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男女共に功績残す 総合成績でも表彰台登壇!/全日本大学対抗選手権
自転車 2023.09.048月25日から開催されている全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)。2019年以来4年ぶりに長野県大町市美麻で開催されたロード部門では、女子からは昨年優勝の渡部春雅(政経3=駒大高)が出場。男子のエントリーはルーキーを含む8人。中距離が得意な選手から長距離を得意とする選手まで、明大の多岐にわたる実力を持つ選手たちが総出で表彰台を狙う闘いとなった。渡部はかつてないほどの強敵にぶつかり準優勝、男子は3人が入賞し9ポイントを獲得した結果、ロード総合3位という好成績を残した。 ◆9・3全日本大学対抗選手権(長野県大町市美麻地区 公道周回コース)▼女子ロード個人 渡部――2位▼女子ロード総合 明大――2位▼女子総合 明大――4位 ▼男子ロード個人 村上――7位 林原――12位 中川――20位 小久保――36位▼男子ロード総合 明大――3位▼男子総合 明大――3位 【女子】 今大会でトラック競技において2種目で優勝した渡部だが、本来得意とする競技はロードである。そんな渡部にとってこのレースは絶対に負けられないカードだった。最大のライバルとなったのは今大会が最初で最後のインカレ出場となる小林あか里選手(信州大)。小林は現在、弱虫ペダルサイクリングチームというプロチームに所属しており、加えて2021年まではワールドチームに所属していた経歴を持つ。他校の選手たちを突き放して独走ゴールするレースが多い渡部だが、学生離れしたスタミナとケイデンスを持つ小林に翻弄(ほんろう)され、渡部の成績は準優勝となった。 13.4キロのルートを5周する今回のステージ。途中に斜度10パーセント超えを含んだ、多くの坂が取り入れられたコースである。レースがスタートすると、1周目の登りで早速集団は分裂してしまう。渡部を含んだ4選手が先頭で交互に引く展開となり、集団は急坂へと突入する。このまま4人の争いがしばらく続くかに思えたが、2周目途中の時点で既に渡部と小林が抜け出し、一騎打ちの形となった。2人の間に大きな動きがあったのは3周目の中盤。登り坂で小林がアタックを仕掛け、それに貼り付くことができなかった渡部は相手の単独トップを許してしまう。レースが進むにつれて2人の差は徐々に開いていき、最終的には小林に4分近くの差をつけられ2位でゴールイン。驚異の実力を持つ小林に、経験の差による圧倒的なレベルの違いを見せつけられたレース結果となった。 春先から調子が優れないことが多かった今シーズン。それにも関わらず渡部は1人でトラック、ロード双方において表彰台に上がる偉業を達成。明大自転車部に女子ロード総合準優勝という輝かしい結果をもたらした。「学内外を問わず彼女を助けてくれる人が周りに多くて、非常に感謝をしている」(本間滋監督)。そんな渡部はゴール地点と表彰式ではいつものように明るい笑顔を見せていた。準優勝という結果に終わった今回のロード。内にはおそらく悔しさも秘めているだろう。しかしこの苦い経験は、渡部をさらに上のステージに連れて行ってくれるはずだ。常に成長し続ける明大クイーンに、これからも目を奪われずにはいられない。 【男子】 男子ロードは予想外の結果となった。メイン集団で初めは足を温存していたロードを得意とする3選手。レース途中でメイン集団の一部が先頭に後に追いつき、前にプレッシャーをかけていくと予想をして戦略を練っていた。しかし蓋を開けてみると、先頭集団をコントロールしていた日大が勢いそのまま逃げ切ってワンツーフィニッシュを決める結果に。そんな予想外の状況の中でも先頭に食らいついた選手や初出場ながら完走した選手の姿もあり、チーム明大はロード総合3位という高順位につけた。 明大は1周目から先頭に飛び出してレースをコントロールしようとしていた。一番に飛び出したのは永野昇海(理工2=横浜平沼)。「100~130キロを逃げに回って、個人か集団で明大が何人か入って来てくれるところまで耐える役割だった」(永野)。3周目から先頭に小泉響貴(政経2=浦和北)も合流し、逃げる先頭は8人で構成されていた。明大2人、日大3人、他大学3人で構成された逃げは、メイン集団に差を詰められるどころか徐々にスピードを上げ、追走からの距離を広げていった。この状況はレースが折り返しを迎えても変化することはなく、3人交代で先頭を引く日大のハイペースに流れを持っていかれてしまう。永野・小泉も必死に日大から遅れを取らないよう脚を回すが、7周目手前で小泉は先頭から遅れてしまう。永野も9周目途中でドロップ。対して、メイン集団は動きをなかなか見せなかった。「もっと集団が早い段階で分かれて前にアタックすると思っていたが、先頭に追い付く気が途中で既になくて予想外だった」(林原聖真・法2=倉吉東)。メイン集団内の激しい争いの結果、明大からは村上裕二郎(営3=松山工)が7位、林原が12位、ルーキーの中川延太(法1=奈良北)が20位入賞という結果となった。 最終的に明大は9ポイントを獲得し、ロード総合で3位という功績を残した。「打合せ通りにレースを作れたが、日大が強かった」(本間滋監督)。明大としては理想のかたちでレースを終えることができた今大会のロード。トラックで総合4位だった明大は、ロードの活躍によりインカレ総合3位と、5年ぶりの表彰台登壇に成功した。「総合成績で表彰台に上がることが我々の目指しているところだから正直に嬉しい」(本間監督)。去年から今年にかけて、総合成績で表彰台に絡めることが増えてきた明大。インカレは代第1回王覇者でもある。来年も“古豪・明大”の名をインカレでとどろかせてくれるに違いない。 [成田美彩子] 試合後のコメント本間監督――男子は4年生がいないチームでしたが、1年間通していかがでしたか。 「昨年の4年生が抜けた後、その分去年からも下級生でしっかり走っていたので、そんなに不安なく迎えられました。むしろ来年もっと層が厚くなると思うので楽しみです」 ――野中龍之介(営4=法政第二)を主将に据えた今年のチームはどのようなチームでしたか。 「最高のチームでした。普段の生活、練習からリーダーシップを発揮してくれた4年生だったのでそこがよかったと思います」 永野――自身の良かったところを教えてください。 「村上の足を休ませることができて、7位に乗せて入賞させることができて良かったと思います」 ――来年の目標を教えてください。 「来年は自分がメインでポイントを取ることができるように仕上げて、ロードと全体で総合優勝できるように貢献したいです」 林原――今後の課題を教えてください。 「学連で一番足がある選手にならないと厳しいと日大を見ていて感じたので、脚力を付けることが一番優勝につながると思います」 READ MORE -
インカレ直前特集2023(3)ロード班インタビュー!
