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男子クォドルプルが圧巻V 他5種目でも準優勝/全日本大学選手権
端艇 2023.09.1150回目を数えた全日本大学選手権。前日までに6種目でA決勝、2種目でB決勝への進出を決めていた明大は、男子クォドルプル優勝を含む好走で男子総合2位に輝いた。 ◆9・10 第50回全日本大学選手権(戸田ボートコース)▼女子舵手付きフォア(S鴇田3青山2山田B小野寺C岡部)――A決勝2位▼女子ペア(S荒川B樋口)――A決勝2位▼女子クォドルプル(S山吹3三中2磴B八塚)――A決勝2位▼女子ダブルスカル(S平松B田草川)――B決勝4位▼男子舵手付きフォア(S阿部3佐藤2平田B松川C村上)――A決勝2位▼男子舵手なしフォア(S市川3佐々木剣2杉本B廣瀬)――B決勝4位▼男子クォドルプル(S東坂3岸本2小笠原B大竹)――A決勝1位▼男子エイト(S金澤7上戸6中條5佐々木丈4和田3平野2山本B大久保C鹿川)――A決勝2位 ハイライトは男子クォドルプル。5月の全日本選手権後に結成したこのクルーは東坂謙志(法4=済々黌)、大竹海斗(政経4=小見川)ら4年生を中心に大会を通じて状態が良く、決勝でも2位の立命大に4秒の差をつけた。「自分たちの出せる全力を毎レース出せた。応援してくれた方を喜ばせることができて良かった」(大竹)と充実の色をにじませた。昨年度3位の対抗種目・男子エイトは序盤の出遅れが響き準V。クルー全体として後半勝負のプランが共通認識として浸透しており後半は互角の勝負を演じた一方、前半のビハインドが重くのしかかった。指揮をとる星遼監督は「(優勝した日大に対し)1挺身差をつけられてしまうと厳しくなるとは思っていた。後半差を詰めることができただけに、もう少し見える位置に捉えておきたかった」と悔やんだ。シーズンを通じて安定感が光った樋口莉胡(文4=大村)、荒川空美(政経2=岡山東商)の女子ペアもA決勝2位と健闘。スイープ種目への対応も苦にならなかった。磴梨菜(営4=美方)らの女子クォドルプルは「夏に2000メートルのレースに慣れるための練習をしてきた分、終盤まで粘り強く戦えた」(磴)とA決勝2位でフィニッシュ。その他女子舵手付きフォア、男子舵手付きフォアもA決勝2位に食い込むなど、種目を問わず今季の陣容の充実ぶりが目立った。 4年生にとってはこの日が大学ラストレース。試合後には上戸慧太(法3=坂出商)の来季男子主将就任が発表された。優勝艇1艇をはじめ6艇が3位以内に入るなど確かな手応えを得た今大会。悲願の男女総合優勝に向け、新チームは来月末の全日本新人選手権から始動する。 [上瀬拓海] 試合後のコメント星遼監督――優勝した男子クォドルプルを含む6種目で表彰台に登りました。 「個々の力量としてもそこまでずば抜けていたわけではないですが、ここ1〜2ヶ月は自分たち自身で各クルーの課題に取り組んできました。きっちりとトレーニングも積めていたことも含めて、そのあたりが要因としてあるのではないかと感じています」 平野公稀主将(政経4=熊本学園大付)――男子エイトA決勝のレースでは後半で先頭を追い上げる展開になりました。 「優勝した日大のクルーは毎年中盤の強さが目立っていたので、そこで離されないということを意識していました。中盤の1000メートルあたりでコックスの鹿川(豪太・農2=吉田)から追いつこうと声掛けがあったのですが、最後まで差を詰め切ることができませんでした」 東坂――クルーメンバーは4年生、1年生コンビでした。 「4年生はどんどん年を重ねていくごとに経験があるので少しこなれた雰囲気があるのですが、1年生がいたおかげで何事にもフレッシュに取り組めたのが良かったです」 大竹――大会を通してどのあたりに成長を感じましたか。 「心が強くなりました。やはり2000メートル漕ぎ切るというのは辛いことです。それでも全員がメンタル的に強くなって、その辛さをどれだけ楽しめるかという方向に気持ちが変わっていきました」 岸本智樹(法1=美方)――どのようなプランで男子クォドルプルA決勝に臨んだのでしょうか。 「スタート1000メートルで前に出て、中盤はリードを保ちながら耐える。そこから後半もう一度力を出し切る感じで追い込むというようなプランです。とにかく4年生と優勝できてうれしいです」 小笠原旺聖(政経1=日本橋)――男子クォドルプルクルーの強みを教えてください。 「1年生の若さと4年生の経験値の融合です。最初の1000メートルで前に出るというのが自分たちの戦略だったのですが、決勝ではそれがうまくはまり優勝することができました」 田草川向日葵女子主将(法4=小松川)――大会中のチームの雰囲気はいかがでしたか。 「最終日に近づくにつれ目の色が変わるというか、勝ち切る姿勢がどの選手にも見えていたと感じます。同期に対しては4年間このメンバーでボートを漕ぐことができて幸せだったと伝えたいです」 磴梨菜(営4=美方)――応援団も連日応援に駆けつけました。 「1500メートル地点くらいから応援が聞こえてきました。決勝は自分たちでレーンを選べる状況でしたが、5レーンを選んだ理由の一つに応援団の存在があります」READ MORE -
5艇が1位でA決勝進出へ 日本一へ大きく弾みをつける/全日本大学選手権
