桐蔭横浜大に54―70で屈す 2部Bブロックに降格/関東大学女子2部リーグ入替戦

バスケットボール(女子)
2017.10.28
 残留の道は閉ざされた。相手は奇しくも昨季の入替戦で接戦の末4点差で破った桐蔭横浜大。今季は2部Bブロックで全勝する強さを見せていた相手に完敗した。第1クオーター(Q)は15-11でリードを奪うが、続く第2Qは互角の試合を展開。31―33で前半を終える。しかし、第3Qでミスを連発し8点ビハインドを許すとそこから流れを巻き返せず徐々に点差を離され54―70で試合終了。昨季昇格した2部Aブロックでの挑戦は1年で幕引きとなった。

 スターターは、小野尾梨紗(文2=昭和学院)、松本真衣主将(理工4=鵬学園)、坂本真祐(情コミ2=山村学園)、清水智央(文1=東京成徳大高)、上澤果林(営3=大阪桐蔭)。

 またしても第3Qで離されてしまった。2点を追いかけ迎えた第3Q。「坂本を封じられた」(上澤)。相手は明大の得点頭である坂本のディフェンスを徹底。前半に4本の3Pシュートを含む21得点をたたき込んだ坂本も、このQはわずか3得点にとどまった。そこから「焦ってしまった」(坂本)。チームは乱れはじめ、ターンオーバーやパスミスを連発。対して相手は「冷静にゲームをコントロールできていた」(生天目潤コーチ)。リバウンドからの素早い速攻で得点を重ね、さらにセンターからのパスアウトで3Pシュートを3本。第3Q終了時点で8点差までリードを広げられてしまった。その後も流れを取り戻せず立て続けにシュートを決められ、最終スコアは54―70。リーグを通して課題だった第3Qがまたも命取りになってしまった。

 今季の成長を糧にしたい。今季は主力の3年生4人がケガで欠場。ゲームは1、2年生を中心に進めた。結果こそ振るわなかったものの「来年に向けて成長できた」と渡辺徹監督。来季は2部下位リーグで戦うことになるが「来年もまたここに戻ってきて上にいく」(小野尾)。リーグ戦で見えた課題は明確。悔しさと経験をバネに来季を戦う。

 最後は笑顔で終える。一週間後には今季最後の大会・東京六大学対抗戦が控える。2人しかいない4年生。松本は悩みながらもキャプテンとして人一倍チームのことを考え、試合中は絶えず指示や掛け声を出しチームをまとめた。それだけに「後輩を(上位リーグに)残してあげられずに悔しい」と試合後は涙をこぼした。橋本みなみ(商4=県立柏)も「やれることをやる」とベンチから声を張りチームを鼓舞。第4Q残り1分30秒には試合に出場し、粘り強いディフェンスを見せた。「4年生のそういう力があったから、今までやってこられた。最後は気持ち良く終わってほしい」(清水)。全員で一つになって勝利で2人を送り出す。

[浅野拓磨]

試合後のコメント
渡辺監督

「向こうは去年のことがあるからリベンジしてきてるし、うちも頑張って気合いだけは負けるなということでやったけど最終的には向こうの方がチームとしても技術的なものとかしっかりしてたね。中も外も、今日はスリー。ビデオ見た時はあんまり入ってる様子なかったんだけどね、でもそれだけ打たれたってことはうちにまだどこか足りないところがあったんだろうね。選手は一生懸命やってるんだけどね。リーグ戦でずっとやってきて負けパターンができていて、今日も3ピリ目が。リーグ戦のものがそのまま後半も出ちゃったのかなというところですかね。課題はもうしっかり分かってるんだけど普段の練習から意識からそこの辺がまだできてないというこのリーグ戦の結果です。(リーグ戦と同じ負け方)相手も元Aブロックにいたチームだしメンバーもそろってるので気を抜けないっていうのはあったけど最終的にはどこか足りないんでしょうね。リーグ戦の勝ち切れないところが何試合かあったし。パスミスも多かったしな、相変わらず。(パスミスは際立って多かった印象)それだけ向こうがゾーンプレスを相当きつくやってきた。今週の練習でもボール運びをやったんだろうけどチーム内でやる練習相手の5人と試合でやる5人だとやっぱり違って桐蔭の5人の動きは経験できなかったかな。(今シーズン苦しかった)春に3年生の4人が前十字やって、ようやく今日藤野と笠井が戻ってなんとか試合に出れるようになったと。まあ多久が抜けてるのはやっぱり大きかったかなと。上級生が、4年が2人と3年がトビ(上澤)だけ。どこのチームもそうだけど上級生が引っ張っていければいいんだけど、やっぱり前半戦や春先はほとんど1、2年生。3、4年もいるんだけど試合自体が下級生中心の試合が非常に多かった。そういう面では逆に1、2年生は成長できたかなと、来年に向けて。だから来年は多久も戻るだろうしそういう意味ではケガ人さえ出なければ新しいチーム編成も1年生も2人は今決まっているのでもう一回気持ちを改めて。今以上に悪くはならないはずだから伸びるはずだから、もう一回復帰を果たしたいという気持ちです」

