(8)QB、RB特集
アメリカンフットボール
2017.08.31
昨季は1勝6敗という成績に終わり、19年ぶりに入替戦に回った明大グリフィンズ。なんとか残留は果たしたが、思い描いていた理想とはかけ離れた結果に終わった。新チームの腕試しとして挑んだ春季オープン戦は3勝2敗と、成長と課題を実感した結果になった。厳しい夏合宿を越えいよいよ迎える秋季リーグ。LB#8氏家倫太郎主将(政経4=埼玉栄)の下、一丸となって甲子園を目指す。今回は、主将、監督、チームを支えるスタッフ、そして各ポジションのキーマンを9回にわたって特集する。
第8回はラン・パス両プレーの要、QB#3中村聡(政経4=海陽学園)、RB#9福田夕斗(政経3=日大三)の特集です。
第8回はラン・パス両プレーの要、QB#3中村聡(政経4=海陽学園)、RB#9福田夕斗(政経3=日大三)の特集です。
中村聡
責任と覚悟を胸にフィールドに立つ。オフェンス陣の司令塔・QB。肩の強さとパスの正確なコントロールはもちろん、強力なリーダーシップとディフェンスを的確に読み、一瞬の判断を委ねられる。この花形と言えるポジションに高校時代から携わってきたのが中村。チームの命運を握るこのポジションは中村を大きく成長させてきた。
大学では鮮烈なデビューを果たした。1年次の春季オープン戦の専大戦。途中出場した中村は1プレー目からランとパスを立て続けに成功させ攻撃の起点に。チームからの期待値を大きく上げてのスタートだった。しかし、度重なる大ケガ。入院生活が強いられた。「もうこのポジションはできないと思った時期もあった」と長いブランクは中村の心を揺さぶった。「何かリハビリ期間中にできることはないか」と考え続けた結果、フットボールIQを高めることに集中。「試合中にずっとコーチとマンツーマンで勉強した」とケガの間でも何かを成長させる強い意志でリハビリ生活を乗り越えた。今でも試合前の相手ディフェンス陣の研究は怠らない。相手の弱点と隙を見つけ攻撃を優位に進める。
ラストシーズンで返り咲く。「チームメイトの信頼を勝ち取らないとQBは輝けない」とプレーでも精神面でも信頼を得られなければならない。元々ランの得意な中村は多くの試合でロングゲインを成功させてきた。課題はパスの正確性だ。「1番練習しているのはパス練習」とランもパスもできる理想のQBを目指し、グリフィンズを勝利へ導いてみせる。
◆中村聡(なかむら・さとる)政経4 海陽学園 175cm 77kg
福田夕斗
「ランの明治」を体現する地上戦の主役がさっそうとフィールドを駆け抜ける。福田のポジションはスピードと相手ディフェンスに立ち向かうためのタフネスさを必要とするRB。ケガ明け、約一年ぶりの試合である春季オープン戦の専大戦に出場。一つのTD(タッチダウン)を決め、滑り出しのいいシーズンを迎えた。
スピードを生かしてアメフトの世界へ。小学校時代は野球とサッカー、中学時代は陸上100mで11秒2台と神奈川の中でも屈指のスプリンターであった。特に進路が決まっておらず知人の紹介で通ったセレクションがきっかけで高校ではルールを知らないアメフトを選択。「小さい頃からスポーツに関しては誰にも負けたくなかった」。その持ち前の闘争心と向上心を生かし高校3年次には春の関東大会で優勝。RBとして大舞台で大躍進した。その活躍から多く声が掛かったものの、進学先は当時リーグ戦5位だった明大。「強い大学に行って、勝っても面白くない。自分の力で下位にいる明治を優勝させたい」という下克上の精神がその動機をより一層深いものにした。
関東にライバルはいない」自分が関東一のRBプレイヤーだと自負する福田が意識している選手は立命館の渡邉。高校時、共にプレーし、現在WRの選手だ。2人は高校の関東大会において優秀な選手に与えられるバックス賞を取り合った。関東・関西の王者同士が戦う甲子園ボウルの舞台で今度は敵同士として激突する日がくるはずだ。
悔やみ、悩んだ一年前。福田は昨年の夏合宿でケガをし、出場は秋リーグ初戦の慶大戦のみ。思うようなプレーが出来なかったことでアメフトにおいて初めての挫折を経験した。「とにかくチームが勝つことを願っていた」。しかし活躍できない申し訳なさから一時はアメフトをやりたくないという考えまで芽生えたが先輩の支えもあり今では完全復帰。1年のときにはリーグ内ラッシングで5位、平均獲得ヤード数においても2位という成績を持つ。その経験を生かして初戦の相手であり、去年4点差で惜しくも負けた慶大に屈辱を果たしてみせる。
◆福田夕斗(ふくだ・ゆうと)政経3 日大三高 170cm 82kg
次回はリーグ戦の展望を瓦版でお届けします。更新は明日、9月1日の予定です。お楽しみに!
