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7年ぶり3季連続V逸で3位 〝奪冠〟は秋へ持ち越し/東京六大学春季リーグ戦総括

硬式野球 2018.06.14

 40度目の天皇杯はお預けとなった。3季ぶりの優勝を目指すも後半失速し3位に。負けた6試合は全て1点差負けと、一球の重みを痛感したシーズンとなった。

              

◆4・14~6・4 東京六大学春季リーグ戦(神宮球場)

▼明大――3位



 「これだけサヨナラ負けをしたら何か原因があると思う」。法大1回戦終了後、吉田有輝主将(商4=履正社)は声を絞り出した。優勝への絶対条件であった法大戦での連勝は、初戦で消滅。今季3度目のサヨナラ負けだった。


 常に崖っぷちの戦いだった。開幕戦の東大戦は連勝でカードを取り、早大戦、立大戦は初戦を落としながら勝点を奪取した。だが慶大戦。両チーム勝点を落としていなかった重要なカードで、歯車が狂いだした。課題の1回戦は9回に2点差を追い上げられ、10回にサヨナラ負け。2回戦は完封勝ちをして慶大の目の前での優勝を阻止するも、3回戦は同一カード2度目のサヨナラ負けを喫する。翌週、優勝への前提条件であった法大戦連勝も、最終回の3点差を追い上げ虚しくまたしてもサヨナラ負け。2回戦も勝てず、最終カードは今季唯一のストレート負けで勝点を献上した。

 振り返れば6敗全ては1点差負け、そのうちサヨナラ負けは半数を数える。あと1点、あと一歩、あと一球が遠い。「競ったゲームに全く勝てない」(善波達也監督)。〝粘りの明治〟とは程遠い春だった。



(写真:最終試合後、ベンチに向かいお辞儀をする首脳陣と選手たち)

 

 個々の能力は決して他大学に引けを取らなかった。チーム打率の2割9分5厘はリーグ1位、ベストナイン4人選出も最多だ。開幕前から経験不足を不安視する声が上がった投手陣もリーグ3位の防御率2.94を残し、大崩れはせず。3年生エースの森下暢仁投手(政経3=大分商)、伊勢大夢投手(営3=九州学院)の2枚看板に加えリリーフ陣には1年生が控え、下級生中心の形で奮闘した。

 最後まで定まらなかったのは捕手。6大学で明大は唯一捕手が規定打席に達せず、捕手登録の選手は5人出場。同じ選手からの連続被弾、被安、そして許盗塁。投手からは「みんな特徴があって配球も全く違う。固まってほしいというのもある」という声も出た。慶大戦で勝ち点を落とした際には指揮官も、4番も務める扇の要・郡司裕也(慶大)との差に言及。シーズンを通して試合後のロッカーで、リード面への問題点を語る時間は長かった。


 そして締まらなかったチームの雰囲気。春秋連覇、秋日本一を達成した2年前の柳裕也選手(平29政経卒・現中日ドラゴンズ)世代に比べ「選手間で指摘する声が本当に少ない。練習中の厳しさが足りない」(善波監督)。開幕前からも雰囲気の緩さに疑問を持っていた指揮官の不安は的中した。

 今季の敗れた試合後に4年生が語ったのは〝勝ちへの気持ちの弱さ〟。例年は具体的なプレー、そして選手名を挙げて「しっかり守ってくれないと」「あの場面であの人が打てなかったのが」と声が出る。しかし、今季具体的な事象に対しての言及が極端に少なかったように感じる。私生活から特に仲が良い4年生。だからこそ「嫌なことも言わないと。ワイワイやっていても駄目」(善波監督)。風通しの良さを武器に試合内でのコミュニケーションを期待したい。





 選手の目の色は変わり始めている。シーズン最終戦の法大2回戦終了後「仲良し集団ではなく、勝てる厳しい集団にならないといけない」(村上貴哉外野手・法4=松山東)、「全員で厳しさを一から持ち直してやっていく」(吉田)と最上級生を中心に、私生活から課題に向き合っている。さらに今年は都市対抗を予選から観戦する取り組みも。〝1球の重み〟をしっかりと目に焼き付け、真の粘り強さを練習に生かす動きも出ている。

 秋こそはV40へ。善波監督が就任して11年目。過去10年で春から秋で順位を落としたのはたった2回だけだ。三冠を達成した柳世代も、春の全国大会である全日本選手権の初戦敗退から強くなった。負けた春、そして逆襲をする秋。〝奪冠〟のシナリオはでき始めている。


[浜崎結衣]


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