東日本4連覇 新体制で好スタート/東日本大学リーグ戦

拳法 2017.05.15
 今年最初の大会で優勝を飾った。予選リーグを危なげなく突破すると、決勝リーグでも中大、国士大、早大を立て続けに破り、全戦全勝で東日本大学リーグ4連覇を達成した。次は6月18日の全国大学選抜選手権(東京武道館)に挑む。

 百合草メイジが府立6連覇に向けて最高のスタートを切った。3連勝で予選リーグを1位通過し、臨んだ決勝リーグ第1戦の相手は中大。昨年、新人戦で敗れた因縁の相手だ。先鋒(せんぽう)戦を落とす苦しいスタートとなったが次鋒(じほう)の小森彪楽(文1=愛知県私立桜丘)、参峰(さんぽう)の古屋敷直道(法3=明大中野)が共に持ち味を発揮して2連勝を果たす。チームカウント2-2で迎えた参将(さんしょう)戦は佐藤力哉(文2=愛知県私立桜丘)が「やられた分はやり返す」と新人戦での悔しさを胸に、攻めの拳法を見せる。素早いパンチを繰り返し、最後は面突きで逆転勝利を挙げた。こうなると完全に明大の流れだ。副将戦では敗北を喫したが、大将戦では百合草春男主将(文4=愛知県私立桜丘)が主将の貫録を見せつけ勝利。「百合草先輩ならやってくれる」(林力希・法3=明大中野)というチームメートの期待に見事に応えた。メンバーを一部入れ替えた第2戦の国士大戦、第3戦の早大戦もそれぞれ6-1、4-3で勝利を収め「誰がレギュラーになるのかは分からない」(上田晃輝・法4=城北)という選手層の厚さを証明した。

 今年も“負けない男”がチームを引っ張る。3-3で迎えた中大戦での大将戦。負ければ後がない状況で「焦りすぎた」(百合草)と先に一本を取られたが、落ち着いて胴突きで一本返すと、最後は渾身の胴蹴りで試合を決めた。その後の国士大戦では先鋒、早大戦では中堅と順番は変わっても強さは変わらず。4連勝で今大会を終え、最優秀選手賞も獲得。これで一昨年から続く団体戦での無敗記録を19に伸ばした。それでも「まだまだ弱い」(百合草)と納得はしていない。記録はいったいどこまで伸びるのだろうか。

 次の目標は全国選抜の2連覇だ。「うれしい反面、課題も多く見つかった」(古屋敷)と今回の優勝にも選手たちは満足していない。「一人一人がもっと実力をつけていかないと」(林)。さらなる高みを目指す百合草メイジに死角はない。

[楠大輝]

試合後のコメント
百合草
「結果が出たのはすごい嬉しいんですけど、それ以上にまだまだ課題が多かったです。まだまだできることはあったし、勝てるところもたくさんありました。(他大との)差は全然ないので、気を引き締めて頑張っていきたいなと思います。相手の強い選手の取りたいところで勝てたところもあるんですけど、勝てなかったほうが多いので、そういうところで勝てる選手がもう少し増えないと次は負けると思います。(他大の印象は)去年の戦力が抜けてなくて強い選手が残っているところが多いので、どこも強いという印象はあります。(中大戦の大将戦)最初は焦りすぎて取られちゃって、そこが自分の弱いところですね。取り返せたことは良かったんですけど、ああいうところで2-0で勝てるような選手になれば、もっとチーム全体も強くなれると思います。(個人的には)あんまり良くないというか、でもこれが実力なので。まだまだ弱いなと毎回思わされるんですけど、まだこれから伸ばせると思います。やりたいことをパンチで取ろうと思っていたんですけど、なかなか上手くいかずに組みとかになってしまいました。手応えはまだないです。まだまだです。(試合合間にビデオを確認していた)修正は全然できなかったんですけど、パンチが伸び切っているというか、悪い体勢で打っていたのでそこを直そうとしていました。(多くの選手が出場できたことは収穫)太田(創・国際2=明大中野八王子)だったり、1年生も出れたし、経験を積むという面ではすごく良い大会だったと思います。あんまり4連覇は気にしてなかったです。4連覇できたことは先輩たちのおかげで勝てているので、それをつなげていくだけだと思っています。(全国選抜に向けて)今度は5人制になって一人の勝ち負けが大きくなってくるので、相手の主力選手に勝てる選手を増やしていきます」


