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下級生の大健闘で驚異の完歩率96%をマーク!/第53回100キロハイク
ローバースカウト 2019.11.2653回目となる大学ローバー界の恒例イベント・100キロハイクが開催された。今年度は八王子ひよどり山キャンプ場から小平、大泉学園町、八幡山、二子玉川、町田、立川を経て都内を一周するコース。約100.6キロの道のりを24時間以内に完歩することを目指した。明大からは54名が出場し、うち52名が制限時間に完歩を達成。完歩率は全体が約70%の中、過去最高の96%をマークした。 ◆11・16~17 八王子ひよどり山キャンプ場~武蔵野神社(小平1団スカウトハウス)~さくら運動公園~玉川野毛町公園~布多天神社~町田市立陸上競技場~立川印刷所~八王子ひよどり山キャンプ場 雲一つない青空の下、第53回100キロハイクの幕が開けた。今大会は、前大会とコースが違い、八王子ひよどり山キャンプ場から東京都西部・武蔵野台地を一周。台地の土地柄、起伏の激しいコースとなった。特に後半は長い坂のアップダウンが激しく「夜中で時間帯的にも辛かった」(鈴木愛美・情コミ2=品川女子学院)。それでも、男女バディや数名グループでの歩き通しで行われ「バディや周りの仲間が支えとなった」(松田菜々・商2=明大中野八王子)。夏合宿(参照:https://meisupo.net/news/detail/12168)に引き続き、仲間同士のサポートは今大会でも大いに健在だった。 スタート前のスカウトたち スタート前は円陣を組んだ スタート直後のスカウトたち。この地点では笑顔を見せたが… 下級生が躍動した。翌日の午前11時、ゴール地点である八王子ひよどり山キャンプ場に再び赴いた。ちょうどスカウトたちが続々とゴールする時間帯であった。「完歩ができてうれしい」(鈴木泉純・理工1=東京学館浦安)と両手を上げ満面の笑みでゴールするスカウトもいれば、辛い気持ちから解放され涙を浮かべるスカウトも。その笑顔や涙からは「100キロを完歩できたという自信」(松田)もひしひしと伝わってきた。そんな中、下級生である1、2年生の完歩率は驚異の100%。この結果に遠藤裕樹主将(政経3=海城)は「次大会の全員完歩に大いにつながる」と太鼓判を押した。特に昨年度は全体22位であった相原怜央(政経2=淳心学院)は記録をさらに伸ばし、全体4位でフィニッシュ。前大会ではスタートから順調に進むも、途中75キロ地点で足を痛めスピードダウンした相原。そのため陰で自主的に苦労を積み重ねて、この大会に焦点を合わせてきた。「(昨年度同大会では辛くなった)75キロ地点は勝負の時だ」とヤマ場になりそうな箇所も具体的に設定。それだけに努力は報われ「結果に満足している」とうれしさを語った。 完歩を果たし抱き合うスカウト100キロの距離を夜通し歩いた疲れからゴール後は倒れ込んだ最後は遠藤主将を中心に円陣を組み、校歌を歌った 陰の努力人は主将を引き継ぐ。次大会は入賞の期待が高まる相原だが、自身は「個人的な目標を達成するよりかは、全員完歩のために支えになる」と意気込んだ。今年度は〝個を強くする〟をテーマに掲げていた明大ローバー。しかし来年度からは「強くなった個を結び付けて、全体として一致団結してほしい」と遠藤主将は新チームへの期待を述べた。仲間思いの相原は、先輩たちから受け取った襷(たすき)に応えるため、新たなスタートを切る。 [佐々木崚太] 大会後のコメント遠藤主将――今大会のルートはいかがでしたか。「前半は平坦が多いですが、辛くなってきた後半からアップダウンが多くなってくる形でした。CP辺りで山を一つ越えたりとかあったので、後の方で追い込まれる形なので、コースは辛い方に入ると思います」 相原――次大会は期待されます。「来年は次期主将なので、個人的な目標を達成するよりかは全員完歩という目標を掲げて、僕は一番後ろからみんなを支えていこうかと思います」 鈴木愛――前大会から成長したことを教えてください。「CP2から3くらいでみんなと別れてしまって、男女バディ組まなければいけないのですが、当時の2年先輩に全部地図を見てもらって、私は足を引きずりながら歩いていたのですが、ペースを合わせてもらって100%お世話になりました。今回はペアが1年男子で自分も先輩として少しはルートを見たりしました。最後の方はきつくて自分のことしかできませんでしたが、後半までは辛そうにしてる1年女子とも会話して楽しくハイクができるようにできたと思うのと、(前大会のタイムより)1時間半くらい時間が縮まったので、成長できたと思います」READ MORE -
8泊9日の野営生活 チームで育む愛/夏季合宿
ローバースカウト 2019.09.15前期の集大成として8泊9日で約140キロの道のりを歩き抜く。岩手県で行われた今年の夏季合宿のテーマは〝愛〟。「班それぞれの個性を生かし家族のようになってほしい」(田中篤志主務・政経3=戸山)。班から家族への過程を通してチームの在り方を探った。 ◆8・21~29 岩手県・花巻~北上~田瀬湖~遠野~茂市~宮古~浄土ヶ浜~姉ヶ崎 取材はハイクとしてはゴールにあたる8日目に行った。前夜からの大雨による警報が出ており、ピストン輸送でチェックポイント2からのスタート。当初の予定よりも約10キロ縮めた20キロの実施となった。 1、2年生6人で構成される班に班付きと呼ばれる3年生1名が見守り役として同行。筆者はチェックポイント3からゴールの6まで松下敬太(理工2=帝京大)率いる6班に密着した。 ゴールまで部員たちは紙の地図を読みながら進んでいく。2年生が中心となって読図するが、ローバー技術の継承も重要な課題。単に道を教えるのではなく、次の世代のために1年生を指導することも必要だ。黄色のTシャツがトレードマークの6班 道の歩き方は班によって大きく異なる。コンスタントに歩き続けられる班もあれば緩急付けて歩く班も。6班は上り坂が大得意だ。重いリュックを背負っていると後ろに倒れ込みそうになり体に負荷もかかるが「テンションを上げていきましょう」と声を出し、一層元気を出して上りきった。「目標を捉えました!」