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新チーム初陣 対抗種目に課題残す/全日本新人選手権
端艇 2022.10.24全日本大学選手権(以下、インカレ)から1カ月余り。明大は来期に向けての重要な試金石となる、全日本新人選手権に出場した。対抗種目の男子エイトでは、準決勝でインカレ優勝の日大に勝利する会心のレースを繰り広げたものの、決勝ではスタートから出遅れA決勝4位でフィニッシュ。覇権奪回を目指す女子舵手つきクォドルプルもA決勝の進出がかなわず。下級生のみの出場だったが、新生明大端艇部の船出は簡単にはいかなかった。 ◆10・21~23 第63回全日本新人選手権(戸田ボートコース)▼男子シングルスカルA(S近藤)――敗者復活戦A組4位▼男子シングルスカルB(S鷺池)――敗者復活戦A組2位▼男子シングルスカルC(S青木)――敗者復活戦H組3位▼女子ダブルスカル(S荒川B山田)――準決勝D組4位▼男子ダブルスカル明大A(S吉田B平田)――準決勝D組3位▼男子ダブルスカル明大B(S市川B杉本)――準決勝A組5位▼女子舵手つきクォドルプル(S小野寺3青山2平松B清野C岡部)――B決勝1位▼男子エイト(S金澤7上戸6中條5大久保4佐々木剣3松川2阿部B佐々木丈C鹿川)――A決勝4位 「全体的に思うようにならなかった」(星遼監督)と苦杯をなめた今大会だが、収穫を挙げるならば対抗種目の男子エイトだろう。今大会の明大は、前チームから男子エイトクルーを務める金澤遥叶(商2=米子工)や、先月のインカレで男子ペアA決勝2位の好成績を残した中條扇之介(商2=成立学園)ら、下級生ながら経験十分のクルーで男子エイトにエントリー。準決勝では2秒差をつけインカレ優勝の日大に快勝し、インカレの借りを返す格好となった。明大男子エイトが準決勝でたたき出した5分58秒90はこの種目全体トップの好記録。「スタートがうまくハマった。ストロークの金澤がうまくリズムをつくってくれた」(星監督)。新チームが持つポテンシャルを確実に示した。しかし臨んだ決勝ではスタート直後から先頭の中大に一艇身以上先行される苦しい展開に。「最初の500mで他のクルーより前に出たかった。それができなかったのは単に実力不足」(金澤)。中盤以降も大きくリードを許した明大に、前方3艇を追い抜かす力は残っておらず、最終順位は4位。「中盤勝負ができるクルー」(岡本康聖前主将・商4=宇和島東)に変貌する来期の明大に期待したい。 今大会終了と同時にオフシーズンが幕を開ける。「冬はフィジカルの強化に焦点を当てていく」(星監督)。今大会で新チームの現在地を確かめることができたのは来期に向けての好材料。全日本選手権、さらには50回目を数えるインカレ記念大会に向け、次こそは時代の夢を破りたい。 [上瀬拓海] 試合後のコメント星監督――今大会は1、2年生のみのクルーで出場しました。 「インカレから大きくメンバーが変わって、大会前は不安を感じていました。ですが選手たちは対抗クルーに誇りを持って臨んでくれていると感じ、頼もしい限りです」 ――来シーズンに向けて一言お願いします。 「引き続き対抗種目である女子舵手付きクォドルプル、男子エイトでのインカレ優勝を目指していきたいと考えています。これからそれぞれの目標に向かってどれだけ高い意識をもってやっていけるかが大事になってくるので、それをサポートしていきたいです」 金澤――今大会が新チームにとっての初戦となりました。 「自分は今年度男子エイトのクルーとして出場させてもらっています。近年の男子エイト決勝に進出した後良い結果が残せていない部分があるので、その意味で悔しさを持ちながら試合に臨みました。これから全員でレベルアップをしていきたいです」 ――男子エイト準決勝ではライバル・日大に勝利しました。 「初日の予選は良いタイムが出なかったのですが、今日のレースは気持ちを切り替えて試合に入ることができました。準決勝では6分以内でのゴールを達成することができましたが、決勝で継続することができなかったのが今後の課題です」READ MORE -
総合優勝逃すも対抗種目で上位進出/全日本大学選手権
端艇 2022.09.129月7日から5日間に渡って開催された全日本大学選手権(以下、インカレ)。最終日の11日は決勝が行われ、明大は優勝艇を出すことができず、悲願の総合優勝を逃す結果となったものの、対抗種目で上位入賞を果たすなど好成績を残した。 ◆9・7~11 第49回全日本大学選手権(戸田ボートコース) ▼男子総合――3位▼女子総合――6位▼女子ダブルスカル(S磴B林原)――A決勝3位▼男子ペア(S中条B佐々木丈)――A決勝2位▼女子クォドルプル(S山吹3田口2青山B中山)――A決勝3位▼女子舵手付きフォア(S小野寺3平松2荒川B樋口C岡部)――A決勝6位▼男子エイト(S山本7武藤6岡本5藤井4金澤3上戸2門馬B平野C岡部)――A決勝3位▼男子クォドルプル(S東坂3大竹2中山B寺井)――A決勝2位▼女子シングルスカル(S清野)――B決勝2位▼男子ダブルスカル(S辻B吉田)――B決勝3位▼女子ペア(S田草川B山田)――B決勝3位▼男子舵手なしフォア(S和田3松川2大久保B佐々木剣)――B決勝1位▼男子舵手付きフォア(S杉本3阿部2市川B平田C鹿川)――B決勝3位 今大会の注目は連覇を目指す女子クォドルプル、さらには4月に行われた日立明三大学レガッタで宿敵・日大に勝利した男子エイトであった。大会前には新型コロナウイルス集団感染というアクシデントがあったものの、チーム全体としての出場を実現できた今大会。強豪復活の機運は高まっていた。 予選を1位で通過した女子クォドルプルは、序盤先行するも逆転を許し3位。「課題としていたところが出た」(星遼監督)。確かな実力を発揮し上位進出を果たしたものの、目標とする連覇には届かなかった。総合優勝に向け、是が非でも優勝をつかみたい男子エイトでは、先行しレースの主導権を握りたかった明大だが、中盤以降宿敵・日大に差を離され最終的に3位。「半艇身リードして最後の500メートルに入りたかった。日本一から呼ばれるには程遠かった」(岡本康誠主将・商4=宇和島東)。A決勝で入賞を果たす好成績を残したものの、レース後悔しさをあらわに。彼らが見据える先はあくまでも頂点であった。 