上級生の活躍で立大を下し2連勝/関東大学2部リーグ戦

ボクシング
2017.05.30
 2連勝を飾った。リーグ2戦目の相手は、今年度3部から昇格した気鋭のある立大。1番手の工藤洸弥(文3=弘前工)、内野滉史(商4=東福岡)が勝利すると、続いて永山純礼(農4=いわき秀英)が得意のインファイトで勝ちをもぎ取る。最後は米澤直人主将(文4=奈良朱雀)が格の違いを見せつけ第1R(ラウンド)でTKO勝利。4年生全員と3年生の工藤という上級生の活躍により勝利を決め、昨年度より順位を上げるというチームの目標に向けて順調な滑り出しを見せた。

 エースが気を吐いた。「チームのためにここで負けるわけにはいかない」(内野)と、最上級生として、またポイントゲッターとしての気概を見せつけた内野。同じ高校出身の後輩を相手に、巧みに間合いを取り簡単に攻撃を許さない。前回の慶大戦で額に負ったケガが懸念材料だったが、終始「大胆かつ冷静」なアウトボクシングに努め、危なげなく勝利を収めた。
 「チームが勝つために」(内野)。最上級生として、誰よりも熱い思いで臨んでいる。このまま勢いに乗り、チームのために本命の平成国際大戦でも勝利をつかむ。

 「俺の勝敗が試合を決める」(永山)。今試合のキーマンとなった永山。一つ前の階級であるバンタム級・内野が安定して勝利し、後に続きたいところだった。同階級ながら永山より「10何cmくらい」身長の高い相手に果敢に立ち向かう。第1Rこそ緊張で動きが硬かったものの、下から拳を振り上げる、ボディを狙うなど最後まで攻めの姿勢を崩さず見事勝利。明大はこの時点で3─1と勝利へ王手をかけた。「勝った姿勢で後輩に示したい」(永山)。最上級生として迎えた最後のリーグ戦。明大のキーマンとして、今後の試合での活躍に期待だ。

 最後は主将が見せた。「負ける不安は全くなかった」(米澤)と、強い自信を持っていたという米澤。勝負は早々についた。その言葉通り、一歩も怯まぬ強気の姿勢で相手を圧倒。第1R残り57秒でTKOで悠々と勝利。「メンタル面でも余裕はあった」(米澤)と、主将らしい非常に頼もしい姿を見せた。結果、米澤の勝利によって明大の勝利が確定。またも主将によって勝負を決定づけた。
 
 次に控える相手は平成国際大だ。明大が昨年1─6で敗北した2部リーグ屈指の実力校であり、易しい相手ではない。「下の階級(重量級)がどこまで勝てるか」(星野隆監督)。2試合連続で勝利を挙げている好調の工藤に続き、重量級でも安定して勝利しなければ下すのは難しい。「昨年の結果を超える」(米澤)。2連勝の勢いに乗り、全勝目指し突き進む。

[杉江夏海]

試合後のコメント
星野監督

「今日はフライ級の笹谷(建公・文2=弘前工)も勝つ予定でしたが、彼が負けてしまって苦しい展開だったかなと思います。永山が勝ったからよかったです。でも今日は永山よりか笹谷の方が勝つチャンスがあった試合でした。でも駄目だったので、永山が4年生で上に立って頑張って勝ってくれて、最終的にチームが勝てたと思います。笹谷、永山、犬島、このあたりがある意味できてくれば、少しは勝ちやすくなります。来年は永山が抜けてしまいますが、代わりに松田(拳栄・商1=日大山形高)、下の階級、この中盤から重量級あたりが勝てるかで決まってきます。この辺が来年も頑張れば、もっと良い成績にいけるのではないかと。今2勝はしたけど、慶応と立教が他の大学とどんな試合をするかでまた自分たちの位置が変わってきてしまいます。でも2部からは絶対落としたくない。今年の目標は平成国際を食って、去年は3位だったけど今年はそれを上回る準優勝を狙っています。法政には到底勝つのは無理なので、そういう点では優勝は人数的にも狙えないので、まずは平国に勝つこと。それが第一です」

米澤主将
「今日も、この前も言いましたが相手が格下ということがあって、通過点の一つと考えていました。しかし相手が3部から上がってきて勢いのあるチームだったので、油断はできないよと全体ミーティングでは言っていました。やっぱりカウントも4─3ということで、勝てたからよかったですが内容的にはあまり良くなかったです。ギリギリでした。前の慶大戦より課題は多かったかもしれません。自分から攻めていくというのができていなかった選手が多いです。特に負けた選手です。今日のキーマンはやっぱり永山です。永山はこの前負けていて、今日もたしか1―2で回ってきてプレッシャーだったと思いますが、1R目でダウンを取られてしまって動揺した部分もあったと思います。けれどそこで諦めずに気持ちを切り替えて攻めて勝ってくれたので、上級生としてもすごく頼もしかったです。4年生は結果で示していかないといけないと思っています。自分は特に後半の階級でもあるし、4年生は絶対勝たなきゃいけないと思っています。でも4年生も3人しかいなくて、チームで勝つにはあと1人必要です。うちらで3ポイントを確実に取って、残りの1ポイントをどこかで取ってもらうようにしようと考えています。今日は2─3で回ってきて、いつも通りの感じで、良い緊張感を持ってできました。今日は相手が格下で自分の方が強いという自信があって、負ける不安は全くなかったです。体も切れていて、メンタル的にも不安はありませんでした。余裕がありました。自分たちの目標としてはAクラスというか、昨年の結果を超えてもちろん優勝ですが、平成国際を倒さないとその目標は達成できません。ここ一番の勝負どころだと思って頑張ります」