と叫ぶなり前方のほかの班に向けて走り出したのは谷村優太(情コミ1=中京大中京)。突飛ながらも彼の無邪気な行動に班員一同笑みが漏れ、ゴールへ向けて歩き出した。 そうはいっても連日の疲れは確実に体に跡を残している。膝のサポーターや湿布、包帯を着けた部員の姿が至るところで目についた。普段はたいしたけがにはならないまめや擦り傷も命取りになる。たまった疲労と休養の少なさで傷がふさがらず膿んでしまうことがあるからだ。そのため班員どうしでけがは悪化していないかと気を配り合っていた。 チェックポイント3を出発する6班 チェックポイント4は、宮古市の有名観光地である浄土ヶ浜だ。木々の合間から海が見えると部員たちは歓声を上げ、到着するやいなやリュックを下ろして海ではしゃいでいた。長くはない休憩を終えると、待っていたのは長い長い上り坂。足を負傷している松下班長と一番重い25キロのリュックを背負う千葉陽介(理工1=仙台一高)には特に過酷で雰囲気も重くなってしまうが、ここで活躍したのが女性陣だ。明るく合唱しながら先頭を歩いてタイムキーパーを努めた。班員がかわるがわる班を引っ張る6班を見つめ「部員としてうらやましいです」とこぼしたのは班付きの遠藤裕樹主将(政経3=海城)。実は昨年度の夏季合宿の際、遠藤が班長を務めた班はバラバラでのゴールになってしまい悔いが残ったという。その班員だった松下が班長を務める班は「誰かがきついときは誰かが盛り上げる、まさに目指すべき姿そのもの」(遠藤)へと夏季合宿を経て成長したのだった。 チェックポイント6のゴール間際、部員たちを濃霧が包んだ。もやのかかった暗闇の中、今日までの出来事を思い返すと「ゴールしたくない」と口々に話した。おもむろに手をつなぎ始めると、遠藤も呼ばれ一番端に並ぶ。3年生の幹部や先に到着した部員たちに囲まれてゴールテープを切るとみんなで肩を抱き合った。「去年の自分の班長だった先輩が、自分が班長を務める班で一緒に手をつないでゴールしてくれてぐっときました」(松下)。遠藤にとっては「3年間の中で一番のゴール」となった。 〝全員〟で一列に並びゴール 部員から家族への道は険しい。合宿を通して「理解の一歩先、共感のステージには達した」。しかし「何も言わずとも分かり合える〝家族〟にはまだなれていない」(遠藤)。ここ岩手で培った愛とこれから経験する100キロハイクなどの活動を通して、家族のような最高のチームをつくっていく。 [田崎菜津美] 完歩後のコメント平良仁志監督――今合宿の目的を教えてください。 「今年度から通年班なので班柄を深め班を充実することです。また、プログラム的に遠野の文化を学び、知ってほしいということです」遠藤――主将として合宿を振り返っていかがでしたか。 「最終日が近づくにつれ、班員は何が得意なのかという個性を班長が理解し、それぞれが一番生かせる場所に配置して最高のパフォーマンスをするように動かしている感じがしました。一つずつ歯車が噛み合っていきました」 ――6班の班付きとしていかがでしたか。 「昨年、写真撮影の時に、自分が班長をした班の班員だった松下が、泣いている2年の女子部員を優しく抱きかかえて写真を撮ました。その顔を見たとき大人になったと思いました。少し子どもっぽく楽しむところもありますけど、辛い経験を経て優しく包み込むところに成長と班長らしさを感じました。班長としての〝松下敬太〟になっていました」 田中――この経験を生かしてどのように活動していきたいですか。 「自分の都合ばかりで行動していると必ずどこかでつまずいてしまいます。それにいち早く気づいて、自己主張しすぎず相手に合わせて調整していくというのが一番の肝です。ちょっと違うなとかイライラすることがあったとしても、グッとこらえて他の人と合わせてやっていくという経験が今後、社会人になって役に立つと思います」READ MORE -
「班柄」探しの野営キャンプ 1日目に密着!/トレーニングキャンプ
ローバースカウト 2019.07.01天候不順の中、栃木県那須野営場でキャンプが執り行われた。本当の意味でアイスブレイクとなる今キャンプのテーマは〝芽生え〟。班員のことを知り、班の個性である「班柄」を出していけるかがカギとなった。◆6・22~23 那須野営場 初めのプログラムである開村式が行われる広場には、部員たちが円になって並んでいた。談笑している部員たちだったが、号令が掛かると雰囲気は一変。点呼ののち開村式が始まった。 1、2年生の5~7人で構成される8班が、それぞれ分かれて活動を開始。木々が生い茂るサイト地で、テント2張り(V6、家形)、タ―プ(日よけ、雨よけ)、立ちかまど、汚水穴をつくる。つくる順番や人の割り当ては各班それぞれだ。天気が優れない中「荷物が濡れないようにまずはテントを建てる」(清水紗英里・理工2=松山女子)と、雨が降った昨年度のキャンプ経験を生かした班も。立ちかまどづくりはバランスを取ってうまく立たせるのが難しい。「設計図は頭の中に入っているのですが、実際につくってみるとなかなかできない」(松下敬太・理工2=帝京大)と、計画通りにはいかないキャンプの大変さを漏らした。立ちかまどづくりには手を焼いた サイト地の設営を終え、後に残るのは夜飯の準備だ。大変なのは火おこし。新聞紙や枯れ葉、小枝などを用いるが、太い枝に火が燃え移るまでは安心できない。過密スケジュールのため時間は迫っている。火をおこす人、食材を切る人と役割を分担して作業した。「指示されなくても、先輩の姿を見て付いていくようにしている」(谷村優太・情コミ1=中京大中京)と、1年生も率先して動き、効率よく準備。しかし立ちかまどの火加減が難しく、なかなかお米が炊けずに焦る班も。木の皮を削って燃えやすくするなど工夫を凝らした。ようやく炊けたご飯は「コッヘルの味!」と鍋の金属の風味もしたが、それもキャンプでしか味わえないスパイスだ。熱々の炊き込みご飯とサーモンのホイル焼きに顔をほころばせた。雨の中の火加減には用心した 一日目は営火プログラムで締めた。キャンプファイヤーを囲んでスタンツと呼ばれる出し物を各班で行った。「ローバーはもともと楽しむ時は楽しむ、引き締める時は引き締めるという雰囲気」と遠藤裕樹主将(政経3=海城)が語るように、テント設営の時などの真剣な表情とは打って変わり、部員たちは笑顔をはじけさせていた。 