悲願のリーグ戦初勝利! 5―4で亜大を下し最終戦へ/関東大学男子1部リーグ戦

硬式庭球
2017.09.14
 待ちに待った初勝利だ。関東大学1部男子リーグ戦。第4回戦でぶつかったのは、同じく3連敗中の亜大。両校ともに入替戦出場、1部最下位が現実味を帯びてきただけに、意地を懸けた一戦となった。結果は5―4で明大の勝利。合戸廉太郎(法2=大分舞鶴)・安増篤史(商2=折尾愛真)組の勝利を皮切りにダブルスを2―1としシングルスに突入すると、市川雄大(営2=松商学園)がすぐさま勝ち星を奪取。最後は吉見恒輝主将(理工4=浜松市立)、鈴木悠暉(政経4=名経大市邨)が勝利を収め、試合を決めた。

 最後に決めたのは頼れるこの男だ。シングルス5で登場したのは、副将の鈴木。先日の慶大戦こそ敗れたものの、他2戦では勝ち星を挙げるなどシングルスで好調を維持している。対する恒松(亜大)は大学2年次の関東学生新進選手権で敗れた相手。苦手意識はありながらも「自分なら大丈夫」と自信を胸に試合に臨んだ。相手はボレーを駆使したネットプレーヤー。ラリーに持ち込まず攻め込み、ポイントを量産していった。6―4で第1セットをもぎ取ると、第2セットの中盤にさしかかる頃、第3コートの吉見の試合が終了。これでチームカウントは4―2となった。「試合中は全体のスコアもよく分かっていなかった」が、声援を送る後輩からの「この試合取ったら勝ちです」の声にも、冷静だった。許したゲームは一つのみと、終始優位に第2セットを奪取。勝利の瞬間は会場に響き渡る雄たけびとともに、仲間に向けて大きくガッツポーズを見せた。

 序盤の優勢がそのままチームに勝ちをもたらした。これまでの3戦では、ダブルスで全敗を喫していた明大。ダブルスで三つ落とすとシングルス6戦で5勝を挙げなくてはならなくなり、一気に苦しい状況に陥っていた。しかし、この日は2―1でダブルスを折り返し、早々にシングルス4の市川が勝利。常にチームカウントが優位な状態で後続に回すことに成功した。
 2年生が大車輪の活躍を見せる。合戸・安増組がチームでのダブルス1勝目を挙げ、一気に流れを引き寄せた。「『下級生だから思いっきりやってこい』とは言われるけど、プレッシャーや1勝もできないという焦りがあった」(合戸)。個人の一勝、一敗がチームの進退に大きく関わるリーグ戦。チームの初白星の影には、単複で3勝を挙げた吉見、鈴木の主将、副将ペアの存在と共に、下級生の大健闘があった。

 泣いても笑っても次が最後だ。最終戦の相手は、王座決定戦12連覇中の王者・早大。今年度インカレの男子シングルスベスト4全員を擁するなど、戦力は1部校の中でも抜きんでている。「ここまで負けて落ち込んできたのであとはやるしかない」(吉見)。ようやく1勝を手にし、最終戦の前にエンジンをかけなおした明大。大学の看板を背に、出せる力を全て出し切り、悔いなくリーグ戦を終える。

[谷山美海]

試合後のコメント
吉見

「今までの3戦でいろいろなことをOBの方々から言われましたし、僕たちもふがいない部分があり、すごく悔しかったです。まず一勝できたというのは、やってきたことが少し報われたと思います。審判とかボウラーとかくれているチームメートたちのために、選手が勝つことはポジティブになれるので、チームとしても良かったです。(シングルスは)1セット目を簡単に取って、2セットで終わらせられる相手だったのに、そこでもたついたせいで流れも悪くなってしまいました。最終的に勝てたことは良かったですけど、僕も負けていたらチームも負けたかもしれないので。(ダブルスは)明治全体でまだ1勝もしていなくて、後輩がまず1勝してくれたということで、こっちも流れが良くなりました。そこで一気にいけたことは良かったと思います。(反省点は)勝った時点で(本城と中村は)気が抜けた部分もあるかもしれないですけど、勝てない相手ではなかったし、勝たないといけない相手でした。次負けて入替戦になる可能性もあるので、勝って自信をつけてしっかり自分のテニスをやってもらわないと困るので、反省して次の早稲田戦に臨んでほしいです。(主将の重圧は)いろいろありますけど、プレーの時は自分の試合の事だけ考えるようにしています。責任を自分だけで背負い込んでも仕方がないので。(次戦は)早稲田は王座12連覇しているので、ここまで負けて落ち込んできたのであとはやるしかないです。ぶつかっていけばチャンスがない相手ではないし、勝てない相手ではないので、しっかり5本取ることを目標にしたいです」