他の種目に目を向けると、大会直前に結成したクルーで臨んだ男子ペアはA決勝2位の好成績。「自分的には100点のレース」と振り返るのは中條扇之介(商2=成立学園)。また女子ダブルスカルではA決勝3位で見事入賞。「大会前半は1000メートルで力尽きることが多かったが、今日は後半もリラックスしてリズムよく漕げた。5日間で1番のレース」(林原萌香女子主将・法4=米子西)。さらに男子クォドルプルは後半にスパートをかける、狙い通りのレース展開でA決勝2位に輝き、1年生主体の若いクルーで挑んだ女子舵手付きフォアでもA決勝進出を果たすなど健闘した。男子クォドルプルのクルーの一人の寺井昇平(政経4=米子東)が「最後の500メートルまで体力を温存できた」と語るように、鍛錬の成果を存分に発揮する好レースだった。 このインカレを最後に「真面目に練習に取り組んでいた4年生」(星監督)は明大端艇部を引退する。「次につながる『基礎』ができた大会」(岡本)の言葉通り、今季の集大成となるインカレは来期以降に期待が持てる、収穫の多い大会となった。今大会はコロナ禍ではありながらも有観客で開催されたことも忘れてはならない。「ここ数年は歓声もなく、淡泊なレースが続いた」(岡本)。最終日には立ち見が出るほどの大入りで、今大会を彩った。 目標とする総合優勝には及ばなかったものの、今大会では多くの種目で上位進出を果たし、確かな手応えと充実感を得ることができたであろう。しかし監督、選手が真っ先に口にしたのは「悔しい」の3文字。この1年間の努力、本気度を物語る、何よりの証拠だった。 [上瀬拓海] 試合後のコメント星監督――全体の結果を振り返っていかがですか。 「全体の結果は思い描いたものとは異なりましたが、選手全員よく頑張ってくれたと感じています」 ――4年生は今日がラストレースとなります。 「4年生は物静かなところがあるのですが、真面目に練習に取り組んでくれたと思います。4年生は本当に淡々と練習に取り組んでいたし、男子エイトも半分は4年生で、実力的にもチームを引っ張ってくれたと思います」 岡本――5月の全日本選手権から比べて、今大会はいかがでしたか。 「学生の中では勝負できるという感覚は持っていましたが、2位や3位ではなく、1位を取り切る力というのは練習量などを含め足りなかったかなと思います。日本一から呼ばれるには程遠かったのだと考えています。これが明治の現状だと思います」 ――1年間主将を務められましたが、感想をお願いします。 「今季は〝時代の夢を破る〟というスローガンを掲げていました。日立明三大学対抗レガッタでは男子エイトで日大に勝利したことや、全日本選手権でも多くのクルーが決勝に進んだことなど、女子部も含めて良いスタートを切ることができた中で、インカレはこういう結果になり悔しい思いが強いです。しかし全員欠けることなく大会に出場できたというのは意義があったと思います」 林原――女子主将として全体の結果についていかがですか。 「全艇が決勝に進出するというのが当初の目標でしたが、それが叶わず残念です。女子クォドルプルは昨年に続く優勝が見える位置まで来ていて、予選も1位通過することができただけに部全体として悔しいと感じています」 ――後輩の選手たちに向けて、一言お願いします。 「力を全員が持っているチームだと思うので、がむしゃらに取り組みながらも部内で連絡を取り合うことなどはまだ足りていないと思うので、監督やコーチと密に連絡を取りながら、その力を艇速に変えていけるようにしてほしいと思います」 READ MORE -
初の男女総合優勝に向けて大きく弾みをつける/全日本大学選手権
端艇 2022.09.11大学日本一を懸け、開催されている全日本大学選手権(以下、インカレ)。大会4日目は準決勝に7艇が出場し、その中で3艇がA決勝に駒を進めた。明大初の男女総合優勝に向け、大きく前進するレースとなった一方で悔しさが残る艇もあった。 ◆9・10 第49回全日本大学選手権(戸田ボートコース)▼女子シングルスカル(S清野)――準決勝5位▼女子ダブルスカル(S磴B林原)――準決勝3位▼男子ダブルスカル(S辻B吉田)――準決勝4位▼男子ペア(S中條B佐々木丈)――準決勝2位▼男子舵手付きフォア(C鹿川S杉本3阿部2市川B平田)――準決勝4位▼男子クォドルプル(S東坂3大竹2中山B寺井)――準決勝2位▼男子フォア(S和田3松川2大久保B佐々木剣)――準決勝 4位 「惜しいレースが多かった」(星遼監督)。出場した3艇が4位とA決勝にあと一歩届かず悔いの残る結果に。他艇と競り合う展開を見せたがレース終盤で攻め切ることができなかった。それでも「どのクルーもガッツを見せてやってくれた」(岡本康聖主将・商4=宇和島東)と最後まで諦めない姿勢を見せる。A決勝への出場を決めた3艇も含め「最終日に1点でも多く稼ぐために順位を高くしてもらいたい」(岡本)。悲願の男女総合優勝にはクルー一つ一つの結果が大きく左右する。だからこそすべてのクルーがより高みを目指していかなければならない。 男子エイト優勝の最大の壁となる日大はインカレ総合優勝27回を誇る強豪校。今大会も明大にとっては高く険しい壁だ。初優勝を狙う明大とは対照的な相手に「チャレンジャーらしく気楽にレースを楽しみたい」(岡本)と意気込む。予選で得た課題はスタート。「日大とのスタートの差がそのまま決勝の差になる」(岡本)。この2日間、徹底的にスタート練習を行ってきた。「あとは運がどっちに転ぶかくらいの勝負」(岡本)と万全の状態で挑む最終日。男子エイト初優勝に大きな期待が高まる。 4日間に渡って行われたインカレも残すはあと1日。4年生にとっては、明日・最終日は競技人生最後の大会。女子クォドルプルの連覇、男子エイト優勝だけでなく男女総合優勝に向けて一丸となって突き進む。 [原田青空] 試合後のコメント岡本――3日間を振り返って簡単な総括をお願いいたします。 「全艇A決勝に残れなかったので今日は惜しいレースでした。全体として完璧にはいかなかったのですが、ファイナルに残ったグループはあるので、とにかく最終日1点でも多く稼ぐために全員に頑張ってほしいです。どのクルーも最後まで諦めずにガッツ見せてやってくれたのでそれを最終日にまたやるだけだと思うので、最終日頑張ります」 ――予選からエイトで改善されたことはありますか。 「スタートのタイムがちょっと遅かったのでそこはもうちょっとつっこもうかなと。日大とのスタートの差がそのまま決勝の差になるような気がしているのでスタートから前に出ることができなくても並ぶまですれば、自信を持ってこいでも変わらないスピードになると思います。スタートを飛び出せる様になることをこの2日間練習してやってきました」 ――明日の決勝に向けて意気込みをお願いいたします。 「エイトで勝ったことないクルーに対して、日大が相手になると思うのですが日大はずっと勝ってきているし連覇が懸かっています。気持ちの持ちようというかチャレンジャーらしく気楽に楽しみながら運がどっちに転ぶかなどでので勝負になるのではないかと考えています。できることをしっかりやって万全な状態で臨める様にさせてやりたいと思います」READ MORE -