生天目コーチ
「受け身になってしまいました。最初出だしが良くて、そこから受けに回って結果として相手がリズムをつかんだときに、焦ってしまって、パスミスとかノーマークのシュートはずしたりとか、いつもの明大らしくないプレーになってしまいました。そういう試合をコントロールできないところっていうのは、入替戦という一発勝負の怖さです。相手の方がうまい具合に試合をコントロールできていました。そこに粘り切れなかったです。(前半良かったが)そうですね。そこはしっかりディフェンスをしていたからだと思います。ディフェンスをして、ボールを運んでいけばしっかり入りました。それだけに負けたのは悔しいです。(第3Qで離された)受けになってしまうと、どうしても力の引き具合になってしまうので、そこで押し切れませんでした。体力的な差ではなくて、追い込まれたときに引いてしまう。気持ちの面で相手に押されてしまいました。(桐蔭横浜大はリーグ全勝していた)勢いがありました。そこが入替戦の怖さです。本来ならうちは、上位でやって、自信があってもいいんだけど、追い上げられるとそこでいつもの負け方を意識しちゃって下を向いてしまう。チームの中でミスしてもみんなで声を出せなかったです。(降格)ケガ人が多くてチームとしてきちっとした練習ができていなかったです。きちっとした当たりや、シュートに関しても練習できないことが多かったので、そこで差が出てしまった。みんな力を持っているので、そこを突き詰めれば勝つか負けるかは別として、試合ができます。今シーズンは試合にならないことが多かったです。圧倒的に負けてしまうとか。もっと納得のいく試合をできるようにしていきたいです。それが来年の課題です。(フィジカル面は)桐蔭横浜大は強かったですけど、うちはリーグであたりの強いところと試合をしてきたので、そこまで負けるはずはなかった。やっぱりそこで負けてしまったのは、メンタルのところだと思います。けど、大学生としては、いい経験だと思います。やっぱり勝ち負けは人を強くする。勝ったうれしさ、負けた悔しさは絶対将来役に立つし、もちろん来年につながると思います」

松本
「絶対に負けられない試合で、みんなも勝つ気持ちで挑んだんですけど、負けてしまいました。相手が強いっていうのは分かっていたし、フィジカル面も対策してきたんですけど、焦ってしまいました。もう少し落ち着てプレーできたら良かったです。(降格)後輩たちに残してあげたいっていう気持ちが強かったので、すごく悔しいです。最初はオフェンスもいい中、得点も勝っていたのですごく良かったです。(桐蔭横浜大 )昨年よりもやられなかったです。昨年はインサイドをやられていたんですけど、今年は清水とかがすごい頑張っていてくれたので、中からはあまりやられなかったです。しかし、外からの3Pは予想外でした。(来季へのアドバイス)絶対に入替戦にいって、どこと当たるか分からないけど、勝って昇格してほしいです。(そのためには)全員がシュート力を上げて、今の明大は坂本と清水しか得点源がいないので、もっと全員が得点を奪えるようにしていく必要があります。(今年はケガ人が多かった)来季は復帰してくるので得点の方は上がってくるので、期待しています」

