ルーキーが台頭! 東大に連勝し勝ち点3でリーグを終える/東京六大学春季リーグ戦
初戦を勝利で飾り、迎えた東大2回戦。初回で先制し続く2回表までに3点を挙げるが、守備の乱れから3回裏で逆転を許す。しかし6回表、上戸鎖飛龍内野手(農1=花巻東)の右前適時打や、谷口秀斗外野手(営2=広陵)のセーフティーバントから打線がつながり一挙4点を獲得。後続を抑え、春季リーグ最終戦は逆転勝利で幕を下ろした。
◆4・6~6・2 東京六大学春季リーグ戦(早大伏見グラウンド他)
◆5・19 対東大2回戦(早大東伏見グラウンド)
○明大7―4東大
2回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
明大 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 7 |
東大 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
「攻める姿勢を持ち続けた」(竹村律生内野手・営4=佐野日大)。1回表、相手の守備のスキを突いた竹村の好走塁で首尾良く先制。しかし、2回裏、3回裏と続けて失策や投手の制球の乱れから危機を招き東大に逆転を許してしまう。得点のないまま迎えた6回表。先頭打者の上戸鎖が右前適時打で出塁。相手の四球などでさらにチャンスを広げると、新田大智投手(法1=花巻東)の犠飛で同点に追い付く。なおも1死三塁の好機で「自分のやれることを」(谷口)と機転を利かせたセーフティーバントで逆転に成功。流れに乗った明大はさらに2点追加し、この回一挙に4得点を挙げた。その後は無失点に抑え最終戦を見事に勝ち切った。
1年生ルーキーの活躍が目覚ましい。4回裏からマウンドを任されたのはルーキー・新田。体格の良さを生かした重い球で4回を投げ無失点に抑えるなど、序盤の悪い流れを断ち切る力投を見せた。同じくルーキーの上戸鎖は今季2度目のスタメン出場。長所は「打率を残せるところ」(上戸鎖)。先頭打者として打席に立った2回表では左前に、6回表には右前に鋭い適時打を放ち逆転の流れをつくり出した。他にも、今季リーグ戦後半から二塁手のスタメンとして出場した永井克樹内野手(営1=広陵)など、頼もしい新戦力の台頭が見られる。
関東王者の意地を見せたか。5位に沈んだ昨年度に比べて今季は勝ち点3を獲得し確かな成長を見せた。「粘り勝つことができた」(千田京平主将・農4=花巻東)。ただ、課題は残る。「投手を苦しませた」(千田主将)。高島泰都投手(法2=滝川西)や前田剛志投手(農2=札幌第一)らに頼り切った試合運びでは、全国に歩を進めたチームに勝つことはできない。「打撃面でレベルアップしていきたい」(千田主将)。8月に控える全日本選手権で日本一になるために、投打を兼ね備えた「完璧なチーム作り」(千田主将)を目指しさらなる飛躍を遂げる。
[田崎菜津美]
試合後のコメント
千田
――どのような練習を取り組んでいきますか。
「実践もそうですけど、バットを数振ってとにかく振る力を付けます。全日本では良いピッチャーもいると思うので、そこに振り負けないようにしていきたいです」
竹村
――走塁が目立ちました。
「前々から主将に言われていたように失敗を恐れず走った結果、練習の成果を出して良い結果を残せました」
谷口
――チャンスに強い秘訣(ひけつ)を教えてください。
「気持ちです。絶対に打つという気持ちです」
――リーグ戦を振り返っていかがですか。
「全日本に向けてチームが強くなる良い課題が増えました。1年生も台頭してきたので、来週の新人戦で1年2年がアピールしてもっとチーム向上を頑張ります」
新田
――8月の全日に向けての意気込みをお願いします。
「試合は5日連続であるので、核となる前田さんと高島さんが準決勝や決勝でフルの力で投げられるよう自分が抑えられるようにします」
関連記事 RELATED ENTRIES
-
法大に零封負け 準々決勝進出ならず/関東地区大学選手権
