90kg級で神鳥が連覇達成! 増山も3位入賞/全日本ジュニア体重別選手権

柔道 2017.09.11
 王者の貫禄を見せた。昨年90kgで優勝を果たした神鳥剛(政経2=愛知県私立大成)が連覇を達成。同じ階級のルーキー・増山香補(政経1=修徳)も3位入賞を果たした。一方で、優勝を期待されていた81kg級の山本康生(商2=崇徳)は5位に終わり、悔しさをにじませた。

 圧倒的な実力で勝ち上がった。昨年王者の神鳥は第1シードとして出場。初戦で抑え込みの一本勝ちを収め、幸先の良いスタートを切った。3回戦は、2年前のインターハイ決勝でぶつかった長濱(日大)と対戦。2分17秒で2つ目の指導を奪い、自分のペースに持ち込む。「相手が見えていた」(神鳥)と残り14秒で技ありを奪いそのまま優勢勝ち。勢いそのままに準決勝でも、払腰で豪快な一本勝ちを決めた。迎えた決勝の相手は公式戦では初の顔合わせとなった長井(日体大)。試合開始から組み手で優位に立った。「体が勝手に反応した」(神鳥)と、1分4秒に払腰で一本。見事連覇を成し遂げた。

 確かな成長を見せた。昨年高校生ながらも同大会5位の成績を残している増山。1回戦から3戦連続でゴールデンスコア方式の延長戦にもつれこみながらも、準決勝まで駒を進めた。準決勝の対戦相手はライバル・長井(日体大)。「何回かチャンスはあった」(増山)と序盤は一進一退の攻防が続いた。しかし、残り3秒で一瞬のスキをつかれ肩車で技ありを奪われ優勢負け。2年連続で3位決定戦に回った。「昨年は気持ちが切れてしまっていた」(増山)。前回大会では気持ちの切り替えに苦しんだが、今年は違った。今年のインターハイ王者・村尾三四郎(桐蔭学園高)を相手に、2つの反則を奪うなど試合を優位に展開。最後は延長戦に入ってからの一本背負いで技ありを奪い試合を決めた。東京学生体重別選手権での優勝に続き、今大会でも3位入賞。「自分の柔道を貫けていた」と猿渡琢海監督も好調の続いている増山を評価した。

 悔しい結果に終わった。予選の東京都ジュニア体重別選手権で初優勝を果たした山本。1回戦、2回戦ともに一本勝ちを収め、迎えた3回戦。終始試合のペースを握っていたが、決め手に欠き延長戦にもつれ込む。「甘い部分が出てしまった」(山本)。指導差で上回っていたこともあり、攻めが雑になってしまった。延長戦開始33秒で技を返され、技ありを奪われ敗北。日本一のみを目指してきただけに悔しい敗戦となった。

 学生日本一を目指す。3選手ともに全日本学生体重別選手権の出場権を持っている。「東京学生での失敗をしないこと」(猿渡監督)。課題である投げきる柔道を徹底し、出場する全階級で日本一を狙う。

[藤里陽]