インカレ開幕直前 林原女子主将インタビュー
端艇 2022.09.07大学日本一を決める全日本大学選手権(以下、インカレ)が9月8日から11日にかけて開催される。昨年度は男子総合6位、女子総合3位と目標である男女総合優勝に及ばなかった。女子部全員で総合優勝に向け突き進む。 今回は林原萌香女子主将(法4=米子西)のインタビューをお送りします。(この取材は9月2日に行われたものです) ――最後のインカレに向けて意気込みをお願いします。 「私は女子主将でありながら対抗種目・花形種目の舵手なしクォドルブルのメンバーに入れず、女子ダブルスカルで出場します。ですがボート競技は良くも悪くも全種目1位が5点獲得できるという規則は変わらないので、その規則をうまく使って女子ダブルスカルで5点を取ってきたいと考えています」 ――1年間女子主将を務められましたが、苦労されたことはございますか。 「昨年度のインカレ期間は怪我などがあり、競技から離れていました。ですから競技面においてみんなを引っ張るということができなかったという思いがあります。しかし私が主将になったのは競技面だけでなく、仲間に寄り添いたいという思いがあったからです。そういう意味では1年間役割を全うできたかなと思うので、最後の大会はまだ終わっていませんが、達成感を感じています」 ――1年間チーム作りで心掛けてきたことについて教えてください。 「チーム作りでは、一人一人に強みがあるということを全員に伝えるためにミーティングをしたり、掲示物をつくるなどのことをしたりしています。今のチームを客観的に見たときに、他の大学に比べ圧倒的に自信を持っていないと感じたので、チーム全員が必要不可欠な存在であるという自覚を持てるような1年にしようと考えていました」 ――インカレを直前に控えたチームの雰囲気などはいかがですか。 「全日本選手権の時と比べて、一人一人が自分の体やクルーと向き合う時間は増えてきているなと感じていて、4年生が1年生に助言したりする場面も多いです。チーム全員が努力しているなと思います」 ――4年間で印象に残っていることはございますか。 「2年次のインカレでは舵手なしクォドルブルで出場したのですが、そこで早大に0.15秒差で敗れてしまったことを強く覚えています。わずかな差で敗れてしまい、悔しい思いをしましたが、その後の原動力となっている試合でもあります。昨年度のインカレは自分自身出場がかなわなかったのですが、明大の女子クォドルブルも印象に残っています。本来であれば自分が出場してリベンジを果たすはずだったのですが、2年次にペアを組んだ先輩の選手が活躍する姿を見て感動を覚えた半面、悔しさがこみ上げてきて涙を流してしまいました」 ――インカレを前にして、重圧を感じることはございますか。 「自分自身の結果というよりも、他のクルーの結果が気になります。他のクルーの結果というのは主将である自分の取り組みと直結するものだと考えているので、自分のせいで後輩が悔しい思いをするところは見たくないという思いがあります。自分だけでなく4年生全体でやってきたことが正解だったのかどうかはこのインカレの結果で決まるので、楽しみでもありますが、心配なところでもあります」 ――総合優勝とはどのようなものでしょうか。 「代々総合優勝という目標を掲げてやってきた中で、単なる夢で終わっていた部分があるので、今年度は『時代の夢を破る』というスローガンを設定して取り組んでいます。もちろん高い目標ではあるのですが、今年は総合優勝という目標を夢で終わらせることなく、現実にしたいと考えています」 ――チームとして、個人としての目標を教えてください。 「男女総合優勝というのは変わらず、女子部としては昨年に引き続きクォドルブル連覇、さらに他のクルーで必ずつ一つは絶対に優勝をしたいと考えています。クォドルブルを含めて2艇は優勝を果たし、必ず10点を獲得したいです。他のクルーも決勝に進み1点でも多く取って、男女総合優勝に向けて女子部として貢献できるように頑張りたいと思います」 ――ありがとうございました! [上瀬拓海] ◆林原 萌香(はやしばら もえか)法4、米子西、157センチ ※写真は明大端艇部提供 林原は最前列中央READ MORE -
インカレ開幕直前 岡本主将インタビュー
端艇 2022.09.06大学日本一を決める全日本大学選手権(以下、インカレ)が9月8日から11日にかけて開催される。昨年度は男子総合6位、女子総合3位と目標である男女総合優勝に及ばなかった。今年度、最終学年である男子クルーは全員、本大会でボート競技に区切りをつける。これまで積み重ねてきた努力を糧に競技人生を懸けた最後の戦いが幕を開ける。 今回は岡本康聖主将(商4=宇和島東)のインタビューをお送りします。(この取材は9月4日に行われたものです) ――4年生として最後のインカレについていかがですか。 「高校からこのボート競技を始めて7年目になりますが、ボート競技は大学で区切りをつけて、社会人ではボートを続けずに企業に入って働くことになります。大学最後でもあるし、競技人生最後の大会になるはずなので、最後に有終の美を飾って終わりたいなという思いは本当に強いです」 ――東日本選手権では足の状態がよくないとおしゃっていましたが、今はどうですか。 「今は、100%です。完璧に仕上げてきました」 ――これまで主将として部をまとめてこられていかがでしたか。 「主将として何かができたのかなというのは正直分からないです。自分なりに考えてできることはやってきたつもりではあるので、それが部にどのような影響を及ぼすことができたのかというのは、今回の最後の大会でそれが結果として現れるのかなと思っています。