年間のテーマは〝色〟。今年度から通年の班編成となるが「これから行われる移動キャンプを通して先輩後輩でコミュニケーションを取り合って、自分たちの班の色を見つけてほしい」(遠藤)と望む。背中で伝える3年生の心は確実に後輩に伝わっていたようだ。2年生のマッキン瑠奈(政経2=三輪田学園)は「1年生とともに成長していきたい」と意気込んだ。彩り豊かなローバースカウト部の今後の活躍から目が離せない。[田崎菜津美] 1日目プログラム終了後のコメント平良仁志監督――雨の中でのキャンプでしたが、いかがでしたか。 「ボーイスカウトだと雨の中の活動は基本であって、ここで楽しくできるかということが大切なので、そういう意味ではできたのではないかなと思います。それは班長中心に班のまとまりができていれば雨が降ろうが、雪が降ろうができると思います。班長中心にどれだけまとまっているか、それが大事だと思います」 ――今年度の3年生の姿は上級生としてどのように映りますか。 「昨年度は経験者がいたのですが、今年度は経験者が誰もいません。基本となるボーイスカウトの経験者がいない状況でも、見えないところでやってくれているので頑張っているかなという感じがします」 遠藤――1,2年生の様子はいかがでしたか。 「今年の年間テーマは〝色〟です。スタンツを見ても各班いろいろなことをやってくれていました。しかしスタンツは個性を出していましたけど、サイト地をみるとどこも似たような雰囲気が広がっていました。目に見える形でこの班はここが優れているとか、こういうところが得意なんだなとかがまだ見えていません。これから移動キャンプになるので、ザックを背負って、食料を持って先輩後輩で歩いての移動になります。その中でいろいろ話し合って、自分たちの強みを各班に見つけてもらって、自分たちの色が出る班を班長中心につくっていってもらいたいです」READ MORE -
〝死闘〟を制し完歩率90%超え!/第52回100キロハイク
ローバースカウト 2018.11.18今年で52回目の開催となった大学ローバー界の一大イベント・100キロハイク。都内各所に設置されたチェックポイントを軸に100キロのコースを夜通し回り、24時間以内にゴールを目指す。明大からは参加校の中でも最多の72名が出場し、うち67名が制限時間にゴールを達成。完歩率は94%と大健闘した。◆11・10~11 増上寺~行船公園~西新井大師~双百合幼稚園~池上本門寺~祐天寺~落合第二特別出張所~増上寺 小春日和の心地よい日差しの下、午後2時に大会の火蓋が切られた。100キロハイクを「1年で一番きつい瞬間」(川原田昌徳主将・理工3=中津南)と話しながらも、部員一人一人の顔には笑みが浮かび、余裕がうかがえた。明スポも最初のチェックポイントまで帯同させていただき、ローバー部員の歩く速さに圧倒された。男女のバディや数名のグループで歩を進めるのだが、そのスピードはまるで競歩だ。「普段のキャンプでは重い荷物を背負いながら歩くので、歩く経験値がつく。その力が出ているのかもしれない」(田中篤志・政経2=戸山)。横を次々と人が通り過ぎ、気が付けば最終集団にも抜かされていた。第1CP(チェックポイント)が設けられた行船公園までのおよそ12キロの道のりを、2時間かけて歩き切ったところでこの日の取材は終了。コースのわずか10分の1程度の距離だったが筋肉痛が生じ、靴擦れしたりと身をもってハイクの過酷さを実感した。「日が昇りかけた明け方頃が一番辛いので、それまでにできるだけ距離をかせぎたい」(竹村公太・理工3=錦城)。部員の方々にとっては序の口に過ぎなかった。スタート付近では余裕の表情を見せていた2人だったが…第1CPにて 翌日の午後1時、ゴール地点である増上寺に再び赴いた。そこでの光景は前日の晴れやかなものとは異なり、どんよりとした空気が溢れていた。すでに先頭集団の数名がゴールしていたが、寝不足を隠せずぐったりと寝込んでいたり、思うように動かなくなった足を引きずりながら歩いていたりと極度の疲労感が伝わってきた。そんな中、大会初出場の相原怜央(政経1=淳心学院)がゴール順位22位の好成績を残した。「40キロ辺りからきつかった」と、両足をつり転倒するアクシデントに見舞われながらも18時間で完歩。「自分の限界に挑んで目標をもって挑戦できたことは価値があった」と大会を振り返った。部員それぞれが目標をもって挑んだ今大会。疲れを隠せずにいた部員も閉会式が終わり、スクラムを組んで校歌を斉唱する際には達成感に満ち溢れた表情を見せていた。 どんよりとしたゴール地点最後は元気に校歌を歌い大会を終えた 組織の強さの表れだ。完歩率はここ数年で最高となる94%を記録。男女の先輩、後輩でペアを組むシステムを取り、縦の関係を生かしてサポートし合うことを目標にした。「バディの先輩がフォローしてくれた。それがなかったらゴールできていたか分からないので先輩の力は偉大だった」(藤原桃香・政経1=幕張総合)。辛い時には経験者である先輩が精神的支柱になることで脱落を防ぐ。組織として鏡とすべき姿が今回の100キロハイクに垣間見えた。 [丸山拓郎]大会後のコメント川原田主将――大会を振り返っていかがですか。 「完歩率を意識していたので、それに向けて1年生と2年生が頑張ってくれていたので後輩の頑張りはいいなと思います。あとは4年生に荷物の管理とか応援とか、かなりサポートしていただいたので、そのおかげで頑張れたのかなと思います」――今後の活動に向けての意気込みをお願いします。 「後輩に示しがつくような半年間にしたいです。残りわずかな時間ですけれども後輩から目指してもらえるような先輩像を築きたいです」清水紗英里(理工1=松山女子)――振り返りをお願いします。 「最初はCP3くらいでリタイアしようかなと思っていたのですが、ペアの先輩がすごいサポートしてくれて面白い話もいっぱいしましたし、コントの話とかで楽しませてくれて、辛くなったら話を振ってくれて気を紛らわせてくれました。一緒に歩いた方々のおかげでゴールできました」READ MORE -
全長125㎞の完歩へ ゴールの1日に密着!/夏季合宿