自転車 2023.09.02全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)を締めくくるロードが3日に開催される。昨年度、男子はロード総合優勝を成し遂げ、渡部春雅(政経3=駒大高)も個人優勝を果たした。どちらも王者として迎える今大会。男女計5種目で表彰台に立ったロード班の活躍に続きたい。 第3回はロード班の6選手のインタビュー記事です。大会に向けての意気込みを語って頂きました。(取材は8月10日に行ったものです) 村上裕二郎(営3=松山工)――心境をお聞かせください。 「やれることがインカレでできたらいいと思います。自分の仕事をしっかり決めて、全うできたらいいと思っています」 ――自信についてはいかがですか。 「はっきり表彰台に登れる自信がちょっと今はないです。林原を表彰台に乗せられるかなと思うので、林原任せにはなるんですが、頑張ってもらいたいです」 ――個人目標を教えてください。 「得点が20位まで付くので、(20位以内に入って)団体での点数を取れるように頑張ります」 渡部――心境をお聞かせください。 「またココに戻って来られてうれしいです」 ――今年度は大会の欠場が続きました。 「自転車に乗りたくないと初めて思ったので、数カ月間、自転車を封印しました。1カ月くらい前から、少しずつ乗り出しました」 ――王者としてのプレッシャーはありますか。 「昨年の結果は昨年なので。レースに出ていないので、今年は挑戦者です」 ――意気込みをお聞かせください。 「応援してくれているたくさんの人のために、一つ一つのレースを大切に走りたいです」 小久保瑠惟(営2=北桑田)――今年度の活動を振り返っていかがですか。 「個人で練習やレースを振り返って、体調を崩すことが多かったので、あまりいい出来ではなかったですね」 ――ご自身の役割についてはいかがですか。 「自分が表彰台というよりは、一番いいタイムを出すというところと、少しでも仲間が表彰台に登れるようにサポートしたいと思っています」 ――個人目標をお聞かせください。 「チームをサポートしつつ、結果的には完走を目指して頑張りたいなと思います」 永野昇海(理工2=横浜平沼)――心境をお聞かせください。 「去年よりも緊張していないので、うまく走れたらいいです。大会前の合宿などの流れが、全て入っているので。去年は何も分かっていなくて、入部がみんなより遅かったので、あんまり馴染めてなかったのもあって、緊張していました。今年はそれがないので大丈夫だと思います」 ――ロード班の雰囲気はいかがですか。 「個人的には結構いいと思います。プレッシャーとかもなくて、去年の成功もあるので、それに結び付けられるように頑張っていきたいです」 ――コースをご覧になっていかがですか。 「1周で3回登って、それが13周で39回登ることになっています。まだ走ってないので、そこまでイメージをつかめていないのですが、逃げるにしても集団で行くにしても、足を伸ばしつつ、止めないようにしていかないといけません」 林原聖真(法2=倉吉東)――昨年度のチームとの違いはありますか。 「去年は4年生の白尾さん(雄大・令5理工卒)に引っ張ってもらって、ほぼ付いていくだけでした。今年はキャプテンが村上さんに変わって、自分も考える必要が出てきました。一緒に協力して引っ張っていく立場になったので、チームでの立ち位置というか、自分の意識が変わったと思います」 ――これまで意識されてきたことをお聞かせください。 「去年は白尾さんに組んでもらったメニューに従って、とにかく自分では考えずにそれに従っているだけでした。今年はメニューを自分で組んでみたり、コンディションの調整も自分の考えたメニューに従ってやってみたりしました」 ――意気込みをお聞かせください。 「個人では優勝、ロード総合でも連覇できるよう頑張りたいです」 中川挺太(法1=奈良北)――明大入学後これまでを振り返っていかがですか。 「大会では特に成績を残すこともなく終わりました。インカレは1年の中で一番大事な大会なので結果を残して、まだ1年生ですけど、監督や明治大学にも恩返ししたいと思います」 ――力を入れてきた部分はありますか。 「時間と距離が高校よりも伸びているので、出力を出す練習も大事なんですけど、ロードレースではどのように楽に走れるかを意識してきました」 ――意気込みをお聞かせください。 「去年は(ロード)総合優勝している明治大学のユニホームを着て走る以上、ふがいない走りはできないです。明治大学を背負って、頑張って優勝してきます」 ――6選手とも、ありがとうございました! ◆文部科学大臣杯 第78回全日本大学対抗選手権◆トラック:8月25日~27日(TIPSTAR DOME CHIBA 250m)ロード:9月3日(長野県大町市美麻地区 公道周回コース 1周13.4㎞)READ MORE -
トラック日程を終えた選手のコメント/全日本大学対抗選手権
自転車 2023.08.29全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)が25日から千葉県にて開幕。まずはトラック競技が3日間にわたって行われた。男子は優勝こそ逃したものの、合計3つの種目で表彰台へ。トラック総合順位も4位につけた。また、唯一の女子部員である渡部春雅(政経3=駒大高)が2つの部門で優勝に輝き、来月3日に控えるロードへの期待を膨らませた。本記事では試合後の選手コメントをお送りします。 野中龍之介主将(営4=法政二)――3位となったチームスプリントのレースを振り返っていかがですか。 「もちろん優勝を目指して1年間やってきましたが、予選でうまく噛み合わない部分があり3位での予選通過となってしまいました。最低目標が表彰台に上がることだったので、このまま行けば3位決定戦も勝てるということで、その後チームで話し合って3位を取れたのでホッとしています」 ――ケイリンは悔しい結果に終わりましたが、その後はどう気持ちを切り替えていきましたか。 「ケイリンが終わった後、頭が真っ白になったというか本当に悔しかったです。そこで落ち込んでいても、チームスプリントに影響が出てしまうので、僕たちなら行けると自分に言い聞かせてしっかり準備して、なんとか走りました」 ――最後のインカレを終えて思うことはありますか。 「あまり実感が湧かないというか、チームスプリントが終わって、自然と涙が出てしまって、いい7年間だったなという思いが強いです」 吉岡優太(政経4=取手一)――チームスプリントを振り返っていかがですか。 「予選でベストに近いタイムを出せて、チーム全体としていい感じで仕上がっていていました。(3位決定戦で対峙した)法大とも1秒差だったので、このままうまく行けば勝てると思っていたので落ち着いていけました」 ――46秒台というタイムに満足はしていますか。 「満足ではないです。1位の日大と2位の中大が45秒台前半を出していたので、45秒台には乗せたかったというのが正直な気持ちです」 ――レース中には会場から応援の声が聞こえてきましたがいかがでしたか。 