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(6)闘志を燃やす男たち、春に向け飛躍誓う
バドミントン毎年レギュラー争いが加熱するこの時期、今年は実力派ルーキーの参入でその熱はさらに激しさを増している。そんな中、ルーキーの勢いに待ったをかけるのはこの男たち。ダブルスを組む藤原理人(商3)と中嶋諒太(法3)の2人だ。1年の時からレギュラーとして試合に出場できない悔しさを味わってきた。今季、不安定な立場からの脱却を目指し飛躍を誓う2人の素顔に迫る。 全体練習後、最後までコートに立ち続ける藤原。下級生を相手に、練習とは思えない気迫でスマッシュを打ち続ける。本格派の1年生も加入し粒ぞろいの今年の男子。その中で、藤原がリーグ戦の激しいレギュラー争いに名乗りを上げた。 藤原は自他共に認める負けず嫌い。負けた試合の後には1人反省会を開くほどだ。しかし毎回自分の課題を見つめ直すことで、着実にスキルを上げている。そんな彼の座右の銘は「継続は力なり」。勝つためには努力を惜しまない。「後輩に負けるのは絶対に嫌」と、今日も黙々と練習に励む。 プレーの持ち味は「粘り強く攻めて、相手の嫌なところを突く」ところだという。オフシーズンは基礎体力の向上を計り、プレーの幅を広げることに成功した。努力の男が狙うのは春季リーグでのレギュラー定着。後輩にレギュラーの座を渡すまいと努力を惜しまず、大きな成長の可能性を秘める藤原が、悲願の1部昇格へとチームを引っ張っていく。◆藤原理人 ふじわらまさと 商3 水島工高 167cm・55kg[紅谷春那] 「小1の時から飽きない、楽しんでいる」と穏やかな笑顔で話す中嶋は、バドミントンというスポーツ自体が大好きだ。そんな中嶋だからこそ、これまでの2年間をあっという間だったと言うのも無理はない。 明治に入ってからはレギュラー争いが激しく、試合に出場できない日が続いた。それでも「早く試合に出たい。でも強い先輩がいるし、実力が伴っていないから仕方がない」と自分を納得させて練習に励んできた。その後着実に力を付け、2年生の秋季リーグの試合に出場する機会を得ると、藤原とのダブルスで危なげなく勝利。「2部は戦える」と自信を持った。監督からもOBからも評価を得て「もう簡単には負けられない」と周りからの信頼に応えようとしている。 今季から強力ルーキーの参入で、さらに激しさを増すことが予想されるレギュラー争い。「今の時期にやれることをやる。今年はきっちりやって悔いないようにする」。ルーキーの存在を意識しながらも、今自分のやるべきことをきちんと見据えている。 中嶋のプレースタイルは、スマッシュを打って低い展開に持っていく形。1年の時から組んでいるダブルスの相方、藤原とは「以前はわからなくなるときがあった。最近は目標も一緒なのでコミュニケーションがとりやすくなった」。お互いの欠けている部分に苛立っていたころとは違い、今はお互いが精神的にも成長したことで息が合う名コンビとなった。 目標は「トップダブルスで出て全勝すること」だ。そのためにも普段から1部の球を意識して練習。来季2部で安定したプレーを見せることはもちろん、1部昇格の原動力としても期待が懸かる。まずは今季レギュラーを勝ち取り、3年生として存在感のあるプレーを見せてほしい。◆中嶋諒太 なかしまりょうた 法3 福岡大大濠高出 173cm・68kgREAD MORE -
最終回 チームのため、闘う男たち
バドミントン4月19日の今日、ついに春季リーグ戦が開幕した。チームへの思い――この思いを誰よりもコート上でぶつける2人の選手がいる。代重拓郎(政経4)と中口竜郎(商4)だ。彼らは4年目の今年、最高学年としてプレー、精神の両面からチームを支えている。『バ道』最終回では、彼らのバドミントンに懸ける熱い思いに迫る――。 「冷静」、「落ち着いている」。チームメートが持つ代重のイメージだ。しかし、本人の心情はそれと裏腹である。「本当にシャイな性格。緊張して自分のプレーができないから、気持ちを強く持ちたい」と試合中は声を出し、少しでも緊張をほぐす。そして持ち味の高いジャンプ力から、豪快なスマッシュを大胆に決めていく。