課題修正できず法大に完敗 無念の3連敗/関東学生1部秋季リーグ戦

アメリカンフットボール
2017.10.16
 連敗脱出とはならなかった。第3戦の相手は法大。14年間勝ち星を挙げられていない相手に1ドライブ目から先制TD(タッチダウン)を決められると、第1Q(クオーター)終盤にもTDを献上し、序盤から主導権を握られる。ロングゲインを得る場面を見せるも決定打にはならず。結果は7―31と大敗。痛恨の3敗目を喫し、甲子園ボウル出場の可能性がなくなった。

 チャンスをものにできなかった。第1Qはファンブルロストなどの基本的なミスとともに受け身の姿勢が目立った。チームに漂う淀んだ空気を打破するために向かえた第2Q。RB♯9福田夕斗(政経3=日大三)のロングゲインを機にRB♯32小泉亜斗夢(政経2=足立学園)がTD(タッチダウン)。第3Qでは相手の反則により15ヤード前進。敵陣残り4ヤードまでに迫る。一発逆転の可能性を狙ったギャンブルはQB♯3中村聡(政経4=海洋学園)に託された。しかし法大の堅い守備に行く手を阻まれ、失敗。追加点とはならなかった。大一番でRBではなく、QBランにでた奇策だったが、少ない好機を生かせなかった。

 スキをつかれた。「基礎の基礎が甘い」(LB♯8氏家倫太郎主将・政経4=埼玉栄)とディフェンス陣によるラフプレーも敗因の一つ。度重なるタックルミスに加え、相手RBに中央突破されるDLの手薄さが濃く表れた試合でもあった。流れをつかむ瞬間がオフェンス陣の活躍によるところが多い明大、ディフェンス面においても主導権を握るためのプレーが期待される。
「改善しようとする意識、こだわりが足りていない」(氏家)。パスプレーが全く決まらず、ランプレーに頼るところがあるオフェンス。RB福田、小泉頼みの一辺倒のプレーではいけない。改善力が残り3戦を全勝で終えるために必要不可欠となってくる。次戦の立大戦でトンネル脱出を目指す。

[綾部禎]

TEAM TIME PLAY PLAYER(S) PAT PLAYER(S) G/NG Score
◆得点経過◆
法大 1Q2:07 35yds PASS #1馬島→#2南河 K #36三宅 G 0―7
法大 1Q11:03 18yds PASS #1馬島→#7別府 K #36三宅 G  0―14
法大 2Q3:20 4yds PASS #1馬島→#2南河 K #36三宅 G 0―21
明大 2Q8:03 1yds RUN #32小泉 K #37佐藤 G 7―21
法大 4Q5:31 1yds RUN #21桑原 K #36三宅 G 7―28
法大 4Q11:19 22yds FG #36三宅 7―31
早大 慶大 法大 日大 中大 立大 明大 日体大 勝敗
◆関東学生秋季1部リーグTOP8 星取表◆
早大 11/26 11/12 10/29 ○10―7 ○31―7 ○23―7 ○31―13 4勝0敗
慶大 11/26 10/28 11/12 ○10―6 ○17―16 ●20―20 ●10―20 2勝2敗
法大 11/12 10/28 11/26 ●21―21 ○28―18 ○31―7 ○66―31 3勝1敗
日大 10/29 11/12 11/26 ○20―17 ○42―7 ○45―7 ○45―19 4勝0敗
中大 ●7―10 ●6―10 ○21―21 ●17―20 11/26 11/12 10/29 1勝3敗
立大 ●7―31 ●16―17 ●18―28 ●7―42 11/26 10/29 11/11 0勝4敗
明大 ●7―23 ◯20―20 ●7―31 ●7―45 11/12 10/29 11/25 1勝3敗
日体大 ●13―31 ○20―10 ●31―66 ●19―45 10/29 11/11 11/25 1勝3敗