橋本
「入替戦は1年生の時と去年と今年で3回やっていて、ちゃんとこの体育館で出れたのは初めてだったのでそれはうれしかったんですけど、でもやっぱり結果がこれだったのでめっちゃ悔しいです。(初めて)自分が1年生で3部から2部に上がった時も、去年2部の下から上に上がった時も、いつも先輩が連れていってくれたというか先輩が残してくれたものだったので、いざなんか4年生になって最後ちょっとだったんですけど、責任感みたいなものが違うなって思いました。(4年生として)1年で一番大事な試合なので今までやってきたこととかが本当に試されるし、もうちょっとできたなっていうのは自分の中であります。出たのは最後1分半くらいだったんですけど、その1分半という短い中でもっと頑張れたのではないかっていうのは思いました。(最後ディフェンス良かった)ずっとベンチで見ていて、みんなが本当に体張って頑張ってるから、1分半だったし自分の体力全部出さなきゃなって思っていたので。みんなと公式戦出られてうれしかったです。(4年生2人、苦しいシーズン)ケイ(松本)に任せっきりな部分があったなって思って。自分はあんまり試合に出れてなかったけど出れなくたって先輩たちに学んできたことをもっと教えられたというか下に伝えることはできたと思います。本当にケイに任せっきりにしちゃったなって後悔してます。(ベンチで声を出したり後輩に背中で示せていたのでは)声はちゃんと出すっていうのは先輩からすごい言われてきたことだし、本当に練習中も試合中も、ケイもそうだし3年生も2年生も1年生も本当に勝ちたいってチーム全体で勝ちたいって思いでやってるっていうのを一番よく分かっていたと思うので、ベンチからできることはやらなきゃなって、それが責任じゃないけど先輩から受け継いできたものなので。でももう少しできたなって思ってます。(六大学で引退)大学最後でもあるし、自分が小学校からずっとやってきたバスケで最後なので、持っているものを本当に全部出そうと思う。ボール持ったときもディフェンスのときも遠慮とかせずに自分ができること全部出したいと思っています」

上澤
「勝ちたかったです。2部のAでやってきたことをやれば、勝てた試合だと思います。(前半良かったが)最初は両チームあんまり良くなくて、我慢比べだったんで、そこで自分たちの方が我慢できてたし、それだからこそ、余裕もあったから、ディフェンスもリズムに乗れました。後半負けてしまったのは、相手の3Pシュートが当たっていて、そこを守り切れなかったです。あと気持ちを切らしてしまったところが結構ありました。我慢できてないし、集中もできていない。1、2年生主体のチームなので、そこを支えるのは3、4年生だったと思うんですけど、そこが課題です。(3Q)やっぱり3ピリは課題で、リーグ戦もそれで負けることが多くて、修正できなかったところは来年直さなければいけないです。流れがほしいときに人を頼るのではなくて、チームで何かをやっていくことが必要だと思います。今のチームだと坂本が前半3Pが当たったんですけど、後半はきつくなって坂本が封じられたときに、どうすることもできなくて。全員が流れをつくれるチームになっていけたらいいなと思います。(そのためには)やっぱり基礎をしっかりやってくべきです。フィジカル、シュート力もしっかり付けていきたいです。来年は4年生が7人もいるので、しっかり練習から組み立てていきたいと思います。(ケガ人が多かった)主力が全員ケガしてしまって、3年生が私しかいなくなってしまいました。すごく個人的なことですが、私自身はすごく成長できたリーグ戦になれたと思っていて、昨年から入ってきてみんなについていくだけだったのに、いきなり立場が変わって、3年生になって、みんなケガで、4年生も2人しかいなくて。そういうことを通して、結果的にはほとんど負けてしまいましが、メンタル的にも技術的にもすごく成長できました。来年またAブロックに上がっていきたいと思います」

藤野
「可能性としてはあり得るっていう展開だったと言えばそういう展開だったので、その中でも自分たちのバスケをやると言って昨日とかもやってたんですけど、最後は向こうのペースになってしまって悔しい結果になってしまいました。(第3Q)それはみんな共通理解があって3ピリが大事っていうのは分かってたんですけど、それでも3ピリで向こうに押されちゃったのでそこは改善していかなきゃいけないところだと思います。(去年も入替戦相手一緒)今年は今年でお互い違うのでそこは考えずに今年は今年で自分たちのバスケやろうって感じでやりました。(入替戦への思い入れ)もっとできることあったのかなと思う。リハビリ中とかもここに合わせるって言ってやってきたので、もっと準備しておかないといけなかったのかなって今は思います。(今シーズン振り返って)リバウンドルーズとか細かいところで相手に負けてしまったりとか圧倒されてしまって負けていることが多かったので、そういうところは誰にでもできるしそういうところを改善していって今年の負けが無駄にならないように来年につなげていきたいなと思います。(来年につなげることで4年生2人にも恩返し)そうですね。いろいろ経験積ませてもらっているのでそこは大切にしていきたいと思います」