「どんなに疲れてもいいから、持ち味をしっかり出していきたい」。全てはチームの勝利のため――、そのために代重はシャイな自分を大胆な自分へと変えていく。 今でこそチームのために自身を奮い立たせる代重だが、1年次には部を辞めるか悩む時期があったという。自分より強い上級生に、練習してもなかなか勝てない現状。「やっていてもつまらなかった」と、バドミントンの楽しさを見失いかけた。だが、「今ここで辞めたらこの先、何やってもうまくいかない気がした」。辞めることを思い留まり、また練習に励む日々。その努力は実を結び、いつしか実力で上級生にも勝てるようになっていった。再びバドミントンの楽しさに触れた代重。この経験は彼に、あきらめないことの大切さを教えてくれた。 「バドミントンは試合の時は個人戦だけど、明治はみんなが声を出したりして助け合ってやっている。それが明治のいいところ」。だからこそ、代重はチームのためにシャイな自分を捨てて戦う。「泥臭い試合もいいけど、スマッシュで決めれば試合は盛り上がる。チームを盛り上げられるようなプレーをしていきたい」。最後まであきらめない気持ちとチームを思う気持ちが代重の原動力となっている。今季も代重の大胆でダイナミックなスマッシュ音が、コート上に響くだろう。◆代重拓郎 だいじゅうたくろう 政経4 帝京安積高出 170㎝・65㎏ 練習後の体育館で、いつも見る光景がある。下級生に丁寧にプレーのアドバイスをし、下級生に囲まれ談笑する中口の姿だ。「中口は後輩の面倒見が良くて、ムードメーカー」(増渕主将・法4)と、彼の周りには常に笑顔が絶えない。下級生とのやりとり一つ一つに、後輩思いの一面を垣間見ることができる。「下級生にはプレーのアドバイスはする。だけどあくまでプラスアルファで、決めるのは本人。意見を押し付けたくはない」。後輩を思い、決して無理強いはしない。それこそが中口が慕われ、いつも明るい輪の中心にいるゆえんだ。 試合でも中口が下級生をはじめ、チームを引っ張るムードメーカーぶりは変わらない。不動のダブルスエースとして次々とポイントを奪い、中盤でチームに勢いをもたらす。2年次の春季リーグ戦、3年次の秋季リーグ戦では最優秀選手賞に輝いた。しかし、そこにはいつものように穏やかに笑っている中口の姿はない。試合中は表情が一変する。闘う男とでも言うべきか、闘志がにじみ出ている。 1年次からずっと上級生とダブルスを組んできた中口。自分の方が年下だからといって、意見に妥協することは一切しない。昨年の秋季リーグ入替戦。試合中、中口は意見の食い違いから当時の4年生に対し声を荒げ、自分の意見を主張し、正面からぶつかっていった。「相手が上級生であっても言うときは言う自分の意見と一致しなければ意味がない」。そう力強く答える姿からは勝利への執念、熱い思いがひしひしと伝わってくる。試合には負けてしまったものの、春季リーグ入替戦で0-2と完敗した強豪・青学大から、価値ある1セットをもぎ取った。その1セットが、中口のバドミントンに懸ける思いを何よりも証明していた。 4年生となる今季、初めて下級生とダブルスを組む。普段は笑顔で明るく、試合中は熱く下級生を引っ張ってくれることは間違いない。中口が持つ二面性――正反対ではあるが、そこには確かにバドミントンに対する溢れんばかりの情熱がつまっている。その情熱こそが、チームをも揺り動かすだろう。ダブルスエース・中口の、大学生活最後の戦いが今日始まる。◆中口竜郎 なかぐちたつろう 商4 岡崎城西高出 172㎝・56㎏READ MORE -
(7)「最上級生の存在感」
バドミントン上級生は大変だ。自主性を重んじる明治のバドミントン部は特に、選手が自ら練習メニューを考え、実施する。みんなが楽しくできるように、誰もがしっかりと技術力の向上ができるように意識しながらメニューを考え、練習中も雰囲気をつくる。 しかし4年生女子は1人、皆川だけ。「上級生になると周りを見なくてはいけないし、メニューを考えるのも1人。責任感が付きました」。1人で女子をまとめなくてはいけない重圧を抱えながらも「自分がやる気を出して、見せていかないと下の子を引っ張れないから」と明るく元気にチームを盛り上げる。 昨年2部降格を経験した女子の今年度の目標は「1部昇格、そして1部定着」。