復帰選手が躍動 専大に勝利/春季オープン戦

アメリカンフットボール
2017.06.04
 春季オープン戦も終盤、第4戦の相手は去年36―0の大差で下した専大。お互いFG(フィールドゴール)、セーフティで得点を取るもTD(タッチダウン)を決められず、足取りが鈍い試合展開となった前半。しかし第3Q(クオーター)の始めに約1年ぶりに復帰したRB♯9福田夕斗(政経3=日大三)、残り2分ではRB♯22加藤貴央(政経3=戸山)がTDを決め専大との点差を広げる。第4Qでは期待のルーキーQB♯4西本晟(商 1=箕面自由学園)が敵陣11 ヤード地点で投げたボールをTE♯82平澤泰山(理工3= 田園調布)がキャッチし、三つ目のTDを奪取。スロースタートとという以前からの課題は改善できなかったものの、後半アジャストしたディフェンスが目立ったDB#1佐藤成生(文4=駒場学園)、TDを決めた福田の復帰組の活躍など次戦の関大戦につながる内容のある試合となった。
 
 後半の猛攻が光った。前半の拮抗(きっこう)した試合展開とは打って変わり、後半では三つのTDを取る明大の底力を見せる内容となった。その中でも第4Qで途中出場したQB西本の大学入学後初となるTDパスが通ったことで試合の流れを完全に引き寄せ、今後の試合にも大きな期待を持てるプレーとなった。しかし「秋では後半に点数を取っても、勝ち切れない」(LB♯8氏家倫太郎主将・政経4=埼玉栄)と前から課題となっているスロースタートを克服しなければ、秋のリーグ戦で苦しい試合運びとなるのは明白だ。
 復活した2人の選手が活躍した。ケガをし約1年ぶりに試合に復帰したオフェンス陣の福田と今季初出場となったディフェンス陣の佐藤。「練習通りにはいかない」(佐藤)と久しぶりの試合でうまく調整できず、体のキレ・試合堪が戻らなかったという不安要素と次戦の関大戦につながる課題を見つける契機となった今試合。「進化して戻ってこなければならない」(福田)と責任を感じ、両選手には多くの悔しい思いがあった。だが福田の第3QでのTD、佐藤の後半のアジャストしたプレーは大きな自信となり、他の選手たちを大きく鼓舞する分岐点とした。「ラインは自分が走って補う」(福田)と今まで出場できなかった分を取り戻していく。

 春のオープン戦も次の関大戦でラスト。去年のオープン戦、大差で勝った相手であり、また主力選手が復帰し、攻撃陣・守備陣ともに層が厚くなったグリフィンズ。「日本一になるために」(氏家)と課題を修正し、秋リーグにつなげられる試合にしたい。

[綾部禎]

試合後のコメント               
岩崎恭之監督

「試合の入り方がオフェンスのリズムの無さというかリズム感が合わなくてなかなか点に結び付かなかったのが気にはなるんですけど、後半アジャストしたのは評価できるのかなと。ただここまで前半に点が取れなかったことというのは、リーグ戦になるとチームが拮抗してくると思うのでその辺をどう修正できるかというところです。(第1Qでダウン更新できない)パスにしてもタイミングが微妙にずれてたりとかその辺でレシーバーが触ったボールをとれなかったり。そこに関しては後の練習で詰めるしかないと思うので、そういう基礎的なところをやるべきかなと思います。(プランとしては)特に最初の入りがあまりにもだったので。あとは福田も復帰したんですけどどうしてもブランクがあるので、キレもなかったですしその辺が。でも自分たちが一番よくわかっていると思うのでそこをもう少し修正すればRBの層ができてくると思います。(福田のプレー)触っているのに 落としたりし て自分が一番納得いってないんじゃないですかね。(RB#25 寒川(拓・ 商4=法政二)) ちょっとハンドオフのタイミングが合わなかったりそういうところがあったので、自分の力が発揮できなかったんじゃないかなと思います。(佐藤)本人がやる気になって出たので。その調子で(笑)。バイスキャプテンですしそこらへんは自覚があるんだと思います。(西本)初めて大学でTDパスができて決めたと思うのでその辺は大きな自信になったと思います。(TD三つ)一発目、二発目が遅すぎる(笑)。前半もうちょっとアジャストできてればよかったんですけどね。大きな課題になるんじゃないかなと思います。(次回)一つ一つのプレーの精度がまだまだというのとディフェンスだったらタックルミスとかでずるずるいってしまっていたのでその辺を一から基礎に戻ってやってくれればそこはもう。関大戦に対する選手たちの意識は違うと思うのでその辺を自分達でも修正できるんじゃないかなと思います」