ローバースカウト 2018.09.15今合宿のテーマは〝統〟。この一文字には「一つにまとめる・つながりを持つ」という意味がある。8泊9日の夏季合宿、全員が約130㎞完歩という目標に向かってチームワークを高め、深いつながりを築いていくことを目的とした。◆8・29~9・6 岐阜・郡上八幡~下呂~飛騨高山~飛騨古川~飛騨神岡 8月29日、夏季合宿が岐阜・郡上八幡で始まった。部員全員が全長130㎞の道のりを完歩するという目標を立て、その中でより一層チームワークを高めていくことを最大の目的とした。最初の3日間は約60㎞を歩き通して、4日目で部全体の統一を図るプログラムを実施。「郷土料理プログラム」では野外炊事の基本技能の確認、「交流プログラム」では3年生と下級生との交流を図った。5日目からの4日間は再びハイクを予定していたが、6日目で台風が接近。予定変更を余儀なくされた。我々は台風が過ぎた翌日、約125㎞ハイクゴールまでの1日に密着した。合宿は下級生を中心に6月に行われたトレーニングキャンプと同じ班(6人で1班・全8班)に分かれての活動。班長は2年生の中から選ばれた。「班の雰囲気を握っている」(田中篤志5班班長・政経2=戸山)。今合宿では班長の重要さを徹底指導。班長の役割を重点に置いた。「(ハイクの)ペース管理が大変」(田中)と班長としての苦悩を漏らした。1年生は野外活動を体感し、野営技能や読図を磨き、最終日の入隊式を迎える。ここで初めて正隊員として認められるのだ。3年生は班付きとして歩きをともにする部員以外は、合宿が円滑に進むようサポートに徹した。 ハイクは約130㎞を予定したが台風の影響で予定変更、約125㎞となった。しかしそれでも長い。リュックサックにはキャンプのテントから炊事に使う道具一式まで、その重量は約20㎏。これを背負って100㎞以上の道のりを歩くのだ。約20㎏あるリュックサックを背負う部員たち 約125㎞ハイクのゴールの日である5日昼前、我々取材陣は飛騨国府駅近辺・桜野公園で幹部と合流。この日のスタート地点である上野平公民館から約8㎞の所だ。しかし部員らは疲労の顔を一切見せず、むしろ笑顔でポイントに到着。我々にも元気にあいさつしてくれた。配布された昼食を取りながら休憩。休憩中も部員らは和気あいあいだ。中には発表された春学期の獲得単位やGPAの話題で大盛況。「疲労が顔に出てくるのはこれから」(寺戸涼主務・理工3=明大中野)。山場はまだ先だ。笑顔で到着した2班 ポイント2から3は、高山の奥座敷・飛騨古川の古い街並みが続く。飛騨の歴史、自然を体感することも今合宿の目的である。ここ飛騨市古川町は「瀬戸川と白壁土蔵街」が有名。小川を沿って並び立つ白壁土蔵街を通って、三つ目のポイントである古川祭広場へ。ここでは十数分の休憩を取る。小川を泳いでいる鯉を見ながらの一休みだ。飛騨の観光地を歩き終えた4班 ポイント3から4は市街地から外れ、田園風景に。しかしポイント4から5の道のりで待っていたのは約4㎞にわたって続く険しい坂道。筆者も実際にこの道を5班に追従して歩いてみた。最初は話をしながら歩けた。しかし次第に疲れがたまってきたのか無言状態に。それでも何とかポイント5へゴール。筆者は何も持たずにこの坂道を歩いたが、部員は全員、約20kgのリュックサックを背負ってのハイク。彼らの忍耐力に脱帽した。だが、さすがに部員にも疲労が出てきたのか「(部に入って)今が一番つらい」(鈴木愛美・情コミ1=品川女子学院)と一言。ゴールまであと6㎞、もう少しの辛抱だ。 六つ目のポイントであるタンナカ高原の水を通り、ゴールのひだ流葉オートキャンプ場へ。3年生の幹部たちがゴールテープを班別のTシャツを結んで作り、下級生のゴールを待ち構えた。最初にゴールしたのは5班。ゴールした瞬間は満面の笑みを浮かべた。しかしその後は抱き合ってうれし涙。3年生も一緒になって泣いた。「私たちも1、2年生を見てると自分たちが頑張った頃を思い出すしね」(柴垣美希・情コミ3=三輪田学園)。そして次々と班がゴール。みんなで泣いて笑って、ゴールを締めくくった。ゴールテープを切る瞬間ゴール後に抱き合って泣く部員たち 9日間の日程のうち、たった1日だけの密着。そこで筆者が感じたことは、チームのすばらしさだ。メンバーが全員同じ目標を目指して協力し、最後は皆で抱き合って泣き、そして笑う。チームの理想像だ。結果を争うものではないが、チームの大切さを一際理解している。ローバースカウト部の魅力はまさに〝かけがえのない深い絆〟だ。 [佐々木崚太]アルバムはこちらから→https://meisupo.net/album/detail/10ハイク終了後のコメント平良仁監督――振り返りをお願いします。「コースとしては久し振りに厳しいコースでした。その中で1年生を中心に頑張って歩いてくれました。2年生は班長という役職を与え、班長に班員6人をまとめろと強く言って、今回はそれをしっかりやってくれたと思います。ゴールでは1年生が泣くことが多かったのですが、今回は2年生が多く泣いていた。ということは自分が班長として歩くだけでなくて、まとめる、これはやり切った感じだと思います。2年生は成長しました。(2年生は)3月から幹部になるのでそういう意味では成果が上がりました」川原田昌徳主将(理工3=中津南)――主将から見たこのキャンプはどうだったでしょうか。「予定と違う移動となったのですが、全員達成感に満ち溢れた表情をしてくれていましたし、縦のつながりも横のつながりも感じてくれたと思うので、個人的にも良かったと思います」――今後に向けての課題をお願いします。「やはり80人近くいる組織で野営をしているので、計画段階における準備っていうのはすごく重要になります。ですので今回みたいな天候と想定以上の災害が起こる場合も加味して、より一層の準備と部員全体のより深い縦と横のつながりっていうのを深められるようにしていきたいと思います」READ MORE -
2日間の野営活動に密着!/トレーニングキャンプ