そこは楽しみであり、不安もありという感じですね。これまで自分が積み重ねてきたことが最後にいい形になってくれればいいかなと思っています」 ――チーム作りとして意識されてきたことはありますか。 「結構変えたことは僕らが1、2年生だったときは寮の掃除やいろいろな仕事を1年生だけで行っていたのですが、僕らの代に変わってから掃除も全員で行うようにしてきました。そういったところでのチームへの帰属意識というか、全員で集まってするミーティングと部員の中で、マネージャーも含めた6個のグループを作って、そのグループごとにミーティングをするなどして各学年縦のつながりがしっかりとできる交流の場をしっかりつくってきました。横のつながりだけではなくて縦のつながりをしっかりつくるという思いは僕自身もそうですし、同期4年生も強かったです。全員で納得してこの1年間やってきた感じです」 ――今の端艇部の雰囲気はいかがですか。 「今まで学年ごとに区切れ区切れで壁を感じていましたが、縦のつながりが強くなり、今はいい意味でしっかり境界線がなくなっています。本当にチーム一丸となって大会に向け、やっていけるなという感じが今までの4年間の中で1番強いと感じています。そういった面ではいい雰囲気で全員が勝ちにこだわって今練習ができているのかなと思います」 ――大学生活を振りかえって一番印象に残っているレースは何ですか。 「4月にあった日立明の三大学レガッタですかね。出場した男子エイトが19年ぶりに日大に勝って優勝を明治の手元に戻したレースになりました。新たな歴史を刻むことができたというか。自分がエイトに乗って勝ったことがなく、個人的にもすごくうれしいレースだったのでそれが4年間で一番印象深いレースだったかなと思います」 ――今のクルーの強みは何ですか。 「今、スタートを重点的にやっていて、スタートで置いて行かれてしまうとレース展開として結構厳しくなるので、必ず最初の500メートルトップタイムで通過していきたいです。もともとの強みとして、コンスタントでスピードが落ちないというところとラストスパートでしっかり上がるということがありました。そこは引き継ぎつつ、スタートで頭を取ってしっかり後は逃げ切るというレース展開をエイトの9人で共通認識として行ってきました。まだ完成できてはいないのですが、やりたいこととしてはスタートでしっかり出ることで、それにむけて確実にレベルアップはしている状態です。スタートしっかり出てコンスタントで落とさずスパートで最後他艇を寄せつけないレース展開ができるような強さがあるのではないかと思っています」 ――クルーについての思いを聞かせてください。 「インカレで明治のエイト優勝がなく、今年本当にいい状態で仕上がってきてチャンスの年だと思っているので、初優勝は取りたいです。今年あとはコックス1人と漕手4人エイトで4年生が計5人乗っています。ボート人生最後のレースになるメンバーが5人いて本当に最後になります。絶対勝つんだという気持ちで、死ぬ気で僕を含めて5人が上げてくれるのではないかと思っています。後輩4人も力のある選手を乗せているので、そこを信じて9人で日本一のスピードを出して必ず優勝したいと思います」 ――今、プレッシャーを感じていますか。 「プレッシャーはないですね。今まで勝ったこともないし、どこのチームもどっこいな感じがしています。これまでやってきた積み重ねと当日のちょっとしたところで勝負が変わってくると思います。平常心を忘れずにレースだからといって特別なことをすることもないです。他のメンバーはわからないですが、僕はプレッシャーを感じずに最後に伸び伸びこいで笑って終わりたいなと思っているくらいです」 ――インカレに向けての意気込みをお願いいたします。 「4年生全員が今回でボート競技引退になるので、最後全員で笑って終わりたいという気持ちです。男子エイトの優勝もとれば初ですし、女子の対抗クォドルプルも去年優勝しているので、勝てば2連覇が懸かっていてすごくプレッシャーがあると思うのですが、それをはねのけて欲しいです。インカレに出場するクルーはバランスよく決勝に行ける、優勝を狙えるクルーがそろっていると思うので、できるだけ高い順位を取ってもらいたいです。最後は男女総合優勝に向けて新体制になってからやってきた積み重ねというところがどう出るかだと思います。ですが、最後まで諦めず、死力を尽くしてどのクルーも戦うので、ぜひとも応援をよろしくお願いします」 ――ありがとうございました! [原田青空] ◆岡本 康聖(おかもと・こうせい)商4、宇和島東、180センチ・75キロ ※写真は明大端艇部提供 岡本は最前列左側から3番目 READ MORE -
優勝艇が3艇! インカレに向け弾みをつける/東日本選手権
端艇 2022.07.272日間にわたって行われた東日本選手権。明大は男子ペア、男子舵手付きフォア、さらには男子エイトの3艇が頂点に。男子勢の奮闘が光った一方、女子クルーからは惜しくも優勝艇が出ず。9月の全日本大学選手権(以下、インカレ)に向け課題と収穫を得た大会となった。 ◆7・23~24 東日本選手権(戸田ボートコース)▼女子シングルスカル S林原――決勝A4位 S清野――決勝A5位 S磴――決勝B1位S荒川――決勝B2位▼男子シングルスカル(S市川)――決勝C5位▼男子ダブルスカル 男子ダブルスカルB(S辻B吉田)――決勝A2位 男子ダブルスカルA(S大竹B寺井)――決勝A4位▼女子ペアA(S田草川B山田)――決勝A2位 女子ペアB(S平松B小野寺)――決勝A4位▼男子ペア 男子ペアA(S大久保B佐々木剣)――決勝A1位 男子ペアB(S杉本B阿部)――決勝A棄権▼女子クォドルプル(S山吹3青山2田口B中山優)――3位▼男子舵手付きフォア(S佐々木丈3阿部2鷺池B平田C岡部龍)――決勝A1位▼男子エイト(S山本7武藤6金澤5藤井4岡本3松川2門馬B上戸C鹿川)――決勝A1位 悔しさをバネにした。5月に行われた全日本選手権では決勝で最下位と、不本意な結果に終わっていた男子エイト。だからこそ「練習量や練習の質を上げたつもりでやってきた」(岡本康聖主将・商4=宇和島東)。インカレの前哨戦として、意気込んで迎えた今大会だった。スタートはレートを抑えて落ち着いたこぎを見せる。