端艇 2023.09.1050回目の記念大会となった全日本大学選手権(以下、インカレ)。台風の影響で3日目のレースが全て中止となり、迎えた4日目は明大の各艇が奮闘した。準決勝に出場した7艇のうち5艇が1着でA決勝進出を果たすなど大学日本一達成に向けて期待の高まる結果となった。 ◆9・9 第50回全日本大学選手権(戸田ボートコース)▼女子舵手付きフォア(C岡部S鴇田3青山2山田B小野寺)――敗者復活戦1位▼女子シングルスカル(S清野)――C決勝3位▼男子シングルスカル(S青木)――D決勝5位▼男子ダブルスカル(S中山B川竹)――C決勝1位▼女子ダブルスカル(S平松B田草川)――準決勝5位▼男子クォドルプル(S東坂3岸本2小笠原B大竹)――準決勝1位▼男子舵手付きフォア(C村上S阿部3佐藤2平田B松川)――準決勝1位▼女子ペア(S荒川B樋口)――準決勝1位――準決勝1位▼男子フォア(S市川3佐々木剣2杉本B廣瀬)――準決勝5位▼女子クォドルプル(S山吹3三中2磴B八塚)――準決勝1位▼男子エイト(C鹿川S金澤7上戸6中條5佐々木丈4和田3平野2山本B大久保)――準決勝1位 男女共にレースで圧倒した。対抗種目である男子エイトと女子クォドルプルでの優勝を目標に掲げる明大。その2艇を含む6艇が後続と大きく差をつけて1位でA決勝に駒を進めた。この充実したレース結果に星遼監督も思わず「1位で上がったクルーが多いことは最終日を勢いづける」と頬を緩ませた。しかし、大学日本一は決して一筋縄では達成できない。昨年度男子総合優勝を達成した日大や女子にとっては因縁の相手・早大など強敵が明大の前に立ちはだかる。「選手はこの結果に自信を持ってほしいが、相手にスキを見せてはいけない」(星監督)。気持ちを再び一つにし、確実に勝利をつかみにいきたい。 大会最終日に望みをつなげたクルーもいた一方で中山祐貴(農4=熊本学園大付)にとってこの日は大学ラストレースとなった。中山が出場する男子ダブルスカルは台風接近によって大会3日目が中止となり、まさかの準々決勝が大会運営の関係で消滅。その影響で予選全体4位とA決勝に進む可能性が大きくあるタイムを持ちながら、C決勝での出場を余儀なくされた。「本人は明るく気合い入れ直してくれたように見えたが自分の方が悔しかった」(星遼監督)。気持ちを切り替え臨んだレースは2位と半艇以上の差をつけ、見事1着でフィニッシュ。ゴール後は艇の上に立ち「明治最高」と叫び、これまで一緒に戦ってきた仲間とラストレースを控える同期を強く鼓舞した。 新型コロナウイルス感染症による制限がなくなり、かつての活気が戸田ボートコースに戻ってきた。白熱した各校の応援合戦は、選手の背中を強く押す。多くの決勝が行われるインカレ最終日は同時に多くの4年生にとって競技人生最後の戦いとなる。泣いても笑っても残すレースはあと一つ。「今年度は元気な4年生が多く、その雰囲気がチーム全体に波及している」(星遼監督)。持ち前の明るさと熱い応援を大きな力に変え、勢いそのままに大学日本一の頂きへと駆け上がる。 [原田青空] 試合後のコメント星監督――大会3日目は台風の影響で中止になりました。 「コースも使えなかったので各自陸上で調整をするなど臨機応変に対応して大会4日目を迎えることができました。少し心配なところもあったのですが、実力通りの力を発揮してくれたと思います」 ――夏はどのような練習をされていましたか。 「ひたすら練習はしていたのですが、同じ練習をするというよりはそれぞれ課題を出しながらそれに応じたトレーニングずっとしてきたのでそれがうまくはまったと思います。新型コロナウイルス感染症が流行しましたが、合宿所を閉鎖することなかったので大きくトレーニングがストップすることなくここまでできたことが大きかったと思います」 ――明日への意気込みをお願いします。 「決勝でただ優勝してほしいです。優勝できるチャンスはあると思うので臆せず向かっていってほしいと思います」 READ MORE -
インカレ開幕直前 田草川女子主将インタビュー
端艇 2023.09.05大学日本一を決める全日本大学選手権(以下、インカレ)が9月6日から10日にかけて開催される。昨年度は男子総合3位、女子総合6位と悲願の男女総合優勝に及ばなかった。インカレ総合優勝に向けて女子部全員が一致団結する。 今回は田草川向日葵女子主将(法4=小松川)のインタビューをお送りします。(この取材は8月31日に行われたものです) ――チームの目標を教えてください。「女子クォドルプルと男子エイトで優勝することがチームの目標です」 ――個人の目標はありますか。「自分のことになるのですが、7年間続けてきたボート競技が最後になるので後悔しないように全力で上位を狙っていきたいと思っています」 ――女子主将として大変だったことはありますか。「高校とは違って、全国各地からいろいろな人が集まってきているので、意見をまとめることであったり、最終的に何か答えを出さなくてはいけない際にどう擦り合わせて意見を出していくかなどが大変でした」 ――大学4年間の中で印象に残ったレースは何でしょうか。「今年度4月の日立明三大学レガッタです。なかなか勝てていなかった時期があったのですが、上級生の代で勝てたことがうれしかったです」 ――チームの雰囲気はいかがでしょうか。「後輩たちもしっかりと意見を持っている子が多いので、上級生だけがアドバイスをするのではなく後輩たちからもこうした方がいいのではないかなど意見の交換ができています。以前は先輩から言われたことをそのまま行うことが多かったのですが、後輩たちの勢いもあるので活発になったと思います」 ――端艇部の強みは何でしょうか。「一人一人が自立しているのですが、孤立はしないように思っていることを伝えられる人や場所があったりすることです。親元を離れて寮生活をしていてストレスがかかることもあると思います。