ローバースカウト 2018.06.22今キャンプのテーマは〝継(つぐ)〟。新入生にとっては明大入学後初めてのキャンプだ。上級生が下級生にキャンプで必要な知識や技能を継承し、今後の活動の基盤を作ることを最大の目標とした。◆6・17~18 那須野営場 正午すぎにキャンプ地の那須野営場に到着後、まずは開村式が行われた。正装を着用した部員が広場へと集まり、厳かな儀式を挙行。国旗の掲揚、連盟歌の斉唱、監督、主将の挨拶という流れで進行した。国旗掲揚を任された阿部裕貴(文1=東京学芸大付)は「国旗を地面に付けないよう注意した。緊張したけど、しっかりとできてホッとしている」と、大勢の部員が見守る前で大役を果たしたことに安堵(あんど)の表情を浮かべた。部員一同、真剣な面持ちで臨んだ ここからいよいよ班の活動がスタート。下級生6名で1班を構成、全部で8班に分かれた。各班には『班付き』と呼ばれる3年生が1人ずつサポートとして付く。その他の3年生は主に運営側に回った。各班それぞれのサイト地でテントやタープ、立ちかまどの設営を開始。「テントやタープは少しでも角度を間違えると雨漏りしてしまう」(石津寛子・情コミ3=明大中野八王子)。立ちかまどの形や大きさも班によってさまざまだ。「上級生に教わったやり方がそのまま引き継がれるため、その人なりの造り方になる」(高輪真悟・文3=明大明治)。この日は夕方から雨が予報されていたため、設営には細心の注意を払いながら生活の拠点を設けた。わずかな誤差が〝命取り〟になってしまう もちろん食事も自炊だ。最も重要になる火起こしだが「火が全然点かない!」と焦る班も。息を吹き込んだり、うちわをはたきながら風を送ったりと様々な工夫を凝らす。点火して一安心と思われたスキにもトラブルが発生。誤って鍋をひっくり返ってしまい、炊いていたコメを地面にこぼしてしまう班に遭遇した。「キャンプあるあるですよ(笑)」(筒井颯大・営2=一宮)と苦笑い。出来上がったご飯を口に運びながら「やっぱり外で食べるご飯は一味違いますね」(宮本和征・理工1=静岡)と普段とは違う環境での夕食を堪能した。どの班も火起こしには慎重だった 夕食後、本来はキャンプファイヤーを行う予定だったが、この日は雨空のため屋根付きの広場で「スタンツ」と呼ばれるレクを開催。各班で考えたネタや劇を披露し場を盛り上げた。全員が笑顔を見せ、笑い声が響く。「昔に比べて部の雰囲気は明るくなりましたよ」(平良仁志監督)と、学年の枠を超えて楽しむ姿から部員同士の仲むつまじさが見られた。 前日と打って変わって晴れ空に恵まれた翌朝。食事後に朝礼を行い、2日目の一大イベントであるパイオニアリングへ。くぎを一切使わずに資材とひもだけを用いる野営活動ならではの作業で、今回は3グループに分かれて巨大な信号灯を作成。木材の運搬や木々の接着、組み立てや採寸などを分担。2時間半ほど経つと徐々に完成形へと近づいた。「せーの!」と大きな声を掛け合いながら5メートル近い塔をゆっくりと建て上げる。「みんなで協力して一つのことを成し遂げると達成感がある」(宮本)。やり切った部員の表情からは充足感がうかがえた。完成した信号灯を立ち上げる瞬間 たったの2日間だったが、書き切れないだけのドラマがあった。筆者が強く感じたのはローバースカウト部も〝体育会〟であることだ。キャンプを行うに当たっての計画をはじめ、当日の運営、設営や調理といった一つ一つの作業を部員が組織的に協力して行う。今キャンプの責任者を務めた竹村公太(理工3=錦城)は「どれだけ協力できるかが重要。我々はキャンプを通じて一つの社会を築いている」。競技として順位を決めるわけではないが、そこには〝チームプレー〟が確かに存在していた。 2日間の日程を終え川原田昌徳主将(理工3=中津南)は「キャンプにおける創意工夫は1日にして終わらない。ここから色々なことに気が付いてほしい」と部員へのさらなる成長を期待した。ローバースカウト部の活躍はここからが本番だ。 [丸山拓郎]アルバムはこちらから→https://meisupo.net/album/detail/7キャンプ後のコメント平良監督――2日間部員をご覧になっていかがですか。 「まあまあできていたのかなと。1年生は初めてだし、その割には頑張っていました。今回は2年生が初めて班長、次長としてやるキャンプでね。まあその班長を中心に意識して上手くまとまってましたよ。3年生も計画書通りに頑張ろうとやっていたのは伝わりましたね」――まだまだ部員に求めたいものはありますか。 「内容的にもっと上にいかなきゃいけないかな。ボーイスカウト的にも技能とスカウト精神の向上を。まだまだ経験が浅いからね。他の体育会が上の大会を目指すように、我々も高い水準を求めていくように頑張ってほしいかな」川原田主将――2日間を振り返っていかがですか。 「今回は0から1にするためのキャンプだったのですが、部活動の雰囲気だったりとかそういう代々伝わる伝統とかを1年生にも伝えられているのならいいかなと思いますね」――非常にメリハリがあるなと感じました。 「キャンプをしている部活なので楽しくないキャンプなんてやる意味はないなと思っていて、僕ら自身が楽しんで、身に付けるときにはしっかりと身に付けるっていう。オンオフの切り替えを大事にするようにしてます」READ MORE -
完歩率80%と健闘 最高成績は上原の5位/100キロハイク
ローバースカウト 2016.11.22今年も年に一度行われる大学ローバー界の一大イベント・100キロハイクが行われた。今年でちょうど50回目の節目で、東京都の西から東に渡って設置されるチェックポイントを24時間以内にめぐり、夜通し100キロを歩き切るという過酷な大会だ。明大の最高成績は上原華(農2=九段中等教育学校)で、女子全体の5位。天候にも恵まれ、明大ローバースカウト部の完歩率は昨年の55%を大きく上回る80%と、堂々の成績を残した。 仲間との助け合いが励みになった。参加者400人のうち、明大からの参加者は75人。全体の参加者のうちの多くを明大ローバースカウト部が占めていたため、コース上で仲間に会う機会もしばしば。しかし、ゴール後には参加者の多くが倒れ込んだり、体調不良になったり、想像をはるかに超える過酷さがある。女子全体5位の上原も昨年はリタイアしており、今年も「何度も諦めそうになった」。しかし、そんな中で支えになるのがバディだ。男子は1人で進む人もいるが、女子はくじ引きで決まったバディと組んで歩かなければならないのがルール。