インカレ開幕直前 高橋瞬主将インタビュー
25日から北海道・苫小牧で日本学生氷上選手権が開幕する。アイスホッケー部門は、インカレ3連覇、今年度3冠が懸かる大一番。最後のインカレを前にFW高橋瞬主将(政経4=白樺学園)に今の心境を伺った。
(この取材は12月10日に行われたものです)
ーー激闘のリーグ戦を優勝で終えました。改めてどんな秋になりましたか。
「うまくいき過ぎず、うまくいかないことの方が全然多かったですけど、結果的にはやっぱり明治がナンバーワンになりました。そこには自信を持っても良いと思います。でも、秋リーグ優勝したからインカレで勝てるのかと言われたらそうではないです。まだまだ僕たちが目指しているものはもっと高いものなので、まだ最高の通過点を得られたというぐらいですね」
ーーリーグ戦はケガもありました。その中で頑張れた理由はなんですか。
「夏の大会からケガをしていてボルダレンという座薬を打って出ていました。やっぱり気持ちですよね、あとは4年生でありキャプテンだからということが大きいです。僕がやると言ってやっているキャプテンですし、中途半端なことなんて絶対にできないです。春の大会のときは明治のキャプテンは荷が重いなと思いました。一番注目されていることは間違いないですし、どこの大学も明治を倒してこようとしてきます。でも、それに負けない心と体はつくってきました」
ーー自らがキャプテンだと思った瞬間はありますか。
「まだですね。そんな風に思ってないです。昨年の大場さん(大場大氏・平30政経卒)が『どんな人間であろうと、キャプテンになったからまずは3冠をもぎ取って、3冠のキャプテンだと。キャプテンは大場で良かったと言われるようになりたい』とずっと言っていて、本当にその通りだなと思います。あいつじゃなきゃ駄目だった、さすがだと言われるような先輩になりたいと思ってずっとやっています」
ーー明大の良さを教えてください。
「やっぱり、僕は明治大好きなんで。本当に正解だなと、まだ卒業する前に思います。他の大学にいったら腐っていたんじゃないかな。明治のホッケー部にしかわからない明治の良さがあるので。見てる人からしたら明治のホッケーが楽しいって、言ってもらえますけど僕たちはそれ以上に楽しいです。やっているときも、明治の人たちと過ごしている日常も本当に楽しいですし。卒業したくないです。それは着々と迫ってきていますけど。リーグの早稲田戦とか寮長が泣いてました。お前ら本当にすごいなって。まだこっちは全然実感ないですけど」
ーープレーヤーとしての「高橋 瞬」を教えてください。
「僕がもし僕と戦うとなったら、まずこいつうざいなと思いますね(笑)。それはもう聞こえてるかわからないですけど、ずっとしゃべっているので。僕のプレースタイルは、決めるとこは決めるのとパスだったりパックを持ったときのスキルは僕の見せ場かなと思います。高校3年生までは、僕がパスして入れるというお膳立てするのが目標だったんですけど、やっぱりこの世の中評価されるのは結果だなと思って。どんな泥臭いゴールでも入れたら、高橋得点とか書かれるじゃないですか。本当にゴールに対して貪欲になりましたね。シュート練習は高3から板の上に置いて陸上でひたすらやっていました。それで狙うところがうまくなったかなと思います」
ーー今までやってきて一番の挫折は何ですか。
「数え切れないほどありますよ。でも、ポロッと出てくるのが大学1年生のときです。肩が脱臼癖ついて、手術をしました。そのとき、永井遼さん(平28営卒)や松坂拓磨さん(平28政経卒)に『4年で手術するのと、1年で手術するのどっちがいいのよ。4年のときに手術して半年も休めんのか』と言われて、本当にそうだなと思いました。結局6月に手術して、その1年間はやる側ではなく見る側で終わっちゃいました。あのときは本当に悔しかったですね。僕も期待の新人として入ってきた訳で、同機には主力として出ている人もいました。『なんで、俺もできるのにな』とか言いながら、『勝負は今じゃない』と自分に言い聞かせていました」
ーー同期のみなさんの存在は大きいですか。
「今の同期があってこそ、僕がキャプテンやれていると本当に思っています。やっぱりチームなので、一人ではできないですし。みんなが僕に合わせてくれている部分も絶対あると思うので、そういうところも本当に大きいと思います。そう思わせたくない同期だと思うのに、秋リーグとかでも協力してくれるなと僕は感じています。この同期じゃなかったらこんなにスムーズにいってないですし、こんなに勝ってないですし、感謝しています」
ーーこれまで経験したインカレの思い出を教えてください。
「目標はインカレ優勝じゃないですか。3冠も目標ですけど、どのチームも何の大会一番勝ちたいかと言われたらやっぱりインカレなんですよ。本当に2年間優勝してますけど、今年入ってきた1年生はまだ経験してないですし、2年生も出てた選手は少ないです。そういった最高の舞台であるかつこれだけ一つ一つのプレーに責任感が問われる重大さがあるということを僕たちがプレーで見せていきたいです」
ーーどんな試合をしたいですか。
「ずっと言っていると思うんですけど、明治ファンであったりOBの方にみんなが見ていて楽しいと思わせる試合をしたいです。本当にこれが明治だって。明治らしさのプレースタイルであったり感謝の気持ちを全面に出してやりたいです。それだけやれば結果はついてくると思います。自分の中で本気のホッケーはあと5試合なので、今までのホッケー人生すべてを懸けて戦いたいですね。あとは今年『僕は伝説の男になる』ってずっと言ってきました。明治のキャプテンではなくて、3冠のキャプテンと言われるようになって、卒業します」
――ありがとうございました。
[福永智隆]
◆高橋 瞬(たかはし・しゅん)政経4、白樺学園高、167センチ・67キロ
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