試合後のコメント
岩崎監督

 「肝になるところというか、3rdダウンであったりというここで取らなければいけないというところを取ることができませんでした。最初に失点を重ねたのもディフェンスのアサインメントミスであったリといった単純なミスで崩れてしまった、基礎の徹底ができなかったというところが敗因かなと思いました。雰囲気自体はまとまりはあると思うので、次の立教も弱い相手ではないので、もう少しまとまっていければいいかなと思います。(前の試合からの練習は)自分たちの軸となるプレーは何かともう一度見直した上でやってきたんですけど、まだ細かいところの詰めというか、ミクロのところが足りてなかったですね。(分の悪い法大が相手だったが)前評判通り向こうの方が強いというのが大勢の見方だったと思うんですけど、なんとかそこに風穴を開けたいなとは思っていました。(立ち上がりの連続失点)立ち上がりというよりかは簡単なミス、やんなきゃいけないことを間違えてしまって、そこが達成できていないという悪循環が続いてしまったので、後半立ち直れたのはよかったかなと思います。(第2Q以降は盛り返した)うちのランプレーを出すには、パスを含めてどういう風に組み立てをしていくのか、パス成功率をもう少し上げていかないと相手は全部ランプレーを止めにきているので、そこをどう打開していくかが今後の課題になってくると思います。(第4Q冒頭の4thダウンギャンブル)あそこは学生を信じて、一番取れるだろうというプレーを選択したのですが、ラインが少し崩れてしまって、何枚か漏れてきてしまってそこから全てが崩れてしまったというプレーでした。こういう肝になるプレーを取り切れるかが今後を左右してくると思います。今日はミスをした方が負けるという典型的なゲームでした。(次の立大戦へ向けての調整)自分たちのスタイルを貫くことですね。奇をてらったプレーとかではなく、自分たちのプレーを泥臭くやるということですね。(順位が拮抗しているが)チーム全員でまとまりが出てきてはいるので、負けが込んできていてもそれが突破口になるのではないかと思います。(今後は1年生の起用も積極的にあるか)そうですね。能力のある選手ばかりですし、どんどん経験はさせていきたいです。ただ、もう少し4年生とか上級生が意地を見せてくるともっと良いかなとは思います。(立大戦の意気込み)去年負けている相手なので、今年はうちが勝つんでやり切るだけです」

氏家主将
 「(今日の試合について)ディフェンスが1stシリーズで取られたというのが法政に主導権を握られた原因だと思います。(タックルミスが多かった)基礎の基礎がまだ甘いというのが出た試合ですね。雨とか関係なく自分たちが何をするべきか考えなければいけないと思いました。(ここ2試合の序盤の失点)今年はスロースターターというのを改善しようとチームでやってきて慶応戦では直っていたんですけどまた日大、法政と逆戻りしてるってことはまだまだ改善しようとする意識、こだわりが足りていない証拠だと思います。(第2Q以降は立て直した)守れるようにはなったんですけど最初が止めきれていないのが大きいです。(一桁得点)オフェンスがしっかり取るべきとこで取れていないというのもあるんですけどディフェンスが良いフィールドポジションで渡していないというのもあると思うので両者の責任だと思います。(チーム全体としての課題)練習から覚悟をしっかりと持ってやれるかが今のチームの課題だと思います。(次戦への意気込み)ディフェンス陣ではまだ一人一人の理解力が足りていないと思うのでそこを詰めて練習して立教戦は挑みたいと思います」

佐藤成生(DB♯1・文4=駒場学園)
 「自分達の日頃から出ているミスと苦手な部分を突かれて、早大戦から出た課題がここ二戦で修正しきれなかったのが負けにつながっているのかなと思います。(タックルミスが多かったが)責任は自分にあると思っているので、練習から変えていきたいです。(スロースターターは改善されていないか)入りが悪いのは昨年からずっと変えられていないので、練習法だったり気持ちの面で変えていきたいと思います。(第2Qから流れは少し明大に傾いたが)オフェンス9番の福田が良いランをして、雰囲気が良くなりました。正直自分達はオフェンスが出ないと、流れに乗れない状態です。(ここ3戦で一桁得点だが)オフェンス力の無さっていうのは自分が一年のときからありました。自分らが強ければオフェンスも強くなると思いますし、そういうところを練習からやっていきたいと思います。(ディフェンスの課題は)最初やられたプレーとそれを次に修正きたときの差が大きいことです。そこを埋められるよう上級生から形を作っていきたいと思います。(チーム全体の雰囲気は)切り替えとは言っているんですけど、昨年度の結果を引きずってこのようなスコアになってしまいました。その切り替えの部分を厳しくし、次の立大に向けて、それだけのことを考えて取り組みたいと思います」

福田
 「負けた流れのまま向かえたという感じですね。今年はどこも実力差がないので、紙一重のところをつかめず落としたのが敗因ですね。(第4Qのギャンブルで中村のランプレーを実行した理由は)自分も持とうかなと思ったんですけどね。悔いは少しありますけど、もったいなかったです。(第2Qから流れは少し明大に傾いたが)自分達は立ち上がりが悪く日大、法大とあえてリターン取ってきて、セオリーだったらカバーをとるはずでした。しかし1ドライブ目からTDを取られています。今回は日大と一緒でそのままやられた感じですね。(ここ3戦の得点は一桁だが)1人1人の気持ちですかね。早大戦は前半圧倒していましたが、結局負けて、それを引きずっています。でも波に乗れれば強いです。バック陣が流れを作らなくてはいけないんですけど、そういう風にできない自分達の責任ですかね。(オフェンス全体での課題は)パスです。今ランしかないので、パスもう少しやっていかないといけませんね。(チームの雰囲気は)良くはないですね。(次戦に向けて)4強終わりましたが、下位チームには勝ちます」