「途中辛かったり眠かったりで会話少なくなるんですけど、しっかり話していた」と上原。辛い時も声掛けでお互いを励まし合い、ルート選択や休憩のタイミングなどバディ間の協力が重要となっていた。また、今大会を迎えるにあたり、部員たちは前期からハイキングを行い、夏合宿では50キロずつ2回に分けて歩くなどシミュレーションも行ってきた。初参加の1年生には先輩が歩き方のコツや持っていくべきものを伝授することで、今年は1年生の完歩率も上昇。さらに、「後輩から逆に声を掛けられて励まされながら歩き切った」(水谷百花主将・営3=明大明治)と1年生も先輩を後押し。それぞれが助け合う、学年を超えたチームワークを感じさせる大会となった。 「目的はそれぞれが自分の限界に挑むこと」(水谷)。途中リタイアしてしまった部員も含め、全員が自分の持っている力を存分に生かし限界に挑んだことが重要な意味となる。青年育成を目指すスカウト活動の中で数少ない順位を競う今大会。それでも根底には他者との競争よりも自分の限界と戦うこと、そして己を知ることを一人一人に促す目的があった。今回はその目的が達成され「みんなが頑張ろうっていう気持ちが今年は高かった」(水谷)。完歩率も去年より大きく上回り、素晴らしい結果で終えることができた。[相澤日向]水谷「私は3年目なので、昨年おととしと完歩しているので今年も完歩してやろうという気持ちで臨みました。100キロだと途中で足が痛くなってしまうので、みんなそうだと思うんですけど、そこからいかに気持ちで歩き切るかっていうところが大変でした。部としては前期にもハイキングを何回かしたりとか、夏合宿が合宿全体で100キロ歩くというものなので、それでトレーニングをしました。あとは試走という形で、本番と同じようなコースを50キロずつ2回に分けて2日間歩きました。(100キロ歩くのは)毎年この100キロハイクだけです。一回やると一週間くらい身体が動かなくなるので、なかなかできないです。もちろんトレーニングも大切なんですけど、長距離になってくると自分の気持ちで歩き切れるかどうかで決まってくるので、周りで励ましあったりとかがとても大切だと思います。今年明大ローバーから75名参加して、400名中75人なのでかなりの人数なんですけど、コース上で会ったりするのでそういうのが励みになってたと思います。当日の声掛けとか、みんなで頑張ろうという雰囲気が大切だと思います。今年も完歩ができて安心してるっていうのと、今年明大ローバーの完歩率が80%で、全体から見ても高い方なので良かったと思います。みんなが頑張ろうっていう気持ちが今年は高かったかなっていうのと、普段週に1回ミーティングやってるんですけど100キロハイクの話を今まではそこまでしてなかったんですけど、何回かに分けて『こういう風にした方がいい』とかアドバイスを先輩から後輩に言ったりという機会があって、それが良かったのかなと思います。持ち物は公式なものがあるんですけど、それ以外に靴下をこれくらい持って行った方がいいとか、そういうのって先輩から聞かないと分からないので。あとは歩き方のコツとかを伝えられたから、後輩も歩き切れたのかと思います。(1年生の完歩率も)今年は高いかなと思います。もちろんできなかった人もいるんですけど、それぞれが自分の限界に挑むっていうのが目的なので、それぞれ頑張っていたから目標は達成できたのではないかなと思います。今日はずっと晴れてたんですけど、昨日は最初少し小雨で。昨年は土砂降りだったので、今年は天気が良かったです。自分自身も歩くので精一杯だったので、後輩から逆に声を掛けられて励まされながら歩き切りました」上原「男女込みで400人が大会に参加していて、男女別で順位がつきます。(5位となったが)昨年はリタイアしてしまい、今回は順位とか全然意識していなくて、ただひたすら歩く感じでした。ペアの子と途中でリタイアしてしまい、その子の分まで頑張ろうと思っていて、何度も諦めそうになったんですけど、ペースを崩さないようにバディの人とひたすら歩きました。最初に遅れをとってしまい、明大の中でも相当後ろにいることは分かっていました。そこからペースを上げて歩こうってして、そのペースを一旦落とすともう上がらないだろうなって思って速いペースでずっと歩いいました。坂道とかもペースを落とさないで、休憩とかもしちゃうと足が固まっちゃうから。ひたすら夜通し歩くので前日はいつもより早い時間に寝て、しっかり睡眠時間を取るようにしました。この部では100キロハイクは毎年恒例の行事で、去年完歩できなかった分、今回は絶対完歩したいって気持ちでした。でも全然対策ができなくてすごい不安だったんですけど、気持ちでやり切りました。去年は体調管理ができていなくて、風邪気味でマスクをしながら歩く形になってしまいました。それで途中で足も動かなくなっちゃって、口数も少なくなってしまい67キロぐらいでリタイアしました。それでバディの方に迷惑をかけてしまいました。バディは毎年くじ引きで決まっていて、昨年とは違う人と組みました。最初4人で歩いていて、あとは3人でずっと同じペースで歩き続けました。2年生の女子は3年の男の先輩と組まなくちゃいけなくて、あとは2年の男子の同期の子と歩いていました。でも、ちゃんとみんな役割があって地図を見る人だったり休憩をどこで取るかとかを組んでる人たちと話し合えたこともよかったです。話は耐えないようにして楽しく歩いていました。途中辛かったり、眠かったりで会話が少なくなるんですけど、しっかり話していました。(来年は何位狙いか)今回は全然順位を狙っていなかったけど、良い順位が取れたので、超えられたら超えたいです。次は3年で最後の年なので、良いタイムでいきたいです。来年はちゃんと対策もしたいです。でも、順位にこだわらず、楽しく歩けたらと思います」READ MORE -
福島県新地町で復興支援活動行う/新地町奉仕