「スタートの前からすごい名前を呼んでもらって、昨年まで応援が禁止だったので、すごい例年より気合いが入ったなという感じはします」 片岡遼真(法3=福井県立科学技術)――マディソンでの3位という結果を振り返っていかがですか。 「最低の目標が表彰台に乗ることだったので、それを達成できてやっぱり嬉しいです」 ――決勝のレースを振り返っていかがですか。 「決勝は最初から取れる点数は取っていこうということで、ずっと鹿屋体育大をマークしていました。終盤まで1点差で並んでいたのですが、最後は離されてしまって3位に終わってしまったのは悔しいです」 ――ロードに向けて意気込みをお願いします。 「ロードは約180キロの長いレースになるので、自分はアシストとして前の人をサポートして、少しでも明治が優勝に近づけるように有利な展開にアシストできればと思います」 渡部春雅(政経3=駒大高)――3キロインディヴィデュアル・パーシュートのレースを振り返っていかがですか。 「予選は全体2位のタイムでしたが、決勝は自信を持って安定した走りでいこうと思っていました。会場の放送を聞きながら走っていたので、余裕を持って走れました」 ――オムニアムのレースを振り返っていかがですか。 「2日目のインディヴィデュアル・パーシュートで勝っていましたが、昨日は昨日、今日は今日と切り替えていました。1種目目から攻めていこうという気持ちで走りました」 ――今年度のインカレではたくさんの声援がありました。 「本当に声援がすごくて、明大の父母会の人や、多くのOBの方々が来てくれました。それがすごい励みになりました」 ――ロードに向けての意気込みをお願いします。 「ロードはロードでまた考えて、挑戦する気持ちで攻められたらいいなと思います」 小泉響貴(政経2=浦和北)――マディソン3位という結果を振り返っていかがですか。 「レース途中まで1位で鹿屋体育大とずっと競っていたのですが、後半は自分も片岡さんも相当きつくて、逃げに乗ることができませんでした。結果3位というのは悔しいですが、でも個人戦から順位を上げて仕上げていけたので、まずはホッとしています」 ――ペアを組んだ片岡選手との関係性について教えてください。 「個人戦は自分のせいで負けてしまったので、片岡さんがペアということで何としても表彰台に乗りたいと思っていました。ゴールして表彰台に上がれて、片岡さんに『ありがとうごました』と言って、嬉し泣きしてしまいました」 ――ロードに向けて意気込みをお願いします。 「トラックの方でも総合順位が上位の方でポイントも取れたので、ロードの方でもポイントを取れるように、自分は積極的に逃げて、明治のために走れればいいなと思います」 吉田唯斗(政経2=学校法人石川)――3位に入ったチームスプリントのレースを振り返っていかがですか。 「走る前からすごく緊張していて不安でしたが、ベストに近いタイムで走れて3位に上がることができてホッとしています。3位決定戦ではとにかく落ち着いてリラックスして全力を出し切ることができて、無事に勝てたので嬉しいです」 ――タンデムスプリント3位という結果についていかがですか。 「目標はもちろん優勝でした。ただ、このペアを結成したのが夏で、あまり練習もできていなかったです。しっかりメダルを取ることができて安心というか、ポイントに貢献することができて良かったです」 ――レース中には会場から応援の声が聞こえていましたがいかがでしたか。 「名前を呼んでもらったり応援してもらったりしたので、嬉しい気持ちと頑張るぞという気合いが入りました」 本田音輝(営1=松山工)――タンデムスプリント3位という結果についていかがですか。 「率直に嬉しいですが、準決勝で自分の弱さが出てしまいました。ペアの吉田さんには申し訳ないことをしましたし、学校のポイント数も稼げなかったので、そこは悔しいと思っています」 ――ペアを組んだ吉田選手との関係性を教えてください。 「吉田さんは、昨年のインカレや今年の個人戦でも表彰台に上っていて、本当に信頼できる先輩です。パワーもとてもあるので、足を引っ張らないように頑張ろうという気持ちでした」 ――このレースで得たものはありますか。 「入学してからケガで乗れなかった時期もあって諦めかけたり、今回の日大戦でも負けて落ち込んでしまって、諦めようかなという気持ちも少し湧いてしまいました。しかし、諦めない心が3位という結果につながったので、これからも諦めない心で頑張りたいと思います」 [菅波陸哉]速報記事はこちら READ MORE -
渡部春雅2冠! 男子は3種目で表彰台に/全日本大学対抗選手権
自転車 2023.08.29全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)が25日から千葉県にて開幕。まずはトラック競技が3日間にわたって行われた。男子は優勝こそ逃したものの、合計3つの種目で表彰台へ。トラック総合順位も4位につけた。また、唯一の女子部員である渡部春雅(政経3=駒大高)が2つの部門で優勝に輝き、来月3日に控えるロードへの期待を膨らませた。 ◆8・25~27全日本大学対抗選手権(TIPSTAR DOME CHIBA)▼男子タンデム・スプリント 吉田・本田――3位▼男子マディソン 片岡・小泉――3位▼男子チームスプリント 野中・吉岡・吉田――3位▼男子4キロ・チームパーシュート 小池・片岡・小泉・海老島――4位▼男子ケイリン 野中――4位▼男子1キロタイムトライアル 野中――6位 吉田――10位▼男子4キロ・インディヴィデュアルパーシュート 片岡――6位▼男子スプリント 吉岡――ベスト8 ▼男子オムニアム 鈴木――10位▼トラック男子総合 明大――4位 ▼女子オムニアム 渡部――1位▼女子3キロ・インディヴィデュアルパーシュート 渡部――1位▼トラック女子総合 明大――4位【女子】 圧巻の走力だった。唯一の女子部員である渡部。3キロ・インディヴィデュアルパーシュート(以下、3キロ個抜き)とオムニアムに出場した。1日目から登場し、3キロ個抜き予選を2位で通過。そして、2日目の決勝では序盤からリードを保ち続け、相手に6秒以上のタイム差をつけて優勝した。自身の予選タイムも上回る結果に「自信を持って、安定した走りでいこうと思っていた。放送などで流れている状況を聞きながら走っていたので、余裕を持って走れた」と振り返った。 3日目はオムニアムに出場。1日で中距離4種目を行い、総合成績で順位を競うハードな種目だ。「いい流れが来ると思ったので、最初(の種目)は狙っていた」と、第1種目のスクラッチを1位でゴールし40ポイントを先行。第2種目のテンポレースは激しい落車によりレースが一時中断する展開に。それでも「気持ちを切らさずに、再開してもしっかりと走れた」とポイントを重ね、レースを制した。続くエリミネーションも制し、迎えた最終種目は20キロのポイントレース。「自分がポイントリーダーだったので、自信を持って落ち着いていた」。