鈴木
「(リーグ戦初勝利)チームとしてはうれしいですけど、個人としては王座に行きたくて練習していたので、ここまでの3連敗がまず悔しいです。(吉見と二人で単複3勝)主将と副将なので、自分たちは負けられないっていう気持ちが強かったです。(チームの勝ちが決まった瞬間)全体のスコアとか正直よく分かってなかったんですけど、応援の子たちが『取ったら勝ちです』って言ってくれて『あ、そうなんや』って珍しく冷静でした。(試合としては)シングルスは慶大戦だけ負けて、中大、法大にはしっかり勝てていたので『自分なら大丈夫だ』って自信を持って冷静にいきました。ダブルスは3連敗していて、今回も強い相手だったので自信なかったんですけど、その中で勝てたのはよかったです。(試合前チームでは)最低でもダブルスを2ー1で終えてシングルスに回そうと言っていました。それだけで、シングルスの不安要素が一気に減るので。(周りの選手の活躍は)いつもは他の試合も気になってキョロキョロしちゃうんですけど、今日は自分のコートだけに集中するって決めていたので、それがよかったかもしれないです。(早稲田戦に向けて)相手が強いことは当然分かっているので、全力を尽くして戦うだけです。自分の役目はシングルスで一本もぎ取ることなので、ただただそこに向けて頑張ります」

市川
「(リーグ戦初勝利)素直にうれしいです。5―4だったので、誰かが負けたらひっくり返っていましたし、チームの勝ちに自分が貢献できて本当によかったです。(試合前は)マッチポイントとかすごく緊張したんですけど、自分がひっくり返されてしまうと周りのコートの流れにも影響するので、しっかり勝ち切ろうとは意識しました。(亜大戦に向けてのチームの意識)亜細亜には勝たないといけないっていうのは当然チームの中にありました。ここに負けると1部6位がほぼ確定でしたし、そうすると2部の1位に入替戦で当たってしまうので、勝たなきゃいけないって思っていました。(主将と副将の活躍)本当に4年生が頑張っていて、自分も今は2年生ですけど、どんどん上級生になっていくので見習いたいと思います。(意識した戦い方)前回の慶大戦でも、競っていたのに大事なところで弱気になって相手に攻められて落としてしまったので、大事なポイントほど自分から攻められるように意識してやりました。(早大戦に向けて)本当に早稲田は強いですけど、勝てるチャンスもゼロではないと思うので、頑張りたいと思います」

合戸
「リーグ戦でここまで、夏関ベスト4のダブルス3というプレッシャーがありました。『下級生だから思いっきりやってこい』とは言われるんですけど、やっぱりプレッシャーは感じていたので、そんな中で1勝もできないという焦りもありました。でも、今回まず1勝できたのは良かったです。夏関の時のプレーができれば早稲田相手でもチャンスはあるので、早稲田戦も一番最初に勝ってチームに勢いを付けられたらなと思います。(先輩の活躍を見て)やっぱり鈴木さんは寮生活からも可愛がってもらっていて、このリーグ戦で活躍されているのを見ると僕もああいう先輩になりたいと思います」

安増
「1試合1試合やるにつれて調子が上がってきているのは自分でも分かっていました。今日の出だしは2-0までいって『調子よくて、いけそうだな』と。その勢いでいきました。(勝てない期間は)『まだ1勝もしていないな』と考えることはあったんですけど、亜細亜戦は負けられなかったので、チームを勢い付けられたらなと思っていました。合戸とはジュニアの頃から同じ福岡で一緒にやっていたので結構やることとかが分かるのでコンビネーションは取りやすいです。(試合前はどんな会話)朝の練習時間の時は、相手のオーダーが予想していたのと違ったので、『あいつらでくるかもね』みたいなことを話して作戦を立てました。今日の相手ペアは、一人は背が高くてサーブがいいって分かっていたので、とりあえずサーブにプレッシャーをかけないとブレークできないので、リターンを攻めていこうと思って。それがファーストセットうまくいって最初にブレークできたので、プレッシャーかけられたかなと思います。(次戦は)下級生の僕たちが声を出して盛り上げて、他のコートの雰囲気も良くできるくらい、それぐらい声を出してやっていきたいです」