単2人・複1組が堂々の4強入り!シーズン集大成を笑顔で飾る/全日本学生選手権
インカレもいよいよ集大成を迎えた。女子シングルスで西口涼子(農4=埼玉栄)、上杉杏(商1=埼玉栄)、そして女子ダブルスには前大会覇者の上杉夏美(商3=埼玉栄)・鈴木成美(商3=埼玉栄)組が出場。優勝こそ逃したものの、出場者全員がベスト4を獲得し、笑顔でインカレを終えた。
◆10・12~17 第70回全日本学生選手権(小田原アリーナ)
▼女子シングルス 西口、上杉杏――ベスト4
女子ダブルス 上杉・鈴木組――ベスト4
【女子シングルス】
決勝進出まであと一歩届かなかった。最後のインカレとなる西口の準決勝は長年の良きライバル、池内萌絵(日体大)との対戦に。勝負は第3ゲームまでもつれながらも、勝利への光が見えた矢先に事態は一転。相手の「不規則なペースでパワーがある」ラリーに苦戦し、最終ゲームを17―21で献上。敗戦となったが堂々のベスト4入りを果たした。
約14年間の選手生活を悔いなく締めくくった。昨季のインカレからの技術的な伸び悩みや春季リーグ戦の1部2部入替戦の出場決定。個人としてもチームとしても思い悩む時期の多い1年間だった。「先輩として貢献できず、バドミントンが大嫌いだった。まさにどん底の日々」。この状況から救い出したのは周りの同期や後輩のサポート。温かなチーム環境が西口の才能を再発揮させた。「苦しかったけれど続けていれば良かったこともたくさんあった」と笑顔で競技生活に幕を閉じた。
一方でルーキーも奮闘した。上杉杏の準決勝の相手は今大会優勝者の香山未帆(筑波大)。自身が得意とする攻撃的なプレーを仕掛けるも、決め球が決まらず1―2で敗戦した。「もっと自分のプレーができたら良かった」。悔しさをにじませるも、次戦の新人戦では「優勝を目指す」と一層の鍛錬を誓った。
(最後の試合は4年生3人で。西口のサポートには重松花苗主将(政経4=埼玉栄)、仁平明花(文4=富岡高校)が入った)
【女子ダブルス】
「心のどこかで『勝たなきゃ』という思いがあった」(鈴木)。準決勝、上杉夏・鈴木組は連覇への重圧を払しょくできず「力が出し切れなかった」(上杉夏)。守りの展開を打開できないまま、15―21、13―21で完敗を喫した。
この1年、あらゆる場面でのしかかってきた学生王者という肩書き。それでも「このプレッシャーのおかげで成長できた」(鈴木)。激動のシーズン経験は必ず糧となる。「一度引くと自分たちで押せない。そこが課題」(上杉夏)。気持ち新たに再スタートを切る。
(重圧ゆえか、今試合は2人らしさを出せない場面が続いた)
今季の女子は春季リーグ6位と波乱の幕開け。「そこからちょっとずつチームをつくってきました」と重松主将。東日本インカレでは団体準優勝を達成した。
「自分たちが引退した後ももっと良い結果を残してくれる」(重松)。コート上では主役ではなかったかもしれない。それでも1年間、チームを笑顔で支え続けた〝陰の主役〟はほほえみながら会場を後にした。
[素宮愛結・山根太輝]
試合後のコメント
重松主将
――来季はどのようなチームを期待していますか。
「実力はあるからあとは勢いです。今年もやっていて勢いが足りなかったかなと。今年の4年生はうるさかったんですが、みんなは良い子だから騒ぐところであがってこないことがあるので。そこを乗っていけたらリーグでも優勝できると思います。勢いと実力を兼ね備えたチームになってほしいです」
西口
――選手生活を振り返っていかがですか。
「なんだかんだ、バドミントンが大好きだったなと思います。苦しかったけれど続けていれば良いことがたくさんあるんだなと。最後も負けたけど、悔しいよりうれしいの方が大きかったし、出し切れてすっきりという感情でした。今までやってきてよかったという思いです」
上杉杏
――本日の試合についてお願いします。
「(今季2度負けている相手に)今度こそ勝つぞと気合が入っていました。いつもは自分が攻めて、向こうがレシーブになる形が多かったけど、今日は向こうが低い展開できていたので押されてしまいました」
鈴木
――新主将としてどのようなチームをつくっていきたいですか。
「すごく仲の良いチームなんですが、もっと『ここがダメだ』といった学年関係なく意見が飛び交うチームにしていきたいです。みんなでチームをつくるようにしていけたらと思います」
上杉夏
――来季は4年生となります。気持ちとしてはいかがでしょうか。
「最後の年ですし、今年は力出せずに悔しい形で終わったので。この冬でしっかり体力を付けて、来年は団体も個人も優勝できるように臨みたいです。全部優勝できるようにしっかり気持ちも技術面も上げたいです」
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