試合は5周回目以外すべての周回で得点し、終盤には1ラップ認定を得るなど52ポイントを獲得し1位。4種目合計172ポイントを積み重ね、2位に23点差をつける断トツの優勝だった。振り返れば全ての種目で1位と、パーフェクトレースで相手を微塵(みじん)も寄せ付けなかった。 来月3日には自身の2連覇を懸けたロードが控える。「ロードはロード。また考えて挑戦する気持ちで、攻められたらいい」と意気込んだ。トラックでの走りから状態は万全だ。【男子】 2日目のチームスプリントには野中龍之介主将(営4=法政二)・吉岡優太(政経4=取手一)・吉田唯斗(政経2=学校法人石川)が出場。「スタートの前からすごく名前を呼んでもらった。去年まで応援が禁止だったので、気合いが入った」(吉岡)と会場の声援が糧に。予選を自己ベストに近い46.656秒の3位で終え、法大との3位決定戦に回った。その法大戦は「トップスピードを落とさずに、むしろ上げる勢いで3走に渡した」(吉岡)。滑らかな交代を通じて3走までリードを保ち続けた。「僕たちならいけると、自分に言い聞かせた。しっかり準備して、何とか走りました」(野中)と振り返り、1位の日大が学連記録を塗り替えるほど高レベルな本種目で堂々の3位入賞を果たした。 2人1組となって走者を交代しながら順位を競うマディソン。明大からは片岡遼真(法3=福井県立科学技術)・小泉響貴(政経2=浦和北)が出場した。予選では全周回でポイントを獲得し、3位で順当に決勝へ進出。迎えた決勝、走行距離は40キロと予選と比べて3倍もの長さになった。試合は「積極的に前で展開できた。想定していたレースプラン通りだった」(片岡)と、序盤からポイントを重ねる。日大が落車した影響もあり、レース中盤ではポイントリーダーに。ただ、後半は「自分も片岡さんも相当きつくて、逃げに乗ることができなかった」(小泉)。マークしていたという鹿屋体大に集団から離され、ラスト4周回はポイントを獲得できず。それでも前半の戦い方が功を奏し、最終順位を3位とし表彰台へ。「最低の目標が表彰台に乗ることだった。それを達成できてやっぱり嬉しい」(片岡)と喜びを口にした。 2人乗り用の自転車に乗って周回タイムを競うタンデム・スプリント。吉田唯斗(政経2=学校法人石川)・本田音輝(営1=松山工)の低学年コンビが出場した。予選を3位で通過し、3日目の準々決勝も順当に勝ち進めた。しかし、準決勝は強敵・日大の走力に苦しめられた。3本勝負となったが立て続けに2本を取られて敗退。「僕たちの実力がないことが原因で負けてしまった」(吉田)と悔やんだ。それでも3位決定戦・朝日大では「配信を見返して、悪かったところを改善できた」(本田)。2本を先行し、見事に3位入賞を果たした。実は彼らは今夏に組んだペアであり、いわば〝即席タンデム〟だった。「普段からお互いのコミュニケーションを大切にしていて、高め合っていた」(吉田)と、短期間での信頼形成が表彰台へのカギとなった。 3日間にわたるトラックを戦い抜いた明大。各種目でポイントを積み重ね、男子は総合順位を4位につけた。そして、来月3日にはロードが開催。その舞台は長野県大町市美麻地区に移る。明大は前回大会のロード総合王者であり、昨年度の主力の多くが在籍。総合3位・鹿屋体大との4ポイント差も十分に逆転可能だ。「トラックでもポイントを取れたので、ロードでもポイントを取りたい。自分は積極的に逃げて、〝明治のため〟に走れればいい」(小泉)。ロード総合連覇、そしてトラック・ロード総合での表彰台へ、紫紺の走りに注目せよ。 [長崎昇太]試合後のコメントはこちら READ MORE -
インカレ直前特集2023(2)トラック班インタビュー! 3、4年生編
自転車 2023.08.24いよいよ全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)が始まる。昨年度、トラックは表彰台が一つにとどまる悔しい結果に終わった。今年度こそ、大学自転車競技界の頂きに。明大自転車部の活躍に期待したい。 第2回はトラック班の3、4年生5選手のインタビュー記事です。大会に向けての意気込みを語って頂きました。(取材は8月10日に行ったものです) 野中龍之介主将(営4=法政二)出場予定種目:ケイリン、1キロメートルタイムトライアル、チーム・スプリント――主将として今シーズンを振り返っていかがですか。 「昨年度のインカレで、トラック班は思うような成績が残せなくて、どこがダメだったのかと考えた時に、点数の高い団体種目で上位に食い込むことができていなかったので、今年度はそこを強化していこうと4年生で話していて、それに向けてみんなが集まる時は団体練習をメインにしっかり練習していこうという感じでやってきました」 ――実際に練習してきて、成果としてはいかがですか。 「短距離の団体種目と中距離の団体種目は両方ともインカレでは上位に食い込めるんじゃないかというぐらい成長はしていて、結構期待できると思います」 ――インカレを直前に控えた現在の心境はいかがですか。 「僕たちはこれで引退ですが、僕は自転車を高校から始めたので7年目で来年からはプロに行く予定なので、本当に競技生活最後の集大成というか、絶対にここで優勝して有終の美を飾れるようにしっかりやれることやって頑張ります」 ――今年度のチームの特徴を教えてください。 「上下関係がないというわけではないですけど、コミュニケーションもしっかり取りながら、下級生も上級生に対して意見が言える環境です。楽しいというか、難しいですけど、変に張り詰めている感じではなくて、高め合えるチームなのかなとは思います」 ――同期に対する思いをお聞かせください。 「僕たちの代は、他の代よりもなんか仲いいなっていう部分があって、一緒に練習したりとか、4年間しっかり高め合ってきた仲なので、最後のインカレで4人みんなで笑って終われるようにしたいなっていう気持ちが大きいです」 ――インカレに向けての意気込みをお願いします。 「主将として今年1年やらせてもらって、やっぱりこのインカレは大学対抗という面でも監督さんたちも期待している部分なので、しっかりそれに応えられるように、あと2週間どこまでいけるか分からないですけど、しっかりチームで高め合って総合優勝できるように頑張っていきたいと思います」 小池陽斗(法4=北桑田)出場予定種目:チーム・パーシュート――昨年度のインカレを振り返っていかがですか。 「昨年度のインカレは、どちらかというと今よりも体制が上手くいってなくて、みんなバラバラな目標を持って走っていた部分があります。ここだけは絶対に勝ち取るというのがなくて、チーム種目も曖昧に、個人種目も曖昧に、どっちつかずになって練習を行っていた状況にありました」 ――それを踏まえて、今年度のチームはいかがですか。 「今年度のチームは自分が副キャプテンであり、中距離キャプテンでもあるので、僕個人としての今年のシーズン目標は、チーム・パーシュートで優勝することだったのですが、中距離では、一致団結して、意識的に練習してきたので昨年度とは全然違うと思います。