難敵に敗れ1回戦敗退 全日本に向け課題を残す/関東大学選手権

空手
2017.10.09
難敵に敗れ1回戦敗退 全日本に向け課題を残す/関東大学選手権



 団体の関東王者を決める今大会。昨年の2回戦敗退を超える成績を狙った明大の相手は難敵・明海大。中堅の山田大樹(政経3=埼玉栄)が勝利を収めるも、明大の勝利は山田の1勝にとどまり、1回戦で姿を消した。

 気持ちの余裕が思わぬ方向に転がった。負ければチームの敗退が決まる場面で登場した副将・渡辺湧(政経2=花咲徳栄)。開始35秒「あの形で取るのはいい」(渡辺)と理想の上段突きで幸先良く先制する。その30秒後にも、相手の攻めをかわして得意の上段蹴りで一本。4点のリードを奪い、勝負あったかに思われたが1分15秒に中段蹴り、その2秒後に上段突きを許し4点あったリードは1点に。ここからは逃げ切りを図るも、相手の勢いを止められず。残り13秒で2度目の中段蹴りを食らい、4―5。最後まで向かっていくも点を奪えず、大将につなげる勝利は挙げられなかった。渡辺は「気の緩みが出てしまった」と気持ちがプレーに影響したことを悔いた。佐々木誠之介監督も「集中力不足」とバッサリ。勝利を計算できる男の敗戦はチームにとって痛過ぎる1敗となった。

 次にこの敗退を生かす。5月の東日本大学選手権で勝っていた相手だけに「向こうが明治に苦手意識があったと思う。対策されていた」(中野力斗主将・法4=花咲徳栄)。相手の作戦にはまり、終始後手に回ってしまった。1回戦敗退となったが、戦いはまだ終わらない。今月末には関東学生体重別選手権、そして来月には集大成となる全日本大学選手権が控える。「チーム一丸となって上にいきたい」(渡辺)。今大会の結果を受けチーム全体のレベルアップは不可欠だ。全日本では昨年のベスト16超えが第一関門となる。チーム全員で一つになり、次の舞台への扉をこじ開ける。

[福永智隆]

試合後のコメント
佐々木監督

「集中力が欠如しているのが負けた原因です。部の雰囲気は昔に比べれば変わってきたけど、今回の試合に関しては集中力が足りなかったです。(明海大は)最近、強くなってきています。しかし、負けていたとは思わなかったです。瀬戸際でやられてしまうことが多かったです。そこが集中力の欠如だと思います。周りばっかり気にしてしまっているところが良くなかったです。(渡辺が負けてしまった)集中力不足ですね。4点を奪っていて追いつかれてしまったのですから、集中力ですね。今試合は山田だけしか勝てていないのもすごく残念です。(次に向けて)次は全日本に目を向けています。集中力と練習量を突き詰めていきたいです」

中野
「3、4年生で(先鋒、次鋒、中堅の)3つをとれというのは言われていたので、準備はしましたが、負けてしまいました。(東日本では勝っていた相手)東日本の時は3タテで勝てましたけど、明海大は明治を対策するために合宿などもしていたらしいので、気迫に負けてしまったなという感じはあります。(対戦カードの運は悪かったか)自分達よりも相手の方が苦手意識を持っていたと思います。自分達がなにか思ったとかはなかったです。(和道会からここまで)新学期始まってから授業の関係もあって、最初の頃はメンバーもそろいませんでしたが、一昨日まで強化練習もしていて調子はすごく良かったとおもいます。(渡辺の試合は)勝てる試合だったと思います。まあ惜しいですけど。(自身最後の団体戦に向けて)明治大学も最後で、自分の空手人生も最後なので、悔いなく終われればいいと思います」

渡辺
「最初、勝っていたんですけど気が抜けてしまって後半逆転されてしまいました。(1ー2でまわってきた)引き分け以上じゃないと負けなので、引き分け以上には絶対するという気持ちでいきました。(上段突きで先制)あの形で取るのはけっこういいかなと思っていて、あれが毎回取れるようになったらどんどん上に行けると思うのでああいう感じで取れる技を磨いていきたいと思います。(上段蹴り)たまたまです。相手が攻めてきたところを足上げたら当たったという感じでした。得意技ではあるので、決まって良かったです。(4点リードしたが)そこから気が緩んでしまって一気に相手に攻められて、気持ちの切り替えがうまくできなくて負けてしまいました。相手に勢いで点を取られたかなと思います。同じ技で2回取られたのでそこが一番の反省点かなと思います。(1回戦敗退)全日本は行けるので、気持ちを切り替えてチーム一丸となって全日本で上にいければいいかなと思います。(体重別に向けて)今年、最後の個人戦なのでしっかり入賞できるように頑張りたいと思います」