメント

山本(5000メートル終了後)

――レース中盤までは同走者と競る展開になりました。

「自分の同走の人も飛ばしてくるかなと思ったので、自分も最初飛ばし気味でいきました」


――氷の状態はいかがでしたか。

「氷は悪くなかったんですけど、やはり風です。風が本当に強くて身体が結構あおられました」

 

濱本

――今日のレース(1000メートル)を振り返っていかがですか。

「気持ちいいレースができました。順位とかタイムは意識していなくて、昨日の1500メートルで出来なかったことをできるようにすることを意識しました」

 

向山

――今後に向けての意気込みを聞かせてください。

 「今年は5位で終わってしまったので、来年は表彰台に乗れるように頑張りたいと思います」


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