タイムも今までよりもよく出ていて、なんなら明大の歴代の中で1番のトップタイムを叩き出したので、結構いいメンバーが揃ってるかなと思います」 ――個人、チームそれぞれでの目標を教えてください。 「中距離だととりあえず、団体追い抜きは優勝を目指しています。メダル獲得は最低目標で、個人種目に至っても、中距離でいうとマディソンは優勝できる立ち位置にはいると思います。あとは総合的に、短距離、中距離、長距離のロードも合わせて、総合優勝を目指しています」 ――インカレへ向けての意気込みをお願いします。 「もう4年生で、最後の追い込みとして今シーズン頑張ってきたので、 自分が目標とするチーム・パーシュートで優勝できるように、あと2週間、本気でまた1からチームづくりしていって、最高の状態で臨みたいと思っています」 吉房暖人(政経4=岡山工)出場予定種目:スプリント――今シーズンを振り返っていかがですか。 「短距離に移行してからは思うように成績を残せてなくて、試合でのタイムが悪かったのですが、練習中のタイムはぼちぼちいいタイムが出てきているので、ラストのインカレでしっかりとタイムを出せるように調整してきたいです」 ――短距離に移行した理由はなんですか。 「競輪選手になるために、その養成所の試験を受けるのですが、そうなった時に中距離の練習でもいいのですが、受けるなら本格的に短距離の練習だけの選手になってやっていった方がいいなと思ったので、今年1年は短距離選手として移行しました」 ――実際に移行してみていかがですか。 「距離がだいぶ中距離の時よりも短くなって、短くなるから楽ってよりは、短い分そこに集中して一番力を出すことが大事になってきて、距離は短いのですが、中距離とはまた違ったキツさがあって、難しいですが楽しいです」 ――インカレに向けての意気込みをお願いします。 「最後のインカレなので、明治の総合ポイントに1ポイントでも多くのポイントを入れられるように、ベストを尽くして頑張りたいと思ってます」 吉岡優太(政経4=取手一)出場予定種目:スプリント、チーム・スプリント――今年度の活動を振り返っていかがでしょうか。 「今年度は腰の故障がずっと続いていて、 7月の全日本でやっと腰が治って、気持ちよくシーズンに入れたので、インカレも気持ちよく走れそうだなっていう感じです」――最後のインカレに特別な思い入れはありますか。 「特別なことは特にないかもしれないです。いつも通りしっかりやるだけです」 ――インカレを直前に控えた今の心境はいかがでしょうか。 「1か月前の全日本で3位入賞ということもあって、今まで勝てなかった相手にもちゃんと対抗はれるようになってきたので、今年度のインカレは何としても表彰台に立ちたいなっていう気持ちです」 ――インカレに向けての意気込みをお願いします。 「総合優勝を目指して。しっかり個人で結果を残して頑張りたいです」片岡遼真(法3=福井県立科学技術)出場予定種目:チーム・パーシュート、マディソン、インディヴィデュアルパーシュート――今シーズンを振り返っていかがですか。 「去年はタイム系に力を入れていたんですけど、今回はレース系に絞って優勝を目指しています。東日本(学生選手権トラック)ではいい感じのタイムを残せたんですけど、個人的には表彰台には乗れなかったので悔しい点ではあります」 ――どのような点に力を入れて練習されてきましたか。 「持久力、ロールトレーニングに力を入れて、インターバル走に積極的に取り組んできました」 ――4年生との最後のレースになりますが、何か感じることはありますか。 「1つ上の代の先輩方とは、関わりが一番深かくて、今までずっと一緒に大会に出てきたので、今回最後となるとやはり悲しいですし、一緒に喜びを分かち合いたいという気持ちがあります」 ――インカレに向けての意気込みをお願いします。 「個人種目も団体種目も、最低目標が表彰台に乗ることなので、優勝できるように積極的な走りをしていきたいです」 ――5選手とも、ありがとうございました! ◆文部科学大臣杯 第78回全日本大学対抗選手権◆トラック:8月25日~27日(TIPSTAR DOME CHIBA 250m)ロード:9月3日(長野県大町市美麻地区 公道周回コース 1周13.4km)READ MORE -
インカレ直前特集2023(1)トラック班インタビュー! 1、2年生編
自転車 2023.08.23いよいよ全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)が始まる。昨年度、トラックは表彰台が一つにとどまる悔しい結果に終わった。今年度こそ、大学自転車競技界の頂きに。明大自転車部の活躍に期待したい。 第1回はトラック班の1、2年生5選手のインタビュー記事です。大会に向けての意気込みを語って頂きました。(取材は8月10日に行ったものです) 小泉響貴(政経2=浦和北)――今大会の具体的な目標はありますか。 「自分は団抜き(4キロチーム・パーシュート)は4分6秒台を出して学連記録、マディソンは練習の時から片岡遼真(法3=福井県立科学技術)さんとペアなので、2人で全力を出し切って表彰台に乗ることです。ロードレースは昨年度総合優勝したので、今年度も同様にうまく走られればいいと思います」 ――片岡選手への思いについてお聞かせください。 「個人種目ではポイントレースでお互いが1位2位だったりしていて、競い合ってきました。今までライバルだったのが今回はマディソンで一緒に走れて、しかも強い先輩なので本当に心強いです。片岡さんに迷惑をかけないように走るだけかなと思います」 ――インカレに向けて意気込みをお願いします。 「出た種目全てにおいて明治大学がポイントを取れるように頑張っていきたいです。昨年のロードは前半の逃げに全て乗って、先輩方に集団で足を溜めさせることができました。今回もしっかりと前半で逃げて、少しでもみんなのためにアシストしていきたいです」 吉田唯斗(政経2=学校法人石川)――昨年度のインカレを振り返っていかがですか。 「昨年度はタンデムスプリントで3位になることができて良かったんですけど1キロの方では思うようなタイムが出なかったので、タンデムでもチームスプリントでもしっかりいいタイムを出しつつ、個人の1キロでもしっかり順位を上げていきたいです」 ――現在のコンディションはいかがですか。 「僕は最近あまり調子が良くなかったのですが、レースや合宿を重ねるごとに少しずつ上がってきているのを実感しているので、この調子で頑張ります」 ――インカレに向けて意気込みをお願いします。 「今年は総合優勝を目指して、団体でも個人でも、どちらも全力で取り組みます。必ず3位以内に入るという気持ちで頑張ります」 海老島卓弥(政経1=浦和北)――インカレを控えた今のお気持ちはいかがですか。 「1年目なので、やはりどういう大会なのかあまり実感が湧かず、不安な部分が多いです。また、先輩たちと一緒に大学の総合優勝を狙っているので、自分の走りでミスしてしまうことのないようにと、少しプレッシャーを感じます。」 ――競技面で高校との違いは感じますか。 