女子エペ悲願の王座進出!男子サーブルは2部残留/関東学生リーグ戦

フェンシング
2017.05.19
 悲願の王座進出を決めた。1部上位2校に与えられる王座出場権を狙い、今大会に臨んだ女子エペ。初戦の早大戦こそ落としたものの、そこから宿敵・法大を下すなど3連勝を飾る。最終戦において全勝を挙げ今大会1位の日大に敗れるも2位が確定。6月4日に豊橋市総合体育館で行われる王座進出を決めた。男子サーブルは初戦から4連勝も、最終戦で慶大に27―45と大敗。降格1年目での1部復帰とはならなかった。

[女子エペ]
 王者の壁は厚かった。1日目を1勝1敗で終え、迎えたリーグ戦2日目。初戦で昨年1勝も挙げることができなかった法大を下す。続く慶大も退け、3勝1敗で全勝の日大と対戦した。試合は1セット目に上田果歩(理工3=伊那北)が1―5とされる波乱の幕開け。「絶対に私が同点かプラスに転化しなければならないと思った」(古俣潮里・政経4=新潟)。続くエースの古俣が意地を見せ9―9の同点にすると、そこからは一進一退の攻防に。7セット目、森本菜月(農2=岡山大安寺中等教育学校)が5連続でシングルランプを点灯させ34―32とリードを奪うも「自分から取りにいったら逆に取られてしまった」(森本)と、直後に3点を返され日大が逆転。その後は日大ペースで試合は進み、勝敗の行方は2点ビハインドで最終9セット目の古俣へ託された。開始19秒で古俣がシングルランプを灯し、1点差に詰め寄る。だが、そこからの1点が遠かった。「スピードで負けた」(長尾康司監督)。積極的に前に出てくる相手エースの馬場(日大)の攻撃を防ぎ切れず、立て続けに失点。41―45と悔しさの残る敗戦となった。「今度こそ日大に勝ちたい」(古俣)。王座でのリベンジを誓う。

[男子サーブル]
 1位まであと一歩及ばなかった。1日目、東大、拓大を相手に2連勝を挙げる。2日目に入り1戦目の青学大に快勝すると、続く東北学大には45─18と大きく差をつけて勝利。このまま勝ち切りたいところだった。しかし最終戦、慶大に序盤から3─15と大きく引き離される。途中、ルーキーの村元友大(政経1=埼玉栄)が怒涛(どとう)の追い上げを見せ14─24と10ポイント差まで詰め寄るが、後が続かず最後は27─45と力尽き敗北した。結果2部1位とはならず、入替戦はお預けとなった。「うちはサーブルの層が薄い」(長尾監督)と、今年も選手層に懸念が残る男子サーブル。だが専門種目でないながら村元が活躍を見せるなど、選手全体の実力は申し分ない。あとは結果を残すのみだ。

 女子エペは王座決定戦に出場を決めた。今試合、強豪の日大相手に「ここまで競れたことはない」(古俣)と、確かな手応えをつかんだ。「うちのエペをすれば勝てる」(長尾監督)。日大にリベンジを果たし、王座優勝を目指す。男子サーブルもあと一歩のところまできている。秋に向けてさらなるレベルアップを期待したい。
 残す試合は23、24日の男子エペと25日の入替戦だ。男子エペは「目標はもちろん2部優勝」(長尾監督)と、入替戦へ出場し1部昇格が目標となる。リーグ戦も残りは男子フルーレが出場を決めた入替戦を含めあと3日。最高の結果を残すため全力で立ち向かう。

[前田拓磨、杉江夏海]

試合後のコメント
長尾監督
「女子は王座決定戦に行けるから、これを一つの目標にしていたのでよかったです。(法大を撃破したが)法大は去年何回も当たってリーグ戦、関カレ、インカレでも当たって、当たる度に跳ね返されていたからなんとしても雪辱したいと思っていました。勝たないと王座には行けないので、勝ててよかったです。選手がよく頑張った。日大戦は途中まで良かったですが、最後もう少し微調整が必要だったかなと思います。向こうの最後回りの人間のスピードに負けたかなと思います。あの子は思い切りがものすごく良くて突っ込んでくるから、それに対応するように指示は出していたけれどもアジャストし切れませんでした。途中では2、3本取れていたけれども、最後は押し切られてしまいました。(男子サーブルを振り返って)これだけ慶大と力の差があるということですね。うちはサーブルの層が薄いので、3枚そろっている慶大に勝つにはこの先もう少し課題があるかなと。1年の村元は頑張ったね。あの子も大学に入ってからサーブルをさせたのだけど、フェンシング歴は中学からやっていて長いからフットワークはできる。あとは剣さばきと駆け引き。剣さばきと駆け引きができない割には、ものすごく頑張ってくれたと思います。(女子エペが王座に出場するが)優勝を目指して、もう一回精進し直して。関西はどこが出てくるか分からないですが大体4校ぐらいの中から2校だと思うので、うちのエペをすれば勝てると思います。日大にはもし当たれば、雪辱したいです。男子エペも中村(哲也・営1=東亜学園)という1年生がいます。彼を出すか出さないかはこれからじっくり直前まで見て考えますが、ベンチは入りますし、新しい戦力がチームの底上げにつながってくると思います。目標はもちろん2部優勝です」

