王者・早大に惜敗  健闘及ばす黒星発進/関東大学女子1部リーグ戦

硬式庭球
2019.09.05

 非常に悔しい開幕戦となった。ダブルスでは2戦とも敗北する厳しい展開に。それでもルーキー・岡垣穂香(国際1=岡山学芸館)らの活躍で、シングルス3勝1敗と巻き返しに成功。13季続けて王座を制覇している早大をあと一歩のところまで追い詰めたが、力及ばず。チームカウント3―4で初戦を終えた。

 

【S1宮田VS清水】

 この日一番の正念場に挑んだ。チームカウント3―3で回ってきたシングルス1には宮田みほ主将(文4=名経大高蔵)が出場。対戦相手の清水映里(早大)は全日本学生室内・シングルス優勝経験もある早大のエース。「ショットの球威がすごい選手」と深いストロークで打たれたボールを相手コートに返せない。多彩な球種にも苦しみ、第1セットを4―6で落とす。それでも第2セットでは相手を左右に崩すと、チャンスボールをしっかりと沈め、一度は4―1とリードした。強敵に果敢に食らい付く姿で、主将としての意地を見せた。

(強気のプレーで押した宮田主将)

【S4金山VS倉持】

  力強いガッツポーズは明大を勇気付けた。この試合最初の白星を挙げたのはシングルス4の金山晴菜(政経3=野田学園)。「自分のプレーがしっかりできた」と主導権を相手に一切渡さず、6―1で第1セットを奪う。続く第2セットでは序盤リードを許すも「チームのために絶対一本取りたかった」。気迫のプレーを見せ、最後はコート奥深くに刺さるショットを放ち6―4で勝利。笑顔とガッツあふれる金山のプレーはチームに流れをもたらした。

(勝利の瞬間、金山は両手を挙げて喜びを見せた)

【S5岡垣VS田中】

 チームを思う気持ちが勝利を引き寄せた。岡垣は2月の新進大会でシングルス優勝経験のある格上と対戦。「普段だったら自分のミスで負ける試合」とミスショットの少ない相手とのラリーに苦戦。だが「先輩に楽な気持ちで試合に入ってほしかった」。ダブルスでの2敗を、自分と隣コートで試合をしていた金山の2人で取り返したい一心で食らいつき、7―5で第1セットを取った。第2セットでは一時はリードされる展開こそあったものの「気持ちでは負けていなかった」。攻め手を緩めず7―5と、ストレートで勝利を飾った。

(ルーキーながら堂々とした戦いぶりだった岡垣) 

 シングルスの層の厚さが表れた試合となった。昨年は早大にシングルスで1勝しかできなかった明大だったが、今年は3つの白星を挙げた。「今年が一番王座を狙えるチーム」(宮田主将)と、個々の選手力の高さがうかがえる。次戦の筑波大戦では課題のダブルスでも勝利し、まずはリーグ戦1勝目をもぎ取りたい。

 

【久野稜太・山根太輝】

 

試合後のコメント

宮田主将

――早大にあと一歩のところまで迫りました。

「ダブルス0―2になってしまったのですが、明大はシングルスに良い選手がそろっているので勝てると思って今日挑みましたが、結果3―4ということですごい悔しいです」

 

――第2セットは一度大きくリードしました。

「4―1の時は、ここで取り切りたいという思いと相手がしつこくなってきたことで焦ってしまいました。そこは本当にもったいなかったと思います」

 

――最後のリーグに懸ける思いをお願いします。

「4年間頑張ってきて、最後は良い結果で終わりたいというのと、このチームを初の王座に連れていきたいと思っているので、竹本(琴乃・国際4=高松北)と2人で頑張りたいと思います」

 

岡垣

――今の気持ちをお願いします。

「団体戦で負けてしまって悔しいです」

 

――シングルスで勝ち切ることができた要因は何でしょうか。

「気持ちですね。私が取らなきゃいけないという思いです。先輩たちにちょっとでも楽に試合に入ってほしかったです」

 

金山

――相手が早大ということに対してプレッシャーを感じましたか。

「プレッシャーというより、明大の方が下なのでチャレンジャー精神でいこうかと思っていました」

 

――良かったところはどこになりますか。

「個人戦だと集中力が切れて自滅していくのですが、リーグ戦の方が自分は得意でして。チームのために絶対一本取ってやると思って集中力が今日は切れずにプレーできたので良かったです」