[坂田和徳・綾部禎]
責任と覚悟を胸にフィールドに立つ。オフェンス陣の司令塔・QB。肩の強さとパスの正確なコントロールはもちろん、強力なリーダーシップとディフェンスを的確に読み、一瞬の判断を委ねられる。この花形と言えるポジションに高校時代から携わってきたのが中村。チームの命運を握るこのポジションは中村を大きく成長させてきた。
大学では鮮烈なデビューを果たした。1年次の春季オープン戦の専大戦。途中出場した中村は1プレー目からランとパスを立て続けに成功させ攻撃の起点に。チームからの期待値を大きく上げてのスタートだった。しかし、度重なる大ケガ。入院生活が強いられた。「もうこのポジションはできないと思った時期もあった」と長いブランクは中村の心を揺さぶった。「何かリハビリ期間中にできることはないか」と考え続けた結果、フットボールIQを高めることに集中。「試合中にずっとコーチとマンツーマンで勉強した」とケガの間でも何かを成長させる強い意志でリハビリ生活を乗り越えた。今でも試合前の相手ディフェンス陣の研究は怠らない。相手の弱点と隙を見つけ攻撃を優位に進める。
ラストシーズンで返り咲く。「チームメイトの信頼を勝ち取らないとQBは輝けない」とプレーでも精神面でも信頼を得られなければならない。元々ランの得意な中村は多くの試合でロングゲインを成功させてきた。課題はパスの正確性だ。「1番練習しているのはパス練習」とランもパスもできる理想のQBを目指し、グリフィンズを勝利へ導いてみせる。
◆中村聡(なかむら・さとる)政経4 海陽学園 175cm 77kg
「ランの明治」を体現する地上戦の主役がさっそうとフィールドを駆け抜ける。福田のポジションはスピードと相手ディフェンスに立ち向かうためのタフネスさを必要とするRB。ケガ明け、約一年ぶりの試合である春季オープン戦の専大戦に出場。一つのTD(タッチダウン)を決め、滑り出しのいいシーズンを迎えた。
スピードを生かしてアメフトの世界へ。小学校時代は野球とサッカー、中学時代は陸上100mで11秒2台と神奈川の中でも屈指のスプリンターであった。特に進路が決まっておらず知人の紹介で通ったセレクションがきっかけで高校ではルールを知らないアメフトを選択。「小さい頃からスポーツに関しては誰にも負けたくなかった」。その持ち前の闘争心と向上心を生かし高校3年次には春の関東大会で優勝。RBとして大舞台で大躍進した。その活躍から多く声が掛かったものの、進学先は当時リーグ戦5位だった明大。「強い大学に行って、勝っても面白くない。自分の力で下位にいる明治を優勝させたい」という下克上の精神がその動機をより一層深いものにした。
関東にライバルはいない」自分が関東一のRBプレイヤーだと自負する福田が意識している選手は立命館の渡邉。高校時、共にプレーし、現在WRの選手だ。2人は高校の関東大会において優秀な選手に与えられるバックス賞を取り合った。関東・関西の王者同士が戦う甲子園ボウルの舞台で今度は敵同士として激突する日がくるはずだ。
悔やみ、悩んだ一年前。福田は昨年の夏合宿でケガをし、出場は秋リーグ初戦の慶大戦のみ。思うようなプレーが出来なかったことでアメフトにおいて初めての挫折を経験した。「とにかくチームが勝つことを願っていた」。しかし活躍できない申し訳なさから一時はアメフトをやりたくないという考えまで芽生えたが先輩の支えもあり今では完全復帰。1年のときにはリーグ内ラッシングで5位、平均獲得ヤード数においても2位という成績を持つ。その経験を生かして初戦の相手であり、去年4点差で惜しくも負けた慶大に屈辱を果たしてみせる。
◆福田夕斗(ふくだ・ゆうと)政経3 日大三高 170cm 82kg
次回はリーグ戦の展望を瓦版でお届けします。更新は明日、9月1日の予定です。お楽しみに!
[坂田和徳・綾部禎]
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