500メートル手前までトップの艇と半艇身差につけると「1000メートルのミドルスパートでギアを入れる」(岡本)。狙い通り1000メートルを過ぎたところで明大は勝負に出る。一気にトップに立ち他艇を突き放すと、そのまま一艇身差を保ちながらラスト250メートルへ。一橋大の追い上げからも逃げ切り、そのまま1着でゴール。インカレに向けて視界は良好。高く拳を突き上げた。 男子エイトの他にも下級生が中心となった男子ペア、男子舵手付きフォアの2艇が優勝。男子勢の躍進が見えた大会となった。一方で女子は、最高順位がペアの2位のみに終わるなど課題も残った。「それぞれ自分の役割を意識しながらやっていきたい」(岡本)。インカレまで残り1カ月半。悲願の男女総合優勝のために男女問わず高みを目指さなければならない。栄光に向けて、残り少ない中でも成長を見せてくれるに違いない。 [新谷歩美] 試合後のコメント岡本――今日のレースを振り返っていかがでしょうか。 「僕らエイトは正規メンバーの1人が国体のブロックでいなくて、僕と4年生の金澤が足の方のケガがあって100パーセントの状態ではなかったのですが、勝てたことはよかったと思います。昨日のレースもずっとイーブンペースでできていました。今日はしっかり中盤差せて、そこから最後上げることができたのでレース展開としては自分たちの思っていた通りできたと思います」 ――インカレに向けての意気込みをお願いします。 「練習量をもっと増やさなければならないと思いますし、残り40日メンタル的な部分が重要になってくると思います。そこを全員同じ方向を向かせてインカレ総合優勝、女子クォドルプル、男子エイトの対抗をしっかり取るというのが、僕や副将の武藤(駿太・法4=越ケ谷)、女子主将の林原(萌香・法4=米子西)がしっかりと鼓舞しながらやっていかなければいけないことだと思っています」READ MORE -
全日本閉幕 決勝Aに8艇進むも無冠に/全日本選手権
端艇 2022.05.17 全競技の中で最も早く第100回を迎えたことを記念し、海の森水上競技場で開かれた今大会。明大からは全10艇が出場し、決勝Aには8艇が進むも、無冠に終わった。4カ月後の全日本大学選手権(以下、インカレ)に向け、この結果を糧に弾みをつけたい。◆5・12~15 第100回全日本選手権(海の森水上競技場)▼男子シングルスカル(S近藤)――B決勝6位▼男子軽量級ダブルスカル(S市川B吉田)――B決勝1位▼女子軽量級ダブルスカル(S荒川B樋口)――A決勝4位▼男子軽量級ペア(S大久保B佐々木剣)――A決勝5位▼女子ペア(S山田B平松) ――A決勝4位▼男子フォア(S和田3佐々木丈2門馬B松川)――A決勝6位▼男子舵手付きフォア(C鹿川S阿部3杉本2平田B鷺池)――C決勝4位▼男子クォドルプル(S東坂3寺井2辻B中山)――A決勝5位▼男子エイト(C岡部S平野7岡本6藤井5山本4上戸3金澤2武藤B中條)―― A決勝6位▼女子エイト(C岡部S田口7磴6青山5中山4山吹3小野寺2田草川B林原)――A決勝6位 4月の日立明三大学レガッタ(以下、三大学)から約1カ月。「今回はみんなが自信を持った状態で試合に臨むことができた」(林原萌香女子主将・法4=米子西)と良好なチーム状況の中、全日本を迎えた。今大会での躍進が期待された明大だったが、決勝初日は不運に見舞われる。女子エイトは終盤まで熾烈(しれつ)な上位争いを演じるも、ボートのシートが外れるアクシデントが発生。「それまではイメージ通りだった」(林原)と理想的なレースを展開していただけに、悔しい結果となった。また男子フォアでは腹切りと呼ばれるミスが起こり、土壇場で最下位に転落。さらに女子軽量級ダブルスカルでは、健闘を見せるもわずか1秒差で表彰台には届かず4位。「ギリギリの練習が足りない」(岡野知幸助監督)と課題が見つかる結果となった。 しかし、収穫も少なくない。市川隼伍(法1=関西)、吉田成汰(営1=岡山東商)の男子軽量級ダブルスカルではB決勝ながら見事優勝。この1年生ペアの活躍について岡野助監督は「これで喜んでもらうと困る」としながらも頬を緩ませた。 「大学の中ではトップを取ることを目標に挑んだ」(星遼監督)と迎えた全日本最終日。男子エイトは、今大会の予選や敗者復活戦でスタートから出遅れる結果に。だからこそ「最初の500メートル、全力を出し切るつもりでいこう」(岡本康聖主将・商4=宇和島東)とクルー全員の意識を統一。課題を改善し、500メートル地点まで、他艇に1歩も譲らない激しい競り合いを見せる。しかし「いいスピードに乗ったところでそれを続けることが難しかった」(星監督)と序盤のペースを維持し、相手の艇速に食らいつくことができない。1000メートル地点から差がじわじわと開き「パワー負けを感じた」(岡本)。最後まで追い付くことができず、そのまま6位でフィニッシュ。5年ぶりのA決勝進出なるも、表彰台には及ばず、悔しい結果に終わった。 女子ペアや男子クォドルプルもA決勝に出場したが、惜しくも表彰台に上がることはできず。「全員がベストを更新してレベルアップしていかなくてはならない」(星監督)。悲願の全日本大学選手権(以下、インカレ)に向けて、再び明大はこぎ始める。[上瀬拓海、原田青空] 試合後のコメント星監督――全体を振り返っていかがですか。 「決勝に行ったクルーは確かに多かったのですがその先、決勝で本来の力だったらもう少し行くだろうなという順位には届かなかったかなというところがありました。いい意味で、ここでリセットしてまたオフ明けから少し切り替えていけると思っています」――インカレに向けて必要なことはありますか。 「チーム全体としてはもっと勝つ雰囲気づくりをしていきたいと思っています。もちろんやる気もありますし、頑張っていることも分かります。ただインカレとなるともちろん大学対抗ですし、本当のチーム戦になってくる所なので戦う集団としてみんなの意識を引き上げていきたいなと思います」岡野助監督――大会3日目を振り返っていかがでしたか。 「アクシデントも多かったのでベストとは言わないですが、次への経験になったという意味では良かったかなと思います」――助監督から見て、良かったクルーはありますか。 「男子のクォドルプルは途中トラブルで遅れましたが、遅れたなりにリカバリーをして決勝に残れたのでそれは良かったです」林原――全日本を振り返っていかがですか。 