試合後のコメント
猿渡監督

「神鳥は一回戦から生まれたチャンスを物にして戦えていたし、自分の組み手で練習と変わらない動きをできていたので心配なく試合を見てられました。実力通りの結果だと思います。決勝の長井は一つ年下のインターハイチャンピオンで手強い相手でしたが、落ち着いてしっかり組み勝って自分の得意技で一本取ったと。東京学生で変な負け方をしましたが、気持ちをしっかり立て直して一週間で上手く調整して勝ち切ったので評価したいです。練習に関しては調整練習だったので、体の疲れを取りながらこの大会に向けて体を万全に持っていくというものでした。決勝の前は常に全力を出し切れと言い聞かせました。彼は気合いが入りすぎると浮き足立ってしまって力が入りすぎてしまうので、少し力を抜いた状態で普段通りの柔道をしてきなさいと。昨年のジュニアと比べると堂々とした戦いをしていた印象を受けます。昨年はなにがなんでも勝ちたいという思いでがむしゃらな柔道だったかもしれないし、決勝も指導差だった。それが今年は一本勝ち。技ありが一つだけなので、内容もよくなって成長しています。神鳥の良さは、部員の中で気持ちが一番強いこと。勝ちたいという貪欲さも持っているし、将来の目標に向かって一歩一歩進んでいる。次の世界ジュニアで勝って世界選手権が見えてくる。その前にジュニアで連覇したので次はシニアの講道館杯で結果を見せないといけない。ただ講道館杯の優勝の前にまだまだレベルアップしないといけないところもあります。今日の前半戦で組み手が不十分だったところもあったので。組み手と相手を投げる得意技をセットで鍛えなければいけないです。神鳥の代名詞となる技がないので、そこがまだ課題です。増山は自分ができること、やらなければいけないことを理解して徹底して柔道ができていたので準決勝まで順調な勝ち上がりだったと思います。ベスト8の筑波大の田嶋は高校選手権チャンピオンだったり優勝大会でも東海のポイントゲッターから一本取ったり手強い相手でしたが、粘り強く自分の柔道を貫いたので勝つことができました。ただ、次の長井には苦手意識、やり辛さを感じているのかなと。初めはすんなり入れた背負い投げもどこか思い切りの良さが欠けていってしまいました。技の幅も広げていかないといけないですし、今の戦い方に対策をしてくる選手もいます。山本も東京ジュニアで優勝して、東京学生でも昨年負けた相手に逆転勝ちしてベスト8まで勝ち上がったことで自信を持って挑んだと思います。準決勝、三位決定戦は自信が空回りしてしまって悪影響を及ぼしてしまったと思います。山本の良いところは粘り強さ。技のキレはありますが、粘り強さがあってこそ出せるキレが山本にはある。華やかな柔道ではないですけど、しつこく自分の柔道をして相手を投げ切ることをどこか忘れてしまっていたのかなと。そこは山本にも伝えました。(全日本体重別選手権へ向けて)今回は出なければいけないメンバーが出られない中で、出場する選手に対しては東京学生での失敗をしないことを一番に徹底してほしいです。東京学生では臆病になって技をかけられず投げ切る柔道を見失っていたので。今週、来週で思い出させながら強化に取り組んでいきたいです」

神鳥
「とりあえずほっとしました。(ここまでの調整は)いつも通りですね。昨年も連戦は経験してるので。東京学生の時は負けちゃったんですけど、試合数が少なくて疲れがたまらなかったというふうに、自分の中でポジティブに切り替えてこの試合に挑みました。(調子は)動けてましたね。(初戦は抑え込みで一本勝ち)すごく相手が見えていたので、1回目のチャンスを物にできたのかなと思います。自分をみんなが意識しているというのは分かっていて、裏を返せば自分が誰よりも強いということなんで、負けることもないと思っていました。(2回戦はインターハイの決勝で当たった長濱(日大)が相手だったが)特に意識とかはしてなかったですね。試合自体も押していたし、相手も見えていたので、タイマー見て時間帯を狙ってあそこで技をかけました。残り半分ぐらいになってから肩車がかかるかなという感覚はあったので、かけるタイミングをミスしなくてよかったです。(準決勝は豪快な一本勝ち)狙い通りというよりかはきた技を返しただけです。組み手で勝っていたし、相手が動いた段階でこの技くるなと分かったのでしっかり対応して、一本につなげられたかなと思います。体もきれていましたしこのレベルでは負けないなという手ごたえもありましたね。(試合前に意識したことは)特に何もないです。ただ、昨年のインターハイを優勝していますし侮れない相手だと分かっていたので、しっかり勝ち切ろうとは思ってました。(日体大の声援がすごかったが)気にならなかったですね。力が入った応援っていうのは裏を返せば僕との試合が大一番ってことなんで(笑)。そういうふうにいい方に考えています。(組み手で優勢に立っていたが)1回目釣り手持った時にすぐに引き手が取れたんですけど、2個取った時にもういけるなと思ってましたね。片手だったら担ぎ技とかめんどくさいことしてくると思っていたんですけど、2個持った時点で負けることはないなという手ごたえはありましたね。(大外刈が決まった)体が勝手に反応したという感じです。決めにいったというよりかは気づいたら相手が投げられていて、正直あんまり覚えてませんでしたね。相手が軽かったっていうかタイミングよくいけたんできれいに落とせましたね。(ルール改正による勝ち方の変化)投げられる技があれば指導2を取られて延長入っても技あり取れば逆転できるので、技のある選手が勝てるようになったのはいいことだと思います。僕も寝技を鍛えればもっともっと楽に勝てると思います。指導の差で負ける悔しい負けも無くなったので、戦いやすくなりましたし、僕にとってはありがたいルールですね。(連覇を達成したこと)意識はしてなかったですけど周りはそういうふうに言うので勝ててよかったなとは思います。(追われる立場になって意識したこと)追われる立場になったからにはその強さを見せつけて勝ってやろうということですね。形にこだわるわけじゃないですけど強さをしっかり見せていこうと思いました。(この1年で一番成長した部分は)技です。具体的な技というよりかは、僕は何でもできる方だと自分でも思っていて、その中で何を武器にするかという中で、大内刈りをすごく練習してきたんですけど、そのおかげで技出しも早くなって、そういう総合的な技の速さが身についたかなと思います。(今後の課題は)自分の代名詞となる技をつくることと寝技です。(ここからは連戦が続くが)僕自身試合もすごく好きですし、全然苦ではないです。一試合ごとに自分の成長を実感できることが楽しみです。(今後の意気込み)日本で90kg級の一番になります」