「(今大会は)勝つべきところでポイントをとることができたので結果としてはよかったかなと思いますが、スポーツ推薦で入った人と試合をしたわけではないのでこれで満足せずに頑張りたいなと思います。(中大戦の大将戦)百合草先輩ならやってくれると思っていました。外から見ていたので自分も試合に出たいという気持ちが強かったです。(個人は全勝)出た試合で全部勝てたことは素直に嬉しいです。強い相手と戦ったときも勝てるように頑張りたいです。(今大会で見つかった課題は)チームとしては圧倒的な実力をもった人が去年に比べて少ないので、一人一人がもっと実力をつけていかないと去年のように全大会で優勝するのは難しいかなと思います。個人としては今日、試合をしてみて強い相手と戦ったときに勝つイメージがわかなかったです。それは、まだ自信をつけられるくらいの練習をしていないからだと思うので、自信をつけられるくらいの練習をしていかないといけないなと思います。(次の大会は)5人制なのでまずはレギュラーに選ばれて、選ばれたなら優勝に貢献できるような活躍がしたいです」

古屋敷
「4連覇を達成できて自分も全勝できたんですけど、うれしい反面、課題も多く見つかった大会だと思います。(課題は)この大会通して組んで投げるっていうことはできてたんですけど、組みに入る前のパンチをもらったりだとか、相手に揺さぶられて蹴りとかをいろいろもらってしまったので、やっぱりそういうところをちゃんとガードしてよけたりしていかなきゃいけないなと感じました。来月の試合ではそこを克服できるように頑張ります。(収穫は)去年の府立から試合であまり勝ててなかったので、この大会で勝てたことに関しては自信を持っていきたいです。(中大戦)最初の2試合は出ていなかったのでとても緊張しました。正直、2試合のうち1試合だけでもいいから出て体をほぐしたかったです。でも助監督から『お前は温存だ』と言われて。緊張の中でも、上級生として必ず勝つんだという気持ちで臨んだことが勝利につながったと思います。(中大は新人戦で負けた相手)意識はありました。新人戦以来、中大との試合はなかったので、悔しさをこの試合にぶつけようっていう気持ちはありました。(中大戦の大将戦)百合草先輩なら絶対勝てると思ってたので安心して見てました。(全国選抜に向けて)2連覇もそうですけど今回出た課題をしっかりケアして自信をつけて、万全の状態で頑張りたいと思います」

佐藤
「決勝リーグの3試合目の早大戦で、それまで(個人としては)全勝だったんですけど勝ち切れなかったので、チームは勝ててよかったんですけど、全勝できなくて少し後味が悪いですね。(課題は)僕は攻めるときに正面から攻めることが多いので、負けるときは面突きのカウンターをもらうことが多くなってしまうのが課題ですね。もっと左右の動きを入れて、幅を広げていきたいです。(収穫は)普段より自分から攻める意識を持てたかなと思います。(中大戦は2-2からの出場)2-2だったことは全然考えてなくて、目の前の1試合に集中してたので気付かなかったです。1本取られたんですけど勝ち切ることができてよかったです。(中大戦の大将戦)安心して見てました。1本取られましたけど、絶対勝ってくれるだろう、大丈夫だろうと思ってました。(中大は新人戦で負けた相手)やられた分はやり返すという気持ちで向かっていきました。(全国選抜に向けて)1か月後ですね。前期では1番大きい大会なので全試合勝つくらいの気持ちでいます。僕は去年出れていないので今年は出るために普段の練習から追い込んでやっていきたいと思います」

小森
「(今大会は)緊張した試合もありましたが、試合を進めるにつれて緊張も解けていったのでいい動きが出来たと思います。(大学最初の大会は)先輩からも思いきりやってこいと言われたので思いきり、積極的に試合ができました。(今日は全勝)全勝しようという意識はしてなかったけど結果的にチームに貢献できてよかったです。(今大会の課題)勝ちはしたけど一本取られることもあったので一本もとられないように練習していきたいです。(次の大会は)これからの練習で調子の波を小さくしていい雰囲気のままいきたいです」

由良沙優花(法4=城東)
「(今大会は)優勝できる実力はあったと思うのでそこを女子部員全員で取りきれなかった事は悔しいです。(技能賞獲得について)受賞できたことは嬉しいです。課題も見つけられたので次につなげたいと思います。(課題は)一本とるまでに時間がかかってしまったので前拳をうまく使って早く取れるようにしたいということと、試合になると夢中になりすぎて相手の攻撃が見えてないときがあったので、視野を広げたいです。(個人は全勝)全勝できて安心しています。女子部主将として負けるわけにはいかないなと思っていたので。気持ちを切らさずにずっと集中できたのはよかったと思います。(次の大会)個人としては今大会の課題を克服して個人でも優勝したいです。チームとしては優勝も夢ではないということが今大会でわかったので切磋琢磨して優勝したいです」

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