「三大学が終わってからは練習で数値目標を1週間ごとに設定して、雰囲気良く大会を迎える事ができたことは良かったです」――敗者復活戦の課題を克服して決勝を迎えたと伺いました。 「敗者復活戦でスタートの500mを飛ばし過ぎたという課題があり、決勝は300mくらいで落ち着いたこぎが確立できました」――インカレに向けて一言お願いします。 「女子エイトメンバーは不完全燃焼で終わってしまったので、そのメンバーでクォードを組み、優勝をしてリベンジしたいです。他のメンバーも他の艇で決勝に残り、総合優勝に貢献できたらと思います」岡本――全体的に3日間のレースを振り返っていかがでしたか。 「予選で課題だったスタートを、改善し切れたことは強みになりました。500から1500メートルで力負けをしてしまったので4カ月後のインカレに向け全員でパワーアップしていきたいと思います」――クルーの雰囲気は、いかがでしたか。 「全員が勝とうというプレッシャーはなく、チャレンジャーとして、同じ順位でも最初から勝負して、負けるなら負けようということで気楽にできました」――今後に向けてはいかがですか。 「フィジカル強化など課題が多く見つかり収穫もありました。コーチが少ない状況なのでコックスも含めた9人全員で意識を高く持って、自分たちの力でやっていきたいです」READ MORE -
シーズン開幕 男子エイトが17年ぶりにV/日立明三大学レガッタ
端艇 2022.04.11今大会で66回目を迎えた伝統の一戦。目標としていた全艇優勝はかなわなかった。しかし対抗種目である男子エイトが17年ぶりの優勝を果たすなど、3艇が頂点に立ち、シーズンの開幕を迎えた。 ◆4・10 日立明三大学レガッタ(戸田ボートコース)▼女子シングルスカル(S樋口)――1位▼男子シングルスカル(S寺井)――2位▼女子ダブルスカル(S荒川B清野)――1位▼男子ダブルスカル(S東坂B中山)――2位▼男子舵手付きフォア(C鹿川S佐々木丈3佐々木剣2松川B門馬)――2位▼女子エイト(C岡部S青山7磴6田口5小野寺4山吹3林原2田草川B中山)――2位▼男子エイト(C岡部S平野7岡本6藤井5山本4上戸3金澤2武藤B中條)――1位 悲願の優勝を果たした。対抗種目である男子エイトで、16年間王者の座を明け渡していた明大。2週間前に開催されたお花見レガッタで浮き彫りとなった、スタートの課題を修正して今大会に挑んだ。「対抗種目に対してプライドを持って臨んでほしい」(星遼監督)。スタート直後、最初の6本で日大から半艇身飛び出すと500メートル地点で3秒の差をつける。そのまま勢いに乗ると、力強いこぎで16連覇中の日大を尻目にリードを保つ。強みであるラストスパートを「発揮することができて良かった」(岡本康聖主将・商4=宇和島東)。さらに艇速を上げ、追い上げを見せた日大を見事突き放し優勝。17年ぶりに栄冠を手にした。 一方、同じく対抗種目である女子エイトは課題が残った。勢いよくスタートで飛び出した明大だったが「出られると思わなかった」(林原萌香女子主将・法4=米子西)と焦りが生まれる。慣れないエイトということもあり、8人の息がそろわなくなっていく。じりじりと立大が追い上げを見せると中盤に差され、そのまま挽回はかなわず。5秒という大差をつけられ2位に。それでも女子種目では、シングルスカルの樋口莉胡(文3=大村)とダブルスカルは優勝。「勢いよくこいでくれた」(林原)。それだけに女子エイトは悔しい結果に終わった。 次戦に迎えるのは1カ月後の全日本選手権(以下、全日本)。社会人も含めた厳しい戦いが予想されるが「今日出た課題を修正して臨みたい」(林原)と気合は十分だ。最終目標である全日本大学選手権(以下、インカレ)男女総合優勝に向けて求められる総合力。まずは全日本で弾みをつけたい。 [新谷歩美] 試合後のコメント 星監督――男子エイトが日大に勝利しました。 「ここ十何年の間、日立明でエイトが勝てていなかったので、まずはそこで勝って自信をつけられて良かったです。日大は代表選考に出ている子もいたので、これからもっと速いメンバーでクルーを組めると思います。それでもあれだけ差をつけて勝てたというのは、選手も自信になると思うので、シーズンに向けていい弾みになったと思います」 ――全日本は1ヶ月後になります。 「対抗種目は大きい艇で変わらず臨むので、今ここで出せたスピードを社会人相手にどこまで戦えるかを見られる機会になると思います。もちろん1番いいところを目指してはいきますが、今ついた自信が確信になるようなレースができれば、インカレにつながっていくと思います」 岡本――今大会の意気込みはいかがでしたか。 「今年度は三大学をいいスタートが切られる大会にしようということでした。例年は日大や立大にほとんどのレースで負けてからシーズンに入っていくような感じでしたが、今回は全レースで勝とうと部員にも指示をして、大会に臨みました」 ――対抗エイトでは17年ぶりの優勝でした。その要因は何ですか。 「本当に雰囲気がずっと良いクルーで、まだ組んでから1カ月程度なのですが、練習をほとんど休むことなく毎日乗り続けて、練習ができました。高い意識レベルで常に練習ができたと思います」 ――部全体の結果はいかがですか。 「全艇優勝というところを目標にしていて、そこはかなわなかったのですが、例年にないくらいどのクルーも最初から攻めていました。最後に差されて負けるレースが多かったので、あとはラスト500メートルで勝ち切るクルーというのを部全体でつくり上げていくべきだと思います」 林原――女子部全体を通していかがですか。 「冬場は良かったのですが、シーズン入って3月4月で伸ばしきれない部分がありました。部全体の雰囲気も作り切れない部分があったと思っているので、その点は少し後悔しています。3月4月で焦りが出てしまった部分があったのでみんな伸び伸びやってくれたら良かったと思います。エイトも気持ちが固まらないままずるずるきてしまったので、もう少しやれるところがありました」 ――インカレに向けてはいかがですか。 「全日本は対校エイトで出ますが、インカレは舵手なしクォドルプルを対抗に置くので今年は絶対に2連覇した上で、他の種目でも決勝には全部残って男女総合優勝に貢献していけるといいと思います」 READ MORE -
女子舵手なしクォドルプルがインカレV 男子は対抗種目で上位入賞/全日本選手権兼全日本大学選手権