それでも同期、後輩、先輩に思うことはきちんと言うことができているので良いと思っています」 ――同期にメッセージをお願いします。「私以外の女子3人に向けて、高校以上に大学の4年間は長く辛いこともあったのですが、この3人のおかげで走り切ることができたと思います。本当に感謝しています。社会人になったら離れ離れになってしまいますが、一生仲良くしたいです。これからまた違ういい関係性が築けると思うとそれはそれで楽しみですが、もう一緒に寮生活を送れなくなると思うと寂しいので、あと何日間か楽しんでいけたらと思います」 ――最後に意気込みをお願いします。「特に4年生はずっと一緒に競技を行ってきて、全員が後悔なく終わるために一生懸命練習してきたので最後まで走り抜けたいと思います」 ――ありがとうございました! [原田青空] ◆田草川 向日葵(たくさがわ なつ)法4、小松川、165センチ ※写真は明大端艇部提供 田草川は2列左側から4番目 READ MORE -
インカレ開幕直前 平野男子主将インタビュー
端艇 2023.09.05大学日本一を決める全日本大学選手権(以下、インカレ)が9月6日から10日にかけて開催される。昨年度は男子総合3位、女子総合6位と悲願の男女総合優勝に及ばなかった。昨年度の悔しさを胸に男子部全員でインカレ総合優勝を狙う。 今回は平野公稀男子主将(政経4=熊本学園大付)のインタビューをお送りします。(この取材は8月26日に行われたものです) ――インカレを直前に控えた現在の心境を教えてください。「高校から始めて7年間の競技生活の節目ということで、寂しい気持ちとうれしい気持ちがあります。チームとしては、全日本選手権で男子舵手付きフォアが日本一になって臨むインカレなので、それ以上の成績を出す気持ちで試行錯誤しながら練習しています」 ――チームの雰囲気はいかがですか。「全員が淡々と練習を積んでいる印象です。種目ごとに、一人一人が自分の課題に向き合うことができていると思います」 ――練習において意識されていることはありますか。「私が乗っている男子エイトは上級生が主体となってメンバーを組んでいるので、雰囲気づくりを心掛けています。良い雰囲気だと艇のスピードにもつながるので技術的な面に加えて、雰囲気の面も配慮しています」 ――主将として苦労されたことはありますか。「高校でも主将を務めたのですが、一番違うのは寮生活です。高校は部活の時間だけ競技と向き合い、チームのことを考えていました。しかし今はずっと部員と一緒にいるので、主将として常に気を抜けない生活ですごく大変です。また、明大は伝統もありますし重圧を感じて悩むことも多くありました」 ――大学での競技を振り返って印象に残っていることはありますか。「全日本選手権で男子の舵手付きフォアが優勝しましたが、社会人の選手もいる中で日本一を取ったことはインカレでの優勝より大きなハードルがありすごく価値がある勝利だったと思います。それを目の当たりにして、私が1年次よりもチームがレベルアップしていると感じました」 ――同期に対してどのような思いがありますか。「今までずっと一緒に練習や寮生活をしてきたのでみんなといることが当たり前でしたが、もう少しで別々の道に進むことに少し寂しさも感じています。今大会では自分自身の思い出にも残るように、残りの時間をより濃いものにしていけたらと思っています。また、本当に同期に感謝しているので、最後のレースが終わった後はみんなに感謝の気持ちを伝えたいです」 ――今後の端艇部を担う後輩にも一言お願いします。「明大端艇部は今年より来年、来年より再来年とますます強くなっていくだろうと期待が持てるような後輩たちが多く在籍しています。今大会は私が先頭に立って部を引っ張り、引退後はOBとして後輩たちをサポートしたいと思います」 ――チームとしての目標を教えてください。「昨年、一昨年度から目標は変わっていません。男子は総部以来の男子エイト初の優勝を一番に考えていますし、女子クォドルプルは2年ぶりの優勝を目標にしています。対抗種目は男子エイトと女子のクォドルプルなので、その2種目は優勝したいですし、他の種目も一つでも順位を上げて”強い明治„ を証明したいと思います」 ――最後のインカレに向けて意気込みをお願いします。「気温以上に熱いレースを、応援してくださるOB・OGの方々や明大を応援してくださる方々に見せたいと思うので、応援よろしくお願いします」 ――ありがとうございました! [田上愛子] ◆平野 公稀(ひらの・こうき)政経4、熊本学園大付、176センチ・73キロ ※写真は明大端艇部提供 平野は2列右側から4番目READ MORE -
明大スポーツ第530号 端艇部マネジャー選手インタビュー拡大版
端艇 2023.08.188月1日発行の明大スポーツ第530号の3面ではマネジャー特集として、ほぼ毎日選手の食事作りを行う端艇部のマネジャーに取材を行いました。今回は、紙面では載せることかできなかったインタビュー内容に加え、選手のインタビューを拡大版として掲載いたします。取材を受けてくださったのはマネジャーの井出穂(文3=明大中野八王子)、岡部想(政経2=専大松戸)、選手は山田和佳(営3=横浜商)です。(この取材は7月13日に行われたものです) ――マネジャーになった理由を教えてください。井出:自分が全く関わってこなかったスポーツに関わりたいと思いました。普段生活していてボートに関わることなんてないので、マネジャーなら続けられそうでいいなと思ったことがきっかけです。岡部:高校までずっとスポーツをやっていたのですが、サークルではなく、部活に入りたいと思っていました。勧誘された時に雰囲気が良かったことが理由です。 ――数ある体育会の中で端艇部を選んだ理由は何でしょうか。井出:通いやすさはあります。やはり遠かったりすると続かないかもしれないなということと雰囲気の良さが決め手でした。 ――マネジャーの主な仕事は何ですか。岡部:人数が多いのでシフト制で食事を作っているのですが、平日は朝ご飯を作る人と夜ご飯を作る人でシフトが決まっています。月曜日はオフで火曜から金曜まで、土日は昼ご飯をそれに追加で作ることが一番の仕事です。井出:あとは係がそれぞれ決まっていて大会運営をしている係だったり、新入生歓迎活動の時に主体で動く係だったり、SNS係などで分担されています。 ――競技面でのサポートは少ない感じでしょうか。岡部:競技に寄り添っている仕事は朝ご飯を作った後の競技のビデオ撮りだけかもしれません。井出:あとはシフト制で大会当日もサポートしています。見えないところで仕事しているという感じです。 ――朝は何時に起きられますか。岡部:始発がなくて、前泊します。寮のマネジャー部屋に泊まって今は4時起きくらいです。 ――仕事で大変なことはありますか。岡部:朝はいつも8キロのお肉を炒めるので結構腕力を使うことですね。また、先週と同じメニューにならないように被らないように、大会前だと特に栄養バランスを意識することが少し大変だなと思います。井出:あと普通に朝起きることが結構大変です。 ――仕事で楽しいことはありますか。岡部:大会で選手が勝っているのを見たら一番うれしく、やりがいがあります。たまにビデオ撮りをしていて今日のビデオ撮りが上手だったよと選手が褒めてくれることも嬉しいです。井出:いつも夜ご飯ができたらSNSでメニュー日記といって献立を送るのですが、それにリアクションを押してくれたり、自分がメニュー担当の時においしかったと言ってくれるときです。 ――マネジャーさんは元から料理経験などあるのでしょうか。岡部:みんなないです。1年生の時は教えられるままです。今年度も1年生が入ってきているのですが、最初は玉ねぎの切り方もみんな知りませんでした。 ――得意なメニューは何ですか。井出:毎週絶対金曜日はカレーなのでカレーですね。岡部:めっちゃカレーを作ることが上手なマネジャーさんもいます(笑) ――マネジャーさんだけでなく、お手伝い選手として選手と一緒に料理をする利点は何でしょうか。井出:他のマネジャーと比べて選手と関われる時間が短いので、それで補っている感じです。岡部:朝釜はお肉の主菜と汁物だけなんですよ。夜は加えて副菜と野菜で多く、それを2時間で終わらせるとなると難しいので選手に手伝ってもらっています。また、他大学はこのような制度が全くありません。お手伝い選手はほぼ明大だけです。練習のビデオ撮りも遠くで行っているだけなので、ここで仲良くなってる感じはあります。最近は行っていないのですが、2カ月に1回チャレンジデーをやっていてマネジャーさんが全員20〜30人で集まっていつもより豪華な食事を作っています。マネジャーも普段2人で作っており、被る人も限られてしまうので、そこでマネジャー同士も親睦を深めています。 ――端艇部のマネジャーになってよかったと思うことはありますか。岡部:ずっと選手として高校までやってきたので、急にマネジャーになった時に仕事のほとんどが食事作りなので本当においしいって言って食べてくれる時はやはりよかったと思いますし、大会で勝ってくれた時もです。井出:大学という薄いコミュニティーの中で人と関わる機会も少ないと思うのですが、このように深いコミュニティーに所属できることはうれしいです。 ――マネジャーさんから見た端艇部の魅力とは何ですか。井出:一番伝統ある部活なのでそこに関われることはすごい大きいかなと思います。人の魅力、選手の魅力がある気がします。こんな感じでいつも明るいです。岡部:魅力はいっぱいあります。みんな結構知らない競技だから本当に楽しいですし、どの大学より明るい自信があります。他大学の人とも関わるのですが、明大は特に明るい感じがします。選手同士もとても仲良いですし、本当に大会を見に来てほしいです。かっこいいです。 ――ありがとうございました。一緒に料理をする山田(左)、井出山田――好きなメニューを教えてください。 「本当に種類がめちゃめちゃ豊富でね。ポキ丼です。あとは韓国系かな、キンパとか、豚汁とか。この前の唐揚げヤンニョムとかやってくれる時もあってすごいです。チャレンジデーの時が特に豪華です」 ――お手伝い選手に関してはいかがですか。 「選手だけではメニューを考えるなんて絶対できませんし、自分の時間を割いてまで来て交流して少しでもコミュニティーが広がるありがたい環境だと思います。1から4年までで交流できるのは部活ならではだと思いますし、すごく良いことだと思います」 ――最後にマネジャーさんへの感謝をお願いします。 「感謝してもしきれません。ありがたすぎます。まず前提として食事は一番大事です。他大学は自炊の日が多いらしいのですが、明大はマネジャーさんが毎日作ってくれる環境があります。体の面に関してはすごく支えてくれている感じがします。他には大会の時は暑い中選手より外にいるのよ、マネジャーさんが。きついのに文句も言わず、船とか一緒に運んでくれて応援してくれるだけで頑張れます。部活もチームもつくり上げていくにはなくてはならない存在だと思います」 ――ありがとうございました。 [原田青空]READ MORE -
男子舵手付きフォアが日本一 4艇で表彰台達成/全日本選手権
