(5)強豪校への勝機はあるのか~帝京大~

空手
1999.01.01
 現在、関東大学空手界の組手は東日本、関東優勝校・駒大と両大会の準優勝校・帝京大の2強。その2チームを、明治をはじめ同じく関東3位の国士大、東日本3位の日大、大正大などが追っている。しかし、2強に大きく水をあけられているのが現状だ。

 では明治が帝京大に勝利する可能性はあるのだろうか。まず上のスコアを見てほしい。

 これは過去2年間の対帝京大戦の試合結果だ。前述した通り、3戦全敗ですべてストレート負け。しかし、その下にある試合の詳細を見てみると、必ず2試合は善戦した試合があることがわかる。(太字を参照)順を追って見ていくと、06年の関東では浦野、稲、07年の関東では浦野、谷崎(文3)、同年インカレでは谷崎、浦野と、いずれも稲、浦野、谷崎の3選手が絡んでいる。彼らは今季もチームに残っており、強豪校からの勝利はこの3人に懸かっているといえるだろう。

 また3選手が善戦した相手は、徳永、野口、二瓶、香川、甲斐の5選手。今季は徳永、野口、二瓶、甲斐が4年、香川が3年と5選手ともすべて残り、相手にも変化はない。昨年の対戦で得た経験を生かしたいところだ。

 次に組手の競技性に注目したい。一昨年、昨年とスコアを見れば完敗にも関わらず、試合後には「あまり実力差を感じなかった」と話す選手が多く見られた。それはなぜだろうか。

 組手の勝負は「紙一重で決まる」(龍コーチ)といわれている。現に本学の選手が善戦した試合では、前半はリードしていたにも関わらず、後半に一気にポイントを奪われて逆転負けを喫することが多かった。逆に完敗した試合は序盤にポイントを奪われ、そのままズルズルと差を広げられてしまう姿が目立った。
 一方、帝京大の選手はどんな場面においても常に冷静だ。序盤でポイントを奪うと、一気に試合を決めてしまい、たとえリードされても決して焦ることなく、じわじわと相手を追い詰めていき、最後には逆転してしまう。帝京大にはこうした試合運びのうまさがある。

 この部分こそが、明治と帝京大の一番の差ではないだろうか。

 組手の団体戦は3勝したチームが勝利。善戦した3選手が去年までの経験を生かして、相手を追い詰めていけば勝機は見えてくる。さらに今季は3選手のほかにも松本(政経4)、中村(竜・法3)といった昨年から出場する選手が多く残り、また高校で実績を残した有望な新入生も加入。チームの戦力はここ数年で一番の状態といっても過言ではない。

 今季、強豪校との対戦が予想される最初の試合は5月の東日本選手権。果たしてどのような戦いを見せてくれるのか。帝京大の牙城を崩すチャンスは十分ある。

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