端艇 2021.11.024日間にわたり開催された全日本選手権兼全日本大学選手権(以下、インカレ)。今大会が4年生にとって最後のレースとなった。目標としていた男女総合優勝には届かなかったものの、女子舵手なしクォドルプルでインカレ優勝。男子舵手なしクォドルプルでインカレ3位、男子エイトではインカレ4位と好成績を残した。 ◆10・28~31 第99回全日本選手権大会 兼 第48回全日本大学選手権大会(戸田ボートコース) ▼男子総合――6位▼女子総合――3位▼男子シングルスカル(S寺井)――TimeTrial敗退▼男子舵手なしフォア(S和田3東坂2辻B佐々木剣)――FinalC進出▼女子ダブルスカル(S山田B樋口)――FinalC3位▼男子ダブルスカル(S大竹B中山)――FinalB1位(インカレ4位)▼女子舵手なしペア(S青山B清野)――FinalB2位(インカレ8位)▼女子舵手付きフォア(S山吹3塩田2田草川B黒沼C佐藤)――FinalB2位(インカレ8位)▼男子舵手付きフォア(S金澤3佐々木丈2小林B松川C大久保)――FinalB3位(インカレ5位)▼男子エイト(S平野7河畑6武藤5博田4境3山本2茂見B藤長C岡部)――FinalB1位(インカレ4位)▼男子舵手なしペア(S藤井B鈴村)――FinalA6位(インカレ5位)▼男子舵手なしクォドルプル(S門馬3上戸2中條B近藤)――FinalA4位(インカレ3位)▼女子舵手なしクォドルプル(S磴3西田2田口B岡田)――FinalA3位(インカレ1位) 異例の2大会同時開催となった今大会。本来は9月上旬と9月末に、それぞれインカレと全日本選手権が行われる予定であった。しかしインカレ直前となる8月末に大会の延期が発表。順位決定方法も例年とは異なり、全日本選手権での順位のうち、大学クルーのみの順位がそのままインカレでの成績となることに決まった。 「先輩方に恩返しができて良かった」(西田結惟女子部主将・文4=加茂)。1年生の時から4年間、西田が出続けてきた女子クォドルプル。これまでの3年間では優勝がかなわず悔しい思いをしてきた。しかしラストイヤーとなる4年目に花開き、悲願のインカレ初優勝。今大会で明大唯一の優勝艇となった。 男子舵手なしクォドルプルは準決勝を全体2位、大学クルーの中では1位で通過。決勝でも勢いそのままに、インカレの頂点に上り詰めるかと思われたが「スタートでのスピード感が予選、準決勝とは全く違うものだった」(門馬健将・政経3=会津)。スタートで周りに後れを取ってしまい、そこから挽回し切れず結果はインカレ3位。クルーメンバー4人のうち、3人が1年生ということもあり、経験値の差がタイムの差を生んでしまった。「予選、準決勝で(インカレ優勝の)希望が見えていただけに悔しい」(門馬)。好成績を収めたものの、満足のいく結果とはならず、悔しさをにじませた。 男子エイトの準決勝では残り500メートルで早大に差され、FinalBに進出。2秒差で逃したFinalAには大学クルーが3艇残っていた。そのため、インカレ4位に滑り込み、明大に勝ち点1を持って帰るにはFinalBで1位を取ることが絶対条件であった。「最後は1位を取って他の決勝クルーに勢いをつけたかった」(境凌輔主将・営4=米子工)と挑んだ決勝。スタートからペースをつかむと、残り500メートルでは昨年度の決勝で敗れた仙台大を差す展開に。その後は力強いこぎで周りを引き離し、このレースで見事1位を勝ち取った。男子エイトでは8人中4人が4年生であったため、半数の選手がこの試合を引退レースとしていた。最後まで自分たちの最大限の力を出し切り、FinalB1位という結果で有終の美を飾った。 今年度も新型コロナウイルス感染予防の観点から、寮生活をしている選手全員が厳しい規制を強いられた明大端艇部。練習だけではなく生活面でも苦しい時間は続いたが「(部員全員が)ストレスのたまる生活の中でよく頑張ってくれた」(境)。4年生を中心にチーム全体の士気を保ち続けた。今年度のスローガンである〝伝道〟。「悪い方向に持っていくのではなく、いい影響を周りに広げていきたかった」(境)。大会開催までさまざまな困難が立ちはだかったが、4年生を軸にスローガンを確実に体現してきた。今大会で4年生は引退。「今日の経験を下の子たちが次に生かしてくれれば」(西田)。バトンは次の世代へ託された。新たな明大端艇部の1年が今、幕を開ける。 [安室帆海] 試合後のコメント境――試合が終わった後、メンバーにはどのような声掛けをしましたか。 「まずは乗ってくれてありがとうというのを伝えました。自分が主将としてこれまでやってきた中で、部員のみんなに残せたものは何かと考えたときに、レース後に後輩のみんなが泣いて『これまでありがとうございました』と言ってくれました。そういう姿を見て少しでも後輩に残せるものがあったのかなと感じて、後悔はないですね。感謝の気持ちを伝えました」 ――次の代に向けて一言お願いします。 「一個下の3年生たちは考える力をすごく持っていて頭の回転が早い子が多いので、同期の中で大変なことがあったときでも、同期で支え合って後輩を頼って、これまでの明大端艇部としての伝統やいいことを引き継いでほしいです。それをうまくプラスの力に変えて、僕らの代で成し遂げられなかったインカレ男女総合優勝に、しっかりリベンジしてもらいたいと思います」 西田――インカレ優勝した今のお気持ちはいかがですか。 「1年生の時から対抗種目といわれてきたクォドルプルという種目に出させていただきました。先輩方や同期、後輩たちと一緒に乗ってきた中で、優勝には届かなかったので、その悔しさを今回何とか晴らせて、先輩方に恩返しができていたらうれしいなと思います。本当に一緒に乗ってくれたみんなや、今まで一緒に乗ってくれた先輩のおかげだと思います。LIVE配信を部員が見ている様子を、コーチが撮影してくれていて、その動画を見て改めて明大っていいなって、名残惜しく思いました」 ――今大会で引退となりましたが、1年間を振り返っていかがですか。 「昨年度の先輩から引き継いで1年間女子部主将という立場でやらせていただいて、もちろん全部がうまくいったわけではなくて、たくさん苦しいことや悔しいことがありました。ですが、その中で部員のみんなが私のことを信頼してくれているということが伝わってきて、付いてきてくれているということが分かっていたので頑張れました。