ローバースカウト 2016.08.11東日本大震災からの復興を目的とし被災地での奉仕作業を行った。連日の炎天下の中、福島県新地町にて地域の祭りのボランティアや子どもたちとふれ合うデイキャンプを敢行。50人以上の部員が地域住民と交流し汗を流した。 6日には今年で第6回を迎えたやるしかねぇべ祭が開催された。震災からの復興を狙い開かれているこの祭り。ローバースカウト部が参加してから3年目となった今回のボランティアでは、おもちゃを作って子どもたちとのふれ合いを図るブースを開いた。またゴミ拾い、トイレ掃除といった清掃活動や警備活動など与えられた役割でそれぞれが懸命に作業をした。エコステーションでゴミの分別などを担当した佐藤正太(総合2=国学院)は「(新地町は)被災地で気持ち的に沈んでいる部分があったと思う。小さいボランティアだけど、このボランティアを通して笑顔を少しでも多く取り戻せたら」と言う。震災から5年、今年12月に最寄りの鉄道路線区間の運転再開が予定されているなど、新地町はまだまだ復興途上。沿岸部には被災地としての光景も色濃く残る。それでも今回の活動を通して部員の多くが感じたのは地元住民たちの活気だ。「地元の方のほうが元気で、私たちがそれを見て『頑張ろう』となるくらい」(木下春香・情コミ3=南平)。「今年もみなさんすごい生き生きとしていて元気をもらえる」(小竹若奈・農2=佼成学園女子)。やるしかねぇべ祭の盛況ぶりは、ボランティアをする側にも元気を与えてくれたようだ。7日、8日にはデイキャンプを開催。様々なプログラムを通して地元の子どもたちと交流を深め、新地町奉仕を終えた。準備や後片付けなど奉仕活動には大変なことも多いが「人の優しさや笑顔を感じられるところがやりがい」(佐藤正)。9月に予定されている気仙沼での奉仕活動でも、たくさんの笑顔と出会えるはずだ。READ MORE -
雨中の100キロハイク 悪天候も完歩率55%の好記録/100キロハイク
ローバースカウト 2015.11.202日間にわたって100キロハイクが行われ、明大からは68名が参加。うち38名が完歩した。普段はボランティアや奉仕活動など競争とは離れた活動に勤しむローバースカウト部員だが、この日はそれぞれの限界に挑戦。100キロにも及ぶ果てしない道のりを歩んだ。 悪天候も充実の大会を過ごした。100キロハイクとは港区増上寺をスタートし東は葛飾区から北は練馬区、西は大田区まで、都内7か所に設置されたチェックポイントを巡って24時間以内に再び増上寺まで戻ってくるという過酷な大会だ。今年は大会中に雨が降りしきる悪天候。参加者たちを悩ませた。「常に足が濡れていて、止まると寒いとかでみんな大変だったと思う」(相馬さと子・農4=青山)。しかしその中でも道中の応援部員やОBなどがタオルや菓子を差し出すなどサポートもあり、明大ローバーの完歩率は55パーセントを記録。38名の部員が自らの限界を乗り越え、100キロを歩き切った。「誰しもが歩いている間に限界を感じることがあるので、その限界を超えて成長できる場がこういうふうにあるというのは幸せ」(髙島尚行主将・情コミ3=清瀬)。達成感に満ちた表情で今大会を総括した。 相馬が女子2位入賞を果たした。ジョギングとウオーキングを交互に繰り返し16時間49分の好記録でゴール。それまでのベスト記録である17時間を割るタイムに頬を緩めた。「やっぱり何回歩いても筋肉痛になりますし大変さはあるんですけど、それもひっくるめて楽しかった」と相馬。最後となる4回目の出場に、自らの好成績で花を飾った。[原大輔]大会後のコメント髙島主将「100キロハイクは今年で3回目です。1年のときは100キロ歩くということが初めての経験だったのでひたすら先輩に引っ張ってもらって完歩するのがやっとという感じでした。(タイムは)21時間くらいでした。今大会は最初の年より30分くらい早かったと思います。バディ制なので、自分のペースよりかは相手のペースに合わせて歩くという感じでした。明大ローバーは記録を狙うというよりは完歩の方に重きを置いていて、もちろん速い人は記録を狙ってもらって。でも遅い人に記録を狙わせるとかはなくてまずは完歩を狙わせる感じです。2年目にすごく余裕があったので今年も余裕があるかなと思って、今大会はその余裕を他の人に与えて1人でも完歩できる人を増やそうかなと思い臨みました。今回一緒に歩いた人は完歩できたのでその点は良かったかなと思います。お互いに意思疎通を取りながら歩きました。今回は雨という状況だったので完歩率はすごく低くなるかなとはおもっていたのですが、去年歩けなかったけど今年は歩くことができたという人もいたので、もちろん雨の影響もありましたけどみんな一生懸命やってくれたのでよかったです。事前に会場の下見とかトレーニングとかを自主的にやってもらっている部分もあって、普段体力が無いというふうに思われている部員が地道に努力を重ねて今年やっと完歩ということになった人もいたので、そこは部員の力を感じました。ゴールした直後はほっとしたというか、いくらサポート役に回ってタイムが遅くなったとしても、主将は完歩しないと顔が立たないと思うので、足の状態とかすごい悪かったですし、ここだけの話前日不安で寝れなかったのでその中で完歩できたのは僕自身ほっとしました。今回は普段体力がないと思われているような部員が主体的に参加してきてくれたおかげで部全体にもその空気が広がって、みんなのやる気が出たという部分は少し感じました。100キロハイクってもちろん基礎体力も重要なんですけど、やはりみんな限界を超えて歩いたり走ってたりするので気持ち的な部分はかなりでかくて、もちろん自分より体力のない人が完歩して自分より体力のある人が完歩できなかったという事例も結構毎年見られることで、そういう人にとってはすごく悔しい経験になるし、逆に元帰宅部の子がトレーニングもなしで完歩したというのを聞くと誰でも完歩できるのかなと思うんですけど、その時のコンディションとかもありますし、完歩できなかった人にとっては悔しい思いになるので、昨年完歩できなかった人が今年は完歩したというのはそういう悔しい思いをしたからという部分があるのではと思います。日頃競うということから縁の遠い部活なんですけど、自分の限界に挑戦して、誰しも歩いている間に限界と感じることがあるので、その限界を超えて成長できる場がこういう風にあるというのは幸せだなと思います」相馬「今までの結果を上回って自分の納得できる結果を出したいというのと、明大ローバーでいい結果を出せたら他の団体の方に明大ローバーを見てもらったりできると思ったので、明大ローバーが目立つためにも頑張りたいなと思っていました。