「社会で役立つ人間になれた」 玉貞行啓 第67回定期演奏会・第65回紫紺の集い直前インタビュー
最後の幕が上がる。4年生にとっては最後の舞台となる定期演奏会・紫紺の集いが、今年度は12月23日に府中の森芸術劇場にて開催される。今回は引退を間近に控えた4年生に今の気持ちを伺った。ステージ企画を務める玉貞行啓(政経4=修道)のインタビューです。(この取材は12月15日に行われたものです)
――リハーサルを終えていかがですか。
「リハーサルが始まるまで手探りで作業を進めてきましたが、意外と形になったと思いました。スムーズにできて良かったです」
――リハーサルするまでは不安でしたか。
「やるまではうまくいくのかなとか吹奏楽やチアの人たちがちゃんと理解して動いてくれるかが不安でしたけど、みんな頭がいいので不満なく、むしろ感激するくらいでした。本番はあまり心配していないです」
――今回のステージのこだわりはありますか。
「大々的に変えてはいませんが、毎年来てくださっているお客さんが、去年と違うなとか新鮮だなと思えるようにマイナーチェンジしました」
――曲目などは1人で決めるのですか。
「紫紺の集いの曲目に関してはまずは僕がやりたいことを応援指導班の5人に言って、それはほぼ通りました。なので他の部には言っていませんでした」
――例年から変更した中で特にお気に入りの部分はありますか。
「覇者明治です。覇者明治はステージの最後にやる曲なんですけど、本来はそういう曲ではないと思いますし、昔は神宮球場でももっと使われる曲でした。今はすごくもったいないと思っていて、最近は神宮でもやりますが少ないですし、ステージでも少しだけで日の目を浴びない曲です。でも僕はすごく好きなのでお客さんの印象に残るように覇者明治を少し変えました」
――幹部として過ごした1年間はいかがでしたか。
「楽しかったんですけど、応援団をやっているという感じは3年生よりも薄くなりました。4年生になって応援団を動かしているんだと思ってやることもできますけど、役職としては一番トップというわけではないので、日々の雑務に忙殺されていました(笑)。それでも楽しかったです」
――大変だったことは何ですか。
「とにかくLINEが多いです。通知や仕事が多すぎてLINEを開発した人を恨みたくなりました(笑)」
――思い出に残っていることはありますか。
「渉外活動で愛知や富山などに遠出したんですけど、それは楽しかったです。僕は渉外活動が印象に残っています。特に富山の渉外活動が一番楽しかったです。応援団を好きな人が多いですし、1年間で3回行きました。3回も行けば好きになります。帰省の回数よりも多かったです(笑)」
――幹部として学んだことはありますか。
「自分で考えて先を読んで行動することを学びました。これまでは指示待ち人間で、指示されてやっている最中も、また次の指示がないとやらない人でした。ですが、ここに入って常に頭を働かせて指示をしました。これをできるようになったのは応援団のおかげです。社会で役立つ人間になれたと思います」
――4年間を振り返っていかがですか。
「人生で初めて頑張ったと思えます。ただ頑張ってやり続けたのは褒めたいですが、4年生は頑張ればもう少しできたかなという反省もあります。それでも人生で初めてつらい部活をよくやり遂げたと思います。入団してよかったです」
――ステージでの学生注目で何か伝えたいことは決まっていますか。
「他大学の団祭を見に行ったんですけど、みんな長いんですよ。同期が語っているのでいいんですけど、長すぎて眠たくなってしまいました(笑)。僕は早く曲を聞きたいので長いと疲れてしまうんです。なので僕はすぐにチャンスパターンメドレーに入ります。30秒くらいで始めるので我慢してください(笑)」
――特に注目ポイントはありますか。
「マイナーチェンジしたところを探してみてほしいです。あとは他大学の団祭を見て、司会が入ってから1曲だけ披露という繰り返しが続きやすいなと思いました。ですがそれは司会が長くて曲がすぐ終わるので単調になってしまいます。それは疲れてしまうので構成を考えるに当たり、避けたいと思いました。みんながまだ元気な序盤に指揮紹介や校旗紹介など曲以外の部分も入れて最後は曲を盛り込んで観客を飽きさせないようにしました」
――後輩に向けてメッセージをお願いします。
「自分で考える人間になってください。やっぱり役に立たないといけないです」
――同期に対して何かメッセージはありますか。