「体力ももちろん大切だけど、向かっていく気持ちも大切。受け身じゃなくて攻めていかないと」。2部では簡単に勝てても、1部では勝てない。昨年そう実感したからこそさらなる成長を求め練習にも気合いが入る。 そんな皆川に自らの弱点を聞くと「楽しみすぎてしまうところ」と笑いながら答えた。「練習とか、何でも楽しくやって盛り上がっちゃうんですよね。楽しいのはいいんですけど、もう少し緊張感も持たないと(笑)」。女子で唯一の最上級生となる皆川だか、その顔は常に笑顔。「大変なときとか、メニューとかは、女子は1人ですけど男子がいますから。男子に相談します」。男女の仲が良いのも明大バドミントン部の特徴。 女子唯一の最上級生、皆川は1人でまとめることに責任を感じながらも、練習は楽しく、盛り上げる。◆皆川美穂 みながわみほ 文 埼玉栄高出 153cm 「飲み会で一番盛り上げるのは福森ですよ」(皆川)。明るい髪を揺らしながらコートを動くのは、チームの中でも盛り上げ役の福森裕(理工4)だ。ふだん取材に行っても口数が少なく、話を聞こうと思っても「おれはいいっすよ」と飄々(ひょうひょう)としている彼だが、チームの中では明るく、いつも場の盛り上げ役になっている。 週に3回は行く飲み会でも、下級生ではなく盛り上げるのは常に福森。「ムードメーカーってやつです。盛り上げるのがうまいんですよ」(皆川)。練習でも打ち上げでもチームの中で盛り上げるのは下級生ではなく最上級生の福森だ。 そんな福森に今年の目標を聞くと「2部優勝。1部昇格」とはっきりと言った。「自分の代がしっかりしていないと、下がついてこないから」。しっかりと目標を持ち、チーム全体を見て、プレーでも練習でも、いつでも盛り上げ役としてチームの中心にいる彼。最後に読者に一言。「好きです」。 大学生活はあと1年。本学バドミントン部として活動する時間はさらに短い。その短い時間で彼ら最上級生がチームを盛り上げ、1部昇格へ導いてくれるか今後が期待される。◆福森裕 ふくもりひろし 理工 福岡大附大濠高出 162cm・62kgREAD MORE -
男女共にまず1勝/春季2部リーグ戦
バドミントン男女共に1部昇格を誓うリーグ戦。新レギュラーで初めての大会だったが、圧倒的な強さを見せ、順調に1部への一歩を踏み出した。READ MORE -
快調2連勝!/春季2部リーグ戦
バドミントン本学は、男女共に危なげなく2連勝を果たした。2部全勝優勝へ向け、チームの士気は高まっている。READ MORE -
全勝優勝に向け好発進/春季2部リーグ
バドミントン1部リーグ昇格のため男女共に全勝優勝を目指す今大会。久々の公式戦とあって緊張を感じる選手も多かったが、男女共に勝利を挙げ優勝へ好スタートを切った。 1日目、男子は第1シングルスに注目ルーキー・田渕(文1)が出場。長身を生かした鋭い角度のスマッシュで相手を圧倒し、あっさりと1セット目を奪った。しかし相手の4年生エースも意地を見せる。2セット目中盤以降、田渕は相手のネットプレーに苦戦しフルセットの末に敗北。「経験の差が出た。けどこれを糧に大学リーグのテクニックを身につけてほしい」(村野監督)との監督からの期待に応えるように、2日目は第2シングルスで勝ち星を挙げた。 また2日目には小野寺(法1)が同じ高校出身の成田とダブルスを組み、息の合ったプレーを見せた。 1日目、2日目共に男子は増渕主将(法4)を中心に次々と勝利を挙げ、昨年度優勝の貫禄を見せ付ける。幸先のいい結果となったが、「優勝ばかりを意識してると足元をすくわれると思うから、一戦一戦大事に戦おうと思う」と冷静に増渕主将は語った。 女子は1日目は、第1シングルスの石川(文2)がフルセットにもつれこみ苦戦したが、スタミナが切れた相手のスキを突き接戦を制した。第2シングルスの鈴木(商3)がミスから自滅してしまったが、それ以降はストレートで勝利。 続く2日目は、昨日の不安を払いのけるかのような、勢いあるプレーで石川、鈴木がストレートで圧勝。またダブルスエース・秋山(文3)富永(法3)ペアは連続ポイントを重ね、昨年のスランプからの完全復活を見せた。2部リーグでは飛び抜けた存在だといえるだろう。 「このままいけば、特に女子は1部昇格のチャンスが十分ある」(村野監督)。2部優勝、さらに目標の1部昇格のためにこれからも負けが許されない試合が続く。来週以降の戦いからも目が離せない。READ MORE -