山本
「悔いの残る試合になったなと思います。日本一を目指してここまでやってきたので、やっぱり5位っていう結果は入賞もできなかったですし、悔しい試合です。悔しいっていう気持ちでいっぱいです。(3回戦で賀持(桐蔭学園高)に敗れたが)相手は高校生でてすけど、実績もあって強いっていうことは知っていたんですけど、自分の柔道スタイルの攻める柔道をもっと出していこうと思ったんですけど、攻めるなかで自分の雑なところや甘い部分が出て、最後技ありを取られてしまって、自分の実力不足で敗れてしまいました。相手も勝つための練習をしていたので、紙一重のところだったんですけど、そこの部分で1枚上手にいけなかったのが自分の弱さです。(3位決定戦を振り返って)自分も勝てると思っていたんですけど、勝てるって思ったりしたところに、余裕が自分のなかで生まれてきて、本来投げて勝てるのに、指導で勝てるっていう甘い勝ち方を想像してしまって、そのなかでゴールデンスコアに入って雑になった技をひっくり返されて投げられて、本来なら勝てた相手だったと思うんですけど、雑さや甘さが出て負けてしまったのかなと。非常に悔しいです。(指導差を意識したのか)リードしている分指導をあと1つとったら勝てるって思ってしまって、そこにつけこまれて、そこが敗因だと思います。(東京学生からの修正点は)自分の1枚上手の人、釘丸(国士大)さんに負けてしまって、そこでもゴールデンスコアでポイントを取られてしまって、今日も賀持さんにも3決の吉川(天理大)にも負けて、この1週間自分のなかでは変えていったつもりだったのが、結果で見てみると変わっていなかったです。(課題は)ゴールデンスコアに入ってからも自分の柔道をもっと緻密な、丁寧な柔道をしていかないと、この先上には上がれないので、細かいところをしっかり直して、今月ある全日本学生に優勝を目指して行けたらなと。もう日本一しか狙ってません。(尼崎に向けて)今のような試合をしていては、チームにも迷惑をかけると思うので、尼崎までの期間はもっと自分の柔道を突き詰めて、良い柔道作って、尼崎ではポイントゲッターになれるようにこれから頑張っていきたいと思います」

増山
「全部延長戦で1回戦から大変でした。レベルの高い試合だったので、延長戦になるのは覚悟していました。とりあえず、昨年もこの大会に出ていて、本戦に負けて、敗者復活戦にいって勝つっていうことが大変っていうのを分かっていたので、安心しました。(3回戦の田嶋(筑波大)戦を振り返って)やっとあの試合から落ち着いて試合をできたので、接戦になると思っていたので、投げて勝ったのは良かったです。(準決勝の長井(日体大)戦を振り返って)最初何回かチャンスはあったんですけど、仕留めきれずに、最後の最後で技を食らって、また負けたっていうのが悔しいです。勝たないといけない相手だなと。(苦手意識は)東京都ジュニアのときはあったんですけど、今日はなかったです。勝てそうな雰囲気はあったです。いろいろと動きながら組み手をやってみたり、組み手を工夫して良くなりました。(意識した点)吊り手だけは意識をしていました。(指導を意識したか)まったくないです。そのまま戦いました。(収穫は)去年までは(準決勝に負けて)気持ちが切れてしまって、モチベーションを続けるのが大変だったので、そこは収穫です。(先週の東京学生で優勝し今大会の調子は)ちょっと固かったです。でも、同じ感じでやれたとは思います。(課題は)引き手を持っての技を増やすことです。やはり背負投げだけでなく、足技とか違う技を覚えていきたいなと思います。(全日本学生に向けて)いけるところまでいきたいと思っているので、しっかり今回の課題を克服して取り組みたいと思います」

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