氏家
「(今日の試合について)最初のシリーズ3点取られるという悪い流れから始まったのが1番の課題ですね。(ディフェンスについて)最初のシリーズは悪い流れでしたけどそこから立て直せたので良かったです。(関西学大戦でスロースタートで、今日もそのような形になってしまったのですが)練習ではスタートから最後までしっかりやろうと言っていて、特に練習のスタートは気合いを入れるようにしています。しかし、今日もスタートが遅れてしまったので課題が多く残る試合になったと思います。(佐藤選手の復帰について)自分も信頼していてプレーで引っ張るプレイヤーなので非常に心強かったです。(春の課題と成長点)秋の最初は慶大との試合になるんですが今日みたいにスタートが遅れると、たとえ、後半に点数を取っても勝ちきれないと思うので前半のファーストプレーからやりきるというのを相手にあわせないで、120%でやるということが課題です。成長した ところは下級生の動きが春の初戦よりも良くなっていてチームの底上げはできたと思います。(全員の意識の向上について)上がってきてはいますがまだまだ足りません。(次戦の関大戦に向けて)春の集大成なので勝つことはもちろん、今日の試合展開はせず、日本 一になるために秋の初戦の慶応に勝つというイメージを持ってやっていきたいです」

佐藤
「ディフェンスはスタートが悪くて、最初のシリーズでFGを決められてしまったんですけど、その後しっかりアジャストすることはできたかなと思います。前の試合の反省点であったDLが前の試合よりは良くて、LBとDBには課題が残るかなというところです。(ここまでの調整は)今季初試合だったんですけど、関西学大戦あたりから練習を始めて、今日の試合で調整をして、関大戦につなげていくという感じだったので、この試合にはしっかり合わせていきました。(体のキレは)全然戻っていなくて、試合勘とか、フィールドに立つと練習とは違うものがあるので、そこはまだまだですね。(課題の立ち上がり)練習から意識しないと試合ではできないと思うので、練習から意識していきたいと思います。(その後は無失点に抑えられたが)まあまだまだかなと思います。相手はBIG8なんで、無失点が当たり前だと思うんで、次の関大戦に向けてはミスをなくしていきたいですね。(これまでは外から試合を見ていたがチームのできは)結構下級生が成長しているなと思いますね。下級生の成長が上級生を刺激してチームのレベルが上がっていくと思います。春の集大成である関大戦では下級生にどんどんアピールしてほしいですね。(特に動きのいい下級生は)DLが下級生中心なので、そういう点でいくと、昨年度はケガで悩まされた俵(洋一郎・商3=済々黌)だったり、今年入って来た僕の後輩の佐々木(友也・営1=駒場学園)と樋口(諒・政経1=駒場学園)は動きがいいのかなと思います。(試合に入ってみて)今まで外から見ていた分、どこのプレーが弱いとかわかるので、それを試合に出ることで還元できたかなと思います。(具体的に生かせたプレーは)最初のシリーズで、相手の体系がけっこうランを出されたんですけど、それはうちのディフェンスがけっこう弱い体系だったので、後ろから見て、前のポジショニングを変えることができたかなと思います。(試合に復帰できて嬉しかったか)そうですね。フットボールは試合に出ないと楽しくないんで、ケガはありますけど、気をつけてやっていきたいですね。(チーム、個人の課題は)ファースト、トゥーフィニッシュをするっていうのがチームの課題で、僕としてはミスをせずに、チームの流れだったり雰囲気を変えられるようなプレーをしたいです。(関大戦への意気込み)関大は僕自身代表で知ってる仲間もいま すし、絶対負けられない相手です。昨年度は大差で勝ってますけど、今年は同じかそれ以上のスコアで勝ちたいです」

福田
「(復帰して久しぶりの試合について)次関大戦があるので、そこにつながる試合になること、またこっちは1部、相手は2部なので内容を意識していました。(TDについて)とりあえず久しぶりの大会でTD取れてよかったです。(出来は)今回の試合の内容だけ見れば自分を含め、よくはなかったんですけど、自分自身としては次の関大戦につながる試合になったのでそこに関してはよかったんだと思います。(調整)1年と長い間、休んでおり、自分の意識としてはさらに進化して帰ってこなければいけないなという思いがあったので、トレーニングに励んでいたんですけど、そこまで成長して戻ってこれなかったので、夏で補って、秋で活躍できればなと思います。(他RBの活躍について)層が厚くなることはいいことですが特に気にはしてないです。(ラインの課題)ラインは気になりますけど、自分らがカバーして走っていければいいなと思います。(関大戦について)オープン戦の中で戦う相手のなかでも2番目に強い関大なので、自分としては勝つことはもちろん、内容も重視して大差で勝てればいいなと思います」