「死ぬまで仲良くやりましょう。お葬式は呼んでほしいです(笑)。お葬式に呼ぶくらい仲良くやりましょうと伝えたいです」
――本番はどういったステージにしたいですか。
「ミスはしていいんですけど、やっている本人たちが失敗を恐れないステージをやりたいです。後輩には思いきりやってほしいです。もう間違っていいので(笑)。その方が逆に面白いですし」
――今年度の応援団のスローガンが〝応援とは〟ですが、玉貞さんにとって応援とは何ですか。
「難しいんですよね(笑)。団長が〝応援とは〟というスローガンにするくらい考えさせれくる人なので、僕たちもこの1年間考えました。応援団がいなくても競技はできますし、存在意義があるかと言われると、必ずしもあるわけではないと思います。言い方は悪いですが、僕たちの自己満足な面があります。でも、その自己満足があふれて選手を勇気付けるというのが応援だと思います。本当は自己満足ではダメですけど、それが相手に届けばいいなと思います」
――本番への意気込みをお願いします。
「この1週間LINEを溜めずにがんばります(笑)」
――ありがとうございました。
[中野拓土]
関連記事 RELATED ENTRIES
-
定期演奏会・紫紺の集い直前特集③ 横川樹来
応援団 2021.12.09最後の舞台がやってくる。12月10日に開催される定期演奏会・紫紺の集い。4年生にとっては引退を迎える大舞台に向け、悔いのない集大成を披露する。 本特集ではステージ活動に関わる役職者のインタビューをお届けします。第3回はステージ企画を務める横川樹来(情コミ4=明大中野)です。(なお、この取材は12月4日に行われたものです)(写真:ゲネプロでリーダーを振る横川)――ゲネプロ終えて今の心境をお聞かせください。 「まだあと1週間あるのでもっとクオリティーを上げなければお客さんに元気と勇気を与えられないと思っています。これから必死こいて練習します」――ここまでの応援指導班としての仕上がりはいかがですか。 「完成度は6割くらいです。拍手の音にこだわっているんですけど、本番直前まで伸びるかなと思っていますし現状に満足せずにいきたいです」――この1年間苦労してきたことはありますか。 「予定していたものがコロナで急になくなってしまったときに次の手を考えていくことは大変でした。ステージは応援団にとって年に3、4回ほどしかないのでステージに対して気持ちを持っていくというのも難しいなと思いました。神宮とかの方がモチベーションが高いですし、ステージは練習していてもお客さんからすぐにリアクションが来ることはないのでそこは難しいと感じてきました」――そんな中ステージに気持ちを持っていくためにどのような声掛けをしてきましたか。 「応援は目の前の人に力を与えることはもちろんですが、試合がなくても僕たちが頑張っているだけで勇気付けられることもあるのかなと思います。頑張っている人を見ることで勇気付けられる人もいますし、選手だけじゃなくていろんな人に届かせるのが応援なんだよ、どんな人でも応援するのが僕たちなんだよということを常々言っていました」――紫紺の集いのテーマを教えてください。 「『ひた向き』です。応援指導班の今年のスローガンが『ひた向き』なんですけど、何事も目の前のことを一つ一つやっていくことが一番大事だということで、練習中にも言っています」――引退を前にした今、4年間の思い出を教えてください。 「練習で先輩や後輩、同期と一緒にひたむきになりきれたときのことは覚えています。この日の練習はめっちゃ良かったとか、練習での思い出が一番印象に残っています」――後輩を育てていく中で気を付けていることはありますか。 「練習中は厳しくすることもありますが、その後のフォローは大切にしています。練習以外も先輩が厳しかったら後輩は自分からいけないと思うので、練習後は自分から雑談したり悩みはないかと話し掛けたりしていくことをかなり意識していました。僕は新人監督という役職にも就いているので、後輩のケアには気を付けていました」――今年は例年とは異なる演目になっているかと思いますが、意図やこだわりはありますか。 「一番は拍手にこだわっています。チアには申し訳ないですが、チアの人数を少なくしてもらって、その分拍手を多めに入れるようにしたりと拍手を見せたいというのは特に思っていました。照明などもこだわりますが、それに頼りたくない思いもあり中身にこだわっています」――演出を考える上で参考にしたものはありますか。 