「大学に入ってからは、団体種目だとコンマ1秒を争う、そういうハイレベルな戦いです。高校はどちらかというと1、2秒と、大きな差がありました。そこは大学との違いかなと思います」 ――チーム練習の調子はいかがですか。 「トラックの練習で一緒に、普段から4人で走っています。ペースの感覚をつかんだり、室内練習でも一緒にやっていて、コンディションを高め合っています」 ――具体的な目標と意気込みをお願いします。 「自分の中ではチーム・パーシュートで勝ちたいという思いが強いです。目標としては優勝です。1年生なので緊張もありますが、自分の全力を出してチーム・パーシュート優勝と、大学総合優勝を目指して頑張ります」 鈴木澪(政経1=松山学院)――競技において大学の印象はありますか。 「自分が考えるには、高校の頃とそこまでキツさは変わらないなというイメージです。ただ、距離が長いです。高校の頃は逃げたらすぐにけん制がかかるレースが多かったのですが、それが大学にはなく、自分が逃げたら集団がすぐに追い始めるようなレースが多いです」 ――ロードにもエントリーされていますが、そちらはいかがですか。 「高校時代は70キロだったのですが、今回は170キロと長いです。最初の逃げに明治のメンバーが乗っていなかったら、これを追うための集団を引くのが明治になってしまいます。そうならないために、自分が逃げに最初に乗るとか、そういうアシストができたらなと思っています」 ――チームの雰囲気はいかがですか。 「先輩はみんな優しくて、後輩から(意見を)言うのにも全く怒らないんです。わいわいやっているほんわかした雰囲気ではあるんですけど、練習になったらみんな空気が変わります。めりはりがはっきりしているというイメージです」 ――インカレに向けて意気込みをお願いします。 「絶対に表彰台に乗るので、応援よろしくお願いします」 本田音輝(営1=松山工業)――今年度これまでの活動を振り返っていかがですか。 「入学してすぐにヘルニアになってしまい、ずっと思うような練習ができていませんでした。最近は復活してインカレも出られるようになり、合宿も参加できるようになって調子も戻ってきているので、頑張りたいと思っています」 ――持久力や筋力に上げるための工夫はありますか。 「短距離ですけど、中距離の練習メニューを取り入れて持久力を上げたり、ヘルニアでウエイトができない分、自重を増やして筋力アップをしています」 ――大学生活において苦労はありますか。 「高校は授業と練習する時間がみんな決まっていました。しかし、大学は履修によってみんなの時間が変わってくるので、個人練習が大切になってくるのですが、そこの時間の取り方に苦戦したなと思っています」 ――インカレに向けて意気込みをお願いします。 「今年はトラック班が、もっと総合ポイントに絡めるようにして、チームに貢献できたらいいと思っています」 ――5選手とも、ありがとうございました! ◆文部科学大臣杯 第78回全日本大学対抗選手権◆トラック:8月25日~27日(TIPSTAR DOME CHIBA 250m)ロード:9月3日(長野県大町市美麻地区 公道周回コース 1周13.4km)READ MORE -
インカレ前哨戦 3種目で表彰台に立つ/全日本学生選手権トラック
自転車 2023.07.04トラック種目の学生日本一を決める今大会。タンデム・スプリントの野中龍之介主将(営4=法政二)・吉田唯斗(政経2=学校法人石川)ペアが2位に入る。さらに鈴木澪(政経1=松山学院)がスクラッチで2位、吉岡優太(政経4=取手一)がスプリントで3位入賞。各種目に8月末の全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)への期待を感じさせた。 ◆7・1~2全日本学生選手権トラック(伊豆ベロドローム)▼タンデム・スプリント野中・吉田――2位▼スクラッチ鈴木――2位片岡――4位小池――14位吉房――15位海老島――16位小久保――予選敗退▼男子スプリント吉岡――3位▼ケイリン野中――5位▼男子マディソン明大A(小池・海老島)――5位明大B(片岡・小泉)――9位▼1kmタイムトライアル小泉――8位 2人乗り用の自転車に乗って周回タイムを競うタンデム・スプリント。学生間の大会に限って行われるレアな種目だ。明大からは野中・吉田ペアが出場した。予選を3位で通過し、以降2ポイント先取制の準決勝では日体大と対戦。1回戦を先制するも「不意を突かれてしまった」(野中)と2回戦を落とす。それでも勝負の3回戦は「僕たちの得意の展開に持ち込めた」(吉田)。残り2周から一気に相手を引き離し、そのままゴールへ駆け抜けて決勝に進出した。しかし、中大との決勝戦は一転して「相手の方が一枚上手だった」(野中)。1、2回戦で立て続けに相手のポイントを許し敗北。試合後、目標の優勝は惜しくも逃したが「インカレに向けてもう一度頑張り直す」(野中)と、今大会を前向きに振り返った。 ゴール時点の着順によって順位を争うスクラッチ。明大からは6名が30キロを走行する決勝に出場し、中でもルーキーの鈴木が躍動した。レースは中盤、片岡遼真(法3=福井県立科学技術)を含む先頭集団が人数が集まるメイン集団に1周差をつける。鈴木はそれに数周遅れて先頭集団に追い付き、ここから順位争いは先頭集団の7名に絞られた。終盤にかけては「ラストに備えて脚を貯めること。残り4週は先頭で固めようと思っていた」(鈴木)。そして先頭集団を維持して迎えた最終ラップ。鈴木がスプリントを仕掛けて、最終コーナー時点でトップに躍り出る。ただ、ゴール寸前で車輪一つ分を相手に抜かれて惜しくも2位。それでも1年生ながら堂々たる走りを見せて表彰台に登った。本間滋監督も「臆することなく勇気を持って飛び出してくれた」と太鼓判を押す。高校時代には国民体育大会でスクラッチ優勝の経験もある期待の新人。今後の明大自転車部を支える存在となるに違いない。 スプリントに出場した吉岡は予選を3位で通過し、準々決勝も堅実に突破。しかし準決勝は「自分の展開にできなかった」と、相手の脚力に苦しめられた。1回戦を先取され、後がない2回戦も相手がわずかに上回り敗北。それでも3位決定戦は「準決勝で負けて、もう少し思い切った走りをしようと思った」。その言葉通り1回戦はリードを取り続けて勝利。2回戦も残り2周で一気に相手を引き離しそのままゴール。2本を先取してストレート勝ちで3位入賞。1年前の前回大会で負った腰のケガからの復活を、表彰台に立つことで証明した。 「インカレ前の一番大きな大会になるので、各種目で自分達の立ち位置を理解する意味もあった」(本間監督)。8月末のインカレに向けた前哨戦とも言える今大会。優勝こそ逃したものの、多くの種目で上位に入る活躍が見えた。インカレに向けては「総合優勝できるように、しっかりとチームとして取り組んでいきたい」(野中)。最後に真の日本一へ、チーム野中がいよいよ集大成を迎える。 [長崎昇太] 試合後のコメント本間監督――トラック班の活躍はどう評価されますか。 