端艇 2023.05.22高校生から社会人のオリンピアンまでトップクルーが一堂に会し、行われた全日本選手権。最終日には明大からは決勝Aに5艇が進出し、見事男子舵手付きフォアが日本一に輝いた。また、女子舵手付きフォア、男子クォドルプルともに2位と表彰台を達成。日本一を懸け、熾烈(しれつ)な争いが繰り広げられた最終日を鮮やかに締めくくった。 ◆5・18~21 全日本選手権(海の森水上競技場)▼軽量級男子ダブルスカル(S市川B川竹)――A決勝4位▼男子ペア(S山本B平野)――A決勝5位▼男子フォア(S和田3佐々木丈2平田B大久保)――B決勝2位▼女子舵手付きフォア(S山吹3磴2青山B小野寺C岡部)――A決勝2位▼男子クォドルプル(S中山3岸本2小笠原B近藤)――A決勝2位▼女子クォドルプル(S八塚3鴇田2三中B平松)――B決勝1位▼男子舵手付きフォア(S金澤3上戸2中條B松川C鹿川)――A決勝1位 クルーがガッツポーズをした瞬間、会場は歓喜の声に包まれた。男子舵手付きフォアは予選1位通過と優勝が期待される中でA決勝に挑んだ。同じ組には経験豊富な社会人クルーも出艇したが、明大の前に立ちはだかったのは、やはり宿敵・日大だった。いきなり日大がスタートから飛び出し、半艇抜け出す展開も「仕掛けすぎて後半に落ちるよりは、自分たちが戦える場所を意識した」(松川颯佑・法3=今治北)。明大は焦ることなく、自分たちのペースで艇速を上げ、徐々にその差を詰めていく。1000メートルまで両者一歩も譲らない一進一退の攻防が続く中「周りを見ながら状況を判断し、ここだという時に攻めた」(鹿川豪太・農2=吉田)。ここで明大が鹿川の指示でスピードを上げ、決死の勝負を仕掛ける。この策で一時先頭に立った明大だが、日大も決して手を緩めず。意地の粘りで食らいつき、決着は最後のスパート勝負に。どちらがこの戦いを制するのか。手に汗握る名勝負に各校の応援はさらに熱気を帯びた。そして「実力はどこも拮抗(きっこう)していて、気持ちの部分で勝てた」(中條扇乃介・商3=成立学園)。クルーの熱い思いが実を結び、わずかに前に出ると、その差を維持したままフィニッシュ。見事日本一に輝き、クルー全員が拳を高らかに突き上げた。 女子舵手付きフォアではクルーの多くが、先月の日立明三大学レガッタでエイト種目優勝を経験。今大会でさらなる活躍が期待されていたが「自分たちが今できる最高のパフォーマンスを決勝の場で発揮できた」(磴梨菜・営4=美方)。結果は連覇を達成した立命大の背中を最後まで捉え続け、2位で表彰台入りを達成。全日本大学選手権(以下、インカレ)に向けて大きく弾みをつけた。また、フレッシュな1年生と経験豊富な上級生で出場した男子クォドルプル。結果は2位と準優勝を果たしたものの「健闘したと思うが、優勝と準優勝は大きく違って、優勝したクルーしか歴史に残らない」(中山祐貴・農4=熊本学園大付)。序盤につけられた差を縮められず。悔しい表情を浮かべ、今後さらなる成長を誓った。 3日目の女子ダブルスカルを含め、4艇が表彰台に乗った今大会。今年度は個々のレベルアップという目的で花形であるエイトを男女ともに崩して出場した。「(崩したことで)見えなかった技術やそれぞれの課題が浮き彫りになった」(星遼監督)。インカレはチーム力が試される団体戦となる。悲願のインカレ男女総合優勝に向け、今回の結果は大きな追い風となる。この勢いそのままに大学日本一まで駆け上がれるか。これからの明大の飛躍から1秒たりとも目が離せない。 [原田青空] 試合後のコメント星監督――今日の試合に点数をつけるとしたら、何点でしたか。 「個々のクルーが違うので全体で見れば80点くらいだと思います。勝ってほしいクルーが勝った一方、負けたクルーもあります。結果としては優勝艇もあったので、チームとしては良かったです」 山吹真里亜(商4=今治北)――日立明三大学レガッタでは女子エイトだったと思いますが、今大会に向けて調整されたことはありますか。 「私たちのクルーは他よりも遅めに練習を開始したので、そこは焦る部分が多かったです。それでも一回一回の練習を大切にして、皆よりちょっとハードな練習に取り組んだので、そこがしっかり力になったと思います」 磴――クルーの雰囲気を教えてください。 「やはり、学年が違ったら話しにくいことなどあると思いますが、本当にそれがなく言いたいことを言い合ってまとめてくれるのですごくいいチームだと思います」 中山――今日の結果に関してはいかがですか。 「優勝以外は全部ほぼ一緒だと思いますし、負けたチームも社会人ではなく同じ大学生だったのでそこはインカレでリベンジを果たしたいと思います」 金澤――日大がスタートでリードしましたが、その時の心情はいかがでしたか。 「自分たちのすべきレースを自分たちでやるということが目標だったので、しっかり焦らず仕掛けるところを仕掛けて前に出られたなと思います。全然そこは焦っていなかったので良かったと思います」 上戸慧太(法3=坂出商)――400メートルと1000メートルで仕掛けていたと思いますが、その時の感覚はいかがでしたか。 「横に敵がいる感覚はあったのですが、勝てる自信はありました」 中條――レースを振り返っていかがでしたか。「予選と準決勝は結構スタートで出れたと思っていたのですが、やはり決勝となるとどこもスタートから飛び出してきます。きつい展開でも逃げ切れて良かったです」 松川――レースはプラン通りでしたか。 「正直プラン通りではなかったです。スタート500メートルで少し出たかったのですが、ラストスパートで上がる自信はあったので、そこでしっかり仕掛けられて良かったです」 鹿川――意気込みをお願いします。 「日本一を取って2連覇します」 READ MORE -
仕上がり良好 軽量級女子ダブルスカルが3位/全日本選手権