古俣
「本当は日大戦まで全勝して、万全の状態で日大戦に臨むつもりでしたが早大に負けてしまいました。今まで日大とは何度も当たって何度も負けていますが、その経験を生かして次こそは勝つぞという意気込みで挑みました。もともと日大にだけは勝ちたいとずっと思っていたのですが、昨年のインカレで大敗してしまって。その理由が全員勝ちた過ぎて、一試合一試合を大事にしませんでした。今回は1本でいいから勝って終われるように、無駄な1本を無くそうという感じでした。勝つために何をしないといけなくて、どういうフェンシングを個々でやれたら勝てるのだろうかという道筋までしっかりと考えて挑めたと思います。(2セット目、ビハインドを一気に返した場面)日大に馬場晴菜という一人すごく強い子がいて、その子にマイナスで回すと私が攻めないといけない、それで去年のインカレと一緒になってしまうなと思って。ここは絶対に私が同点かプラスに転化しなければならないというのがありました。入りを慎重に見極めて、いけると思ったところだけいく。ただそれも待つだけではなくいけると思うところを頑張ってつくるというのが功を奏しました。最終回りも森本が1点差で終わってきてくれて、上田もマイナス1でこらえてきてくれて。2点差という返せる射程内の点数だったので、それで嫌だなと思うことはあまりなかったです。(最終セット、馬場選手に敗北)ここで私がやらなくちゃと思って入ったのですが、結局馬場晴菜のアタック力が強すぎてこらえられなかったので、そこは本当にチームメートに申し訳ないと思っています。日大はこの中で一番強いので、その日大戦に臨むために早大戦はやっぱり負けてはいけなかったと思います。1本ずつ積み上げていくという明大のフェンシングを早大戦では徹底できませんでした。それが一番の問題かつ私の反省点だと思っています。今後の目標は、間近なのは王座です。王座があるので私のリーグ戦はまだ終わっていません。王座でまず1回戦、向こうの1位と当たるわけなのでしっかり勝って、最終的にまた日大にリベンジというのが直近での大きな目標となります。(王座に向けての意気込み)今度こそ日大に勝ちたいです。今回日大戦は4点マイナスで、ここまで競れたことは過去にないのですがその4点の壁をどうやって埋めるか。それをあまり時間はないですが考えて、もしあれなら回り方とかも考え直して今度こそ勝てるようにしたいと思います」

上田
「私が1年生の時から王座に行くというのは目標だったので、やっと行けるといううれしい気持ちと安心した気持ちがあります。でもその反面、やっぱり最後の日大戦は私が足を引っ張ったかなと思うので、王座に向けてさらに練習がいるなという感じです。昨日の初戦の早大戦は私が焦ってしまって、チーム全体的に焦っていたと思うのですが明治の良さが出なかったかなと思いました。切り替えた専大戦は自分自身もそうですが全員が明治の理想の形で最後の45本目まで回せたと思うので、早大戦で負けた反省が残りの4試合に生きたかなというのが全体の感想です。自分としては法大が苦手な相手だったのですが、プラスで古俣先輩に回せたというのは少しは良くなったかなと思います。法政は去年とチーム編成が変わったというのもありますが、今日は三人とも焦らず1本ずつ積み重ねていくことができたと思いますし、法政にやっと勝ったのはうれしいです。日大戦は私が一番最初に出て、あまり点を取られてはいけなかったところで私が1―5で回してしまって最初から追いかける立場にしてしまったので、そこがなかったら全員がその後の試合を楽にできたのかなと思うので一番の反省はそこです。(日大戦の3試合目)同時突きが3本続いた後にシングルランプを取られてしまった時に、自分が取らなければと思ってしまって。そのまま3点取っていたのと同じようにやれば同時ランプは点いたと思いますが、シングルランプを取りにいってしまいました。全体的にはそんなに悪くはなかったと思うのですが、もっと突いていってもよかったかなと思います。(王座に向けての目標)王座はシステムも全然分かっていないのですが、とりあえず決勝に行くことです。優勝はしたいですがまずは日大にも勝てるようにならないといけませんし、関西の1位も強いと思うので決勝に行きたいなと思います」

森本
「昨日から大量得点されたりとか、チームの足を引っ張るような試合が多くて。積極的にいけなかったりしたのですが、慶大戦で何とか動けるようになりました。日大は勝てるか勝てないか紙一重な部分があったので、動いて何としてでも勝ちたいという思いはありました。気持ちの中ではプラス1点というのを掲げて試合を進めていきました。(日大戦における反省点)最後の3人目の登坂さんとの試合の時に、5連続点を取ってから相手に取られてしまったので、自分がリードしたまま次に渡した方がよかったかなと思います。(7セット目、5連続得点からの3失点の場面)5連続得点は待って取ったわけではなかったので、自分から攻めても点が取れるかなという気持ちで取りにいったら逆に取られてしまいました。もう少し全体の得点を考えた方がよかったかなと思います。課題としては大量得点のことで、自分が同じことばかりで取られてしまうのでそこで早く気が付いて切り替えれるようにならないといけない。あともっと自分から積極的に攻撃していって、自分で試合をつくっていけるようにしたいと思います。(王座への意気込み)王座は絶対行きたかったのですごくうれしいですが、今回のリーグの中で自分の試合はほぼ良い試合がなかったので、王座ではもっとチームに貢献できるように頑張っていきたいです。普段の練習ではもっと攻撃的にできる時もあるのですが、試合になったら消極的になったりとか怖くていけないことがあるので、怖さというのを無くしていきたいと思います」