小野尾
「チームとしては最初気持ちが結構入っていて良かったと思うんですけど、自分自身がシュート打っても全然入らなくてみんなは『いいよいいよ』って言ってくれるけど自分自身の中では結構焦っちゃう部分とかもあって、ちょっとダメだったと思います。(第3Q)チームとして向こうも2ピリのまま来るわけじゃなくて切り替えてくるわけじゃないですか。そこをもうちょっと自分たちも意識して『もう一回最初からやるんだ』っていう気持ちを持ってやらないと全然相手にされるがままになっちゃうから、そこはリーグ戦通して今年の明治のチームの課題だったんじゃないかなと思います。(相手は人数多い)5人一気に交代とか。そこでも選手層の厚さがあっても、こっちはこっちで人数少ない中でもちゃんとやるべきことはやらなきゃいけなかったかなって思います。(今シーズン)本当に気持ちが下がるような試合ばっかりで。でもその中でも成長できた部分とかも結構あるし、でもやっぱり勝ち切れないっていうのは明治に何か足りないからってことで、その何か一つでも見つければ明治は勝てると思う。苦しいシーズンだったと思うんですけど、2年目でいい経験ができたんじゃないかと。去年は勝つことのうれしさとかを知ったんですけど、今年は負ける悔しさを知ったので、来年もここの会場に来て上に行けるようにしていきたいです。(来年上がって4年次でAブロック)していきたいです、それが目標なので。今年の3年生はケガが多くてたぶん3年生自身も結構苦しかったと思うんですけど、来年はまた勝って終われるように自分たちがしっかり送り出せるようにしていきたいと思います。さらにレベルアップしてまた戻ってきます」

坂本
「前半は自分たちのプレーができてたし、相手のリバウンドも抑えられたんですけど、後半は相手の速攻についていけなくなって、センターに簡単にシュートを打たれてしまいました。そこの差が敗因です。相手がプレーを変えてきたわけではなく、自分たちが付いていけなかったです。自分たちのオフェンスがうまくいかなくて(付いていけなくなったのは)オフェンスがうまくいかなくなって、単発になるっていう場面が多かったし、オフェンスリバウンドが取れなかったです。(第3Qで離された)自分たち競っていたし、自分たちが焦ってシュートを打ったりしてしまいました。(前半は良かったが)自分たちのリズムでやれてました。後半は自分のマークが厳しくなって、なかなかできずに焦ってしまいました。(入替戦というプレッシャー)自分たちが負けたら落ちるっていうプレッシャーにも負けてたと思うし、もっと落ち着いていればこんなに点数を離されていなかったと思います。自分たちでペースを乱してしまいました。(江戸川大は)センターが強いし、センターに入れたあと、パスアウトが見えてたし、そこを決め切れられてしまいました。あとディフェンスが前から来たときに、自分たちが運び切れないでミスになったり、運べても、シュートまで持っていけませんでした。相手のフィジカルが強いっていうのもあったんですけど、自分たちがそれに負けているっていうのは、今まで上位で戦ってきた中で、反省しなければいけないところです。(降格については)悔しいって気持ちが一番強いんですけど、絶対来年またここに戻ってきて2部に昇格できるように気持ちを強く持ってやっていきたいです。(突き詰めたいところは)練習からもっとディフェンスでプレッシャーかけてやったり、トラベリングからの速攻をできるように体力を鍛えていきたいです」

清水
「前半はイクさん(坂本)のシュートが入ってたので相手のオフェンスもうまく止められていたと思うんですけど、後半やっぱり入らなくなった時にディフェンスがちょっと崩れちゃったのもあったし、オフェンスもリズムが作れてないのに打っちゃったりとかがあった。自分もシュート入ってなかったっていうのもあるんですけど。リズムを作れた状態でオフェンスができなかったのでディフェンスもそれでうまく回っていなかったのでこの点差になってしまったのかなと思います。(相手)明治のディフェンスでできてない部分とかオフェンスが機能してない部分をうまく突かれてしまったので、そういう部分で負けてたかなと思います。(初めてのシーズン)1年生でスタメンで出させてもらうっていうのは普通じゃありえないことなのですごくいい経験をさせてもらったんですけど、やっぱり勝たなきゃ意味ないので、3年生でケガして出られなかった方にとても申し訳なかったっていうのはあります。(六大学が4年生との最終戦)リーグ中もケイさん(松本)とかリコさん(橋本)が苦しい場面でもたくさん声出して引っ張ってくれた部分がすごく大きくて、そういうのがあったからやってこれたと思うので、最後は4年生に気持ち良く終わってもらいたいのでそれに協力できるようなプレーをしたいと思います」