「先輩方のステージを見ました。チアを入れずに指導班だけが拍手する部分は法大が六旗の下にでやっていていいなと思っていたので、他大学から影響を受けている部分もあります」――当日の見どころを教えてください。 「全部でしょう(笑)」――引退を前に後輩に伝えたいことはありますか。 「まずは目の前のことにひたむきに向き合っていくことが大切だと思います。今あることに集中してやり切るということを後輩にも大切にしてほしいなと思っていて、応援団が終わってから応援団のことを振り返ってほしいと思います。あとはいろんなことを学ばせてもらいました。高校まではこんなに先輩後輩の関係がしっかりした組織にいなかったので、こんなにひたむきにぶつかってきてくれるんだったら自分もこう向き合っていった方がいいんじゃないかということを学ばせてもらいました」――同期の皆さんにもメッセージをお願いします。 「最後まで一緒に頑張ろうということしかないですね。あと、いつもありがとうと伝えたいです」――学生注目がありますが、今の段階で考えていることはありますか。 「あまり何も考えてないんですけど長くならないようにということと、いろんな人に感謝を伝えたいと思っています。みんなが感動するようなことは言えませんが、ステージに入る前の一言なので皆さんがステージにのめり込めるような一言を言えればいいなと思います」――本番に向けた意気込みをお願いします。 「引退のステージどうこうではなく人に応援を届けたい気持ちが一番強いので、目の前のことをひたむきにやって1人でも多くの人に元気と勇気を伝えます」――ありがとうございました。[中野拓土]READ MORE -
定期演奏会・紫紺の集い直前特集② 植野愛麻
応援団 2021.12.08最後の舞台がやってくる。12月10日に開催される定期演奏会・紫紺の集い。4年生にとっては引退を迎える大舞台に向け、悔いのない集大成を披露する。 本特集ではステージ活動に関わる役職者のインタビューをお届けします。第2回はステージ企画を務める植野愛麻(法4=三田)です。(なお、この取材は12月4日に行われたものです)(写真:応援歌に合わせて踊る植野)――ゲネプロを終えて今のお気持ちをお願いします。 「1週間前ですが完成度はまだまだで、これからやらないといけないことが多くあるので不安を感じてはいます」――どのような点を改善していきますか。 「チアステージでは一つ一つの完成度を高めたり、紫紺の集いはリーダーと合わせるというところがまだまだなところなのであと1週間で詰めていきたいと思います」――ステージ企画の役職として意識してきたことを教えてください。 「応援活動は学年が上がれば良い場所で踊れたり4年生が主体となってやるんですけど、ステージはみんながフラットに輝けるというのを目指してきたので、下級生でも活躍できるようにということを1年間意識してステージを作ってきました」――この1年間苦労してきたことはありますか。 「去年からなのですが、スタンツに制限があって思い通りに組めないというところです。感染予防の観点から固定のメンバーでスタンツをやることになったので、どうしても差が出てしまうというところはありました。夏合宿が行われていれば成果発表会も企画していましたが、頓挫してしまって場数をこなすことが例年より少ないのでそこは大変でした」――ステージ企画という役職についた当時の心境を教えてください。 「下級生の頃は応援団の活動が大変だなと思うこともあったんですけど、1年生の時にやったステージが楽しくて自分もこういうステージを作って1年生にも楽しんでもらえるようなことがしたいなと思っていました」――応援活動とステージ活動で団員間での意識の違いはありますか。 「応援系が好きな子とステージ系が好きな子で分かれてしまうことはありますが、チームでやっていることなのでどちらも頑張ってほしいなという思いがあります。みんなで盛り上げられるような声掛けを3年生の子たちも中心にやってくれていてそういう部分で少しでもステージを楽しんでもらうきっかけになればいいなと思います」――今年のバトン・チアリーディング部はどのようなチームですか。 「例年より主体性があると思っています。特に下級生にそれを感じます。例年であれば4年生が声を掛けて盛り上げていくことが多いんですけど、今年は練習中から2、3年生からの発信が増えていて主体性が出てきているなと感じます」――ステージの見どころを教えてください。 「例年はチアステージのアンコールは衣装を着て学年紹介をして幹部のスタンツが上がるというのが定番ですが、今年はそれをなくして全員私服にして個性が光るような服を着るという演出があるのでそこに注目してほしいです。紫紺の集いに関しては、今年は演目が例年とは変わっているので去年までとの違いを見てほしいです」――最後に本番に向けた意気込みをお願いします。 「来てくれた人を笑顔にできるステージにしたいと思います」――ありがとうございました。[中野拓土]READ MORE -