去年の優勝者が15時間くらいで完歩していたのでそれくらいを目標にはしていたんですけどもそれには届きませんでした。今日は16時間49分で2位でした。自分の中では一番いい結果ではあったのですがあと一息だったかなという結果です。今年の優勝者は14時間でぶっちぎりの1位だったので全然だめでした。毎年ながら大変さはあったのですが今年は同期がわりとサポートに回ってくれたりしていてすごく快適に歩けました。ジョギングと歩きを交互に繰り返してという感じでした。今まで雨降る大会もあったんですけどどこかで止んでいたんです。ですが今回は期間中ずっと降っていたので常に足が濡れていて、止まると寒いとかがあったのでみんな大変だったと思います。今年は現役の頑張りが印象的でした。明大の中では自分が一番でした。ゴールした瞬間は自分の一番速い記録が17時間で、それを超えるというのが一つの目標ではあったのでうれしいのとホッとしたのと、という感じですね。負けてしまったのは悔しいですけど。バディの方とか出場していない他の部員とか、他校のOBの方とかに道中で支えてもらったりしました。声をかけてもらったりすることもそうですし、ちょっとしたお菓子とかをくれたり、雨が降っていて荷物を少なくしているのでタオルを持っていなかったんですけど、そういうのを用意してくれたりだとか、そういったところですごく助けられました。ゴールしたのは朝の6時49分です。ゴールしてから出場していない同期がおめでとうと言いに来てくれたりしました。4回目で最後だったので悔いなく終わろうとして、悔しさとは別に考えて悔いはないかなという感じはあるので、全力を尽くしたかなと思えます。楽しかったかなと。出られてよかったです。やっぱり何回歩いても筋肉痛になりますし気持ち的にも長いなと思ったりもあるので大変さはあるんですけど、まあでもそれもひっくるめて楽しかったなと思います」READ MORE -
世界最大のスカウトの祭典行われる/世界スカウトジャンボリー
ローバースカウト 2015.09.264年に1度のスカウトの祭典が開かれ、ローバースカウト部の部員13名が運営スタッフとして大会に携わった。44年ぶりの日本開催となった今大会は世界152の国々から3万3838人が参加。12日間にわたって開催された今大会では様々なプログラムやイベントを通して文化交流をした。 13名のローバースカウト部員は大会運営スタッフとしての参加。セーフティ部門や大会長サポートチームなどいくつかの部門に分かれて職務に当たった。セーフティ部門の遺失物を取り扱う場所では慣れない英語を駆使し海外の人とコミュニケーションを取るなど、懸命におのおのの事務に取り組んだ。「世界大会」とはいえ、何かを競ったり順位を決めて争うわけではない。交流のために多額の費用、多くの時間をかけて世界から約3万人もの人が集う特殊な大会だ。髙島尚行主将(情コミ3=清瀬)も「友人に世界大会に行ったと言うと、どうやって1位決めるのとか聞かれるのがほとんどだった」と笑う。世界スカウトジャンボリーとは、異なる国籍、人種、宗教、文化…。さまざまな人たちが交流し、理解を共有する。交流によってそういった現代の諸問題について考えたり行動を起こしたりする。つまりスカウトとしての誇りを持ちながら国際交流を図る大会なのである。 セントラルストリートというメインの道路には無数の参加国の国旗がはためく。平和を強く印象付ける光景だ。和の精神がテーマである今大会。部員にも平和についての気付きがあった。髙島が「印象的だった」と語るのは信仰奨励エリアでキリスト教やイスラム教、仏教の信者が共存していたことだ。「ニュースを見ていると仲が悪いのかなと思っていた。実際はあんなに狭いスペースでお互い尊重し合って生活できるのだな」。井田響子(農3=長生)も良いイメージがあまりなかったというシリア人との交流で「実際に話してみるとフレンドリーに話すことができて、国のイメージを一概に決めてはいけないと思い知った」。同じことで笑い合うことで平和を実感。閉会式では参加者全員で世界平和を願った。「こういう人たちが主体となって世界を良くしていくことができる」。この大きなスカウトの祭典は、平和への新たな発見を与える大きな経験となった。その一方で厳しい現実もあった。参加者同士の大きなトラブルもなく無事8月8日に閉会したが、閉会後は3万人近くの参加者が残していったゴミを有志十数人で片付けた。明大からも髙島を含めた4人が参加したが「いくらボランティア好きでも辛かった」(髙島)と言うほどのゴミの山。1000個単位で放置された生卵など、圧倒的な量のゴミを前に「世界平和とかを願って閉会して、これだけの人が動けば変わるんじゃないかと思った矢先、裏側はやっぱりこういうこともあるんだなと思ったら残念」(髙島)。この経験からゴミに対する意識も変わったという。「自分でできる範囲で、心に余裕があるときに少しでもやろう」(髙島)と、これを機に日常生活からそういったささいなことに目を向けるようになった。 貴重な経験を今後につなげる。水谷百花(営2=明大明治)は「みんな色々な国に対して偏見を持ってしまっていると思うが、それがジャンボリーを通してなくなった」という。実際に触れ合うことで自らとは異なるコミュニティに所属する人への理解も高まった。5年後には東京五輪も開催される。海外から多くの人が集まるため、ボランティアの協力は不可欠なものとなるであろう。ローバースカウト部員が今大会で得られた気付き、経験が平和の祭典にも生かされるはずだ。[原大輔]READ MORE
アルバム ALBUM
部の紹介 INTRODUCTION
1924年に創部され、実に90年以上の長い歴史を持つローバースカウト部。部員数は例年100名を超え、大学ボーイスカウト界において最大の人数を誇る。主に奉仕活動と野営活動の二つを軸に幅広い活動に日々励んでおり、奉仕活動では被災地の復興にボランティアとして参加。集団でのキャンプ活動を通しては「精神的、体力的、社会的」に成長することを目標に掲げている。毎年秋に行われる100キロハイクでは数年連続で80%以上の高い完歩率を記録しており、部としての成長も著しい。今後の新たな挑戦からも目が離せない。