準硬式野球 2024.03.213回戦を突破した明大に立ちはだかったのは難敵・法大。試合は中盤までロースコアの接戦となったが、終盤に守備の乱れから主導権を握られる。打線の反撃を待つも、相手投手陣の前に無得点で終わり、4回戦で無念の敗退となった。 ◆3・11~24 関東地区大学選手権(早大東伏見グラウンド他)▼3・19 4回戦 対法大戦(サーティーフォー相模原球場) 明大0―6法大〇 4回戦123456789計 明大0000000000 法大10000230×6 先発の森慎之介投手(商2=佼成学園)は1回裏、2死一、三塁のピンチを背負うと「詰めが甘かった」と適時打を放たれ、先制を許す。ただ2回表は三者凡退に抑えると、3回裏は2死満塁を無失点でしのぎ、3回1失点と先発としての役割を果たした。 この試合では1年生下の亘翔大朗捕手(理工1=大分上野丘)とのバッテリーだったが「(亘が)気を遣うことなく考えを伝えてくれたので、コミュニケーションはしっかりと取れた」(森)と手応えを感じていた。 打線は3回表に満田悠生内野手(営2=中京大中京)、前國藤海斗外野手(政経2=明大中野)が連打で好機をつくるも得点にはつながらず。その後も走者を得点圏に進めるも、本塁を踏むことはなかった。 明大は4回裏から近藤吏矩投手(営3=札幌一)が登板し、早めの継投に。近藤は制球が定まらない中でも粘りの投球で4、5回裏を無失点で切り抜ける。しかし6回裏に2点を奪われると、7回裏には連打を浴び3点を奪われた。 なおも2死二塁のピンチで登板した田村陽大内野手(農3=花巻東)は「三振を取りにいくくらいの強い気持ちだった」と狙い通り三振を奪い、さらなる追加点は許さなかった。 田村は「無失点で抑えて流れを少しでも持っていきたかった」と8回裏のマウンドにも上がった。 打者にこそ安打を許すも、後続を断ち切り打線の反撃を待つ。奮起したい打撃陣だったが、相手投手のタイミングに合わせられず三者連続三振。法大に0―6で敗戦し、今年の関東地区大学選手権はベスト16という結果となった。 試合を振り返って吉原瑠人主将(法3=仙台育英)は「負けるべくして負けたが、悪いところは全部出た。走者が出たときは積極的にエンドランを仕掛けられたのは良かった」と決して悲観的ではない。チームの次なる舞台は東京六大学春季リーグ戦。そこへ向けては「その日ごとの課題をしっかりとこなし、次に切り替えて臨むことをみんなで共有してやっていきたい」(吉原)。 『下剋上』への道は、まだ始まったばかりだ。 [北原慶也] 試合後のコメント吉原――春リーグの目標をお願いします。 「目標は優勝です。1戦1戦を勝っていくつもりでやれば優勝につながると思うので、準備と確認にこだわって、優勝できるように頑張りたいと思います」 田村――個人としての課題はありましたか。 「打撃や守備など、いろいろな場面で課題が出ました。春季リーグ戦まで時間があるので、そこまで詰めていればと思います」 森――今後の展望をお願いします。 「また法大とは絶対に当たるので、今日の反省を思い切って勝ちたいと思います」READ MORE -
初回から猛攻! 共栄大相手にコールド勝ち/関東地区大学選手権
準硬式野球 2024.03.152回戦が不戦勝となり、明大は3回戦に臨んだ。共栄大相手に初回から8点を奪うと、その後も攻撃の手を緩めず4回裏までに15得点。コールドゲームとなり、4回戦へと駒を進めた。 ◆3・11~24 関東地区大学選手権(早大東伏見グラウンド他)▼3・15 3回戦 対共栄大戦(藤代スポーツセンター野球場)○明大15―2共栄大 ※大会規定により5回コールド 1回裏、明大は3者連続で四球を選ぶと、4番・田村陽大内野手(農3=花巻東)が放った右方向への打球を相手野手が落球。その間に1点を先制する。続く打者も死球で出塁し、大量得点の好機が続く。福田竜大外野手(商3=鎌倉学園)、河野壮希内野手(営2=明大中野八王子)、亘翔大朗捕手(理工1=大分上野丘)らが3連続となる適時二塁打を放つなど、この回無死の状態で打者一巡。8得点の猛攻で大きくリードする。その後も打線はつながり、毎回得点で相手を圧倒する展開に。この試合猛打賞となった福田は「前回の試合で打てなくてチームに迷惑を掛けたので、今日打とうという思いで(打席に)入って結果的に3安打で守備もいい形で良かった」と振り返った。 投手陣は先発の深瀬暖人投手(営1=三嶋南)が打たせて取る投球で2回を投げ無失点。2番手で登板した徳田叶夢投手(法2=高松商)は3回に2点を失ったものの、4回を無失点に抑え、最終回となった5回を近藤吏矩投手(営3=札幌一)に託す。「短いイニングだと集中して臨めて、思い切り100パーセントを出しやすいので、今日は良かった」と無失点で試合を締めくくった。 4回戦の相手は法大。「今まで以上に相手のレベルも上がってくると思う。ミスした方が負けると思うので、しっかりミスなく自分たちの野球をやって勝てるよう頑張る」(近藤)。目標の関東王者に向けて、次戦が一つ山場となるはずだ。チーム一丸となって負けられない戦いに挑む。 [堀口心遥]試合後のコメント近藤――今シーズン初登板はいかがでしたか。 