「トラックの中でも中距離が前半に結果を残してきていたので、マディソンなどは期待していた部分はありました。ベースの力はあるので、見込みがあります。今回はスプリントの吉岡が3位に入って非常にいい傾向です。故障が続いていたところが治ってインカレに向けてもいいところが目指せると思います」 野中――今大会を振り返っていかがですか。 「正直、この大会は優勝しか狙っていませんでした。予選で1位を取って、全部ストレートで優勝という目標として2人で頑張ってきました。しかし予選が思うようにかみ合わなくて3位でスタートしました。そして日体大を倒して、中央もこの調子でやろうって感じだったのですけど、実力不足で負けてしまいました。それでも他大との力の差を感じる大会になったので、インカレに向けてもう一回頑張り直そうかなというのが今の感想です」 吉岡――今大会の結果はどう捉えますか。 「(準決勝以降の相手は)全員がスプリント優勝経験者だったというのもありますけど、素直に嬉しいという気持ちと、もっとできたなと思いました。でも、大学に入ってから4年目で個人種目で表彰台ということなので、すごく嬉しいです」 吉田――インカレに向けて意気込みをお願いします。 「この競技はこのペアで出るか分からないですけど、それぞれの個人種目で優勝して、総合優勝していきたいと思います」 鈴木――明大に進学した理由をお聞かせください。 「元々、大学の練習が自由だなというイメージがありました。自分は自主練習が結構好きなので、自分でメニューを組んで、自分のメニューをやるということをやりたいなと思って明治に入りました」READ MORE -
雨の中健闘 林原が6位入賞/全日本学生選手権個人ロードレース
自転車 2023.06.16悪天候の中で奮闘した。コースは17周+1km、合計で154kmの長距離レースであることに加え、雨により路面状態も悪かった今レース。明大勢唯一の完走者である林原聖真(法2=倉吉東)は6位入賞を果たした。 ◆6・11 第38回全日本学生選手権個人ロードレース(奥木曽湖周回コース) ▼男子 林原――6位 ※永野、中川、鈴木は途中棄権 雨が降る中で始まったレースは早々に動きを見せる。序盤から他大の選手4名が逃げたため先頭と集団に分かれ、明大勢は追う流れとなった。「今回最初の逃げに乗れなかったっていうのは作戦としてちょっとうまくいかなかった」(本間滋監督)と当初のレースプランとは異なる展開に。それに加え、悪天候によってリタイアする選手が続出した。それでもチャンスを伺う中、残り6周で天野壮悠(同大)の声掛けにより周りの雰囲気が一変、集団のスピードが一気に上がる。残り1km、明大勢として残っていたのは山登りや厳しいコースを得意とする林原ただ1人。林原を含めた集団は、先頭の背中を着実にとらえていた。しかし「最後戦う足がなかった」(林原)。ここで最初の逃げに乗れなかった代償が回り、結果は6位に。だが、〝個の力〟で走り切る力があることを証明したレースとなった。 チームとしては3名以上の完走者を出して上位の成績を残したいところだった。他大のように出走者が多い方が有利ではあったものの、選手のコンディション不良などもあり明大は1、2年生4人で臨んだ。タイヤのパンクや落車などのアクシデントにも見舞われ完走者は林原1人のみとなったが「それぞれの持ち味を出してくれたと思う」と本間監督は選手たちを労った。この先には全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)が控えている。「優勝することを目標としている」と語る林原を始め、明大自転車部の躍進に期待したい。 [加藤菜々香]試合後のコメント本間監督ーー全体の出来高としては何点でしょうか。 「80点ぐらいにしときますか。こういった厳しい条件の中でしっかり走ってくれて、しかもシングルスコアっていうのは1人1人の成績であるんだけど、そういう意味でやっぱり周りのチームはやっぱり力があってこその勝ちだと思います」ーー今後の大会への意気込みをお願いします。 「このあと一番大きい大会として残っているのは大学対抗、インカレで、いい成績を残した去年を上回ることは難しいとは思うんですけど、力を持っている選手が多いのでその力を引き出せるようにサポートも含めてチーム一丸となり、戦っていきたいと思います」林原ーー今大会に向けて取り組んだことはありますか。 「オフシーズンから距離乗ってベースを作ってコンディションもある程度整えて、疲労を残さないってことだけやってました」ーーレース中に意識されていることはなんですか。 「今日は雨だったのでとりあえず落車のことは気をつけて、あと補給でエネルギー不足にならないようにってことです。」READ MORE -
林原3位 苦手なクリテリウムで活躍見せる/全日本学生選手権クリテリウム
自転車 2023.05.29明大から8名が出場した男子クリテリウム。林原聖真(法2=倉吉東)が2度のトップ通過により3位と表彰台に名を連ねた。昨年度、0ポイントに終わった小泉響貴(政経2=浦和北)は3ポイントを獲得し9位に食い込んだ。 ◆5・28 全日本学生選手権クリテリウム(大井埠頭周回コース)▼男子林原――3位小泉――9位小久保――17位片岡――21位永野――41位鈴木――51位吉房――61位 雲一つない青空の下で全日本学生選手権クリテリウムが開催された。1周7キロのコースを6周し、周回ごとのポイント制で争われる男子クリテリウムに明大からは8人が出場。その中でもひときわ目立つ活躍を見せたのが林原だ。「スプリント勝負ではポイントが取れないと分かっていたので、逃げて点が取れればと思っていた」。その言葉通り、1周目から逃げのレースを展開した。1周目の終盤、林原はタイミングを見計らい集団の先頭に躍り出る。そのまま逃げ切り、1位で通過し5ポイントを獲得。その後はレース中盤まで田村一暉(京産大)との激しいトップ争いを繰り広げる。「(意識は)していなかった。田村選手は僕と違ってスプリントが得意でそこで点を取ってくるので、僕は逃げて点を取るっていうのをいつできるかということだけを考えていた」。2、3週目のトップを連続で田村に奪われたものの、4周目には再び逃げのレースを展開し首位通過。4周目を終え田村を3ポイント差で追う2位に着けた。迎えた最終6周目。獲得ポイントが倍になる最終周で得点し逆転を狙いたい林原であったが、集団に付いていけず引き離されてしまう。最終周でポイントを獲得することはできなかったが、2度のトップ通過で合計10ポイントを獲得。3位に食い込み表彰台入りを果たした。「クリテリウムは苦手で点が取れると思っていなかったので、その中で3位を取れたのは素直にうれしい」。普段はロードレースを主戦場とし、上り坂や山岳を得意とするクライマータイプの林原だが、この日は専門外のクリテリウムで見事に結果を残した。 また、昨年度はポイントを獲得できず悔しい思いをした小泉は、3周目に3ポイントを獲得し全体9位。入賞にはあと一歩届かなかったものの昨年度からの成長を見せた。 春先から大会が続く中でコンスタントに結果を残している明大自転車部。