「最後の最後まで勝てる応援をする」浜浦良団長 東京六大学野球春季リーグ戦直前インタビュー

応援団
2019.04.19

 応援団にも初陣の時が来た。神宮球場の応援席を盛り上げる応援団。総勢96名の大所帯をまとめるのは団長・浜浦良(営4=文京)だ。明日から始まる春季リーグ戦に向けて、熱き男に意気込みを伺った。

 (この取材は416日に行われました)


――団長になった理由を教えてください。

 「全部やりたいという贅沢な思いが強く、団を1番いい方向にしていけるのは組織の1番上に立つことだと思いました。それを自分たちの代で誰がやるかを考えた時に、自分しかいないと思い、団長をやろうと思いました」


――任命された時はどのような心境でしたか。

 「正直ないかなと思っていました。正式発表まで何の前触れもなかったので、諦めかけていたところもありました。嬉しさはあとからきました。言われて『よっしゃ!』という感じではなくて『あ、言われた』という感じでした」


――団長になって責任感や重みは感じますか。

 「すごく感じます。外部からというよりも内部から感じます。同期からもそうですし、後輩からの重みというのは感じています」


――新体制が始まってから団としてどのような取り組みをしてきましたか。

 「個々の成長というのはすごく意識しています。4学年で120人くらいになる組織で、どうしても一人一人が甘えがちになってしまいますが、全員が力を伸ばせるようにのびのびと好きで部活をできるように組織運営には力を入れています。今年は『全員で』というテーマを掲げていることもあり、誰1人も見捨てないというところは去年より強くなっていると思います」


――団長から見て二部一班それぞれの良さは何ですか。

 「チアはかなり変わってきていると思います。今までは悪くいえばお人形さんのような部分があったのですが、応援に力を入れていこう、一人で行動しようという力が徐々に芽生えつつあります。吹奏楽はすごく楽しそうです。ウェルカムコンサートでは僕が今まで見た中で1番良かったと思うくらい吹奏楽が生き生きしていました。もともと能力を持っている人たちですけど、表立ってやるのが少し苦手な人たちで、それが徐々に解消されていい面が出てきてくれていると思います。応援指導班の良さは明るさです。人前に出して絶対に盛り上げてくれる安心感はありますが、逆にみんなが求めている硬派なところはなくなってしまっている部分はあります」


――今季リーグ戦の見どころはどこでしょうか。

 「僕はピッチャーに期待しています。4年生に2枚いいのがいてくれていますし、かつ主将で。1番応援している時間が長い人ってピッチャーなんです。うちは散々練習から『(森下)暢仁、暢仁』と言っているので思い入れはあります」


――野球応援で大事にしていることはありますか。

 「応援団の感情的な部分がすごく薄いと思っていて、それは試合を見れていないことや野球部との関係が薄いということもあり、どうしても今は野球部が勝っても負けても嬉しくも悔しくもないという団員が正直多いと思っています。だから今年は最初から優勝という言葉をたくさん投げかけていて、団員も勝ち負けで一喜一憂して構わないと思っています。野球部が負けて悔しくない応援団はいらないと思っているので自分たちの感情も込めて応援するというのは意識しています」


――新体制になって初めての神宮ですが見て欲しい部分はありますか。

 「顔ですね、団員の。これは今年、力を入れていて、よくなってきている部分だと思うので今までは多少機械的なところがあったかもしれませんが、団員を見て元気をもらえるくらいよくなっています。リーダー台の方も見てほしいですが、すぐ近くにいるチア、吹奏楽、応援指導班の一人一人が絶対いい顔をしているのでそこに注目してほしいです」


――他大の応援団に負けないところはどこですか。

 「意識しているのは自己満足の応援にならないようにすることです。伝わって初めて応援だと思いますし、僕たちが楽しくやっているだけでは絶対に力にならないので、相手を意識しています。選手に力になる応援ということも、お客様に声を出してもらえる応援も意識しているので誰かのためにということはどこよりも意識してやっている自信はあります」


――今季リーグ戦で野球部、応援団それぞれのライバル校はどこだと思いますか。

 「野球だったら慶大です。慶大に去年も散々苦しめられたと思います。応援団としては法大には負けたくないです。練習から『法政倒せ』と言っているくらいですし、今季は法大戦が最終カードにあり、法大を倒したら優勝ということもあると思うのでそこが優勝を懸ける試合になると想定して練習しています」


――神宮応援の魅力は何ですか。

 「これだけのお客様と選手に応援ができるのは六大学じゃないとできないませんし、土日の神宮球場で、かつ明大じゃないとファンがあれだけいるというのはできないところだと思います。なので応援団としてのやりがいをすごく感じます。優勝したのが1年生の時でしたが、優勝パレードができるというのもなかなか他部ではないです。その魅力を1年生の時は味あわせてもらいましたが、今年は自分たちでつかんでその魅力を味わえたらいいなと思います」


――お客様に求めることはありますか。

 「見に来ていただけるということに感謝していますし、お金を払って見に来ていただいたからには僕たちはプロとして応援を提供するという責任感もあります。お客様には、応援団がよければ声を出してほしいです。ダメだったらそこは僕たちの責任なので、応援団頑張っていると思っていただいたら声を出していただけると嬉しいです」


――リーグ戦への意気込みをお願いします。

 「今まで練習を通して団員全員が苦労してきたことはありますが、本番になれば何が何でも勝ちにいきます。それぞれができることもできないこともあると思いますが、その中で最後の最後まで勝ちにいって、勝ったことに喜びを感じてほしいと思うので、勝てる応援をしようと思います」


[中野拓土]