百合草2年ぶり2度目の日本一 昨年の雪辱果たす/全日本学生個人選手権

拳法
2017.10.22
 学生日本一を決める今大会。明大からは11選手が出場した。2年前の同大会の覇者である百合草春男主将(文4=愛知県私立桜丘)は1回戦から順調に勝ち進んでいく。準々決勝で佐藤力哉(文2=愛知県私立桜丘)を2-1で下すと勢いは加速。準決勝、決勝はストレート勝ちで全国の頂点まで上り詰めた。女子の部では4選手が出場。惜しくも入賞者はなしに終わった。

 圧倒的な強さは誰の目にも明らかだった。「去年は4回戦で負けて悔しい思いをしていた」と百合草は雪辱を期して今大会に臨んだ。決勝は開始20秒まで落ち着いた展開。お互い出方をうかがっていたが、百合草は赤堀(関大)の一瞬のスキを見逃さなかった。緩急をつけたフットワークとともに胴突き一本。さらにその1分後、歓喜の瞬間は訪れる。何度かフェイントを入れた後に繰り出した右拳は相手の面へ。あまりの速さに反応できず勝負あり。「最後は思い切りやれた」(百合草)。2―0の圧勝で2年ぶり2度目となる学生日本一に輝いた。今大会、全7試合を戦い抜いた百合草。最後までスピードが落ちることはなく、体力面でも相手を上回った。優勝を決めた後も、毅然(きぜん)とした態度で一礼をするその姿はまさに王者そのものだった。

 百合草だけのチームではない。今大会は川﨑大輝(法3=東大阪大学柏原)、古屋敷直道(法3=明大中野)、佐藤の3人がベスト8に名を連ねた。東日本優勝の川﨑、ベスト4の古屋敷は前評判通り、安定感のある拳法を披露。粘る相手にも一つずつ勝ちを拾っていく。両者とも準々決勝では惜しくも判定の末敗れたが、地力の高さを見せつけた。佐藤は3回戦で昨年3位の豊岡(関西学大)、4回戦では中大のエース・西山に勝利。果敢に攻め続け、相手に時間を与えなかった。「試合で結果を残せているから自信を持ってやっていける」(百合草)。シーズン開幕前は百合草に続く主力選手の不足が課題に挙げられていた明大。他大のエースと渡り合える選手が確実にそろいつつある。

 府立6連覇へ、視界良好だ。絶対的エース・百合草の復活、それに続く選手たちの台頭。「昨年度よりもさらに厳しくなった」(古屋敷)という練習の成果が明大の強みとなって表れている。次は1週間後に全日本体重別選手権、東日本大学新人戦に挑む。特に新人戦は昨年4連覇を逃した大会だ。優勝を取り返し、良い流れを維持したい。府立まで勝ち続ける。

[楠大輝]

試合後のコメント
百合草
「よかった。本当によかったです。一昨年優勝して、去年は4回戦で負けて去年1年間と今年の前期も個人として結果がついてこなくてすごく悔しい思いをしていました。今日も大会前からずっと不安で不安で、優勝できて本当に嬉しいです。今日は1回戦で苦戦してしまって『ちょっと身体重いな』と思って、去年の自分だったらそのままずるずるいってしまったんですけど、今年はしっかり切り替えられました。そこからは一つ一つの試合をしっかりと集中して取り組めたので優勝できました。そこが去年より気持ちの面で成長できていたなと思います。今日の山場は自分の中では1回戦ですね。形は汚かったですけど、しっかり勝てたのが大きくて流れに乗っていけたのかなと思います。(決勝戦を振り返って)準決勝と決勝を一気にやる中でも一つ一つの試合をしっかり取りにいこうと思ってやっていたので決勝戦でも楽しもうと思いました。気負うと力を出し切れないので最後は思い切りやれたのでよかったです。監督やコーチからは『おめでとう』と喜んでくれました。(チームでベスト8入りが3人)去年は1人しかベスト8入りができていないので、すごいみんな力つけていると思います。試合で結果を出せているということは自信を持ってやっていけると思います。(府立に向けて)ここで満足してしまってはいけなくて、あくまで自分の目標は府立です。自分の力だけではどうしようもないので、最後みんなの力で頑張って、ここからさらに気を引き締めて取り組んでいこうと思います」