今日は4年生から後輩に対して一言話す機会があって、私は絶対にそこで泣くと思っていましたが、涙が出てきませんでした。それは多分みんながやり切らせてくれて、すがすがしさみたいなものを感じられたからだと思います。みんなのおかげでそう思えたことがすごくうれしくて、みんなに感謝しかないです」 門馬――昨年度と同じくクォドルプルでの出場でしたが、今回のレースを振り返っていかがですが。 「今年度は乗っていた選手のフィジカルが強かっただけに、やはり決勝で戦えるメンタルというか、経験というか、そういう部分が足りなかったのかなと反省しています。そこを埋めるのはクルーを引っ張る僕自身が、後輩たちにどう指導していくかというところだったと思うので、そこは足りなかったなと思います」 ――来年度の目標をお願いします。 「男女総合優勝という目標は今までも言ってきていたのですが、それを達成できていないので、来年度はより具体的な目標を立てて、勝ちにいきたいです。トップのクルーで優勝というのは絶対に取らないといけないので、そこは頑張って取りたいと思います」READ MORE -
インカレ閉幕 悔しさ土台に次の世代へバトンパス/全日本大学選手権
端艇 2020.11.07新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催が延期され、4年生にとっては最終レースとしてチーム一丸で挑んだ今大会。最終日の決勝には計5艇が残ったものの、優勝艇は出ず悔しい結果となった。 ◆10・22~25 第47回全日本大学選手権大会(戸田ボートコース) ▼男子シングルスカル(S寺井)――準決勝3位▼男子ダブルスカル(S大竹B中山)――順位決定戦2位▼女子ダブルスカル(S増田B種田)――順位決定戦1位▼男子舵手なしペア(S和田B加藤)――準決勝4位▼女子舵手なしペア(S黒沼B山吹)――順位決定戦1位▼男子舵手なしフォア(S辻3小野田2道端B佐藤雅)――順位決定戦1位▼男子舵手なしクォドルプル(S門馬3平野2博田B東坂)――決勝2位▼女子舵手なしクォドルプル(S林原3西田2村岡B岡田)――決勝2位▼男子舵手付きフォア(S山本3鈴村2藤井B小林C東)――決勝4位▼女子舵手付きフォア(S磴3田口2中山B田草川C佐藤涼)――決勝3位▼男子エイト(S鎌原7武藤6佐々木5木村4岡本3境2河畑B茂見C対比地)――決勝3位 悲願達成とはならなかった。チームの目標として掲げてきた男女総合優勝。歴史と伝統ある明治大学端艇部の先輩達も追ってきた夢だ。「端艇とは勝ち負けがはっきりするスポーツ」(佐々木心主将・商4=田名部)。大きな目標に向けて、鍛錬を重ねてきた4年生にとって引退レースとなる今大会。主将のその言葉通り、勝者にとっては永遠に浸っていたい、また敗者にとっては受け入れがたい答えが出た。終わってみれば総合優勝は叶わず、そして15年ぶりの優勝艇なしと悔しい結果に終わった。 振り返れば苦難に満ちた1年間だった。昨秋、新体制へ移行したばかりだった代の船出を襲った台風19号。荒川沿いの寮は一部浸水し、チームとしての始動は遅れた。そして年が明け、全日本大学選手権に向け、気持ちを新たにしていた矢先の新型コロナウイルス感染拡大。思い通りにいかないことが多いシーズンだった。しかしそんな状況でも、選手達はそれぞれ練習してきた過程の中で何かを残そうと必死に努力を積み重ねてきた。 そして迎えた4年生のラストインカレ。満足のいく結果は残すことができなかった。しかし悔しさだけでなく「最後までやり切ったという顔が見られて安心した」(佐々木)。もちろん結果だけを見れば、それは目指してきたものではないのかもしれない。しかし皆で困難を乗り越え、その先にあった達成感。悔しさを次のステップのバネにするためにも「まずは自分たちを褒め称えないといけない」(村岡美晴女子部主将・農4=日田三隈)。これまでやってきたことは決して間違いではない。「全力は出し切った。後はバトンパス」(佐々木)。4年生の思いを受け継いで、新たに動き出す後輩達。今シーズンの悔しさを胸に刻み、ここからまたレベルアップを重ねていく。 [佐藤慶世] 試合後のコメント佐々木――後輩にはどのような姿勢を見せたいと考えていましたか。 「レースの長い距離の中で、最初に相手に出られて諦めてしまう人たちも少なからずいるわけで、後輩たちにはそこで絶対に折れない心を練習の中で見せてきたつもりです。その心は今回のレースを振り返ってみると、全員でトライできた部分もあったので、自分としては〝不屈の精神〟というのを伝えられたのかなと思っています」 ――後輩に向けて一言お願いします。 「代それぞれの個性があって、どういう目標になるかはその代が決めることなので僕らは何も口は出しませんが、やはり引退した身としては僕らができなかった事を受け継いでほしいです。僕らが残してきたものを土台として後輩たちが掲げる目標にチャレンジしてもらえれば良いかなと思います」 村岡――女子部主将として悩んだことはございますか。 「この1年間悩んだことは全くなくて。それはやはり後輩たちが私を支えてくれて、それが私の頑張る原動力であり、逆に頑張らなければいけない、みんなのために何かしてあげなければいけないという気持ちで毎日過ごしていたので、逆に私が助けられた方だなと思います」 西田結惟(文3=加茂)――村岡さんはどのような主将でしたか。 「親しみやすさと人の弱い心に寄り添える方だというのはすごく感じています。美晴さん(村岡)は弱い心などを全部優しく受け入れてくれるというか、共感してしてくれて、優しく包み込んでくれながらも、みんなで一緒に頑張ろうという雰囲気を作ってくださってた方だったと思います」READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
ボート競技は全部で9種目ありその中でも花形とされるのは指示を出すコックスと8人のクルーで編成されるエイトだ。9人が完全に息を合わせた時のスピードは圧巻。どのチームも花形種目でのエイトで優勝を目指す。端艇部は明治38年に創部された明治大学で最も長い歴史を持つ部活である。歴史だけでなくその実力も大学トップレベルで全日本の大会でも常に上位に進出する強豪。歴史、実力の二つの意味で明治大学の体育会をけん引する存在である。日本ボート界のトップを目指し、日々努力を重ねる。