「日本一の応援団に」 浜浦良 第67回定期演奏会・第65回紫紺の集い直前インタビュー

応援団
2019.12.22

 最後の幕が上がる。4年生にとっては最後の舞台となる定期演奏会・紫紺の集いが、今年度は12月23日に府中の森芸術劇場にて開催される。今回は引退を間近に控えた4年生に今の気持ちを伺った。団長を務める浜浦良(営4=文京)のインタビューです。(この取材は11月4日、12月16日に行われたものです)

 

――4年間を振り返っていかがですか。

 「続けてきて良かったなと思っています。正直1年生の頃は1ヶ月に1回は辞めたいと思っていて、先輩に相談した時もありました。2年生の時に新歓をしていても心から入団してねと言えなかったんですけど、今言えるのは応援団入れば間違いないよということです」

 

――1年生の頃以降、つらい時期はありましたか。

 「4年生の春です。団長になって最初の合宿を終えた時に全然うまくいかないなと思いました。その頃は自分でいろいろやっているつもりではあったのですが、後輩や同期の行動を変えるということまで起こすのはきついなと思いました」

 

――応援団のとしてのやりがいはどこに感じますか。

 「感覚としては9割がつらいこと、1割が楽しいことです。正直、普段の練習は楽しくないことが多いです。でもその中の1割の楽しいことの方が圧倒的に大きくて、時間的に見れば9対1かもしれませんが、自分の中の思いとしては真逆になるくらいです。特に紫紺の集いはそれを感じることのできるステージだと思います」

 

――団長として意識したことはありますか。

 「常に夢を見続けることです。他の人が夢を見たとしてもそれはチームのトップ目標にはならないので、僕は一番、夢を見続けました。自分の中でできると信じていることがあったのでそこはぶれずに目指し続けました。あと、団長になったら支持率を100%にしてやりたいと思っていました。日本の総理大臣や知事はみんなと関わりがないから支持率100%って無理だと思うんですけど、たかが130人くらいの組織の団長が支持率100%になれないのは恥ずかしいなと思いました。団員全員が浜浦団長でよかったですかと言われたら、はいって胸張って言ってくれるように目指してやってきました」

 

――目指し続けたこととは何ですか。

 「日本一の応援団を掲げました。何をもって日本一かは難しいですが、自分たちが胸を張って日本一だと言えるくらい応援団をやってほしいという思いがあります」

 

――日本一への道は進みましたか。

 「自分の中でやれることはもうやったつもりです。だからこそ、ここまでかなという思いもあります。あの時こうしておけばよかったというのはなくて、もうやり切りました。日本一の80%まではいったと思います。あとの20%は来年以降、達成してほしいです」

 

――思い出に残っていることはありますか。

 「一番好きだったのは練習後のぐだぐだしている時間です。同期との何気ない会話や、合宿中、洗濯当番の時に同期5人で、こっそりお菓子や缶詰とか食べて先輩の愚痴を言っていました(笑)。練習後の何気ない時間はいつもあったので幸せでした」

 

――今後の応援団に対する思いを聞かせてください。

 「応援をさせられるのではなくて、自分から応援したいという思いがあるのが一番だと思っています。応援団は、あの子たち応援させられてるねと思われるのではなくて、応援の楽しさを体現する人たちが応援団だなと思っているので、応援活動をやりたいと思える人たちになってほしいです」

 

――これまでどんなことを後輩たちに伝えてきましたか。

 「まずはあいさつをしようというシンプルなものでした。そこから具体的な応援方法だったり、人としてあるべきことを指導して、最終的には応援をしたいと思えるような団員になってくれという風に投げ掛けました。その発信も下級生からも求めましたし、思い立ってすぐ行動することは重視してきました」

 

――今年度のスローガンである〝応援とは〟を掲げた経緯を教えてください。

 「応援を届ける組織なので、応援に特化しなくてはいけないと思いました。なのでその意識付けのスローガンにしました。まずは団を好きになってほしかったですし、どうやったら団員が応援を好きになってくれるかという風に派生していけるようなスローガンにしてました。そこまで深く考える人って少ないと思います。でも考えれば考えるほど部活のこと好きになり、思いが強くなると思ったのでこのスローガンにしました」

 

――浜浦さんが考える理想の応援はどんな応援ですか。

 「相手に届かないと自己満足になってしまうので、声や動きを含めてまず相手に絶対伝えることが大切だと思います。その上で体育会の選手の好成績やお客さんに対する元気を高めていきたいです。どんな人が見ても100%感動を与えられる応援が一番なのかなと思います」

 

――この4年で成長した部分はありますか。

 「一つは限界という言葉がなくなったかなと思います(笑)。できることは無限にありますし、これが精一杯と思ってもまだ頑張れると思います。今後の人生で限界という言葉を使うことがないのかなと思うようになりました。もう一つは勇気ある行動をとれるようになったことです。今ここでやらなかったら後悔すると思ったときに行動できる人になったと思います」

 

――団長として貫いた思いがあれば教えてください。

 「僕が応援団の顔だということです。僕が一番応援団を好きですし、応援団を引っ張るという自信ややる気と、応援団に懸けるという思いがありました。なので、僕以上に明治大学応援団を好きな人はいないと思います。常に一番応援団のことを考え続けて応援団のために動きました」

 

――浜浦さんにとって応援とは何ですか。

 「全員が幸せになれることです。応援という言葉が100%ポジティブな言葉だと感じていて、この良さをみんなが知ったら世界が平和になるくらい応援には良い側面しかないと思っています」

 

――後輩に向けてメッセージをお願いします。

 「今の時期は来年の準備をしながらいろいろ動いていると思うんですけど、でも全員が23日に懸けてくれないと何も起きないと思います。一つの舞台に4年生だけがやり切ったと思えるのではなくて、下級生も今年で十分やり切ったと言えるようにしてほしいです」

 

――同期に伝えたいことはありますか。

 「僕は現実を見させてしまう団長で、きついことをやらせたので、最後は好き勝手やってほしいです。来年のことも気にしなくていいですし、後輩たちのことも気にせず、最後くらいは楽しんでほしいです」

 

――本番を楽しみにしているファンに向けて一言お願いします。

 「お客さんにとっては毎年のイベントにしてくださっているかもしれませんが、僕にとっては人生最後の舞台です。あれだけの人の前でできるのは幸せですし、僕は僕以上の団長はいないと思ってこの1年間やってきました。98代が明治の歴史の中でも一番にするという思いを見ていただきたいです」

 

――ありがとうございました!

 

[中野拓土]