平成国際大相手に完敗 連勝ストップ/関東大学2部リーグ戦

ボクシング
2017.06.12
 リベンジを果たせなかった。リーグ3戦目の相手は、昨年度完敗した平成国際大。1番手の工藤洸弥(文3=弘前工業)が勝利を決め、出だしは好調に思われたが、その後の流れをつかめなかった。3番手の内野滉史(商4=東福岡)や5番手の犬島峻平(商3=呉羽)が強敵相手に善戦するも、白星を挙げることができず結果は1─6で完敗。リーグ戦初黒星となった。

 力が及ばなかった。1─4とチームとして負けが確定した上で迎えたウェルター級。全日本ランカーであり、チームの大黒柱である米澤直人主将(文4=奈良朱雀)はここまで圧巻のプレーでチームを引っ張ってきた。しかし今回は互いに一歩も譲らない攻防戦に、ペースを乱される。「リードが当たらなく焦ってしまった」(米澤)。ラウンドを追うごとに修正を加えるが、結果は格下相手にまさかの敗北。「主将として情けない」と肩を落とした。最終7番手として登場した高梨正太郎(商2=北海学園札幌)も、体格の勝る全日本4位の実力者に圧倒され、攻めの姿勢に回れないまま2R途中でKO負けとなった。

 安定した強さを見せつけた。今シーズン負けなしと好調のライトフライ級・工藤。「今日は勝たなきゃいけなかった」。その言葉を見事に体現する堂々たるプレーを見せた。互いに決定打のないまま第1Rを終え、迎えた勝負の第2R。序盤から相手が猛攻を仕掛けるが、工藤は軽い足取りで的確に距離を取りつつ、冷静にボディーを決める。続く最終Rも鮮やかに多様な技を決め、終始余裕の試合運びで見事にチーム唯一の白星を挙げた。「自分のボクシングを確立する」ことが何よりの勝利のカギだと語る工藤。今リーグ一番のポイントゲッターとして、続く試合での活躍にも期待が懸かる。

 「昨年よりも成長が見えた」(星野隆監督)。昨年度も1─6で平成国際大に敗北したが、選手おのおののプレーは明らかに進化した。エースのバンタム級・内野は敗れはしたものの、全日本10位という強者相手に善戦を繰り広げた。またライトウェルター級・犬島も、第1・2Rでは攻めの姿勢を見せることができなかったが、最終Rはスタンスを変え、積極的にフックを打つなど健闘を見せた。次に控えるのは1部から降格してきた法大だ。法大は、2部リーグ優勝候補筆頭の強豪校であり、厳しい戦いが予想される。しかし、強豪相手にも「負けるつもりはない」(米澤主将)とあくまで強気の姿勢だ。明大のボクシングを貫き、一つでも多くの勝ちを取りに行く。

[垣内萌恵]