端艇 2023.05.21日本最高峰のレベルを誇る全日本選手権。NHK放送車も中継に入る今大会の3日目は6つのクルーが登場した。軽量級女子ダブルスカル決勝Aは逆風の中、3位に滑り込み表彰台を確保。男子フォアや男子クォドルプルも難なく翌日の決勝Aへの進出を決めるなど健闘した。 ◆5・18~21 全日本選手権(海の森水上競技場)▼軽量級女子ダブルスカル(S荒川B樋口)――A決勝3位▼女子ペア(S田草川B山田)――A決勝5位▼女子シングルスカル(清野)――C決勝1位▼男子フォア(S和田3佐々木2平田B大久保)――準決勝5位▼男子舵手付きフォア(S金澤3上戸2中條B樋口C鹿川)――準決勝1位▼男子クォドルプル(S中山3岸本2小笠原B近藤)――準決勝2位 社会人クルーも参加し、秋の全日本大学選手権(以下、インカレ)の前哨戦の意味合いもある全日本選手権。この日の収穫は軽量級女子ダブルスカルだ。昨年度はA決勝4位とコンマ差で表彰台を逃したこの種目だが、「波が高いのでとにかくミスオールのないよう意識した。プラン通りに終盤ペースを上げることができた」(樋口莉胡・文4=大村)と会心のレースで3位入賞。「(インカレでは)メダルに磨きをかけたい」(荒川空美・政経2=岡山東商)と今回の結果を糧に秋での躍進にも期待がかかる。 男子舵手付きフォアは序盤から先行し、2位と2艇身差をつけ準決勝ながら他艇を圧倒した。無冠に終わった前回大会と比較すると各選手での仕上がりが良いことは明らかで、「4日目のクルーは優勝を狙える力がある」と語った星遼監督の表情は、今のチームを充実ぶり物語っていた。 [上瀬拓海] 試合後のコメント星監督――社会人クルーも参加する今大会の位置付け、意義を教えてください。 「中にはレース前から社会人クルーとの差を感じてしまう選手もいるのですが、実際レースをしてみると案外通用することも往々にしてあります。例えば4日目のA決勝に出場するクルーは優勝を狙える力があるので、そこで自信をつけて欲しいと考えています」 ――今回男女ともにエイトのクルーを結成しなかったのはなぜでしょうか。 「選手の意見や我々指導陣の意見を総合して決めました。今大会では個々のレベルアップを主眼に置いて、2人なら2人、4人なら4人で合わせていくことに注力するというのが狙いです」 樋口――軽量級女子ダブルスカルでは見事3位に輝きました。 「昨年度から同じメンバーで臨むことができ、息が合っていたのは強みでした。予選と敗者復活戦ではいいレースができず不安があったのですが、表彰台に登ることができてよかったです。次戦ではもっといい色のメダルを取れるよう頑張っていきます」READ MORE -
女子エイト優勝 新シーズンに向け好発進/日立明三大学レガッタ
端艇 2023.04.17今回で67回目を迎えた伝統の一戦・日立明三大学レガッタが開催された。明大からは6艇が出場し、女子エイトが見事優勝を果たすなど、新シーズンに向けて勢いをもたらす結果となった。 ◆4・16 日立明三大学レガッタ(戸田ボートコース)▼女子シングルスカル(S三中)――2位▼男子シングルスカル(S上戸)――2位▼男子ダブルスカル(S中山B近藤)――2位▼男子舵手付きフォア(C村上S和田3佐々木丈2佐々木剣B杉本)――2位▼女子エイト(C岡部S磴7山吹6八塚5平松4小野寺3田草川2荒川B樋口)――1位▼男子エイト(C鹿川S金澤7平野6山本5大久保4平田3市川2中條B松川)――2位 熱気を帯びた応援が初夏らしい気温をさらに押し上げた。立大から7年振りの勝利を目指し、リベンジに燃える女子エイトは4年生全員を含めたクルーでレースに臨む。スタート直後から両者一歩も譲らず、1000メートル地点では明大がわずか1秒先行する白熱した展開に。一進一退のままレースは進み、決着は最後のスパート勝負。「最初を飛ばしすぎないよう冷静に入り、その貯めてきた分を最後爆発させることを意識した」(田草川向日葵副将・法4=小松川)。今年度、女子エイトの強みである〝鬼のラスト〟を遺憾なく発揮し、わずかな差を維持したまま1位でフィニッシュ。クルー全員が大きく拳を突き上げたと同時に歓喜の声が会場に響いた。 先月行われたお花見レガッタで優勝し、46年ぶりの2連覇が期待された男子エイト。「ほぼベストのパフォーマンスをしたが、スタートから力の差を感じた」(平野公稀主将・政経4=熊本学園大付)。序盤からレースの主導権を握ろうと積極的に勝負を仕掛けるも宿敵・日大に力及ばず。「短いスプリント能力は確認できたが、それが長い距離続かなかった」(星遼監督)。それでも、この時期に日大との壁を感じたことは今後への大きな収穫となった。 来月に控える全日本選手権は男子エイト、女子エイトともに出場を見送る予定だが「一人一人で個を磨いていって、チーム力を上げていきたい」(田草川)。積年の目標である全日本大学選手権(以下、インカレ)男女総合優勝には個々のさらなるレベルアップが求められる。悲願達成に向け、加速し続けるチームから1秒たりとも目が離せない。 [原田青空] 試合後のコメント星監督――女子エイトが優勝しました。 「最初少し出たところからその差を維持していけたので中盤からすごくいい戦いができたと思います」 ――来月の全日本選手権の意気込みをお願いします。 「エイトをばらして臨むため、より個々の能力が試されると思います。人数が少ない艇だともっといろんな課題が浮き彫りになると思うのでインカレに向けて実りある大会にしていきたいです」 平野――今年度のエイトの強みは何でしょうか。 「まとまる力が強いことです。