3年連続の登頂ならず 課題浮き彫りに/冬山合宿

山岳
2018.02.09
 冬山連続登頂は2年で途切れた。当初は富山県にある毛勝三山の一つ、猫又山山頂を目指していたが、ルート整備や偵察に難航。急きょ稜線上にある大猫山に変更した。しかし、大猫山のアタック中に天候が悪化し、登頂を断念せざるを得なかった。雪山の難しさを思い知らされた合宿となった。

 厳しい現実を突きつけられた。1年間の集大成である冬山合宿は、4年生が不在のため「決算合宿」ではなく、来年を見据えた訓練の意味合いが強かった。今回は、3年前に登頂できなかった北アルプスにある猫又山に挑戦。冬山は腰ほどまである雪が積もっている道を進んで行かなくてはならない。そのため、ラッセル(雪をかき分けながら進むこと)の技術、体力が必要だった。初めての本格的な冬山登山となった1年生、雪山を経験している上級生も「少し進んで、すぐ疲れてしまった」(服部晃太郎・国際3=県立鎌倉)と想像以上の残雪に苦戦。このため、同じ登山道を何日もかけて繰り返し登る日もあった。思い通りに進まないもどかしさから、隊全体の精神面も追い詰められた。また、1年生の仕事である食事当番も日程が進むにつれ、制限時間内に仕事を終えることができなくなってしまった。雪のために1年生を強化できていなかったことから上級生も食事当番を手伝うも「水の確保に雪を解かすのだが、時間配分が難しかった」(鈴木光・農1=浜松日体)。これらの影響で、整地されていない登山道のルートの整備、山頂までの偵察が遅れ、当初の予定からずれ込んだ。そこで、猫又山から近くにある大猫山へと目標を変更。下山前日にアタックした。しかし、挑戦中に天候が悪化し隊の行く手を阻んだ。これを受け、小清水健人主将(農3=韮崎)は下山を決定。ここで、今年度の冬山合宿は終わりを迎えた。この結果に「ピークには達することができなかったので残念」(小清水主将)と悔しさをにじませた。それでも、今年度は人数が少なかったため、隊の全員が背負う荷物の重量は重かったものの、この合宿では「重い荷物を背負うことに少し慣れた」と鈴木。小清水主将も、「雪の中で生活を行う経験が必要だと思っていたので、概ねできていた」と収穫もあった。

 来年度の登頂成功に向けて一から立て直す。冬山合宿では「自分の悪いところが明らかになった」(服部)と想定外の雪山に順応できず、1年生の地力の強さを発揮することができなかった。新人合宿までに、まずは各学年の仕事をしっかりとこなせるようにトレーニングを行う。小清水主将も「まずやらないといけないのは下級生の強化」と部員の少ない山岳部にとって、下級生の一層の成長は冬山合宿踏破に不可欠だ。また、来年度も小清水が主将を務めるため、、チームワークにもさらなる磨きがかかる。そして「来年は同じ山なので登れるように頑張る」とリベンジを誓った。反省を生かし、山岳部は再び前を向いて歩みを進める。

[髙橋昇吾]