試合後のコメント
星野監督

「今回はエントリーを予定していた笹谷が計量でオーバーしてしまって、それで1年の山本に変更して、そして山本が1本で打たれてしまいましたが、あくまでこれは想定内でした。今日の試合でスコアは1-6で負けてますけど、バンタム級の内野とかは勝てたんじゃないかなと思います。米澤の試合も、あのような点数で妥当ではないかな、と思いますし、負けても3-4かな、と思っていました。勝つのには人数不足でもあるし、相手チームの選手は全日本ランカーが揃っている中で、うちはあまりいなくて、そんな中でよく戦ったなと思います。結果は1-6となりましたけど。結局、平成国際大とウチには、絶対的に人数の差がありますし、負けた階級の補強ができてません。そして相手はランキングボクサーを何人もそろえているので。単純に選手の数が違うし、体つきとかも明らかに違うので、ほとんどウチは負けてます。でも、ウチは(戦術の面で)頭のいい選手がそろっているので、頭で勝負しています。ミドル級の高梨は75kgで、相手は80kgくらいから減量しているわけですから、体つきが全然違うんで、そういう結果になっちゃうんです。次の法大戦も、それなりに戦えると思っているんですけど、私が選手たちに言うのは、勝ってもらわなきゃ困るんですけど、恥ずかしくない内容の試合をしてくれればそれでいいよ、という感じで。結果は1─6の負けになっていますが、内容的にはそんなに恥ずかしくない試合だったなと思います。あと2試合あって、勝敗は勝たなくちゃいけないけど、内容はいい形でできればいいなと思っています。高梨を入れたのは、5日前くらいに松田が感染性の結膜炎になってしまったからです。なので、本人は出場すると言っていましたが、別メニューでやらせています。本来は、高梨は次戦の法大戦か専大戦に出そうと思ってたんです、なのでそれまであまりトレーニングが積めていない中で、急きょ出場を決めてしまったこともあって、ノックアウトというのは仕方がないかなと思います。でも、次の試合は高梨は出ようと思えば十分出れます。次の相手の法大は、選手が粒ぞろいで、おそらく優勝すると思います。特に、ミドル級に本当に強い選手がいます。必ず勝てるといえるのは1番手の工藤でしょう。ですけど、他の選手も恥ずかしくない試合をしてくれるんじゃないかと思います」

米澤主将
「個人としては同じ負けでも自分が勝って2-5というのは違うので、主将として情けないなという。それだけです。チームとしては惜しい試合もありましたが、結果1-6ということでやっぱり結果の世界なので。次も強敵なので反省も必要だとは思いますが下を向いていたら勝てないしそんな余裕のあるチームではないので、そこは切り替えて良い意味でこの結果を受け止めて次に進んでいきたいなと思います。個人としては自分の中でラウンドを追うごとに修正はしていったのですが、修正して試合に慣れるというか落ち着くのが少し遅かったかなというのがあって。もう少し早くはまるというか落ち着けば勝ったのかなとは思います。どっちもクリーンヒットが無い状態で、自分としてはもっとリードを当てたかったけどなかなかリードが当たらない中で焦っていってしまったので、それがいけなかったかなと思います。負けが確定している中で試合に臨むことはあまり考えていなかったのですが、チームの負けが決まっても自分が全勝するとかでチームの雰囲気も変わるので、そこはやる気を無くすとかはなく個人戦のつもりで勝ちにこだわってやりました。結果だけ見れば去年に比べてレベルアップしていないということかなと思いますね。メンバーは多少違いますけど、何かもう一つ二つ練習に工夫があればよかったのかなとは思いました。課題を挙げるとすればやっぱり先手で特に前の手をもっとみんなが当てていればうちのボクシングができたのかなと思いますね。全員に共通して。全部の選手に言えるわけではないですけどうちの選手は上体が上がったりしてパンチが弱い。しっかり打ち込まないとポイントにならないので、そういうのは自分も言ったりしています。そういう練習もしてはいますがやっぱり強豪校と比べるとそこまで下半身が鍛え足りないのかなという部分は正直ありました。今日は山本も本当は出ない予定だったけど当日に出ることが決まって、やっぱり1年生なので本人的には気持ちの面で無理だったかなという部分はあります。高梨もだんだんケガが回復して調整できてきていたので、松田の代わりに高梨を出そうということになって。でもそれも2日前くらいにやっと決まったことだったのでもっと早くに決めていればなとは思いました。でも別にそれが今日の結果につながったという要因では全然ないと思います。次戦の法大戦は、どんどん調子の上がっている工藤にまず最初に勝ってもらって、あと4年生が勝たないとチームとしては勝てないと思います。4年生3人しかいないですがそこがしっかり勝っていかないとチームも乗らないしみんなも付いてこないと思うので、そこは4年生がもっと気を引き締めてやっていきたいなと思いますね。落ち込んでいる余裕も全然ないし、格上の相手ではありますがやっぱりリーグ戦を通して負けるつもりはないので、一矢報いるというか真正面から立ち向かって行きたいと思います」