9人でしっかりまとまって試合や練習に臨んでいて一人一人の能力を足し算で足したら勝てないと思うのですが、掛け算できるところが強みだと思います」 ――新体制の雰囲気はいかがですか。 「昨年度と比べるとまだ個人の能力は劣ると思うのですが、それを雰囲気やチーム力でカバーできていると思うので個人の能力をさらに上げてインカレで日本一を取りたいと思います」 田草川――今日の意気込みを教えてください。 「私たちが2年生のころから立大に負け続けていたので、今年度も連覇を阻止するという目標を掲げていました。個人的には高校次の同期である長芝木香(立大)がいて、ずっと負けていたので、勝ちたいという思いがありました」 ――優勝できた理由は何でしょうか。 「9人全員の存在だと思います。エイトに乗る同級生であったり、後輩たちもすごく頼りになるので力も借りながら全員で高められたと思います」 READ MORE -
新チーム初陣 対抗種目に課題残す/全日本新人選手権
端艇 2022.10.24全日本大学選手権(以下、インカレ)から1カ月余り。明大は来期に向けての重要な試金石となる、全日本新人選手権に出場した。対抗種目の男子エイトでは、準決勝でインカレ優勝の日大に勝利する会心のレースを繰り広げたものの、決勝ではスタートから出遅れA決勝4位でフィニッシュ。覇権奪回を目指す女子舵手つきクォドルプルもA決勝の進出がかなわず。下級生のみの出場だったが、新生明大端艇部の船出は簡単にはいかなかった。 ◆10・21~23 第63回全日本新人選手権(戸田ボートコース)▼男子シングルスカルA(S近藤)――敗者復活戦A組4位▼男子シングルスカルB(S鷺池)――敗者復活戦A組2位▼男子シングルスカルC(S青木)――敗者復活戦H組3位▼女子ダブルスカル(S荒川B山田)――準決勝D組4位▼男子ダブルスカル明大A(S吉田B平田)――準決勝D組3位▼男子ダブルスカル明大B(S市川B杉本)――準決勝A組5位▼女子舵手つきクォドルプル(S小野寺3青山2平松B清野C岡部)――B決勝1位▼男子エイト(S金澤7上戸6中條5大久保4佐々木剣3松川2阿部B佐々木丈C鹿川)――A決勝4位 「全体的に思うようにならなかった」(星遼監督)と苦杯をなめた今大会だが、収穫を挙げるならば対抗種目の男子エイトだろう。今大会の明大は、前チームから男子エイトクルーを務める金澤遥叶(商2=米子工)や、先月のインカレで男子ペアA決勝2位の好成績を残した中條扇之介(商2=成立学園)ら、下級生ながら経験十分のクルーで男子エイトにエントリー。準決勝では2秒差をつけインカレ優勝の日大に快勝し、インカレの借りを返す格好となった。明大男子エイトが準決勝でたたき出した5分58秒90はこの種目全体トップの好記録。「スタートがうまくハマった。ストロークの金澤がうまくリズムをつくってくれた」(星監督)。新チームが持つポテンシャルを確実に示した。しかし臨んだ決勝ではスタート直後から先頭の中大に一艇身以上先行される苦しい展開に。「最初の500mで他のクルーより前に出たかった。それができなかったのは単に実力不足」(金澤)。中盤以降も大きくリードを許した明大に、前方3艇を追い抜かす力は残っておらず、最終順位は4位。「中盤勝負ができるクルー」(岡本康聖前主将・商4=宇和島東)に変貌する来期の明大に期待したい。 今大会終了と同時にオフシーズンが幕を開ける。「冬はフィジカルの強化に焦点を当てていく」(星監督)。今大会で新チームの現在地を確かめることができたのは来期に向けての好材料。全日本選手権、さらには50回目を数えるインカレ記念大会に向け、次こそは時代の夢を破りたい。 [上瀬拓海] 試合後のコメント星監督――今大会は1、2年生のみのクルーで出場しました。 「インカレから大きくメンバーが変わって、大会前は不安を感じていました。ですが選手たちは対抗クルーに誇りを持って臨んでくれていると感じ、頼もしい限りです」 ――来シーズンに向けて一言お願いします。 「引き続き対抗種目である女子舵手付きクォドルプル、男子エイトでのインカレ優勝を目指していきたいと考えています。これからそれぞれの目標に向かってどれだけ高い意識をもってやっていけるかが大事になってくるので、それをサポートしていきたいです」 金澤――今大会が新チームにとっての初戦となりました。 「自分は今年度男子エイトのクルーとして出場させてもらっています。近年の男子エイト決勝に進出した後良い結果が残せていない部分があるので、その意味で悔しさを持ちながら試合に臨みました。これから全員でレベルアップをしていきたいです」 ――男子エイト準決勝ではライバル・日大に勝利しました。 「初日の予選は良いタイムが出なかったのですが、今日のレースは気持ちを切り替えて試合に入ることができました。準決勝では6分以内でのゴールを達成することができましたが、決勝で継続することができなかったのが今後の課題です」READ MORE -
総合優勝逃すも対抗種目で上位進出/全日本大学選手権