「手応えはいい感じなので、次戦の法大にしっかりまた準備して臨みたいと思います」 ――最終シーズンはどのような1年にしたいですか。 「ここ数年全日本選手権に出るのに遠ざかっているので、最終シーズンはまず関東大会優勝して、全日本優勝するというのが自分らの目標なので、そこを達成できるように頑張りたいと思います」 福田――打撃の調子は上がってきていますか。 「そうですね。1回戦から別に悪くはなかったのですが、結果が出ていない状態で、今回は出て良かったなと思います」 ――チームの雰囲気はいかがですか。 「今まで練習を積み重ねてきて、結構チーム力というか団結力というのは上がっているかなと思っています」 亘――試合を振り返っていかがですか。 「初スタメンだったのですごく緊張したのですが、ベンチの学生コーチとか選手だったりが『緊張しなくていいぞ』と言ってくれたので、結構楽しく野球ができました」 ――キャッチャー目線で投手陣の状態はいかがでしたか。 「みんな真っすぐも走っていて、特に近藤さんは最近少し調子が上がらないと言っていましたが今日調整ができていて、いい球が来ていたので良かったと思います」READ MORE -
球春到来! 今年初の公式戦をコールド快勝で初戦突破/関東地区大学選手権
準硬式野球 2024.03.12 新体制となり初めて臨んだ公式戦。芝浦工大を相手に打線は6安打6盗塁14得点を挙げた。また投手陣は3人の継投で5回無安打無得点を達成するなど相手打線を圧倒し、次戦へと駒を進めた。 ◆3・11~24 関東地区大学選手権(早大東伏見グラウンド他)▼3・11 1回戦 対芝浦工大戦(あきる野市民球場)○明大14―0芝浦工大 ※大会規定により5回コールド 明大は1回表に先頭から2者連続で四球を選ぶと、けん制悪送球が絡み無死一、三塁の好機を迎える。宇津木一朗外野手(営3=川越東)への2球目を相手投手が暴投、その後二死から遊野選でこの回2点を先制する。2回表は四球や相手の失策で走者をため、4番に座った田村陽大内野手(農3=花巻東)が打席へ。「初回表の好機で三振してしまったので次はつなごうと思い、打ちにいった」と2点適時三塁打を放つなど一挙に4得点。5回表にも二者連続の押し出し四球などで得点を重ね、大きくリードを広げた。 先発は森慎之介投手(政経2=佼成学園)。「相手を意識することなく、キャッチャーミットをめがけて投げるようにした」と3回2奪三振と抑え込んだ。2番手の小磯孝平投手(政経2=日大二)、続く松浦寿和投手(法3=明大中野八王子)らもそれぞれ1奪三振を挙げる完璧な投球で上々の仕上がりを見せた。 投打のかみ合った試合を見せた明大。吉原瑠人主将(法3=仙台育英)は「初の公式戦ということもあるので、今後はもう少し打てるようにしたい。ただ守備と走塁がしっかりとできていたことは収穫」と試合を振り返った。目標の優勝へまず一歩近づいた。次戦も手堅く勝利をつかみにいく。 [阿部倖明] 試合後のコメント吉原――試合で何か意識したことはありますか。 「去年からずっと課題だった『守備』と『走塁』を意識しています。攻撃に関してはその日によっていい日と悪い日があるので、しょうがないと思います。なので守備と走塁は徹底して、それらが崩れなければいいリズムとなり攻撃に生かせるので、準備と確認はしっかりやっていきました」 ――リード面ではいかがでしたか。 「投手にはとにかくまっすぐで強くいくこと、ストライク先行しようと伝えました。投手陣は冬に走り込みなどのトレーニングを多めに行ってきたので、その成果は出ていたのかと思います」 相川幸太郎内野手(政経3=昭和)――金澤永輝前主将(法4=花巻東)と同じ遊撃を守っていますがプレッシャーなどはありますか。 「少し壁は高いですが『自分にできることをやる』『そこまで意識しすぎない』と考えてやっています」 ――次戦以降への意気込みをお願いします。 「相手関係なく、自分たちがこれまでやってきたことを出すっていうのを意識しながら戦っていきます」 田村――今年度はどのようなシーズンにしていきたいですか。 「もう最終年となるので、まずこの大会優勝して、(東京六大学)春季リーグ戦も優勝。そして全日本大学選手権も優勝し、全部優勝で締めくくりたいと思います」 森――狙ったところに制球できたという感覚はありましたか。 「ストレートはできたと思います。ただ変化球の制球はいまいちだったので、そこは課題だと思います」 ――今日の投球全体を振り返るといかがでしたか。 「70点です。やはり変化球がうまく操れなかったのが気になりました。しっかりとストレートだけでなく変化球でもカウントを取れるようにしたいです」READ MORE