新入部員が躍動し3年連続登頂成功/新人合宿

山岳 2017.08.10
◆4・29~5・4 新人合宿(富山県・北アルプス)
[参加者]小清水・小田・鈴木・服部



 1年生が入部し、初めての新人合宿を成功させた。新入部員の実力養成のために毎年行われている新人合宿。まだ雪も残り慣れない1年生2人は苦戦した。さらに今回はOBの参加はなく学生だけでの登山。登頂も危ぶまれたが上級生が的確に指示を出し全行程予定通りに完遂。1週間という準備期間の中でうまくおのおのが調整し、ケガ人、脱落者を出さずに合宿を終えることができた。
 
 今季初合宿を全員で完遂した。初日から天候に恵まれず雪も溶け切らない厳しい登山となる。さらに今回の合宿はOBの参加はなく学生のみで実施。重圧も大きかった。しかし「1年生は十分と力がある」(小清水健人主将・農3=韮崎)と入部して間もない2人が即戦力として機能。足元が不安定な道を登り続け新入部員たちは頂上の景色を見て達成感に満たされた。下山時体力不足から止まる場面も見られたが最終的にはケガ、脱落者はともに出ず新人合宿を成功で終わらせた。
 今回登山前の準備期間は講習やクライミングなど登山経験の少ない1年生の不安解消のため充実させた。さらに小田英生(農2=琴平)は「上級生として1年生が登りやすいように心掛けた」と1年生を上級生が力強く引っ張るいい雰囲気も登頂成功の大きな要因となっている。しかし、現在山岳部には暗雲が立ち込める。8月時点で部員はわずか4名。これからの合宿を学生だけで行うのは困難な状態となっている。練習時間も限られており部員全体での活動が十分ではなく連携にも不安が残る。「数が少ないので一人一人のレベルアップが絶対に必要」(小田)と個々の力が強化これからの課題だ。

 6月合宿は最悪の結果となってしまった。例年1年生は参加しない合宿だったが地力が強い2人に期待し隊への参加が認められた。新人合宿が終わり時間を置かなかったが「体力的には問題はなかった」(小田)と登り切る自信はあった。しかし、登山が始まり2日目。2年生の一人が雪面の硬くすべりやすいところで滑落事故を起こしケガを負ってしまう。結局合宿はそのまま下山となりまさかの結果に悔しさが残った。しかし、事故に際し小清水主将は冷静さを保ち「経験が役立った」と迅速な対応を行った。新人合宿が成功しいいイメージが出来上がってきた隊だったがもう一度部員全体で意識を整える必要が出てきた。

 ルーキーが新たな一歩を踏み出した。今年の新入部員は、スポーツ推薦の鈴木光(農1=浜松日体)と元アメリカンフットボール部3年生の服部晃太郎(国際3=県立鎌倉)の二人のみ。だが、テント張りや食事当番など慣れない仕事量の多さに苦戦しながらも要所で潜在能力の高さを見せつけ全行程を完遂した。「止まりそうになった時に声をかけてくれる仲間がいた」(服部)と苦しくなっても諦めずに前へと歩を進めた。小清水主将は「新人合宿は大体失敗に終わるが、成功できた」と1年生を高評価。しかし課題も山積だ。中学校の同期に誘われ入部した服部は山岳経験が少なかったことが影響し、下山時体力の低さが露呈。途中で止まってしまうことがあり、自身の想像よりかなり厳しいデビューとなった。さらに「食事当番など初めての作業が多く、無駄が多かった」(鈴木)とわずかな時間の遅れが、隊全体に影響を与えてしまうことを思い知らされた。「体力で遅れをとっていたので何とかしていきたい」(服部)。初の合宿を終えこれからの指針は見え始めている。人数も少なく一年次から即戦力として期待を受ける2人。過酷な山岳部を通してどれだけ成長できるのか、今後の2人の活躍に目が離せない。

 夏山合宿からもう一度立ちなおす。新人合宿、6月合宿を終えやるべきことは見えてきた。これまでの山とは異なり夏山では暑さとの勝負も待ち構えている。成功させるために「まずは体力」(小田)。そして1年生の力が必要不可欠だ。「登頂の瞬間は本当にやっていて良かったと思う」(小田)とその一瞬のために日々歩みを続ける。夏山を全員で登頂するために。全てを懸けて臨みたい。

[東後太一・高橋昇吾]


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