昨年度、創部初の日本学生選手権(以下、インカレ)ロード総合優勝を果たした彼らが次に目指すのは、トラック、ロード合わせての真の学生日本一だ。「昨年度以上にチームの結束力が強いように思える」(本間滋監督)。インカレまで残り約3カ月、偉業達成に向けさらなるレベルアップを誓う。 [菅波陸哉] 試合後のコメント本間監督――今日のレースを振り返っていかがですか。 「林原にとってはクリテリウムは得意ではなかったと思いますが、不得意な種目で表彰台に登れたことは春先から全体的に水準が上がってきている証拠だと思います」 林原――今後の目標を教えてください。 「今後はロードレースで結果を出したいので、それに向けて頑張っていきたいと思います」 小泉――昨年度のレースとくらべていかがですか。 「昨年度は0ポイントでもがくことすらできませんでしたが、今回は自分の足を使って少しはもがくことができたと思います」 ――上位との差、今後の課題について教えてください。 「スピード差、トップスピードが全然違ったので、今後はトップスピードを上げる練習を重ねて誰も付いてこられないようなスピードをつけていきたいと思います」READ MORE -
3人が表彰台へ 順調に新体制の幕開ける/東日本学生選手権トラック
自転車 2023.05.096~7日、松本市美鈴湖自転車競技場にて東日本学生選手権トラック(以下、東日本インカレ)が開催された。濃霧が立ち込める悪天候の中、男子ポイントレースでは片岡遼真(法3=福井県立科学技術)が金メダルを、小泉響貴(政経2=浦和北)が銅メダルを獲得した。 ◆5・6~7 第62回東日本学生選手権トラック(松本市美鈴湖自転車競技場)▼男子4kmインディヴィデュアルパーシュート 海老島――11位▼男子チームスプリント 野中・吉岡・吉田――8位▼男子4kmチームパーシュート 小池・片岡・小泉・海老島――3位▼男子スクラッチ 小池――2位 鈴木――11位▼男子ケイリン 野中――4位▼男子ポイントレース 片岡――1位 小泉――3位 大会初日から明大の強さを見せつけた。男子ポイントレース予選1組目に出場した片岡は最終周の残り半周ほどからトップに躍り出ると、そのまま1位でゴール。全ての周回ポイントに関わり、2位と5点の差をつけて予選を通過した。続いて2組目に出場した小泉は昨年度の同大会で1年生ながら男子スクラッチ優勝を果たした実力者だ。「今年はポイント(レース)で1位を取りたいと思った」。レース中盤、小泉を含む先頭集団が後方集団に1周差をつける。これにより1ラップが認められ、20点を獲得。片岡に続き合計25点で予選1位通過を果たした。 大会2日目、明大の戦いは男子4kmチームパーシュートから始まった。最終周で隊列が崩れてしまうが見事3位入賞を果たす。しかし「東日本インカレの大会記録を塗り替えることが目標だった」(片岡)。高い目標を持って臨んだレースであっただけに、悔しさが残る結果となった。男子スクラッチに出場したのは小池陽斗(法4=北桑田)。残り11周になったあたりで前に上がり始める。残り8周から全体のペースがぐっと上がり、ラストスパートへ。「自分の脚質的に逃げよりもスプリントが得意なので、最後の着順勝負を意識した展開を作ろうと思った」。狙い通りとはいかず3位でゴールしたが、2位に入った松岡優馬(日体大)の降格により順位を1つ上げ、最終的に2位に落ち着いた。 「ずっと優勝したいと思っていた」(片岡)。男子ポイントレースには、初日の予選を通過した片岡と小泉が出場。深い霧の中レースが始まった。片岡は残り10周を切ると他の追随を許さぬ激走を見せ、集団を大きく引き離す。3~7回目の周回ポイントを回収し25点を獲得。最後は4位でゴールし合計27点と、2位に大差をつけて優勝を飾った。一方の小泉も健闘した。「片岡さんが一番強いなという感じだったので、片岡さんをマークしつつ、ポイントを取っていこうと思った」。周回ポイントを積み重ね、合計13点を獲得。見事表彰台入りを果たした。明大のワンツーフィニッシュはかなわなかったが、2位との差はわずか1点と堂々たる走りを見せた。 華々しい結果を残した選手たちだが、彼らはすでに次の舞台を見据えていた。8月末には全日本学生選手権(以下、インカレ)が控える。昨年度インカレロード総合優勝を果たした明大自転車部だが「トラック、ロードを合わせての総合優勝を目指さなきゃいけない」(本間滋監督)と日本一の栄光へ意気込みを語った。「自分は副キャプテンと長距離のキャプテンをやっているので、みんなのモチベ(モチベーション)だったり実力のアップだったりを強化して、よりインカレに向けて仕上げていきたい」(小池)。それぞれの目標に向け、さらなる高みを目指し続ける。 [上原朋子] 試合後のコメント本間監督――2日間の試合全体を振り返っていかがですか。 「団体種目で結果を残そうということで随分練習を積んできて、そういう意味では初日のチームスプリントで反則があり順位が下がったのは残念です。ただ、中身としてはしっかり走れている内容で調整の利くミスだと思いますので、その辺を修正してもらえればいいかなと思います」 小池――レース中に意識されていることは何ですか。 「自分の脚質を最大限生かせるような展開を作ることと、最大限生かすためにも、決勝は10kmあったんですけど、いかに足を休めるかという部分です。走っている中で足を休めて、でも行かなあかんところはしっかり先頭を引いて行くという感じです」 片岡――次の目標を教えてください。 「1週間後に全日本選手権があって、そこはナショナルとか代表の人とかいっぱいいるので大学生は挑戦者という立場なんですけど、優勝することが目標です。優勝できなくても魅せる走り、消極的じゃなくて積極的な走りをしたいです」 小泉――4kmチームパーシュートを振り返っていかがですか。 「練習で4分12〜4秒くらいは出ていたので結構自信を持っていたんですけど、やはり練習と試合というのは気持ちが違くて、少し落ち着き過ぎたっていうのもあるし、焦り過ぎたっていうのもありました。タイム的にもあんまり良くはなかったのでそこはみんな満足していないんですけど、でも自分たちが今本当に一番目指してるのはインカレでの優勝なので、しっかり一人一人の課題点が見つかったので良かったかなと思います」READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
昭和60年に創部された自転車部。少数精鋭で毎年全国レベルの選手を輩出しており、強豪校とも肩を並べる実力を誇る。主な大会は夏に開催される全日本大学対抗選手権や、年間の獲得ポイントで優勝を決めるRCS(ロードレースカップシリーズ)だ。 自転車競技は大きく分けて短距離と長距離の2種目がある。短距離のトラック競技は単に速さを競うだけではなく、ペース配分による駆け引きも見どころだ。長距離のロードレースはチームでの連携や周りの選手との協力がコース攻略のカギとなる奥が深い競技だ。自転車競技はまだまだマイナーではあるが、五輪種目に選ばれるなど注目を集めている。