接戦ながら黒星/春季2部リーグ
バドミントン3日目、リーグ戦が中間地点を迎えた。女子は勢い変わらず快勝するも、男子は今季初の黒星。明日巻き返しを狙う。READ MORE -
優勝の可能性残し、最終日へ/春季2部リーグ戦
バドミントンリーグ戦の佳境を迎えた4日目、女子は鈴木(商3)が惜しくも競り負けたが、他は実力を見せ付け圧勝。一方男子は前半の2ゲームを落とすも、ダブルスを中心に巻き返し接戦を制した。READ MORE -
無敗の女子、士気高まる男子、共に2部優勝へ/春季2部リーグ戦
バドミントン会場を神大体育館に移して行われた3、4日目、いよいよリーグ戦は佳境を迎えた。明治はこれまで男女共に2連勝し、勢いに乗っている。 3日目、女子の対戦相手はホームの神大。相手が大勢の応援を背にして向かってくるも、明治は石川(文2)や鈴木(商3)のシングルスで難なく快勝。3ゲーム目の秋山(文3)・富永(法3)ペアは本調子ではないものの、実力の差を見せ付けた。続く皆川(文4)・村山(農2)ペア、南出(商2)はストレートで勝ち、次につながる1勝となった。 男子は、千葉商科大と対戦。増渕主将(法4)が両校エース対決で「技術じゃない。主将としてのプレッシャーに負けた」と1ゲーム目を落とした。2番手の田渕(文1)は、悪い流れを断ち切るかのように鋭いスマッシュで競り勝つも、リーグ戦負けなしを誇る藤原(商3)・中嶋(法3)ペアが接戦をものにできず敗北。続く成田(法2)・小野寺(法1)ペアはチームが息をのんで見つめる中、死闘を繰り広げ「次につなぎたいという気持ちだけだった」(小野寺)と価値ある1勝を挙げた。その思いを託された代重(政経4)は、1セット目こそ簡単に取られたものの、10点差をつけられた2セット目を怒涛の追い上げで奪取。しかし健闘も空しく、最後は千葉商科大の勢いに負け、痛い1敗を喫した。 4日目、男女共に東海大と対戦。女子は鈴木が2ゲーム目を落とすが、その他のメンバーは安定した力で明治に流れを引き寄せた。全勝優勝に不安要素はない。最終日へ向け「絶対勝ちます!」(南出)と宣言する表情は自信に満ちていた。 男子は前日の悔しさをぶつけるべく、絶対に負けられない一戦に臨んだ。前日とオーダーを変え気持ちを切り替えようとするが、田渕、代重がシングルスを落としてしまう。明治に暗雲が立ちこめる中、成田・小野寺ペアの気合いが明治の空気を変えた。押されていても攻める気持ちを忘れない2人が1勝を挙げると、そこから一気にチームの士気も高まった。小野寺の「盛り上げよう」という声をきっかけに、応援も最高潮。その力を背中で感じながら、藤原・中嶋ペアが渾身のプレーを見せると、増渕主将は「不思議とプレッシャーは感じなかった。燃えていた」と気迫あるプレーを見せた。最後まで緊迫した展開が続いたが、主将の意地で相手を圧倒し貴重な白星を挙げた。 最終日4月29日、いよいよ決戦だ。女子は東女体大に勝てば2部優勝。一方男子は、神大に5-0で勝てば優勝が見えてくる。白熱する戦いに注目だ。READ MORE -
男女共リーグ優勝!/春季2部リーグ戦
バドミントンついにリーグ戦最終日。男女共にチーム力でリーグ優勝を決めた。5月4日、運命の入れ替え戦に挑む。READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
バドミントン部は2017年に創部70周年を迎えた伝統のある部だ。主な大会としては、春秋年2回開催され大学ごとに単複のチーム戦で競う関東大学リーグ戦や、関東学生選手権。そして秋季リーグ後に控える大学の頂点を決める全日本インカレなどがある。
〝最速のスポーツ〟と称されるバドミントン。トップレベルの選手になるとスマッシュの初速は400km/hを超える。しかし鳥の羽が使われているシャトルの軽さによって速度は急激に低下する。速度の緩急差が激しく、緊張感が漂うプレーもバドミントンの魅力であり、見る者を魅了してやまない。