端艇 2022.09.129月7日から5日間に渡って開催された全日本大学選手権(以下、インカレ)。最終日の11日は決勝が行われ、明大は優勝艇を出すことができず、悲願の総合優勝を逃す結果となったものの、対抗種目で上位入賞を果たすなど好成績を残した。 ◆9・7~11 第49回全日本大学選手権(戸田ボートコース) ▼男子総合――3位▼女子総合――6位▼女子ダブルスカル(S磴B林原)――A決勝3位▼男子ペア(S中条B佐々木丈)――A決勝2位▼女子クォドルプル(S山吹3田口2青山B中山)――A決勝3位▼女子舵手付きフォア(S小野寺3平松2荒川B樋口C岡部)――A決勝6位▼男子エイト(S山本7武藤6岡本5藤井4金澤3上戸2門馬B平野C岡部)――A決勝3位▼男子クォドルプル(S東坂3大竹2中山B寺井)――A決勝2位▼女子シングルスカル(S清野)――B決勝2位▼男子ダブルスカル(S辻B吉田)――B決勝3位▼女子ペア(S田草川B山田)――B決勝3位▼男子舵手なしフォア(S和田3松川2大久保B佐々木剣)――B決勝1位▼男子舵手付きフォア(S杉本3阿部2市川B平田C鹿川)――B決勝3位 今大会の注目は連覇を目指す女子クォドルプル、さらには4月に行われた日立明三大学レガッタで宿敵・日大に勝利した男子エイトであった。大会前には新型コロナウイルス集団感染というアクシデントがあったものの、チーム全体としての出場を実現できた今大会。強豪復活の機運は高まっていた。 予選を1位で通過した女子クォドルプルは、序盤先行するも逆転を許し3位。「課題としていたところが出た」(星遼監督)。確かな実力を発揮し上位進出を果たしたものの、目標とする連覇には届かなかった。総合優勝に向け、是が非でも優勝をつかみたい男子エイトでは、先行しレースの主導権を握りたかった明大だが、中盤以降宿敵・日大に差を離され最終的に3位。「半艇身リードして最後の500メートルに入りたかった。日本一から呼ばれるには程遠かった」(岡本康誠主将・商4=宇和島東)。A決勝で入賞を果たす好成績を残したものの、レース後悔しさをあらわに。彼らが見据える先はあくまでも頂点であった。 他の種目に目を向けると、大会直前に結成したクルーで臨んだ男子ペアはA決勝2位の好成績。「自分的には100点のレース」と振り返るのは中條扇之介(商2=成立学園)。また女子ダブルスカルではA決勝3位で見事入賞。「大会前半は1000メートルで力尽きることが多かったが、今日は後半もリラックスしてリズムよく漕げた。5日間で1番のレース」(林原萌香女子主将・法4=米子西)。さらに男子クォドルプルは後半にスパートをかける、狙い通りのレース展開でA決勝2位に輝き、1年生主体の若いクルーで挑んだ女子舵手付きフォアでもA決勝進出を果たすなど健闘した。男子クォドルプルのクルーの一人の寺井昇平(政経4=米子東)が「最後の500メートルまで体力を温存できた」と語るように、鍛錬の成果を存分に発揮する好レースだった。 このインカレを最後に「真面目に練習に取り組んでいた4年生」(星監督)は明大端艇部を引退する。「次につながる『基礎』ができた大会」(岡本)の言葉通り、今季の集大成となるインカレは来期以降に期待が持てる、収穫の多い大会となった。今大会はコロナ禍ではありながらも有観客で開催されたことも忘れてはならない。「ここ数年は歓声もなく、淡泊なレースが続いた」(岡本)。最終日には立ち見が出るほどの大入りで、今大会を彩った。 目標とする総合優勝には及ばなかったものの、今大会では多くの種目で上位進出を果たし、確かな手応えと充実感を得ることができたであろう。しかし監督、選手が真っ先に口にしたのは「悔しい」の3文字。この1年間の努力、本気度を物語る、何よりの証拠だった。 [上瀬拓海] 試合後のコメント星監督――全体の結果を振り返っていかがですか。 「全体の結果は思い描いたものとは異なりましたが、選手全員よく頑張ってくれたと感じています」 ――4年生は今日がラストレースとなります。 「4年生は物静かなところがあるのですが、真面目に練習に取り組んでくれたと思います。4年生は本当に淡々と練習に取り組んでいたし、男子エイトも半分は4年生で、実力的にもチームを引っ張ってくれたと思います」 岡本――5月の全日本選手権から比べて、今大会はいかがでしたか。 「学生の中では勝負できるという感覚は持っていましたが、2位や3位ではなく、1位を取り切る力というのは練習量などを含め足りなかったかなと思います。日本一から呼ばれるには程遠かったのだと考えています。これが明治の現状だと思います」 ――1年間主将を務められましたが、感想をお願いします。 「今季は〝時代の夢を破る〟というスローガンを掲げていました。日立明三大学対抗レガッタでは男子エイトで日大に勝利したことや、全日本選手権でも多くのクルーが決勝に進んだことなど、女子部も含めて良いスタートを切ることができた中で、インカレはこういう結果になり悔しい思いが強いです。しかし全員欠けることなく大会に出場できたというのは意義があったと思います」 林原――女子主将として全体の結果についていかがですか。 「全艇が決勝に進出するというのが当初の目標でしたが、それが叶わず残念です。女子クォドルプルは昨年に続く優勝が見える位置まで来ていて、予選も1位通過することができただけに部全体として悔しいと感じています」 ――後輩の選手たちに向けて、一言お願いします。 「力を全員が持っているチームだと思うので、がむしゃらに取り組みながらも部内で連絡を取り合うことなどはまだ足りていないと思うので、監督やコーチと密に連絡を取りながら、その力を艇速に変えていけるようにしてほしいと思います」 READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
ボート競技は全部で9種目ありその中でも花形とされるのは指示を出すコックスと8人のクルーで編成されるエイトだ。9人が完全に息を合わせた時のスピードは圧巻。どのチームも花形種目でのエイトで優勝を目指す。端艇部は明治38年に創部された明治大学で最も長い歴史を持つ部活である。歴史だけでなくその実力も大学トップレベルで全日本の大会でも常に上位に進出する強豪。歴史、実力の二つの意味で明治大学の体育会をけん引する存在である。日本ボート界のトップを目指し、日々努力を重ねる。