定期演奏会・紫紺の集い直前特集① 藥師彩花
応援団 2021.12.08最後の舞台がやってくる。12月10日に開催される定期演奏会・紫紺の集い。4年生にとっては引退を迎える大舞台に向け、悔いのない集大成を披露する。 本特集ではステージ活動に関わる役職者のインタビューをお届けします。第1回は演奏会企画を務める藥師彩花(総合4=横浜翠嵐)です。(なお、この取材は12月4日に行われたものです)(写真:当日に向け練習に励む藥師)――ゲネプロを終えて今のお気持ちをお聞かせください。 「私は演奏会企画という役職で、裏方に徹する人間なので時間の管理などステージ運営を気にかけていたのですが、紫紺の集いは時間内に終えることができそうで安心しました。例年以上に全体での練習や吹奏楽部の練習ができていない状態なので不安は残りつつも、あと1週間頑張るしかないなと思っています」――これまでステージでの演奏に向けてはどのような練習をされてきましたか。 「練習に出ると下級生たちと変わらず良い演奏を届けるという気持ちで練習していますが、練習が終わった途端に役職のことを考えて、あそこは修正した方がいいなとかということは考えてしまいますね」――ステージに関わる役職として大変だったことはありましたか。 「お客さまも呼んで大きなステージを開催させていただくことになったので、細かいことを考え始めると決めなければいけないことが多くありました。コロナ禍での対策も考えつつ、コロナ禍2年目というところで去年から改良を加えたり、応援団が100周年なのでその特別感も入れつつ、私たちしかできないことはないかなと考えながらやるのは大変でした」――今回の場所や時間の設定として考えていたことはありましたか。 「本当は今年から以前のように、紫紺の集いと定期演奏会を別日にして行うということを考えてはいたんですけど、コロナ禍で2日開催するのは厳しいかもしれないということになりました。ここで無理をするよりも確実な1回をやりたいと監督と幹部で話し合って決めました」――4年間の思い出に残っていることを教えてください。 「多分10日の当日が一番思い出に残ると思っています」――吹奏楽ステージの今年のテーマを教えてください。 「吹奏楽ステージは『前へ』、ドリルステージは『Imagination!』がテーマです。吹奏楽ステージではこんな状況でも前に進もうということと、今年は今まで扱ってこなかった曲目、特にトロンボーンコンチェルトやジャズなど新しい試みをしているので『前へ』という言葉通りに挑戦していこうということでこのテーマになっています」――吹奏楽ステージのこだわりや見どころを教えてください。 「今年は個人個人が新しいことにも挑戦してきました。1年生が多く入って来てくれたんですけど、去年までは人数が少なくて困っていたので楽器のコンバートもありました。4年生になって新しい楽器を始めたメンバーもいて、そのような者がソリストをやっていたりするので、一人一人の頑張りを見て聞いて感じてもらえるとうれしいです」――集大成を前に後輩の皆さんへメッセージをお願いします。 「練習でも言ったことなんですけど、とにかくこの部活を途中で辞めないでほしいということですね。独特な組織なのでやりたくないことをやらないといけないことも多いんですけど、それをやってみた先に何かがあるはずなので、そこに少しの期待をかけてとりあえずやってみようというポジティブな精神を持ってほしいです」――同期の皆さんへもお願いします。 「4年間の中で家族よりも長い時間を過ごしているかもしれない人たちなので、この関係が卒業してからも続いてくれるとうれしいです」――当日に向けた意気込みをお願いします。 「当日、色々と慌ただしくなるとは思いますが、全てのお客さまと全ての団員が満足して終われるように頑張ります」 ――ありがとうございました。 [中野拓土]READ MORE