内野
「今日は同じ高校の先輩後輩対決だったので、自分が先輩だしまずそこで絶対負けてられないなと思いました。それとやっぱり立教はどれもギリギリの試合になるなと思っていたので、自分が落としたら危ないと思ったので絶対勝つぞと。下の2階級が負けても絶対自分は取ろうと思って臨みました。前回は勝ったけどケガしたので気を引き締めないと駄目だなと思ったのですが、2戦目というのもあって初戦よりかは力が抜けて自分のボクシングができたかなと思います。相手は知っているやつだったので最初はやりづらかったけど、ボクシングなので仕方がないし先輩なので負けたら格好悪い。単純にそこですね。負けたら示しがつかないというか。それとあとはチームのためにここで負けるわけにはいかないという気持ちが強かったです。4年生になると今までとはやっぱり少し気持ち的に違います。自分がというよりもチームが勝つために。良いボクシングをしようというよりも勝ちにこだわって、内容というよりも本当に勝ち負け。リーグ戦は自分一人だけ勝ってもチームとして勝ちにならないので、やっぱり全員で勝ちに行くという。前回切れているところから一回血が出て、自分だけ切れたら負けてしまうからそれでやばいなと思って。それで極力アウトボクシングを心がけました。熱くなったらどうしても自分の距離ではなくなってしまうので、そこは冷静になろうと。やっていて手応えは正直ありました。いけるなと。でも冷静に。あまり熱くなり過ぎるとまた近づいてしまって切れたりするので、大胆かつ冷静に。今日4年生全員が勝ったというのは大きいですね。今まで三人一緒にして引っ張ってきたしみんなで頑張ってきたので、やっぱりうれしいです。次の平国の相手は過去3回やって3回とも負けている相手で、でも国体の時は正直勝ったと思った相手だったので、自分のボクシングができれば勝てると思います。平国は今までずっと全勝しているので、そこを自分が潰して4度目の正直でリベンジしたいです。平国戦も本当に自分が勝つかどうかがだいぶ大きいし、最後のチャンスなので。今シーズンの目標はもちろん全勝です」

永山
「今日の試合はまずこの前慶応戦でコンディションが悪くて自分の思ったような試合ができなかったので、去年のビデオとかを見直してもう一回初心に帰るというか自分が攻めるスタイルというのをもう一回見直そうと思って試合に臨みました。今日は周りからも言われていたのですが俺が勝たないとおそらく負ける。俺がキーマンで俺の勝敗が試合を決めるぐらいの感じで、結局結果もそうでした。だから絶対落とせないというのは分かりつつも、でも自分のボクシングをしようとプレッシャーはあったけど逆に開き直ってやったというのが一番大きかったと思います。1R目はプレッシャーで動きが硬かったし、相手がものすごく長身でたぶん10何cm身長差がありました。でもパワーでは負けないだろうと思ってガンガン攻めました。相手も結構反則していたので、結果的にはそういう姿勢が良かったのではないかなと思います。1R目から3R目までの試合の組み立てのイメージを2週間前の慶応が終わった時からしていたので、それがよかったのかなとは思います。俺はどちらかというとビッグマウスタイプではないし後輩にあまり指導できるタイプではないから、勝った姿勢とか練習とかで見せられたらと思っています。右のフックが当たって相手にダメージで効いていたのが分かったので、あとスタミナが2R目で切れていたのでスタミナは絶対に俺の方があると思っていたしパンチも俺の方が強いと思っていました。だから2R目以降は絶対に勝てるとは思っていました。相手の研究をちゃんとしっかりするというのは今年から始めたことです。今まではどちらかというと自分がどうできるかというのを大事にしていて、この前の試合から変えたのは自分のスタイルを付き通すのも重要だけど相手のスタイルを崩すというのも重要だなと。プレースタイルも相手によって変える可能性もあるけど、でも今年は攻めるというのが俺の軸としてあるから、そこを守りつつ相手の良いところを少し突く。次の平国も俺がキーマンになると思うので、プレッシャーはあります。今シーズンの目標の“去年を超える”ためには平国が去年の2位だから、そこに勝たないといけない。だから去年を超えるというのはチームの成績もそうだけど去年の自分も超えていかないといけない。だから絶対に去年の俺を超える。去年は不戦勝を入れて2勝だったから、今年は今2回やって1勝1敗なのであと残り3戦のうち2勝しないといけません。もちろん全勝を狙うけど、最低3勝よければ4勝。入替戦があればそれも勝ちます」